作品一覧

  • うちに食べにきませんか
    5.0
    世界各地で出会った人の家に招かれご飯を食べる。ワインからサラミまで手作りする家族の牛骨スープ、アフリカの平原で中国人がふるまう汁なし麺、難民キャンプで差し出されたコーヒー……。知り合ったばかりでも、言葉が通じなくても、迷いなく手料理でもてなす人々。そこには、ふと力が抜けるようなやさしさと日々の営みへの静かな情熱が込められていた。純粋な心の共鳴が美しい17編のエッセイ。 ※本作品は2020年に大和書房から刊行された、『もてなしとごちそう』を加筆修正したものです。
  • ラダックの星
    4.3
    1巻1,518円 (税込)
    もっとすごい星空、ここにあったよ。 なぜだろう、昔見た星空を思い出すとき、胸の内には星それ自体の美しさとは別に、ささやかなストーリーが浮かび上がってくる。 その頃大切にしていたものや身の回りで起きていたこと、揺れていた思いの一つひとつが、鮮やかに思い出されてくるのだ。(本文より) 『インパラの朝』から9年――待望の紀行ノンフィクション 北インドの秘境・ラダックへ――。 友人の死と向き合い続けた25日間の星空の旅。
  • 愛と憎しみの豚
    4.3
    牛や鶏と並んで日本の食文化に広く浸透する“豚”。この生き物は世界の国々でどう思われ、どう扱われているのか。コーランで禁忌とされる豚、食糧難解決のため大量飼育される豚、風刺画の中の豚。その存在は神聖か、不浄か。著者は真実を見極めるため、イスラム圏、旧ソ連圏を経て極寒の地、シベリアへ。豚を通して見えてくる文化、宗教、政治、歴史とは? 独自取材で挑む渾身のノンフィクション。
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日
    4.2
    【第7回開高健ノンフィクション賞受賞作】広大なユーラシア大陸を横断し、イスラム圏の国々を越えてアフリカ大陸へ――。絵葉書を売るカンボジアの少女に凜とした生きる意志を感じ、排他的な印象を抱いていたイランで受けた細やかな配慮に戸惑い、ザンビアでは貧富についての議論を交わす。周囲の声に惑わされず、自らの素直な感覚を頼りに47カ国を旅した著者が綴った684日間。
  • 愛と憎しみの豚【電子特別版】
    4.1
    【大幅加筆修正&写真満載の電子特別版!!】なぜ、豚は、世界中で好かれ、同時に、激しく嫌われるのか? 豚の謎を追って、灼熱のアラブから、イスラエル、東欧、そして、極寒のシベリアへ。“豚をめぐる冒険”が始まる。「インパラの朝」で第7回開高健ノンフィクション賞を受賞した著者による渾身のノンフィクション。電子化にあたり、単行本では収録されていない秘蔵写真20点以上を追加収録!!
  • ニジェール探検行
    値引きあり
    4.0
    1巻2,079円 (税込)
    ニジェール川の水源と河口を探るべくアフリカへ旅立ったマンゴ・パーク。酷暑と猛獣の恐怖に耐え西アフリカ奥地を踏査。探検の終焉間近に、現地民の襲撃により落命した悲劇の探検家の手記。
  • N女の研究
    4.0
    近年、いわゆる有名企業に就職する実力がありながら、雇用条件が厳しいと言われるNPO業界を選ぶ女性が現れ始めています。NPOで働く女性、略称「N女」です。 N女とは何者なのか。N女の出現の背景には何があるのか。また彼女たちの出現によって今、NPO業界では何が起きつつあるのか。開高健ノンフィクション賞受賞作家・中村安希さんは「N女現象」の行方を追い続けてきました。そこから浮かび上がってきたのは、職場や家庭、地域社会など、かつての共同体が力を失い、分断が進む社会の中で、失業、病気、災害などをきっかけに、あるいは障害や差別によって、人や社会の「つながり」からはじき出される人々が増えつつあるという現実と、そうした人々を社会につなぎとめようと試行錯誤するN女たちが奮闘する姿でした。 さらにN女たちの出現は、結婚や育児によって人生が大きく左右される女性ならではの問題や、男性型縦社会ではなく横のつながりを求める女性特有の潜在力など、現実的な課題を複雑に孕みながら、多くの働く女性にとってキャリアの在り方を問いかけています。N女は、現代社会に蔓延する「居場所のない不安」を解消する手立てとなりうるのでしょうか? 行政、民間、NPOの間を自由に行き来するN女の存在は、異セクター間のつなぎ役として、経営難を抱えたNPOの運営を立て直すことができるのでしょうか?  発展途上ながらも前途有望であるはずのNPO業界は、働く女性たちの新たな活力の受け皿となりうるのでしょうか。N女たちの苦悩と模索、生き様を通して、NPOの存在意義と未来の行方について見逃せない現実が、この本には詰め込まれています。N女たちの行動力はこの時代を生きる多くの人にとっても、大きなヒントを与えてくれるはずです。
  • 食べる。
    3.9
    食べ物を通じて人に出会い、出会った人と食事を共にする。ゲロ雑巾と揶揄されるエチオピア料理“インジェラ”の妖しい魅力にとりつかれ、メキシコで本場のタコスに舌鼓を打ち、ルーマニアでは現地の若者が作る卵焼きを食べる。自宅のテレビから得られる膨大な知識よりも、旅で得られるわずかな手触りにこそ真実がある。気鋭の開高賞作家が世界中を渡り歩いて綴ったノンフィクション。

