作品一覧

  • 新装版 幸福の王子
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    ※この電子書籍は固定レイアウト型で配信されております。固定レイアウト型は文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「どの作家にも、この一作を書き終えたら死んでもいいと思う作品があるはずである。 もし私がオスカー・ワイルドなら『幸福の王子』はその作品だ。 この作品は世界の文学史の中できらりと光る頂点に立つ作品であることは間違いない。 (「あとがき(曽野綾子)」より一部抜粋)
  • 人間の基本(新潮新書)
    3.9
    人生を無駄にしないために必要な足場、それが人間の基本である。末端ばかりを大切にする時代にあって、それがなければ、周りに流され、やがては自分を失い、死んでしまうこともある。ルールより常識を、附和雷同は道を閉ざす、運に向き合う訓練を……常時にも、非常時にも、どんな時代でも生き抜くために、確かな人生哲学と豊かな見聞をもとに語りつくす全八章。
  • アラブの格言(新潮新書)
    3.7
    神、戦争、運命、友情、家族、貧富、そしてサダム・フセインまで――。素早く、簡潔に、かつ深くアラブ世界を理解するには、彼らの世界の格言を知るに限る。「追う者と追われる者は、共に神の名を口にする」「一夜の無政府主義より数百年にわたる圧政の方がましだ」など、古来より伝承され数多ある中から530を厳選。そこに加えられた著者独自の視点、解説によって、鮮明に浮かび上がる「アラブの智恵」とは。
  • 二月三十日
    -
    1巻792円 (税込)
    西アフリカの苛烈な大地でのイギリス人宣教師の理想と現実の狭間での苦悩と闘いを記した「二月三十日」(表題作)。他に、かつてブラジルで活動していた日本人の老修道女をブラジルの地に連れて行くなかで、彼女の当時の活動を考える、義父の面倒をみつつも息子のこととなると素直に心を近づけられない女など、それぞれの人生と心の有り様を描いた13の短篇小説。 心にガンガン響く。秀逸。
  • 新装版 自分の始末
    値引きあり
    -
    1巻499円 (税込)
    20万部突破のベストセラー、待望の新装版! ≪人生を「楽しく」畳む知恵!≫ 「私たちは一瞬一瞬を生きる他はないのだから、その一瞬一瞬をどう処理するか、私はずっと考えて来た」――(本書まえがきより) 【特別収録つき!】 ・心がけひとつで、おもしろく自由になれる ・毎日料理をすること、時々旅をすること ・「負の財産」を尊重する ・「退屈すること」の偉大さ  ・病気を宣伝しないこと ・「世間が」ではなく、自分のしたいことをする ・一日に一つだけ積極的に物事を片づける  ・孤独とのつきあいかた  ・一生の思い出はくだらないものでいい ・終生、謙虚であること……etc. 【目次】 1 定年後を輝かせる「新たな仕事」 2「不純」の大いなる効用 3 どうすれば運命を使いこなせるか 4 現実を受け止められないとき、行き悩むとき 5 問題は「どう生きたか」 6 人生の思いがけない「からくり」を知る 7 遠距離「世間」のすすめ 8「自分の時間」を管理する知恵 9 ささやかだけれど贅沢な生き方 10 自分なりの「始末のつけ方」
  • 人間の目利き アラブから学ぶ「人生の読み手」になる方法
    4.3
    ・「ここ数年の私の本の中でも会心作!」「この本を知っている限りすべての政治家や財界人に送って読ませたい」と曽野綾子さんが語るほど、納得の一冊に仕上がりました。 ・砂漠の民であるアラブ人は、自分たちのテリトリーを守るために、危機管理能力、他人との交渉術に長け、人を見抜く力=人間の目利きが、どこよりも傑出した人々です。 ・この人間は信用するに足るかを見抜く目/自分の考えを押し通して、相手を動かせてしまう交渉力/危機を察知し、遠ざけるリスクマネジメント能力/クライアントと揺るぎのない関係をつくる人間力、そして部下、ファミリーを守る包容力/老人の知恵を尊重する高齢化社会対応の生き方/「インシャー・アッラー(神のみぞ知る)」の究極のポジティブ・シンキング……これまであまり知ることのなかったアラブの民の賢くたくましく生きる知恵を一般実用書としても役立てるように構成しました。 ・自身、サウジアラビアをはじめ、数多くのアラブ諸国を旅して、関連著書も多い曽野氏と、エジプト考古学の第一人者の吉村作治氏が縦横無尽に「アラブに学ぶ人生の目利き」となる方法を語り合い、1970年の大ベストセラー「日本人とユダヤ人」にも匹敵する生き方指南書「日本人とアラブ人」の完成となりました。
  • 愚痴のすすめ
    -
    1巻1,540円 (税込)
    「物事には表も裏もある」ということを前提に、本音でぶつかることの大切さを徹底的に説く。ただ、それで変えられることもあるし、変えられないこともある。不都合が起こったら、たまに愚痴るのも悪くない。日常の些細な出来事をベースに人の生き方をシンプルに問う一冊。2016年に刊行された『さりげない許しと愛』(海竜社)を元に大幅に加筆修正いたしました。
  • 増補改訂版 誰にも死ぬという任務がある
    -
    1巻1,650円 (税込)
    「最近、私は死ななければならない。私には死ぬという任務がある、と思うようになった」「人には最後に必ず負け戦、不当な結果を自分に与える戦いが待っている。それが死というものだ。負け戦は一回でいいという考え方もあるが、たった一回の戦いでもうまく処理するには、いささかの心の準備は要る、と私は思うのである」死は遠ざけるのではなく、備えるもの――。「曽野流死学」の真髄が詰まった名著に、夫である作家・三浦朱門氏の在宅介護と看取りを鮮明に綴った日記を併載!〇老人は自己責任で自然死を選ぶべき時代が来ている〇ものごとは軽く、自分の死も軽く見る〇この世に醜い未練を残さないこと〇晩年はひっそり生きて、静かに死ぬ〇最後に残るのは、財産でもなく名声でもなく愛だけだ〇「死んで死に切れる」人生とは?
