ビジネス・実用 - 筑摩書房作品一覧

  • 3・11後の社会運動 8万人のデータから分かったこと
    4.0
    ピーク時には1カ月で延べ100万人が参加した反原発デモ。国会前や各地で繰り広げられた反安保法制デモ―。1970年以降、社会運動が退潮していった日本で、3・11後に大規模デモが復活したのはなぜか。どのような人が、どのようなきっかけで参加したのか。大規模デモが発生し持続し得た理由を、約8万人のデータを用いて多角的に分析し、新たな知見を導き出す。3・11後の大規模デモと、これからの社会運動を考える上でも示唆に富む労作の誕生!
  • イスラームから世界を見る
    4.0
    誤解や偏見とともに語られがちなイスラーム。その本当の姿をイスラーム世界の内側から解き明かす。イスラームの「いま」を知り、「これから」を考えるための一冊。誕生・発展の歴史から、各地で相次ぐ民主化運動の背景まで、知っておきたい基礎知識をしっかり解説。
  • フィレンツェ史 上
    4.0
    権謀術数ひしめく15世紀末のフィレンツェ。マキァヴェッリは軍事・外交を担当する共和国の官僚として活躍したが、イタリア戦争によってメディチ家が権力の座に戻ると職を追われる。しかしそのずば抜けた才能を評価する枢機卿ジューリオは、歴史理解を統治に生かすべく本書の執筆を依頼。マキァヴェッリはそれに応え、晩年のほぼ全てを費やして人びとの心の内面までをも再現した躍動感あふれる歴史絵巻を描き出した。上巻には古代ローマ時代からメディチ家が権力を掌握する15世紀までを収録。政治の現場に身を置き、場数を踏んだ者だけが読み取ることのできる、ほんとうの歴史がここにある。
  • 明治憲法史
    3.7
    1889年に公布され、敗戦後にいたるまで国家の基本法としてこの国のかたちを規定した大日本帝国憲法(明治憲法)。民意の支えにより政党が力を獲得することを警戒した藩閥勢力の手になるこの憲法は、天皇大権が強く、議会権限の弱いものであった。そうした法の特質が、無謀な戦争の回避を困難にしたとして批判される。だが他方、この明治憲法体制のもとで、戦後憲法の時代にも劣らぬデモクラシーの実践がさまざまに花開いたことも事実だ。私たちはいま、明治憲法の時代をどう再評価すべきか。近代日本の歩みを根本からよみなおす。
  • 社会を知るためには
    4.1
    「社会」という言葉は、様々な形で使われていて、普段は存在を意識しないが、その実態はとてもあいまいだ。では、どのようにすれば「社会」を理解できるのか? 複雑化、副作用、絡み合う因果関係など、その特徴をつかむ。
  • 戦後日本を問いなおす ――日米非対称のダイナミズム
    -
    米日の支配・従属関係の原型は、太平洋戦争の勝者と敗者との上下・優劣関係のなかで形成された。米国主導のこの「日米非対称システム」が生んだ天皇制温存、新憲法、旧・新安保条約が戦後日本にとって何を意味するかを分析。米国優位を許す弱者日本独自の理由を考察する。また冷戦後の安保条約変容を検証。中国台頭・米国後退の中、政治的自立を欠く日本を厳しく見据える視点から、相応の軍事的負担を担いつつ民主主義を確たるものにするため、いま日本国民が何をすべきかを問う。
  • 働き方改革の世界史
    3.6
    経営者と従業員の利害は、どのように調整できるか。労働者の団結や労使協調、あるいは経営参加という現代の労使関係の理論はどのように生まれたか。英国のコレクティブ・バーゲニング、米国のジョブ・コントロール型労使関係やフランスの自主管理思想、ドイツ型パートナーシャフト、日本型雇用など、世界中で模索され、実践されてきた労使関係の理想と現実とは。労働イデオロギーの根源を探訪し、働くということを根本から考える一冊。
  • 中東政治入門
    4.4
    シリア内戦、「イスラーム国」、「アラブの春」、石油依存経済、パレスチナ問題……中東では今も多くの問題が起こっている。しかし報道や時事解説を通してこうした事実を「知る」ことはできても、「なぜ」起こったのか、その原因を「理解する」ことはなかなか難しい。本書は、中東政治学のエッセンスを紹介しながら、国家、独裁、紛争、石油、宗教という五つのテーマをめぐり、その「なぜ」を読み解いていく。中東という大きな課題に向きあっていくために必読の一冊。
  • リベラルの敵はリベラルにあり
    4.3
    細分化されたアイデンティティ集団の近視眼的政治利用がリベラルの包容力を自壊させ、あまりに理想的に設定されたリベラルな価値からこぼれ落ちる生身の人々の憤りがポピュリズムを肥大化させる。グローバリズムとアルゴリズムの波は、個人の自律のみならず国家の自律をも脅かす。AI時代において国家と個人の自律を貫く具体策とは? ナショナル・アイデンティティによる包摂、そして「人の支配」から「法の支配」への脱却を斬新に提言する、気鋭の法律家によるリベラル再生に向けた挑戦状。
  • 緊急時の整体ハンドブック
    5.0
    地震の時に落ち着いて逃げるには? 火傷、骨折、出血、中毒などの救急法は? 放射能の不安に対してできることは? 整体と武術を学んできた著者は、阪神大震災後や、東日本大震災の原発事故後に被災地に行き、整体を行ってきた。その経験を元に、災害時の整体法や、倒れた人の運搬法、応急処置の方法を教示する。便秘、せき、食べ物のつかえ等、平常時にも使える方法も満載。
  • シェーンベルク音楽論選 ──様式と思想
    4.0
