配信予定・最新刊

作品一覧

  • 「国史」の誕生 ミカドの国の歴史学
    値引きあり
    4.0
    1巻440円 (税込)
    近代日本の歴史学は、江戸期の漢学の流れと、国学・水戸学の流れ、そこに洋学が結合し、摩擦しながら、「新しい日本の自画像」を描くべく成立した。鎖国下の平賀源内や荻生徂徠、明治期の福沢諭吉、森鴎外らの歴史観、ドイツから来日したリースの働きなどから、「国史」誕生の経過を描く。さらに、久米邦武筆禍事件、南北朝正閏論争など、「天皇制」との軋轢のなかで近代歴史学が挫折し、鍛えられていく過程をたどる。(講談社学術文庫)
  • 刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機
    3.9
    1巻880円 (税込)
    藤原道長が栄華の絶頂にあった一〇一九年、対馬・壱岐と北九州沿岸が突如、外敵に襲われた。東アジアの秩序が揺らぐ状況下、中国東北部の女真族(刀伊)が海賊化し、朝鮮半島を経て日本に侵攻したのだ。道長の甥で大宰府在任の藤原隆家は、有力武者を統率して奮闘。刀伊を撃退するも死傷者・拉致被害者は多数に上った。当時の軍制をふまえて、平安時代最大の対外危機を検証し、武士台頭以前の戦闘の実態を明らかにする。
  • 人事の日本史
    3.8
    1巻999円 (税込)
    一大リストラで律令制を確立した天武天皇、人心を巧みに掴んだ武家政権生みの親・源頼朝、徹底した「能力主義」で人事の停滞を打破した松平定信……。「抜擢」「出世」「派閥」「査定」「手当」「肩書」などのキーワードから歴史を読み解く、現代人必読の書!
  • 藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝
    3.3
    1巻880円 (税込)
    光源氏のモデルは道長なのか? 紫式部の想い人は本当に道長なのか? 摂関政治の最高権力者・道長と王朝文学の第一人者・紫式部を中心に日本史上最長400年の平安時代の真実に迫る! NHK大河ドラマ「光る君へ」を読み解くための必読書。
  • 英雄伝説の日本史
    値引きあり
    3.0
    1巻495円 (税込)
    歴史を彩る「英雄」は、どのように語り継がれ、創作され、人々の記憶と歴史認識のなかに定着してきたのだろうか。特に、政争や戦乱の敗者が伝説を介し、復活し、再生する過程を、中世から近世、近代への長いスパンでたどっていく。その「蘇り方」は決して直線的ではなく、多くの屈折と虚像を伴うが、その道筋を追うことが、新しい歴史学の楽しみとなる。 たとえば、安倍晴明のライバル蘆屋道満や、酒呑童子退治の坂田金時ら、実在の疑わしい英雄は、歴史のなかでどのようにリアリティーを吹き込まれていったのだろうか。 そして、平将門や菅原道真らの怨念への畏怖が語らせる「敗者の復活」。坂上田村麻呂や藤原利仁、源頼光に託された、「武威の来歴」の物語。鎮西八郎為朝や源義経が、西国や東北、さらに大陸へと伝説を拡大させた「異域の射程」。本書はこれらを三つの柱とし、伝説のなかに中世史の再発見を試みる。江戸の浄瑠璃や歌舞伎、往来物から、近代の国定教科書まで、伝説の変貌の過程から「歴史の語られ方」を豊かに汲み上げる。〔原本:『蘇る中世の英雄たち――「武威の来歴」を問う』中公新書、1998年〕
  • 武士の誕生
    値引きあり
    3.0
    1巻885円 (税込)
    草深い辺境から「都の堕落した貴族」を倒すために現れたのか、それとも武芸を生業とした貴族社会の一員だったのか――。近年活況を呈する武士論の二つの見方を統合し、「武士誕生」の道筋を描く。古代の蝦夷との戦争が坂東の地に蒔いた「武の遺伝子」は、平将門、藤原秀郷らによって育まれ、武家の棟梁たる源義家、頼朝らによって大きく開花した。
  • 武士の原像 都大路の暗殺者たち
    3.0
    1巻1,699円 (税込)
    大江山(おおえやま)の酒呑(しゅてん)童子を退治した頼光(らいこう)、奥州蝦夷(えぞ)征伐を果たした田村麻呂(たむらまろ)、新羅(しらぎ)遠征の途上客死した利仁(りじん)将軍、平将門を討ち取った俵籐太(たわらとうた)――数々の伝説にいろどられていた「王朝武者」たち。お伽草子や説話文学の英雄物語から、彼らの知られざる実像を読み解く。本書には、平清盛も源頼朝も登場しない。「鎌倉以前」の兵(つわもの)たちが、世間からどう認知され、どう生きたか。そこには「王朝」という言葉から連想されるロマン的気分とは、異なる世界が宿されている。本書は「武士の原像」を王朝武者にさかのぼって探る野心的な試み。都鄙(とひ)往還のなかにルーツを求め、あるいは「暗殺の上手」として、あるいは「智恵ある者」として、中世武家社会を準備した兵たちの素顔を明らかにする。征夷大将軍とは異なる「武士の嫡流」があり得たのかもしれない。