  • 今日も、私は生きている。 世界を巡って気づいた生きること、死ぬことの意味
    -
    1巻1,540円 (税込)
    92歳になる著者が、これまで数多くの国や地域を巡って実感した「生きること、死ぬこと」の本当の意味とは? 富める人、貧しい人、キリスト教徒、イスラム教徒……それらの出会いで知らされた「勝ち負けのない人生」を説く。これまでの価値観を問い直す、背筋が伸びる名エッセイ集。
  • P+D BOOKS 神の汚れた手 上・下巻 合本版
    -
    1巻1,375円 (税込)
    待望の合本版!! 舞台は三浦半島の小さな産婦人科医院。主人公の医師・野辺地貞春のもとには、不妊治療や出産、中絶と、さまざまな苦悩と不安を抱えた人がやってくる。“仮性半陰陽の男性”と診断された女性、やっと懐妊した子がダウン症と診断された夫婦、眼球なく生まれた赤児、そしてその静かな死――。 主人公が日々直面する数々の患者の実態を描いて、人間誕生の意味とその神秘に鋭く斬り込んだ衝撃の問題作の上下合本版。
  • 幸福は絶望とともにある。
    3.5
    1巻1,540円 (税込)
    自身の経験にもとづく問題提起を行ってきた著者が、閉塞状況の日本に一石を投じるエッセイ。 1997年から2000年に毎日新聞、産経新聞などに掲載したものをまとめて単行本化した書籍の改装版。 生の出発点を見失っていないか 受けるより与える方が幸いである 人間は一筋縄ではいかない 人間の不純な哀しさ、優しさ、香しさ 人間が人間になるために 人生の美学に殉じるために など
  • 人生は、日々の当たり前の積み重ね
    4.0
    1巻880円 (税込)
    夫の三浦朱門が亡くなって2年が経つ。知り合いには「私は同じ家で、同じように暮らしております」といつも笑って答えている。見た目の生活は全く変わらないが、夫の死後飼い始めた2匹のネコだけが、家族の数を埋める大きな変化である――老後の日常と気構えを綴るエッセイ集。 ●母も夫も亡くなった今、私は監督される人もいないから、思うままに暮らすことにした。生まれてこの方味わったことにない自由の境地である。猫を抱いたまま、「二人」で眠ってしまうこともある。 ●与えねばならない仕事があるということは幸せなことだ。それがないと「自分がしてもらう」だけの立場になり、運動能力、配慮、身の処し方、すべてが衰えてくるだろう。 ●人間は与えられているものの価値は、すぐに忘れるか、評価しない。しかし「ないものを数えるより、あるものを数えたほうがいい」という幸福の極意は忘れないようにするべきだ。そして更にあるものを増やしていけば、日本人は幸福な国民になれるはずなのである。 ●死期だけは、人間の分際で介入してはいけない。治癒するために一応努力してみて、その結果はもはや「人間業」ではないのである。だから人間は、その個人として最も適切な年齢に死ぬようになっている。その自然な運命を乱すのが、事故と戦争だから、この二つの社会現象だけは起こさないように、社会は努力すべきなのである。 ●私が常に人生で「最悪」を想定して生きるようになったのは、自分を守るためだったのだと思う。現実が想定していたより幾分でもマシであれば、絶望せずにすむからだ。それに、しょせん人生なんてその程度のものだと、私は思ったのだ。完全なんてありえない。何かがいつも欠けている。どれかを諦め続ける。それが私の人生だろうと、考えるようになった。
  • 納得して死ぬという人間の務めについて
    4.0
    1巻836円 (税込)
    「死」というものについて日本人が真正面から対峙せず、避けて通ろうとしてきたことに、私は長い間馴染まないでいたーー。 幼い頃からキリスト教で死を学び、13歳で終戦を迎え、3人の親を自宅で看取ってきた著者が、夫の最期の日をまたいで2年間、対峙し綴ってきた「死ぬ」という務めとそれまでを「生きる」ことについて語り尽くす。 文庫化にあたり、阿川佐和子と内藤啓子による対談を収録。
  • 少し嫌われるくらいがちょうどいい
    4.2
    1巻1,540円 (税込)
    シリーズ累計22万部突破! 今すぐ「いい人」をやめなさい。人間関係の煩わしさほど、人生を豊かにするものはない。人間関係はむずかしい。それだけに稀にうまくいった時の嬉しさは貴重だし、うまくいかなくて当然の苦しみが、私たちの心を柔らかなものにする。自身の体験をもとに記した「人生百年時代」を歩むための21の道しるべ。
  • 思い通りにいかないから人生は面白い
    値引きあり
    5.0
    1巻407円 (税込)
    ≪大好評の痛快エッセイ、待望の文庫化!≫共感の声、続々!人生の大切な気づきと示唆がこんなに!読むたびに心が満たされ、人生の質が自然に高まる本●読めば心がスカッと爽やかに豊かになる、人生の極意!・人は必ず誰かに好かれ、必ず誰かに嫌われる・「火宅」が私を鍛えた・努力が報われない時、どうするか・人は苦しみの中からしか、ほんとうの自分を発見しない・すべては善と悪の中間にある・生き延びる才覚を磨く …etc.●人生がもっと楽に面白くなる!  生き方すべてのヒントがここにある!!人生はうまくいかないことがあるのが当たり前。思い通りにならないことを容認できることで人間はふくよかになって、人生にいい香りがしてくるのです。 …著者