    現代音楽の最初の出発点を切り拓いた音楽家シェーンベルク。十二音技法の開発を通して無調音楽への扉をひらき、作曲活動はもちろん『和声学』『対位法入門』などの理論書でも知られる彼が、音楽的信念を熱く綴った論集が本書である。ここでは内から突き上げる創作への力を重視し、作曲技法がマニュアルに堕することを批判する。激動のヨーロッパ史、大衆音楽の興隆、グローバリゼーションと民族性の相克などを含めてクラシック音楽が大きな結節点を通り過ぎていくさまを通し、20世紀芸術が経験した思想的葛藤を目の当たりにすることができる。音楽そして芸術を考えるための必読書。
  • 魔女・怪物・天変地異 ──近代的精神はどこから生まれたか
    3.3
    ヨーロッパ中世末期。魔女狩りが激烈をきわめる中、各地で怪物、凶兆、天罰等々、怪異現象が大増殖した。前代未聞の規模で押し寄せる「異なるもの」に対して、人々は恐れおののきながらも、その異形に魅せられていく。畏怖と好奇心の交錯するなかから、いかにして近代的精神は立ち現れてくるのか。そこにどのような人間的本性が見えてくるのか――。ヨーロッパ中世怪異を丹念にたどり、近代的思考の誕生を切り出す。
  • ぼくたちに、もうモノは必要ない。 増補版
    4.4
    世界累計40万部のベストセラー(23カ国で翻訳)、待望の文庫化!読むとすぐに実践したくなる“手放す方法最終リスト”を増補して80のルールに。「手放すことは「得る」ことである・手放すことがすべての始まり・モノの時給を考える・永遠に来ない「いつか」を手放す・「ある」メリットが上回れば増やすetc.」。モノから解放されて自由に生きるために。
  • オリンピア 遺跡・祭典・競技
    -
    オリンピック発祥の地・オリンピア。そこは、古代ギリシアを代表する体育競技の場であっただけでなく、広く古典古代史の結節点でもあった。ゼウス神へ献ずる宗教儀礼=オリンピア祭はいかにして始まり、そこでの競技とはどのようなものであったのか。本書は、オリンピアの発掘史と遺跡の概要を述べた後、興味深い逸話を交えつつ競技祭典の実像に迫る。碩学が明快な筆致で描いた古代ギリシア史の名著。
  • 古伊万里図鑑
    -
    青山二郎と親交を結び、北大路魯山人に星岡茶寮を任され、柳宗悦の蒐集に協力した稀代の目利き、秦秀雄。すべての古美術に精通したが、伊万里を鑑賞の世界に引き上げた牽引役としてつとに名が高い。本書は、その秦が満を持して刊行した、究極の古伊万里鑑賞案内だ。掲載されている品々は、今も愛好家垂涎の的となっており、蒐集のスタンダードになっている。収められているのは、代表的な染付や白磁から、希少な赤絵、鉄絵、辰砂、鉄砂、瑠璃釉まで、約340点。秦秀雄の眼が射抜いた見どころを、ぜひ味わっていただきたい。幻の名著、遂に文庫化。
  • アジア主義全史
    -
    江戸中期~明治期日本に起源を持つアジア主義は、中国などアジア諸国と連帯して西洋列強に抵抗し、アジア解放を目指すものだった。それは1930年代以降の日本のアジア侵略に名目を与えてしまった。だが大東亜共栄圏の思想は興亜論に形を借りた脱亜論であり、決してアジア主義ではない。戦前の中国のアジア主義や、現代日本の「東アジア共同体論」などに形を変えた左右両極のアジア主義的言説にも注目。真のアジア共生への道を探るべくアジア主義の全貌を描き、その再評価を試みる。
  • 艶笑小咄傑作選 ──定本艶笑落語
    4.0
    古くは“バレばなし”とよばれてきた“艶笑落語”。いいかえれば、セクシー落語、ピンク落語、ポルノ落語でもある。品よく形容するならば、好色落語、お色気落語、風流落語ということになる。本書は、江戸時代から今日まで、“お座敷ばなし”として、ひそかに語りつがれて来た何百という艶笑小咄の中から精選し、バラエティ豊かに編んだ正統な小咄傑作集。
  • 仕事に生かす地頭力 ──問題解決ピラミッドと9つのレッスン
    4.0
    入社3年目のマサヤくんは、あるプロジェクトのリーダーを任された。先輩のりょうこさんと共に、謎の人物ドクから「ものの考え方」を学んでいく。プロジェクトの成功の秘訣はもちろん、仕事において大切なことは何なのか? 本当に考えるとはどういうことか?ということがわかってくる。ストーリー仕立てで地頭力の本質を学ぶことで、問題解決能力が自然に育つ本。
  • やわらかい頭の作り方 ──身の回りの見えない構造を解明する
    3.8
    誰にも「考え方の癖」があり、自由な発想が妨げられている。自分の「常識」や「価値観」や「見方」が絶対でないことを知り、創造的思考を広げるヒントにしよう。
  • プロ野球VS.オリンピック ──幻の東京五輪とベーブ・ルース監督計画
    -
    1931年、東京六大学対全米選抜の日米野球が成功すると、読売新聞社長の正力松太郎は三六年からのプロ野球発足を決意。同じ頃、ベルリン五輪での野球競技が決まり、アメリカはベーブ・ルースを代表監督にすると発表。さらに東京が五輪開催に名乗りをあげ、選手たちが五輪出場かプロ野球かで悩むなか、各球団による争奪戦が始まる。沢村栄治ら有望な若者はいかなる運命の選択をしたか。プロ野球草創期の秘話を掘り起こす。
  • はじめての昭和史
    4.0
    改憲論議、格差社会、日米関係、メディアと世論……いま議論になっている問題のはじまりは昭和にあった! 右や左の思想がはいりこみ、真実がみえにくい昭和史から最低限に知っておくべきことを一冊にまとめる。
  • 学力格差を克服する
