藤原章生の作品一覧
「藤原章生」の「ギリシャ危機の真実」「差別の教室」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
差別が悪いことだとは誰もが判っている。幼い頃から差別が悪い事だと誰かに教えられた訳ではない。何か学校の授業や親から学んだというよりは、自然とそういう知識が入ってきた様に思う。今でも同じ、私だけでなく大半の人がそれが悪いと判っているし、日本人だけでなく、中国人だろうがアメリカ人だろうがイギリス人、ロシア人、誰もが判っているはずだ。だが、ほとんどの人は知らず知らずのうちに誰かを差別している。生まれてこの方誰も差別した事が無いと言い切れる人は、そうはいないんじゃ無いだろうか。かくいう私も「差別は悪い」と言いながら、小学生の頃には、見た目だけで人にあだ名を付けたり馬鹿にして泣かせてしまった事もある。そのせいで反撃を喰らって、クラスの半分から無視された事もあるから、結局差別も被差別も経験してきた。きっと人は自分と違う見た目(主には肌の色に代表されるが)、違う言葉、違う考え方の人に対して、何か得体の知れない恐怖を感じ取り、自然とそれらと自分を別物として扱う様に、生物学的にはなって(しまって)いるのだと思う。そして自分と同じもの同じタイプを味方と認識して仲間意識を持つのだろう。そうなると同じ物同士がグループで別れて、そこに自分たちの方が優位に立ちたいといった感情、自分たちの安全や安心を守りたいといった様々な感情が湧き上がって、益々隔たりが大きくなる。きっとその様な流れが差別の最も分かりやすい成り立ちなんじゃないかと思う。あくまで私の考えではあるが。そうした中でやがて世界を知り差別(特に歴史に残るような人種差別)を知り、相手の悲しみを知り、自分自身のそうした経験も加わり、自然とそれ(差別)に嫌気がさして、それをいけない事だと誰もが理解する。
グローバリズムと言われ世界がつながった(逆行する流れもあるが)現代。街には肌の色も言葉も違う人々が普通に行き交うようになった。行き過ぎたグローバリズムは批判の対象にもなるが、彼ら違う人々との交わりからは学びを得ることができ、彼らを深く知ることは差別意識が減少していくきっかけを作る。その反動で自国第一主義が世界を包んでいくと、またどこぞやの大統領のように、国境に壁を設けて排除•差別する社会がやってくる。世界はそうして繋がりと分断を繰り返して、その中でも生まれてくる世界との情報の交わりが差別を無くす一つの要因になってくれると良い。差別を学ぶのではなく、人を学ぶ。この言葉の意味をよく理解できる一冊だ。
Posted by ブクログ
[震源地から扉は開くか]世界的に注目を集めた欧州経済危機の発端の地となったギリシャと、それに続くと一部から目されてしまったイタリア。その両地を取材する著者が、危機の影響と今後の社会の行く末を、有識者とのインタビューを通じながら論考した作品です。著者は、毎日新聞の記者を務める藤原章生。
経済危機(そして近接する時期に起きた東日本大震災)からどのような社会的教訓が得られ、どのような未来が描かれるかということを筆者なりの視点でまとめており興味が持てました。資本主義の限界を指摘するその考えに賛同するか否かは別としても、読み手に市場や経済について様々に考える機会を与えてくれる一冊だと思います。
ギリシャやイタリアの(少なくとも一部の)人々が自らの「危機」をどう捉えているかというのが感覚的に伝わってくるのも本書の魅力の1つ。本書を読む限りでは、イタリアとギリシャの間には危機の捉え方についてずいぶんと大きな差異があるなと感じられ、とても意外に思えました。なお、ギリシャの経済情勢を経済的・統計的に分析した本ではないのでその点はご留意を。
〜ここ地中海圏が、扉を最初に押し開こうとするだろう。〜
結構変わった本でした☆5つ