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  • 老いを生きる技術
    -
    1巻814円 (税込)
    人生100年時代、老いを感じてからが、人間、真剣勝負のとき。老いは学びの宝庫。長い「老いの時間」を軽やかに生きるための処方箋。
  • 人生を整える 距離感の作法(マガジンハウス新書)
    5.0
    1巻880円 (税込)
    <マガジンハウス新書創刊第3弾> 「付かず離れずが心地いい」― 親子、夫婦、友人知人、死、運命…… ほどよいつき合い方50の知恵! 今回のコロナ禍では「三密を避けろ」と言われたが、コロナがあろうとなかろうと私はもともと密になるようなところへは行かないたちである。 先日、「最近、外出する際に着ていく服がないな」とふと思ったら、私はここ五年ほどデパートにも出かけていないことに気づいた。 コロナに関して言えば、友人や知人、またその家族にコロナにかかった人がいるという話は聞かないし、自宅に通ってきてくれている秘書たちとのあいだでもコロナは話題にもならない。 ところがテレビのニュースでは「ソーシャル・ディスタンス」という言莱が使われ続けている。 コロナの蔓延によって自宅にいる時間が増え、そのおかげで家族との関係が深まったり、逆にぎくしゃくしたり、離婚が増えたりといった話も聞く。 この災難を経験して、誰もがこれまでに感じたことのない「人との距離感」について考えはじめた。穏やかな日常より、どうにもならない運命の荒波の中に置かれたほうが、より明晰な人間らしさが見えてくるものなのだ。 ただ私は、子供のころから人との距離感について折に触れ考えてきた。それは両親が不仲であったことや、自分自身が近視で人の顔が識別しづらかったことなどに起因していると思う。 また、私はクリスチャンということもあり、人間同士のいざこざも「人間の分際で」と俯廠して見てきたところもある。……(「まえがき」より) 親子や夫婦、友人知人との付き合い方から、死や運命との向き合い方まで―、ベストセラー作家が教える、人生を豊かにする極意! ●「敬称」はあったほうが便利である ● 多くの場合、「差別」ではなく「区別」 ● 「親のために」と心をこめては駄目 ● 子供は、親の思い通りには育たない ● 夫婦喧嘩でも、言ってはいけないこと ● 相手の「聖域」には踏み込まない ● 死との距離感が巧みだった、かつての日本人 ● どんなに努力をしても、運命には逆らえない etc.
  • 百歳までにしたいこと
    3.0
    1巻770円 (税込)
    「若さは文句なしにいいものだ、と思われているが、実はそうでもないらしい」――2021年に90歳を迎えた曽野綾子さん。 <人生には終わりがあるからこそ耐えられることがある>といった著者ならではの含蓄に富んだ言葉に目を開かせられます。 老年を生きるための心構え、真の人間力とは何かが自ずと見えてくるでしょう。 なおかつ若者にも、大切な価値観を教えます。 「人生百年時代」の道しるべになってくれる傑作エッセイ集です。 ※この電子書籍は2021年7月刊の単行本『人間の使命』(海竜社)に新原稿を増補した文庫オリジナル版です。
  • 結局、人生の最後にほしいもの
    5.0
    1巻1,320円 (税込)
    5万部ヒットの新書「人生の値打ち」に特別話を加えて単行本化! 厄介事も多い人生だったが、身のほどの幸せとともにひっそりと消えていきたい。 身のほどを知る人こそ厄介な世の中の「骨頂」を味わえる。 女も男もなく「孤高」を愉しむために必要なことを学ぶ21話。 この複雑で厄介な世の中で、自分を見失わずにその使命をまっとうする生き方とは?
  • 人生の決算書
    3.0
    1巻1,700円 (税込)
    シンガポールのマンションを舞台にした連作小説『タンブス荘の人々』、原稿用紙数枚の中に小説の妙味を盛り込んだ『掌で掬う人生』、ベストセラー『老いの才覚』に通じる名エッセイの数々と、バラエティーに富んだ内容です。
  • 死という最後の未来
    4.0