    4.3
    学力格差を克服するのに必要なのは、すべての子どもの基礎学力を下支えする「学力保障」である。本書は、学力低下論争への考察を皮切りに、学力について考えを深め、学力格差の実態を考察する。そして「学力保障」をカギとして、「効果のある学校」「力のある教育委員会」の実例を紹介し、学力格差克服の方法を探っていく。よりよい未来をつくるために、これからの学校、公教育の進むべき道を示唆する、学力格差研究の集大成。
  • 10代と語る英語教育
    4.6
    大学入学共通テストへの英語民間試験導入が突然、延期となった。政治には無関心と言われる10代の若者はなぜ立ち上がったのか? SNSや国会前でのデモなど、大きな役割を担った三人に取材し、大学入試改革とは何か、英語教育はどうあるべきなのかを解き明かす。
  • 知っておきたい感染症【新版】 ──新型コロナと21世紀型パンデミック
    3.0
    2020年、新型コロナウイルスが世界的に流行し、多くの人を死に至らしめ、混乱はまだまだ続いている。高速大量輸送、人口爆発の21世紀において、これは起こるべくして起こったパンデミック(感染爆発)であった。新型コロナウイルスをはじめ、鳥インフルエンザやSARSなど、近年の感染症の流行にはどんな特徴があったのか? そして、今後の危機を防ぐために、私たちは何をするべきなのか? 生き延びるために知っておくべき必須の知識を授ける。
  • 数理のめがね
    4.0
    「物のかぞえかた」「勝負の確率」「幾何学の道具」「振子十話」など、身近なことがらから現象の本質を考察した知的好奇心を刺激する数理エッセイ。著者は地球物理学(地震学)の泰斗で、寺田寅彦門下のひとりとして、師の精神を引き継ぎ「難しい問題を易しく解説」する。その軽妙で数学的センスに溢れた語り口には定評があった。前半部の数理読み物に続き、後半部では理工系学生向けの少々ひねりを利かせた「微分方程式雑記帳」を収録する。
  • 思考の技法
    3.0
    あらゆる知的創造は、“準備”“培養”“発現”“検証”という四つのプロセスを踏むことで生み出される。では、人間がもつ思考の可能性を最大限活用し、「ひらめき」を意識的に生み出すような方法とはどのようなものか――。バーナード・ショーらとともにフェビアン協会の中心人物であったイギリスの政治学者・社会学者グレアム・ウォーラス(1858‐1932)。彼は、混迷を深める危機の時代にあって「思考」がなによりも重視されるべきと考え、そのメカニズムを原理的に究明しようとした。ジェームス・ヤング『アイデアのつくり方』の源泉ともされる創造的思考の先駆的名著、待望の邦訳。
  • 民間信仰
    4.0
    河童・濡れ女子のごとき魔物、疫病をつかさどるハヤリ神、人に憑く姿の見えない妖怪ノツゴ、門松・松飾りを焼く正月行事や初田植・穂掛け祝いのような農耕年中行事など―日本の民衆生活に沈殿している信仰の数々。その正体は何なのか、どのような構造で意識の底に堆積しているのか。本書は、柳田國男門下の宗教民俗学者が、日本人の宗教生活に分け入った明快な書である。高度成長期以前の暮らしのなかに多彩な怪異と信仰が蠢いている姿を活写し、日本人の精神的伝統へと踏み込んで、長く読み継がれてきた一冊。
  • 古代日本語文法
    3.0
    従来の品詞別、助動詞・助詞別の記述によらず、現代語文法の枠組みで古代日本語文法(古典文法)を解説した画期的文法書。五十音図をはじめとする基礎から、動詞、形容詞、述語の構造、時間表現、そして敬語まで、本書には、平安期を主とする古典文を読み解くための知識が網羅されている。また、文章読解にあたっては、文中における語の配列規則などを扱う構文論と、語形変化や語の構成を考察する形態論、この二つの視点を持つことが重要だと説く。広く日本語文法や日本古典文学に関心を寄せる人々に推奨したい一冊。
  • 喫茶店の時代 あのとき こんな店があった
    4.0
    人々はなぜ喫茶店に引き寄せられたのか。その独自の空間に流れる時間は、作家・芸術家たちにとっての文学や美術の誕生の場となった。コーヒーや茶の歴史にはじまり、明治、大正、昭和の喫茶店の変遷を追う。いまやチェーン展開のカフェに押され、絶滅危惧種化しつつある喫茶店の魅力に迫る異色の文化史。単行本を大幅改稿文庫化。図版多数収録。
  • 近代日本思想選 西田幾多郎
    -
    東洋思想の絶対無を根底に据え、それを理論化して西洋哲学と融け合う独自の哲学を打ち立てたとされる西田幾多郎。「純粋経験」「場所」「非連続の連続」「永遠の今の自己限定」「行為的直観」「絶対矛盾的自己同一」――。それら中心概念はいかにして生まれ、いかなる変転を遂げていったのか。その理論的変遷と射程を追跡できるように、本書には、『善の研究』をはじめ、西田哲学のエッセンスとなる最重要論考が収められる。西田におけるナショナリズムを照射する「日本文化の問題』と、生命哲学への道を開く未完の論考「生命」は文庫初収録。
  • 死と復活 ──「狂気の母」の図像から読むキリスト教
    4.0
    イタリア・フィレンツェ郊外の小さな美術館で出会った一つの謎めいた板絵。それは死んだはずの赤ん坊をよみがえらせた聖人の奇跡を描いたものだった。この「嬰児復活の奇跡」と、その上位テーマたる「狂気の母」が、著者を思索の旅に招き入れる。聖餐・聖遺物といったキリスト教文化圏特有の信仰形態や、遡って古代エジプト、ギリシア、ケルト文化にも見られる「死と復活」の主題。これら多くの図像や史料を読み解きながら西洋精神の根幹を成す「死と復活」の思想の本質と、キリスト教の深層に肉薄する。
