工藤精一郎の作品一覧
「工藤精一郎」の「死の家の記録」「死せる魂」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
- 作者をフォローする
- フォローすると、この作者の新刊が配信された際に、お知らせします。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
「工藤精一郎」の「死の家の記録」「死せる魂」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
自分の愛読、あるいは尊敬している文学者も、教養人も、なにかとドストエフスキーという作家を通ってきている人ばかりなような気がしていたので、自分も大学を出る前に読んでみようと思った。
簡単に概要から。
主人公ラスコーリニコフは経済的に苦しく大学を去った元学生で、彼は「一つの犯罪、過ちを犯したとしても、それ以上の善行を積めば許される」(これは上巻では、酒場の大学生の会話や新潮文庫のあらすじにしか出てこないので、ラスコーリニコフ自身がそう考えているかはわからない)とか、「人間は凡人とは凡人に二分され、歴史に名を残した偉大な偉人たちも犯罪者であるように、犯罪を犯しても正当化される人間が存在する、そして
Posted by ブクログ
ラスコーリニコフ、何なんだお前は、という気持ちを抱えたまま読み進める。
まさかの凶行。
かと思えば、あらゆる登場人物との絡みで意識があっちへこっちへと揺さぶられる。
「いつバレるのか、いやバラすのか」という緊張感が常に付きまとう。
後半になって体調が落ち着いてきたところでは、まるで私自身が風邪から直ったかのような爽やかさを感じつつも、しかし罪が消えるわけでも、逃げ切れるわけでもない。
巻末付近で語られた、ラスコーリニコフの論文の話が非常に重要だ。
私は、彼が持論を信じているというよりかは、それを信じたいが故に実践するか、自分自身が非凡人であるかどうかを試したいという若さゆえの過ちが彼を凶行に