    キリストの信仰を生きる曽野綾子。法華経を哲学とする石原慎太郎。 対極の死生観をもつふたりが「老い」や「死」について赤裸々に語る。 死に向き合うことで見える、人が生きる意味とは。 歳はひとつ違い、家も近所で、昔からの友人。だが会う機会は多くはなかったという石原氏と曽野氏。そんなふたりが「人は死んだらどうなるのか」「目に見えない何か、はある」「コロナは単なる惨禍か警告か」「悲しみは人生を深くしてくれる」等々、老いや死、人生について語り合う。老境のふたりにとっての孤独や絶望、諦観や悲しみ、そして希望とは。
  • ギリシア人の愛と死
    -
    1巻660円 (税込)
    トロイア戦争とオデュッセウスの流浪の物語ーースパルタの女王とトロイアの王子の不倫の恋が、戦争の発端となった。憎悪、好色、策謀、友情、生の渇望と死への恐怖に満ちた10年戦争の果てに、トロイアは滅び、英雄たちは死に、オデュッセウスは故国まで20年もの流浪の旅を送る……。運命に操られ翻弄される人間の姿は、現代の人間ドラマそのものではないだろうか。
  • ギリシアの神々
    3.5
    1巻660円 (税込)
    ギリシア神話を知りたいあなたへ! ーー愛の物語・ギリシア神話を生き生きとやさしく書下ろす。絵画・彫刻・オペラなどの西洋芸術に接したり、外国人と会話を交わしたりする時に必要とされる「常識としてのギリシア神話」。若い世代のために、さまざまな愛の物語の宝庫としてその面白さをストレートに伝える必携の1冊。
  • ギリシアの英雄たち
    5.0
    1巻660円 (税込)
    神託どおり実の父を殺し、実の母と婚姻をむすんだオイディプス王の、無惨な最期。夫の裏切りにわが子の命を賭けた、王女メディアの慟哭。『ギリシアの神々』につづいて、ギリシア悲劇の原典をやさしくひもとく、常識としての英雄伝。栄光の陰にうずまく呪いと裏切りの世界を甦えらせる人間劇場。
  • ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選
    3.5
    1巻990円 (税込)
    作家・曽野綾子の知られざる真価を示す、ミステリ作品集。殺人、犯罪、事件を題材とし、謎解き、犯人捜しの要素を含みつつも、人間心理、人生や運命の綾、明暗、日常に潜む恐怖を描く。いずれも1960年前後に集中的に書かれた作品群である。表題作は、『宝石』誌の編集に携わった江戸川乱歩がみずから依頼した経緯があり、しかも本格物。乱歩は本作を掲載できたことを「いささか自慢していいのではないかと思っている」と自讃している。 (収録作品) ビショップ氏殺人事件 華やかな手 消えない航跡 競売 人生の定年 佳人薄命
  • 女神出奔
    -
    1巻660円 (税込)
    あまり人のいかないハイキング・コースの途中で病気になった楠田は、一軒の草深い古別荘に犬と住む由緒ありげな女に、一夜介抱された。その妖しい魅力にひかれ再び訪ねた楠田と、女は「お茶でものむように」交わる。一方、楠田の恋人・順子は、片貝助教授を知り、その家柄や名声に酔わされる。片貝を取り巻く女性は多い。彼は、財界に名の通った湯浅社長の娘・治子を選び、結婚式を挙げるが、新婚初夜を待たずに、治子は伊豆の別荘から恋人・昭夫と脱走する。そのとき、片貝がそこで幽霊のように見たのは、教え子の楠田に付添われて立つ古別荘の女であった。俗物への諷刺をこめて、愛と真実を追求する長編小説。
  • ぜったい多数
    -
    1巻660円 (税込)
    暁子は、手術直後の苦痛に歪む秋山の唇に、しずかに自分の唇を重ねた。秋山の胃ガンが絶望的な状態になっていることを知った彼女は、そうすることだけが、友だちとしての祈りであり、励ましであると信じたからだ。彼女自身も、郷里の家の束縛を逃れた東京での彷徨によって、心に深い傷を負っていたのだが……。暁子の冒険にみちた経験をカメラ・アイとして青麦のように、あざやかな色とむんむんする匂いを持つ、折れやすい若者たちの愛と真実を捉えたこの作品は、人生の地層を流れる清冽なものを、多彩な手法で探った、青春文学の名篇である。