  • 多読術
    4.1
    読書の楽しみを知れば、自然と本はたくさん読めます。著者の読書遍歴を振り返り、日頃の読書の方法を紹介。本書を読めば自分に適した読書スタイルがきっと見つかります。読書の達人による多読のコツを伝授。
  • すごいぜ! 菌類
    3.5
    高温や低温、重金属濃度の高い場所など極限に生きる菌類がいる。地球上のありとあらゆるところにいて、その総数は150万種とも。私たちの身近にいるカビやきのこ、酵母といった菌類とは何か?
  • 「超」働き方改革
    -
    かつて、個人が組織や集団と融合していることは、日本企業の強みとされた。しかし、工業社会から情報社会への転換によって、仕事の内容が変わり、働く人が多様になった。今、働き方改革の最重要課題は、明確な役割を持つ多様な個人が共に働く組織をつくることである――。長時間労働、男女格差、パワハラや生産性の低下まで、日本企業の根深い問題は「分ける」戦略で解決できる! 仕事、職場、キャリア、認知の四つの次元から、組織から個人を分け、その上で統合する方策を示す。
  • 発想の整理学 ──AIに負けない思考法
    3.3
    AIが進化を続ける現代社会において、人間にしかできない創造的発想をいかに生み出すのか。模造紙に情報を配置し、それを徹底的に整理することで企画やアイディアが浮かび上がる「コスモス法」、接続詞や表計算ソフトを駆使した深く考える技術「ロジカル・ブレスト法」。実態を正確に把握し、自らと向き合うことでアイディアを創出する独自の「発想の整理学」を、アカデミックな研究、ビジネスの現場、さらには日常生活でも使える発想術として提案する。
  • 公務員という仕事
    4.1
    公務員はやりがいのあるいい仕事だ。一見地味ではあるが、長い目で見れば、人の意識を変え、社会全体を変革する。その醍醐味を、豊富な経験をもとに紹介する。
  • 元徴用工 和解への道
    5.0
    韓国人元徴用工問題を解決済とする日本政府。一方で元徴用工が補償を求める個人請求権が存在することも認めている。彼らの訴えに耳を傾けることが、戦後七十五年間、民間人の空襲被害や外国籍の人々への戦後補償を放置してきた日本社会に問われているのではないか。著者は弁護士として中国人強制労働事件の和解交渉にかかわった経験を踏まえ、元徴用工問題和解への道を探る。
  • アフリカ経済の真実 ──資源開発と紛争の論理
    3.8
    豊富な資源があっても、国民のほとんどが貧しい。外資が開発をしても、豊かになれない。そして、終わりなき紛争と大量の難民……。アフリカは、これから発展する「希望の大陸」ともいわれるが現実は違っており、その貧困には日本を含めた先進国の人々も大きく関わっている。アルジェリア、コンゴ、マダガスカル、マリ、エチオピア、モザンビーク……日本ではあまり知られていない各国の問題点や世界的な搾取の構造を、マクロな視点とフィールドワークで得た経験により明らかにする。
  • 死の病いと生の哲学
    4.0
    批評家ソンタグはこう言っていた。人は「健康な人の国」と「病気の人の国」のいずれかに属する、と。本書は哲学者自身がガンになった経験を通じて、「病気の人の国」の現実を見つめ、生と死について考察した記録である。死への恐怖はなぜ起きるのか。死に直面することでなぜ人は初めて根本的に懐疑し、真に思考するようになるのか。東西の哲学者たちによる病や死、老いについての考察も参照しつつ、「健康な人の国」の人々には見えない世界と人生の諸問題について深く問いなおす。
  • 消費税増税と社会保障改革
    3.0
    消費税増税で経済が急速に冷え込むさなか、新型コロナで私たちは痛めつけられた。そもそも消費税増税の理由は噓ばかりで、社会保障は後退し続けているし、年金・医療・介護・子育てすべてにおいて、高負担低福祉状態にあり、疫病の流行で、その危機は一層深まった。いっぽう大企業の法人税や高額所得者への所得税は減税が強行される。日本の税制と社会保障はいまどうなっているのか。今後どうすれば建てなおすことができるか。
  • 住み開き 増補版 ──もう一つのコミュニティづくり
    3.0
    部屋を開いて人と繋がる場所にする「住み開き」は、コミュニティづくりのヒント満載。自宅の一部を博物館や図書館にしたり(「少女まんが館」「さわ洞窟ハウス」)、古民家や元店舗を改装してシェア生活したり(「ギルドハウス十日町」「たむろ荘」)、共同育児やシニア世代の交流の場としても。東京・大阪ほか約30軒に新たな7軒を増補。対談:三浦展、松本哉、山下陽光、田中恒子。
  • 明智光秀と細川ガラシャ ──戦国を生きた父娘の虚像と実像
    3.3
    謎の武将・明智光秀と悲劇のヒロイン細川ガラシャ。戦国時代を生きた父娘は、どのような人物だったのか。光秀が織田信長を裏切った本能寺の変の背景には、何があったのか。キリスト教を学び改宗した娘は、石田三成率いる西軍の人質になることを拒絶して死に追い込まれた「気高い美女」とされるが、本当の彼女はどのような才覚、性格、容貌の持ち主だったのか。明智家の状況、当時の布教の様子、イエズス会の置かれた立場や日本戦略、近代化の過程で変容したイメージなど幅広い観点から、彼らの実像を浮かび上がらせる。
  • 皇国日本とアメリカ大権 ──日本人の精神を何が縛っているのか?