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  • 恋する武士 色と権力の日本中世史
    NEW
    -
    1巻1,100円 (税込)
    日本史上、約700年にわたって権力の座にあった「武士」とは、いかなる存在だろうか。1970年代以降の中世史や社会史の研究の進展によって、「武士像」は大きく書きかえられてきた。王朝国家の中央「軍事貴族」として登場してきた武士は、必ずしも古代王朝の「貴族」と対立する存在ではないという。そうした武士の「闘う存在」としての側面だけではなく、「色恋模様」から、武士の本質と武家社会の裏面史に迫る異色作。 中世社会においては、「恋」は「権力」に直結する問題だった。その成就、ひいては婚姻関係、感情のもつれなどが、権力の失墜あるいは強化をもたらし、以後の家格にも影響を与えたのである。 多情多恨の女房歌人・和泉式部の最後の男性、藤原保昌。秀歌の褒美に鳥羽院の女房・菖蒲御前を賜った源頼政。分不相応の恋の切なさを断ち切って出家した佐藤憲清あらため西行。将軍源頼家に恋女房を横取りされて激昂した御家人・安達景盛。夫唱婦随の「権力の夢」に破れた北条時政と牧の方の陰謀事件。近世の歌舞伎の題材にもなった婆娑羅大名・高師直の無軌道な邪恋。『吾妻鏡』『太平記』などに語られる逸話の数々は虚実ともどもだが、まさに「恋は歴史を紡ぐリンケージとして作用した」ことを示している。 『恋する武士 闘う貴族』(山川出版社、2015年)の第1部を原本として文庫化。 目次 はしがき 第一章 王朝武士の色とりどり 1 王朝武者の恋の系譜 2 内乱期、武士の恋模様 第二章 鎌倉武士の懸想 1 懸想の顛末 2 色々の執心 第三章 動乱期南北朝と修羅の恋 1 「偕老の契り」と修羅の諸相 2 武将たちの恋の深淵 学術文庫版のあとがき
  • 〈幕府〉の発見 武家政権の常識を問う
    -
    1巻1,815円 (税込)
    「幕府」とはそもそも何か――。中国の文献に現れる「幕府」という語が、日本で「武家政権」を示す概念用語として使われるようになったのは、江戸時代後期のことという。ではなぜ、織田信長や豊臣秀吉の政権は「幕府」と呼ばず、鎌倉・室町・江戸の三つのみを幕府と呼ぶのだろうか。ここに、700年にわたって権力の座にあった「武士」の本質と、その歴史理解に苦慮してきた近代の歴史家たちの格闘の跡が見て取れる、と著者はいう。 たとえば、明治10年に刊行された『日本開化小史』には、「幕府」という用語は出てこない。著者の田口卯吉は、文明史的視点から「鎌倉政府」「徳川政府」あるいは「平安政府」と記しているのだ。では、江戸時代の代表的な史論『読史余論』や『日本外史』ではどうか? 明治期の帝国大学の教科書『国史眼』では「幕府」をどう位置づけているのか? 武家政権の否定から始まった明治国家が、日本中世を西洋中世に比肩する時代と位置づけ、自国史の脱亜入欧を果たすべく編み出したのが、「幕府」すなわち「調教された武家政権」という再定義だった。そして、この「幕府」の概念は明治維新(大政奉還と王政復古)の正当性を規定し、さらに南北朝正閏論争や、現在も続く日本中世史をめぐる議論にも大きな影を落としているのである。 著者の長年にわたる中世武士団研究と、史学史研究を交差させ、「日本史の常識」を問い直す野心作。 目次 はしがき 序章 「幕府」の何が問題なのか? 第一章 幕府・政府・覇府:『日本開化小史』の歴史観 第二章 「幕府」の発見:『読史余論』から『日本外史』へ 第三章 近代は武家をどう見たか:『国史眼』と南北朝問題 第四章 「鎌倉幕府」か、「東国政権」か:中世東国史の二つの見方 終章 「幕府」という常識を問う あとがき 参考文献