  • 砂糖菓子が壊れるとき
    -
    1巻660円 (税込)
    映画スター・千坂京子は、無名だった頃、お金のためにヌードを撮らせたことがあった。教育のない彼女は、人一倍知的なものに憧れたのに、世間はその1枚のヌード写真のために、彼女に肉体女優の烙印を押した。京子は、あるときは烙印の痛みから逃がれるために、あるときは自分が高められると信じて、つぎつぎに、男の胸の中に顔をうずめた。男たちは、それぞれに、彼女の中に光を放っている純粋さを知っていた。しかし、京子の魂は、どの男によっても、安らぐことができなかった。……幸福を空しく追い求める美貌の女の短い生涯を、乾いた叙情で歌いあげた名作!
  • 火山列島
    -
    1巻660円 (税込)
    大学の医学部教授・仁王慶一郎は、主治医として、国光家に行くことが多かった。彼は、国光夫人・安芸子の、憂いに耐えた姿に、惹かれることがあった。ある日、仁王は、その秘密に、かかわりを持つ。主治医としての立場に、とどまることができなかった彼が、その秘密の糸をたどって行くうちに、戦争の前後に起こった、幾つかの悲しいできごとが甦ってきた。しかも、それらは、彼自身の家庭とも、関係があった。八丈島、熱海、九州・飫肥という3つの火山地帯を結ぶ、愛と憎しみの歴史を描きながら、現代に失われた心の問題を、執拗にさぐった、清冽な美しいロマン!
  • キャンパス110番
    -
    1巻660円 (税込)
    芳土女子大学の学生である佐藤ノミエの綽名は、キャンパス110番という。キャンパスは、校庭の意味。事ある所には、彼女がいつもパトロール・カーのように現れて、あざやかに事件を解決していくからだ。粋で、おしゃれで、冒険好き、行きずりの男の子とのキッスなんかへいちゃらで、適当に正義派で人情家で、気はやさしくて合気道の達人というノミエが、東北出の重タンクを思わせる松子と組んで、手当たり次第に演じるボーイ・ハントのアバンチュール、笑いと涙のタッグ・マッチとは……。青春の息吹にむせる、生きのいい現代娘のスカっと胸のすくような無責任行状記。
  • 午後の微笑
    -
    1巻660円 (税込)
    神保羊子は、雑誌の編集の仕事をしている。取材で知り合った作曲家・郷雪生の、芸術家ぶらないナイーヴであたたかな人柄に魅かれ、病気で寝込んだ郷を放っておけずに、徹夜で看病する。その夜以来、郷の胸のなかにも、羊子の姿が強く灼きついて、お互いに愛しあうようになる。そして、結婚の約束をしたふたりの前に、郷が貧乏な留学生であった昔の恋人の密石麗華が、今は実業家の国分夫人となって出現する……。虚偽を許さない若い娘の心に写った「傷ついた世代」の苦悩を通じて、つねに裏切り合いながら救いを求めている、人間の魂の深部とさまざまな愛の想いを、鮮やかに、綿密画のように描きあげた長編小説。
  • 雲の白い日に
    -
    1巻660円 (税込)
    静岡・清水港が見える斜面に腰を下ろし景色を眺めている、3人の女子高生。といっても卒業式は昨日終わっていて、一人はお見合い結婚が決まっていた……。彼女たちの恋愛と成長を描いた表題作と、「永遠の横顔」を収録。
  • 90歳、こんなに長生きするなんて。
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    夫の看取り、二匹の猫との暮らし…… 静寂の中で人生の最終章を迎える喜び さまざまな世代から共感の声続々。 「人生100年時代」をどのように穏やかに全うするか。 その極意を明かす。
  • ひとりなら、それでいいじゃない。
    3.5
    1巻1,320円 (税込)
    さまざまな世代から共感の声、続々! シリーズ累計14万部突破! 穏やかな日常に突然おとずれたコロナ禍。 こんな時代だからこそ、孤独を愉しみ、人に頼らず身の程に合わせて生きたい。 そんな、コロナ禍とともに生きる新しい指針となる一冊。 日々の過ごし方から、人間関係のトラブルの解消法、 人生の仕舞い方…さまざまなテーマを 著者独自の視点で切る。
  • 老いの才覚
    3.7