    3.5
    戦前、多くの日本人が「国体」思想に飲み込まれ、戦争に動員されていった。なぜ日本人は、この流れに抗えなかったのか? 総力戦に敗北した後、天皇は連合国軍最高司令官に「従属」する形となった。実際にはアメリカ大権となっているにもかかわらず、鋭敏な知識人ですら、それを直視できずにいるのはなぜか? 戦時期に教育の場で広く読まれ、国民に深甚な影響を与えた『國體の本義』の解読をとおして、戦前・戦後を貫流する日本人の精神の「無意識」を問う。ふたたび日本が内閉しようとしている今、来し方行く末を考えるに際し、必読の書!
  • はずれ者が進化をつくる ──生き物をめぐる個性の秘密
    4.3
    「平均的な生き物」なんて存在しない。個性の数は無限大。唯一無二の生命をつなぐために生き物たちがとってきたオンリーワンの生存戦略。
  • マンガ 認知症
    4.4
    大好きな祖母が認知症になってしまい、母と二人で介護に取り組むマンガ家、ニコ。人が変わってしまったかのような祖母との生活に疲れ果てたニコたちの前に、認知症の心理学の専門家、サトー先生が現れて……? 「お金を盗られた」と言うのはなぜ? 突然怒りだすのはどうして? 認知症の人の心のなかを、マンガでわかりやすく解説します。認知症の人が既に五〇〇万人を超え、誰もが認知症になったり、認知症介護をしたりする時代。読めば心がラクになる、現代人の必読書!
  • 人事の古代史 ──律令官人制からみた古代日本
    3.8
    古代日本において、国家を運営するうえで律令官人制という仕組みがつくられ、緻密な評価システムに基いて天皇を中心とする官人統治がなされた。そして政治が動き出し、官人の差配も変化し、報復左遷や飼い殺しのようにみえる人事もまかりとおるようになったのだ。では、その実態はどのようなものだったのか? 人が人を管理する上で起きる様々な問題を取り上げ、古代日本の新たな一面に光をあてる。
  • 避けられた戦争 ──一九二〇年代・日本の選択
    4.3
    1920年代の日本は、国際連盟の常任理事国に選ばれ、不戦条約にも調印し国際平和をリードする大国として世界の期待を集めていた。だが、30年代になると日本は一転して国際協調を捨て、戦争への道を歩んでいく。当時、戦争を避ける選択はありえなかったのだろうか。日米関係を中心に長年研究を積み重ねてきた碩学が、その最新の知見を、従来の日本近代史の豊富な実証研究の蓄積へと接合。20年代日本にとって本当は存在していた「戦争を避ける道」の可能性を掘り起こす。
  • 香港と日本 ──記憶・表象・アイデンティティ
    4.3
    二〇一九年の「逃亡犯条例改正案」への反対デモは熾烈を極め、多くの負傷者を出し、その戦いの終わりは未だに見えない。香港がこのような事態になったのは、どうしてなのか? 中国大陸の同化政策は、人びとにどのような影響を与えたのか? 本書は、香港人としての実感と研究者としての分析で、現在に至る香港の変遷を考察する。また『ドラえもん』『進撃の巨人』と香港政治運動の意外なつながり、大日本帝国の記憶など、香港における「日本」の表象を詳細に分析する。香港出身の気鋭の若手研究者による、日本人のための香港入門。
  • はじめてのオペレーションズ・リサーチ
    3.5
    オペレーションズ・リサーチ(OR)は、第二次世界大戦中、イギリスで軍事作戦研究の技法として創案された。その後、軍事に限らず企業経営や公共政策などさまざまな分野・組織において、意思決定の数学的・科学的アプローチとして発展を遂げた。問題の解決、改善のための最も効率的で最も適切な方法は何か。
  • 類似と思考 改訂版
    3.0
    判断は類推に支えられる。心はどのようなメカニズムを持つのか。“われわれの認知活動を支えるのは、規則やルールではなく、類似を用いた思考=類推である”。本書は、この一見常識に反する主張を展開したものだ。類推とは、既知の事柄を未知の事柄へ当てはめてみることと考えられている。だが、それだけでは実態に届かない。その二項を包摂するもうひとつの項との関係の中で動的に捉えなければならない。ここに、人間の心理現象に即した新しい理論が提唱される《準抽象化理論》。知識の獲得や発見、仮説の生成、物事の再吟味にも大きな力を発揮する類推とは何か。心の働きの面白さへと誘う認知科学の成果。
  • 戦後日本漢字史
    3.5
    現代日本語における漢字は、どのような議論や試行錯誤を経て今日の使われ方になったのだろうか? 戦後、民主主義の発達を阻害するという観点から、GHQは漢字廃止を提案し、また漢字制限のため当用漢字表・字体表が定められた。制度面では、これを緩和する方向で後年、常用漢字表制定とその改定が行われる。他方、実用面では、機械では書けないと言われていた日本語がワープロの登場で一気に障害を乗り越え、難字すら情報機器によって身近になるという逆転現象を起こしている。現代日本語に残された問題の起源を探り、未来を予見する刺激的な日本語論。
