エッセイという枠を越えてる。むしろ冒険記でもあるような大人のおとぎ話のような、かつ何か重要な参考資料を読んでいるような。まず彬子女王という皇族の近寄り難さとお堅さが未知の世界かと思いきや、なんてことない身分は違えど頭の賢さは違えど人間って事は同じで、砕けた表現でいうなら、友だちになりたい楽しい人。更に粉々に砕けた表現なら「おもしれー女」。(敬称略)を添えさせてください、すみません関係者の方怒らないでください。
垣間見れる知性は文章や思考で唸るが明るさと人懐こい様子や、テッパンネタみたいに語られる「私プリンセスだよ?」みたいな部分も程よく嫌味を感じない笑いのセンスも持ち合わせていてこれはエッセイとしては最高峰だとオススメしたい。
未知の世界である皇族の私生活という時点で最初から興味深く、皇族って戸籍ないからパスポートも茶色の特殊なものなんだとか、常に側衛官がいて一人になる時間は片時もない。とか興味深々な上に被せて頭が賢すぎるオックスフォード大学の留学記ときたからにはもうぺえぺえの一般人の私からしてみたら留学記というエッセイではなくもうおとぎ話。でも、おとぎ話のように順序良く都合良く進んでおしまい。という話ではなく、辛く大変で過酷な事やそこから救いや感謝を見出し自分と向き合い果敢に立ち向かう様は冒険記のよう。研究内容は日本美術という海外にいながら日本の事を研究するという内容から、重要な場面に出くわし記録されたというような重要参考資料を読んでいるよう。読み応えがありすぎる。
私のあまり使われてない脳から絞りだせない語彙力が申し訳ない程にオススメ。なんと言葉にしたらいいかもこの本の途中にある「筆舌に尽くし難いもの」とあり、まさにそのママである。
彬子女王も、その周りにいる人たちも皆オックスフォード大学にいるのだからそれはもう私にとっては宇宙レベルの賢い人達。その頭の中はむしろ尊いまであるけれどそんな人達は今も昔もずっと絶え間なく思考し働き詰めで時間がなく忙しなく何かに没頭している様子はこの世に産まれた意味がある人達の人生なんだと思う。私とは違い私はそこには居ることが不可能なのでこうして読ませてもらえら事が、傍らで友だちの思い出話を聞かせてもらっている気がして感謝すら覚えた。
そんな住む世界が違う人々にも楽しい事や美味しいもの悔しくて涙がホロリと伝う事もある人間味に溢れ、であった人達を大事にしたいと真摯になる様子も私と違わない世界線なのだとも思う。
副題の四文字もとても良く章にあった飾り付けのようで素晴らしい。いつをもってこれをつらぬく、一似貫之など知性も相まってセンスの良さがでている。
父とのお話がよく出てきて最後の時も…あれ?母は居ないのかな?と思って検索したら、確執がありそうでなんとなくわかる気もした。私も母とは相容れなくて父寄りなので、皇族だからって国民の基本で理想でお手本である事もないのだからより親近感が湧き他のエッセイの「飼い犬に〜」も読んだら何かわかるのかな?と読みたい。
少し余談だが、後書きの寄稿された学習院大学元学長の福井憲彦氏の文章がなんだかとても好きで、この方の人となりも好きだと感じた。だから彬子女王も寄稿をお願いした程の尊敬し好きな人なのだろうなと。
この本を読んでいる途中で
オックスフォード大学は学生の休暇期間中は一般人も宿泊が可能と知り、なんと!!!!!!!行きたい!!!!と1つ夢ができた。
この夢が叶う日が来るならば旅行のお供にこのエッセイ本を持ちあの食堂のハイテーブルを見ながら朝食をとりたい。