    1巻1,320円 (税込)
    年の取り方を知らない老人が急増してきた!超高齢化の時代を迎える今、わがままな年寄こそ大問題。 自立した老人になり人生を面白く生きるための7つの才覚の持ち方。
  • 絶望からの出発 私の実感的教育論
    -
    1巻660円 (税込)
    母親の立場から、豊かな人間を育てるための家庭教育のあり方を説く。すべての親・教師必読の書――子供が親を殴り蹴る地獄図はなぜ起こるか。進学偏重の時代に、真に豊かな人間を育てることは可能か。本書にはその答がある。具体的な事例にそって、母親の立場から家庭教育を述べる著者は、人間理解の深さと一貫した主張で、教育の本質をつき、その実践の方法を示唆する。すべての親・教師必読の書である。
  • 自分の顔、相手の顔 自分流を貫く生き方のすすめ
    4.0
    1巻764円 (税込)
    少しは「まとも」でいたい人のために、筋のとおったエッセイ――「失われた10年」を過ぎても、日本人は、人間としてのまっとうな感覚が、こわれたままだ。過度の贅沢や安楽の果てに、わたしたちは、思いもかけぬところに行こうとしているのではないだろうか……。もう一度、確固とした価値観を模索し、よく生きようとする人への、「曽野綾子流考えるヒント」が満載の、辛口エッセイ。
  • 夜の明ける前に
    3.0
    1巻660円 (税込)
    人間の生のいとなみは、いかに脆いものか。微妙な心理の揺曳をすくいあげる短編傑作選。永遠の生命を求め現実を照射する――生死の極限に立たされたとき、人間は何を観るか。たゆたう心の奥底から、日常生活では把みえぬ真実の相貌が、少しずつ浮かびあがるにつれ、生のしたたかさにおののく。沖縄での戦争体験を語る神父の懊悩と回心を描く表題作から、戦争・病い・孤独な老境など、それぞれの裸にむかれた人間の内面を描く12編。
  • 無名詩人
    -
    1巻660円 (税込)
    人の出会いと別れにみる幸福と不幸。想像を絶する数奇な生涯を描く著者自選傑作短編――出会いと別れにみる、人生の仕合せと不幸。想像もおよばない数奇な生涯。目に見えない存在に翻弄される、運命的な人生を描く。夏休みの日記に、来る日も来る日も「こもり」とだけ書いた同級生の一生を深く悲しむ表題作のほか、老神父が近所の老人たちに聞かされた愚痴話を神に報告する「話し相手」など、13編を収録。
  • 私を変えた聖書の言葉
    -
    1巻660円 (税込)
    聖書の一言一句を、体験をふまえて解き明かし、人間的魅力にあふれた聖書の意味を語る――人が〈どんな人間であったらよいか〉と自問するとき、聖書の一言一句はみごとな輝きを放つ。人間の心の弱さ醜さを見据えた上で、人の採るべき道を教え示してくれる。日々の生活の中で当面する愛や幸福を、あるいは信仰や平和を、聖書はどう語っているだろうか。クリスチャンである著者が人生の指針として、その魅力を解き明かした長篇エッセイ。
  • この悲しみの世に
    4.0
    1巻660円 (税込)
    異父姉弟とも知らず不倫の愛におちた人妻。聖地への旅に始まる至高の愛を描く問題作。極限の愛と悲しみを描く恋愛大作! ――私たちが「この悲しみの世に」あると思うこと以外の認識は、すべて幻想です……。不倫の愛におちた人妻・節子と年下の青年・善彦は、ある日、自分たちがこれまで別れ別れに生きてきた異父姉弟であると気づく。断ちきれぬ愛の流れのままに、節子は男子を出産した。聖地への旅に始まる、至高の愛を描く、長編小説。
  • 夢を売る商人
    -
    1巻660円 (税込)
    自らの運命に慎ましく生きることの哀れさとぬくもり……人間の罪を主題にした傑作集。人間への懐疑と絶望、生の真実を描く連作――夢を与えて愚かな人間たちを操った詐欺師にも、ついに敗北の時がやって来る。人間の罪を主題にしたオムニバス小説「夢を売る商人」ほか、「蒼ざめた日曜日」「能面の家」「二つの昇天」を収録。人間への懐疑と絶望から出発し、みずからの運命に謙虚に生きることの難しさと美しさを描く、曽野文学の真髄を伝える、物語の魅力あふれる傑作集。