  • 大名庭園 ──江戸の饗宴
    -
    小石川後楽園、六義園、浜離宮等、大名家が誇った名園はどのように造られ、そこではどのような社交や饗宴が催されていたのだろうか。自然の地形や植生の利用、潮入りの池のような大泉水、回遊様式など、日本庭園の魅力的な特徴を備えた大名庭園。そこを舞台に繰り広げられた茶事から趣向をこらした酒宴など多様な遊興と社交に、本書は注目する。大名庭園は京の公家文化と武家社会をつなぎ、当時の芸能、芸術全体を取り込んで成立したことが明らかになる。西洋の宮殿庭園とも機能を比較する他に類をみない文化史。
  • 教養の書
    4.5
    全国のごく少数の幸福な読者のみなさん、ついに書いてしまいました。教養とは何か。なぜ大切か。教養への道をどう歩めばいいのか。おまけにお勉強の実践スキルまで。すべて詰まった「知の教典」誕生です。
  • 本屋、はじめました 増補版 ──新刊書店Titleの冒険
    4.1
    独自性のある新刊書店として注目され続けるTitle。物件探し、店舗デザイン、カフェのメニュー、イベント、ウェブ、そして「棚づくり」の実際。事業計画書から、開店後の結果まですべて掲載。個人経営の書店が存続していくための工夫とは。リブロ池袋本店マネージャー時代から、現在まで。文庫化にあたり、開業から現在までを書き下ろした新章「その後のTitle」を増補。
  • 増補 責任という虚構
    4.3
    人間は自由意志を持った主体的存在であり、自己の行為に責任を負う。これが近代を支える人間像だ。しかし、社会心理学や脳科学はこの見方に真っ向から疑問を投げかける。ホロコースト・死刑・冤罪の分析から浮き上がる責任の構造とは何か。本書は、自由意志概念のイデオロギー性を暴き、あらゆる手段で近代が秘匿してきた秩序維持装置の仕組みを炙り出す。社会に虚構が生まれると同時に、その虚構性が必ず隠蔽されるのはなぜか。人間の根源的姿に迫った著者代表作。文庫版には自由・平等・普遍の正体、そして規範論の罠を明らかにした補考「近代の原罪」を付す。
  • 日本の神話
    3.0
    古代日本においては、統治の正統性を確立するために、征服した部族が、征服された側の神話を、自らの神話に取り込んだ。そうして出来上がったのが天皇家の神話、記紀神話である。記紀神話の成立にあたっては、天皇家に征服された伊勢の豪族、度会氏、宇治土公氏がすすんで協力した。その結果、伊勢地方の太陽神であったアマテラスが万世一系の祖先神となる。しかしなぜ単なる一地方神が皇祖神に選ばれたのか?それはアマテラスが、日本人にとって最も当たり前で受け入れやすいタイプの神だったからだ。国家統治のために創り上げられた神話を元の地方神話に解体し、日本の神の原初の姿を取り出して見せた、画期的な研究。
  • 三越 誕生! ──帝国のデパートと近代化の夢
    -
    日露戦争勝利により東アジアの帝国としての地位を確立していく近代日本と軌を一にするように、三越呉服店はデパートメントストア宣言を掲げ、呉服店からの脱却をめざす。「学俗協同」を提唱し、欧米経験を持つ文化人で「流行会」を組織し、都市空間を彩るファッション、雑貨、サービスを生み出す快進撃は、当時の女性観や児童観を牽引することになった。一九〇四~一四年、帝国への道を歩む日本を映し出した「三越デパートメントストア」の草創期を、当時の文芸作品や新聞、雑誌などを通して実証的にたどる。貴重図版を多数掲載。
  • アジールと国家 ──中世日本の政治と宗教
    5.0
    世俗の権力の及ばない避難所、聖なる別天地としてのアジールは、人々を魅了し歴史の中で大きな役割を果たしてきた。比叡山、高野山、東大寺などは、個人支配者を持たないまま、国家権力と鋭く対峙する存在であった。また、天皇を超える権威を仏神に認めた彼らは、時には内裏にまで押し入って自らの要求を押し通した。寺社勢力を中心に無名の大衆の実力を探る。日本中世を舞台に、アジールの在り方と意義、盛衰を跡付ける一冊。
  • 「さみしさ」の力 ──孤独と自立の心理学
    4.3
    自分の内面に目が向かうようになる青年期。誰とも違う個別性の自覚とともに、痛切な「さみしさ」が生まれてくる。わかり合える友だちを求めながらも、心の中をのぞかれることへの抵抗感や比較意識からくる不安も強い。自立へと歩み出すために、さみしさの意味を見つめなおす。
  • 考え続ける力
    4.2
