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ドアを閉めた瞬間に涙がこぼれた。思えば、あれが留学生活最初で最後の「帰りたい」と思った瞬間だった。本書は2004年から5年間、英国のオックスフォード大学に留学し、女性皇族として初めて海外で博士号を取得して帰国された彬子女王殿下の留学記。女王殿下は2012年に薨去された「ヒゲの殿下」寛仁親王の第一女子、大正天皇曾孫。初めて側衛(そくえい)なしで街を歩いたときの感想、大学のオリエンテーリングで飛び交う英語がまったく聴き取れず部屋に逃げ帰った話、指導教授になってくれたコレッジ学長先生の猛烈なしごきに耐える毎日、そして親しくなった学友たちとの心温まる交流や、調査旅行で列車を乗り間違えた話などなど、「涙と笑い」の学究生活を正直につづられた珠玉の25編。最後は、これが私の留学生活を温かく見守ってくださったすべての方たちへの、私の心からの「最終報告書」である、と締めくくられる。
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Posted by ブクログ
非常に興味深い内容で一気読み!!
エッセイは普段あまり読まない上に皇族の方が書かれたものなんて全く読んだことがなかったので惹きつけられるものが多かったかな。
皇室のしきたりなども知れたし、皇族の彬子女王としての振る舞いの一端も興味深かったが、一個人としての彬子様の人となりが極めて自然体で描かれていることにより魅力を感じて読み進めることができた。
周りの方々に感謝しているという文脈がかなり多かった思うが、それは着飾ることなく接せられていたり、魂を込めて研究に取り組んでいることがわかるから周りの人も自然に応援したくなったのではないかと思う。
個性豊かな指導教授や他の先生・友人とのやりとりや旅先での出来事なども面白く、ドキドキワクワクしながら読ませてもらった。
文章はウィットに飛んでいて堅苦しい表現がないし、挿絵もすごく素朴だけど良いタイミングで描かれていて何か頭の中でカラー映像化した。
皇室を今までよりも近い存在にしてくれる一冊だと思う。
Posted by ブクログ
「髭の殿下」のご長女、彬子様の留学記。
以前、彬子様の京都のエッセイを読んで、とても読みやすく、優しく、現地を想像できる文体にとても惹かれたので、この本をずっと読みたかった。
今回は、オックスフォードでの留学。
一人の女の子が一生懸命に研究をされ、英語に苦労し、時には旅先で迷子になりそうになりながらも、現地の友人達に守られながら、博士号を取る。
読んでいて、時折、その女の子が、女王であることを忘れるくらい、一般の女の子と同じように過ごされていることに驚くとともに、とても親近感がわく。
やはり、彬子様の文章、好きです。
オックスフォードに留学していたとしても、日本美術展の展覧会設営を1からするなんてこと、早々ないと思う。
それを体験される彬子様は、ある意味、とてもラッキーな方なのだと思った。(ある意味では「持っている」ともいうかも)
素敵な留学期でした。
Posted by ブクログ
彬子女王がオックスフォードで博士号を取るまでの留学記。なぜ外交旅券である茶色のパスポートを持っているのか?と税関職員に聞かれて「プリンセスだから?」と答えるなど、凄すぎて笑えてしまう独特なエピソードが多々あります。
博士号を取るなんて筆舌に尽くし難い大変さだと思うのですが、その大変ささえ面白く書いてあり、読みやすく溌剌とした文章でした。
この本(連載)を執筆する理由について、
父である寬仁親王が「長期間海外に出て公務をしない以上、それを支えてくださった国民の皆さまに対して、皇族としてきちんとその成果を報告する義務があると考えておられたからである。」
とあり、ハッとしました。
Posted by ブクログ
最初は皇族の女性が留学したエッセイということで、プリンセス街へ出る的な興味で読んだのだけど、父である親王から託された想いと絆だったり、オックスフォード大学や英国の生活の実態だったり、博士号を取るというのがどんなに大変かということだったり、それを飾らない言葉でユーモアを交えて書いておられてとても良かった。
プリンセスならではの事情(側衛という人たちの存在だったり外交旅券だったりのくだりは新しい世界を知れた)、大学一厳しい教授の指導やその界隈では名だたる人たちとの出会いと交流、研究と勉学にかける情熱もさることながら、そのお人柄でこんなにもたくさんの人に愛されておられるんだなというのがわかる。
決して皇族という立場に甘えることなく一学生として勉学を真っ当したというのがまたかっこいい。とはいえ一般人では絶対に見られない世界、例えばエリザベス女王にお茶に招かれた話などもあって読み応えあり。
Posted by ブクログ
Twitterでおすすめが流れてきて、読んだ本。
声を出して笑い、そして、泣いた。
彬子女王のオックスフォード留学記。
英国の大学院生・研究者の生活、文化を知る面白い体験記で、かつ、プリンセスらしいエピソードが散りばめられるのもまた非現実味で面白い。
側衛や侍女の話はまさにプリンセス。侍女の届け物の話には、ハリウッド映画かよ!と思いつつあったかくて泣けた。
明らかメンタル病んでた記述もあり、やっぱり博士って大変よな、と、めちゃめちゃフランクな同期のドクターを見直したりする。
父、寛仁親王の章は、涙なしには読めず。人気の皇族だけある人柄よねと納得もする。
プリンセスだからこその邂逅もあり、それを思うと泣けたりもする。
仕事をする上での心構えとしても、同じ苦労や、思いが必要よね、と思って、とっても共感する。
プリンセスらしいまっすぐさをもった研究者の留学記。笑って泣ける、あたたかな愛に溢れる、人に感謝して、責任を持って生きていく、そうありたいと思える、エッセイでした。
〈笑えた話〉
展覧会の作品名『菊とおじさん図』。
側衛のシオダさんの話。などなど。
〈勉強になります〉
ジョープライス(プライスコレクションの!)の「どうしてそんなに作者の名前を気にするんだ。目の前にこんなに素晴らしい作品があるのに。作者に失礼だ。」
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