ユーザーレビュー

  • 藤原道長と紫式部 「貴族道」と「女房」の平安王朝

    Posted by ブクログ

    政治家としての道長が見えてきて面白い。平安時代の中でも華やかな時代のイメージのある2人だけれど、輝いていたのはほんの一瞬なんだよね。一条天皇の苦悩が感じられて辛い。
    それにしても、道長の右腕・藤原行成ってすごい人! 注目してなかった……。

    0
    2025年05月04日
  • 刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機

    Posted by ブクログ

    「刀伊の入寇」…高校で日本史を選択していてもサラッと用語のみの説明だけで終わることも多いだろう。しかし、古代日本の外交・国防を巡る上では重要な事件である。
    刀伊の入寇そのものは雑に言ってしまうと「異民族の海賊のようなものが来たので撃退した」と言うだけであまり語られる部分は少ないのだが、なぜ侵入が起こったのか、当時の東アジア情勢を絡めて考察している。そこからは当時の朝廷が高麗をかなり警戒していたことなどが伺える。
    また国内的な意義として、天慶の乱以来の兵(後の武士)の台頭の1プロセスであること、この時律令制度は形骸化していたと言われるが実はそれが一面の見方に過ぎないことなどが書かれている。

    0
    2024年07月22日
  • 人事の日本史

    Posted by ブクログ

    人事の視点から日本史を読み解いた本。

    人事は組織を運営するうえで大事な要素。人事権を握る人次第で組織は大きく変わる。人事で得をする人、泣きを見る人、文句を言う人がいる。これは古今東西変わらないもの。

    本書はビジネスを経験した人が読むと、さらにおもしろく読める日本史の本です。

    0
    2024年06月05日
  • 刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機

    Posted by ブクログ

    平安時代最大の対外危機である刀伊の入寇について、内と外の視点、前と後の視点から検証し、「海の日本史」の一端として描く。
    日本史の教科書の脚注にちょびっと書かれていた記憶があるだけであまり具体的なイメージを持っていなかった刀伊の入寇が、古代から中世に移り変わっていく中での、特に軍制史的な観点から一つのエポックメーキングな出来事であったことについて理解が深まった。また、意外と日本側の被害が甚大であったことに吃驚した。
    本書で紹介されている、刀伊に連れ去られた人や捕虜になった家族を奪還するために密航した人の体験談がとても興味深かった。こういう貴重な話が今に伝わるのも、藤原実資が詳細な日記を残してくれ

    0
    2022年11月28日
  • 刀伊の入寇 平安時代、最大の対外危機

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最後まで興味深く読めた。
    永井路子さんの「この世をば」でチラッと出てきた時に気になったものの、調べることもなく、今になって良い本が読めました。
    日本の外交姿勢が1000年以上経ってもあまり変わらないような気がしてしまって、何といったら良いのやら。

    0
    2022年09月18日

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