    前著『問い続ける力』は、「考える」ためには「問う」ことが不可欠だという一冊だったが、この本ではいよいよ「考える」ことそのものを追求していく。まずは著者自身が目標とする「創造性のスタイル」を明らかにする。さらに、安宅和人、濱口秀司、大嶋光昭、小泉英明、篠田真貴子との対談を通して、「考え続ける賢人」たちの頭の中を見せてもらう。知的刺激に満ちた「思考シリーズ」新書の第2弾。
  • 現場力 ──強い日本企業の秘密
    -
    IoT、AI、インダストリー4・0――。官主導で次々に仕掛けられる潮流に飲み込まれた日本の産業界は、重要なものを見落としている。それは、日本企業の技術開発が現場で行われてきたものであり、リーダーが計画できるものではないということだ。では、真に競争力のある企業が持っている「現場力」とはなんなのか。ドイツやタイ、そして日本のものづくりの現場を歩き、従来の完成品メーカー/下請けの関係を超えて地方発の新たな取引関係を打ち立てつつある、日本企業の強さの秘密に迫る。
  • 平成政治史 ──政界再編とポスト冷戦型社会運動
    3.7
    冷戦の終焉とともに始まった平成政治。選挙制度改革による政権交代の実現と、自民党一党優位制打破が期待されたが、細川・村山政権や民主党政権に国民が失望する一方で、危機に立たされた自民党は自公連立、小泉改革、安倍政治によって政権の盤石化に成功した。なぜこのような結果になったのか。各政党の動きとその時々の内外の政治課題を巧みに織り交ぜて解説しつつ、SEALDsや脱原発運動、在特会など新しい社会運動の動向にも注目。激動の三〇年を俯瞰する政治史決定版。
  • 日本経済学新論 ──渋沢栄一から下村治まで
    -
    水戸学のプラグマティズムを、近現代日本を支えた経済思想へと発展させた人物こそ、渋沢栄一であった。『論語と算盤』で水戸学の朱子学批判を賤商思想批判へと読み換え、尊王攘夷思想から継承した経済ナショナリズムで日本の近代資本主義を確立した渋沢。その精神を受け継ぎ経済政策の実践に活かした高橋是清、岸信介、下村治ら実務家たちの思想に「日本経済学」と呼ぶべき思考様式を見出し、そのプラグマティズムと経済ナショナリズムに危機に立ち向かう実践的姿勢を学ぶ。
  • 病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー
    3.6
    料理人として働いていた彼女は、腸チフスの無症候性キャリアとして、本人に自覚のないまま雇い主の家族ら50人近くに病を伝染させた。「毒婦」「無垢の殺人者」として恐れられた一人の女性の数奇な生涯に迫る。
  • 数学と文化
    5.0
    記号の運用方法である代数学と身近にある図形の研究である幾何学との結合帯が数学である。数学は、物理学や化学などの諸科学、それらにもとづく諸技術の根幹を担う。また対話や討論の前提となる「論理的・体系的な思考」も数学が培う。いったい数学とは何ものなのだろうか。数概念の始源から始め、ユークリッドの『原論』、パスカルの『幾何学的精神について』、デカルトの『方法序説』、確率論、数理統計、計画数学などを概観し、数学の歴史と思想、さらには私たちの文化の根本に迫った入門概説。
  • しぐさで読む美術史
    3.7
    西洋美術を鑑賞するには、人物の身振りやそこに込められた意味について知っておくことが重要だ。有名な《最後の晩餐》や《受胎告知》も、よく観察すると、描かれた個々の人物の異なる身振りがそれぞれ別の感情を表すことに気づく。知らないと見過ごしてしまうこれらの身振りや動作に注目すると、絵の中の「物語」が鮮明に見えてくる。古今東西の美術作品200点以上、カラー図版多数。
  • モチーフで読む美術史
    3.9
    たとえばあなたが実際に美術館に出かけて目にした、これまで見たことのない中世の西洋絵画を即座に読み解くにはどうすればいいだろうか。本書は、絵画に描かれた代表的な「モチーフ」を手掛かりに美術を読み解く、画期的な名画鑑賞の入門書である。西洋絵画だけでなく、日本を含む東洋の美術や現代美術にも言及している。人気の新聞連載に加筆し、カラー図版150点を収録した文庫オリジナル。
  • 保育園に通えない子どもたち ──「無園児」という闇
    3.5
    目黒女児虐待死事件で、5歳の被害児は保育園にも幼稚園にも通っていなかった。このような「無園児」家庭に、虐待、貧困、発達障害などの問題があっても、その実態は表面化しづらい。日本全国に3歳から6歳児で9.5万人いると言われている無園児の実態と就園の障壁について、全国4万人を対象とした研究の成果と、無園児の家庭や支援団体への取材を紹介する。病児保育のNPO法人フローレンス代表、駒崎弘樹氏との「幼児教育義務化」についての対談も収録。
  • 障害者差別を問いなおす
    4.4