  • 雪に埋もれていた物語
    -
    1巻660円 (税込)
    夫婦・親子などの関係の中に、さりげなく気高い人間の生き方を探求する傑作短編の数々。さりげなく輝かしい生き方を探る名作集――金沢の旧家へ、子連れで後妻に入った雛子。「よく出来た奥さん」の評判を得ている彼女に、一夜、晩餐のもてなしを受けた「私」は、他日、意外にも彼女の隠された顔を、実の息子から知らされる、という表題作。他に、「音戸の瀬戸」「初めての旅」「泥川の杭」「藤」など、男と女、夫と妻、親と子などの、人間関係を描いた10編を収録。
  • 七色の海
    -
    1巻660円 (税込)
    どのように生きても、この世の生は哀しい。外国を舞台に描いた、曽野文学の珠玉作12編。海外に取材した様々な人生の真実を描く――花は誰のためにも咲く。春はどこにでも来る。それだけを、私は信じていられるのだ……。どうしようもない非情な現実の前で右往左往する、人間という小さな存在。生のはかなさ、滑稽さの認識に立ち、外国を舞台にした、多種多様な人生の真実をみつめる、柔軟で暖かいまなざし。曽野文学の珠玉作12編を収録。
  • 紅梅白梅
    -
    1巻660円 (税込)
    都築(つづき)少尉の戦死は、不名誉なものだった。たった一度の契りだったが、彼の汚名を晴らしたかった山邑(やまむら)ひなは、その死の謎を追った。なぜ、彼は死に急いだのか? 停電した嵐の夜、作家の私を訪ねたひなは、台所のガスを明かりにして話し始めた。苛酷な状況の中で生きることを余儀なくされた人間の運命を描いた長編。
  • 幸福という名の不幸(上)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    父母の慈愛を春の曙のように受けて生まれた娘・榎並黎子は、17の時に父を失う。不幸がその姿を現わし、黎子は、ある外国系紅茶会社の東京支社長・余語の秘書として、社会に出る。幸福な結婚を夢みる彼女の心に、さまざまな波紋を投げかけ現われ消えてゆく、さまざまな男たち。その遍歴の中で男たちへの、社会への目は、深く、陰影を含んでゆくのだった。<上下巻>
  • いま日は海に
    -
    1巻662円 (税込)
    欺き利用するだけの男のために、その困窮した生活を援助し、空を飛びたいという男の捨てきれぬ夢を叶えさせようとする加陽子。長い長い歳月の後に、やっと男が自分を振りかえろうとしたとき、悲劇が起こる。報われることを望まず、ただひたむきに愛し尽すことに心身を捧げる純粋な愛の勁さと美しさを描いた名作。
  • 至福の境地
    4.0
    1巻660円 (税込)
    生活し、読書してこそ、意味のある人生になる。心の豊かさのために――生活と読書、そのどちらも、私にとっては、なくてはならない快楽である。直接体験したことに、書物から光を当てたとき、人生は、より多角的で、陰影の深いものになるだろう……。心の豊かさを求め、自分が自分という人間の主人公でありたいと、願ってやまない人たちに贈る、「自分の顔、相手の顔」シリーズ第4弾。
  • 安逸と危険の魅力
    3.0
    1巻660円 (税込)
    それぞれの人生 違うからおもしろい! ――私たちは、人と違うことを、恐れてはならない。それぞれの好みと価値観の違いこそが、人生のおもしろさを生み、ドラマや詩を生ぜしめ、ひいては社会の安全を保つのだ……。自分の生き方を再確認し、存在の根幹を問う大好評のシリーズ「自分の顔、相手の顔」第3弾。これぞ曽野流「フィロソフィア」の実践なり。
  • それぞれの山頂物語 今こそ主体性のある生き方をしたい
    -
    1巻660円 (税込)
    『自分の顔、相手の顔』好評第2弾! みな真摯に生きるべく――今の日本社会は、その人なりによくやったという褒め方はせず、立場や境遇とは無関係の実績だけが問題にされる。3メートルしか歩けなかった人が、100メートル歩いたら、それはエベレストに登ったことと同じかもしれないのに……。人生に対する畏敬といとしさに満ちた、エッセイ「自分の顔、相手の顔」第2弾。

