工藤精一郎の作品一覧
「工藤精一郎」の「戦争と平和(一~四)合本版(新潮文庫)」「死せる魂」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
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Posted by ブクログ
高校生の時に読んだ、ロシア文学史上最も有名な一作。そのあまりに有名なタイトルからすると結構個人的な話、でも重くて暗くて、主人公ラスコーリヒコフがずっと悩む、というより文字通り、精神と肉体の病に犯されている。
ラスコーリニコフの老姉妹殺害シーンや、検事とのやり取り、娼婦の少女とのやりとりなど、物語の輪郭だけでなく、その時感じた文学の匂いを思い出すことができるのが、さすが名作なんだなぁと感じる。
余談ではあるが、高良健吾主演の同名NHKドラマ、たしか漫画原作もなかなかエッセンスを拾って現代の日本の話にしていて、斧で叩き殺される橋本愛や、なかなかシビアな人生を送りながら凛と生きる水川あさみなど、こちらも記憶に残る作品だった。名作のインスパイアは、結構嫌いじゃない。
Posted by ブクログ
『罪と罰』は、ドストエフスキーの五大長編の一つであり、貧しい元大学生ラスコーリニコフが、「非凡な人間は社会のためなら法や道徳を踏み越えることも許される」という自説のもとに殺人を犯し、その後、罪の意識と自身の思想との間で苦悩していく物語である。
『カラマーゾフの兄弟』に続いて読んだが、登場人物たちが怒りや悲しみ、愛情を激しく表に出し、時には長々と自らの思想を語る姿は本作でも印象的であった。多少の誇張はあるのだろうが、人間の内面にある感情や思想を会話としてむき出しにするところに、ドストエフスキーならではの面白さを感じる。特にラスコーリニコフが、理屈では犯罪を正当化しようとしながら、現実には罪悪感に苛まれていく姿が興味深い。人間は理屈だけでは割り切れない存在であり、その矛盾を徹底して描くことが本作の魅力なのだと思う。一方で、彼の周囲には娼婦ソーニャや妹ドゥーニャ、友人ラズミーヒンといった心根の美しい人物がおり、彼らの存在が物語に救いを与えている。
序盤は本名や愛称、父称が入り乱れ、人物を覚えるだけでも一苦労であった。それでも読み進めるほど人物像が鮮明になり、思想と感情をぶつけ合いながら「罪」や「救い」を問い続ける作品として楽しめた。五大長編では『白痴』も気になっており、次はまた異なる角度からドストエフスキーの人間観に触れてみたい。