ユーザーレビュー

  • うちに食べにきませんか

    Posted by ブクログ

    世界の見知らぬ土地で出会った人々に招かれ、一緒に食卓を囲む。各国の情勢は様々だが、もてなしの心は万国共通で優しさに溢れていた。
    また食べたい味がある、そこに会いたい人がいる。
    ぐっとくるエピソードがたくさんあって、得も言われぬ幸福感を味わえた。

    0
    2025年11月12日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

    Posted by ブクログ

    沢木耕太郎さんの紀行小説「深夜特急」を彷彿とさせるノンフィクション。

    300頁にも満たないこの1冊に、広大な世界が広がっていた。
    異国の文化や国民の気質、それらを著者の目を通して感じたり疑似体験できることが、たまらなくおもしろい!
    これだから読書はやめられない。

    その国、人の考え方や感じかたによって交わされる会話も違う。
    ◯◯人というカテゴリーでしか知らない異国に住む生身の一人一人と向き合い、肌でその人の暮らしや思想、体験と向き合えることが、私の目にはとても眩しく映った。
    まさに一期一会の世界が広がっていました。

    日本にも言えることだけど、その土地の食文化や気候、慣習に身を置いて過ごすの

    0
    2025年03月08日
  • ラダックの星

    Posted by ブクログ

    子供の頃はすべてが新鮮だった。

    父親と一緒に捕まえたカブトムシの光沢や
    ここからどこまでいけるのかと
    自転車を漕ぎまくったときの足の痛み。
    パチパチと喉で弾けるコーラの味。
    そして初めて握った女の子の手の柔らかさ。

    すべての物事を自分の中に刻み込み
    新しい明日、新しい刺激に心を震わせる。

    しかしどうにもならないことだが
    人は年を重ねるたびに心の震えを失っていく。
    代わりに心のうえに積み重なっていくのは
    いろいろなものを失っていく喪失感だ。

    主人公であり書き手のアキは
    友人のミヅキを死というかたちで失う。
    ぽっかりと空いてしまった心の穴を埋めるため
    アキは世界一綺麗といわれる
    ラダックの

    0
    2024年10月05日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

    Posted by ブクログ

    将来、国際協力をしたいと思っていた身としてはとても興味深かった。作者が実際に様々な地に足を運んで、日本との生活を比べた時に、物に溢れていたり、経済的に裕福であれば幸せであるという固定観念は必ずしもそうではないことを再確認できた。

    0
    2024年04月29日
  • インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸684日

    Posted by ブクログ

     開高健ノンフィクション賞を受賞した時から気になっていたけれど、今まで読まずにいた。読み終えた今思うのは、『15年間損した。もっと早く読んでおけばよかった。』と。

     文章は簡潔でいて筋肉質。それでいて情緒はあり、読後は感慨深い。

     ユーラシア大陸からアフリカ大陸を旅して2年。序盤のアジアと終盤のアフリカではタッチが異なるが、それは国情の違いか、流れた旅の経験がそうさせているのか。

     あったことをそのまま並べ、全てをアピールするのではない。

     大きく心を動かされたこと、強く感じたことを、その出来事と著者の心を両方描写しているので、より著者の心の内が強調されている。読者である僕に伝わるのは

    0
    2024年02月25日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!