ユーザーレビュー

  • 老いの才覚

    Posted by ブクログ

    老後はあらゆることに対して「若い頃とは違う」ということを意識して考え方を変えないといけないことを認識しましたが、やはりそれは少し悲しいことです。

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    2025年05月17日
  • 人は星、人生は夜空 2019年版

    Posted by ブクログ

    25歳の時に読みました。未婚(女)です。
    自分の将来に対する不安や過去の後悔で悩んでいた時に読みました。
    結婚生活や人生、人間とはどういったものなのか物語の話の1部を切り取って載せて頂いているので感情移入しやすかったです。
    自分や他人に対する考え方を改める良いきっかけになったと思いました。

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    2025年02月14日
  • 新装版 幸福の王子

    Posted by ブクログ

    (小6男子)久しぶりに絵本も読んでみようと思い、父におすすめを聞いたところ「幸福の王子」を渡してくれたのがきっかけです。人の役に立ったり、心優しく受け止めたりするとその代わりに何かを失ってしまいます。しかし、その良い行いは誰かが見てくれており、いずれ尊い存在にもなれるということをこの絵本は教えてくれました。周りのために一生懸命尽くしている人におすすめです。なぜなら、今は良いことをしていたことを周りの人に気づかれていなくても、誰か一人でも見ているはずだから、後から気づかれるようになり、尊い存在になれるからです。

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    2025年02月06日
  • 私の後始末

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    私の後始末
    著:曽野 綾子
    ポプラ新書 164

    いい人にならず、本音で老いを愉しむ269の極意とあり

    世間体を気にして、生きるのではなく、自分に正直に生きる

    「今日一日をせいいっぱい生きる」というのがいい

    信じる宗教は違えど、兼好法師や親鸞らと同様、彼女も日本の伝統的精神の時の流れの中にいると感じました

    また、「いい加減でもいい」、というのもいい

    手抜き歓迎、生きぬくためであれば、悪もまたしかり、言葉だけの正義ではなく、人として生きる

    気になったのは以下です

    ■本音こそ人生の歓び

    ・あとは野となれ、山となれ

    ・日本人の多くは、性善説である。そのほうがうるわしいことは分かり切

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    2024年06月22日
  • 結局、人生の最後にほしいもの

    Posted by ブクログ

    1188

    曽野綾子さんの本読むたびにほんと大好きでファンになる。ほんと会いたいからファンイベやらないかな。書籍サイン会とか。

    曽野綾子
    東京生れ。1954(昭和29)年聖心女子大学英文科卒業。同年発表の「遠来の客たち」が芥川賞候補となる。『木枯しの庭』『天上の青』『哀歌』『アバノの再会』『二月三十日』などの小説の他、確固たる人間観察に基づく、シリーズ「夜明けの新聞の匂い」などのエッセイも定評を得ている。他に新書『アラブの格言』などがある。1979年ローマ法王よりヴァチカン有功十字勲章を受ける。1993(平成5)年日本藝術院賞・恩賜賞受賞。1995年12月から2005年6月まで日本財団会長。

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    2024年04月13日

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