    「差別はいけないこと」だというのは当たり前の感覚である。しかし、なにが差別かを考えだすと、その答えは曖昧なものになりがちだ。多様性が叫ばれる一方で、実際にはマイノリティへの不寛容な価値観が噴出するなか、あらためて障害者差別に向き合う必要がある。過去と現在をつなぎ、何が差別とされてきたのか、そして対していかに異議を唱えたか。その過程は人間の尊厳に迫ることになるだろう。
  • 四国遍路の世界
    4.5
    近年ブームとなっている四国遍路。四国八十八ヶ所の成立、遍路日記などの記録、古代から現在に至る歴史的変遷、古典文学での描かれ方、外国人遍路を含めた現在の人気、世界各地の巡礼との比較など、さまざまな視点から読みとく15講。四国遍路はなぜ時を超えて人々を魅了してきたのか? 最新の研究をまとめた入門書。
  • 令和日本の敗戦 ──虚構の経済と蹂躙の政治を暴く
    3.5
    崩壊寸前のこの国は、やがて「令和の敗戦」を迎える……異次元政策のせいで循環せずに停滞し続ける景気、成長なき経済状況のもと疲弊しきった「働く人」と拡大する格差、隠蔽と欺瞞が常態化し民主主義を蹂躙する政権の振る舞い。2013年以来「この道しかない」と各政策を掲げ続ける安倍晋三首相が、戦後最長の期間政権の座に留まったことの末路だ。戦わずして「敗戦する国」日本の正体を、経済・社会・政治の各現場を取材した気鋭の記者が炙り出す。
  • 中世史講義 ──院政期から戦国時代まで
    3.8
    いま、中世史に新たな光が当てられている。東アジアのなかで日本列島を捉えなおす視点の導入や、文献史料以外の多様な史料も視野に入れた研究の進展などがその一例である。戦国期以外の中世への一般の関心も高まっている。そこで、最新の調査・研究の成果や動向を一般読者にわかりやすく伝えるべく、先端研究者の知見を結集。時代の推移に沿った構成をとりつつも、平板な歴史叙述ではなく、政治・経済・外交・社会・文化など15の重要ポイントを押さえる形で中世史を俯瞰する。
  • 新版 赤ちゃんのいる暮らし
    4.0
    初めての赤ちゃんと、楽しく暮らすための知恵と方法がいっぱいつまった本。あまり、堅苦しく「こうしなければいけない」「これは間違っている」と考えるのではなく、赤ちゃんの個性に即して、柔軟に考えて対応すればいいですよという小児科医の著者の言葉は、親をほっとさせてくれるはず。和田誠さんのかわいいイラストと、心なごむ詩や韻文でも楽しめる。
  • 新版 幼い子のいる暮らし
    5.0
    『新版 赤ちゃんのいる暮らし』姉妹編。「幼い子」の立場に立って、一緒に暮らしていくために、おとながどう接していったらいいのか、子どものからだとこころに寄りそって書かれた本。前作で不十分だった、乳幼児の病気や、身体上の心配ごとを大幅に書き加えました。
  • 〈ひと〉の現象学
    5.0
    わたしたちは何によって“ひと”として生まれ、どういう理由で「あのひとらしい」と言われ、どのようにしてときにその権利が擁護され、ときに糾弾され、やがて“ひと”として消えていくのだろうか――。他者=「顔」との遭遇、愛憎という確執、個としての自由から、市民性・多様性、死など。“ひと”をめぐる出来事には常に、知覚、自己意識、理性、権利と契約、道徳と倫理といった哲学の主題が伴走する。本書はそうした問いの数々をゆるやかに開かれたまま差しだし、共鳴し連鎖する思考を展開していく。
  • 線型代数 ──生態と意味
    -
    線型代数は大学教養課程で学ぶ数学の柱のひとつだが、もう一方の柱、解析学ほど学生には定着していない。これは、線型代数がどういう世界を語り、どのような生態なのか、長い歴史のある解析学と較べ、見えにくいことによる、と著者は言う。物理学や工学、化学、経済学、情報系など多くの分野で有効な武器として使われている線型代数をイメージや意味のセンスを大切にしながら、根本的な概念からひとつひとつ丁寧に説明する。「基礎」の骨格をくっきり際立たせた一味違った入門書。
  • レントゲン、CT検査 医療被ばくのリスク
    -
    そのレントゲン検査、本当に必要? 日本では健康診断や検査での医療被ばくがとても多い。しかし、乳房はエコー検査、胃は胃カメラなど他の方法もある。「その検査は最良の検査方法か?」を医師と相談しよう。放射線の被ばく量は通常、胸部30、乳房マンモグラフィ400、胃3100、PET4400、腹部CT6800μSvにもなる。文庫化にあたり、311以降の被ばく状況を大幅加筆。
  • 〈現実〉とは何か ──数学・哲学から始まる世界像の転換
    5.0
    「現われの学」としての現象学と、「同じさの数学」としての圏論がひとつになる。思考と生、その両方に関わる根本原理を追究した画期的試論。
  • 仁義なき聖書美術【新約篇】
    -
    「この中にわしのことを密告(チンコロ)する奴がおる」幼児大虐殺! 十字架刑! そして、やくざ王国の建設! ヤハウェ大親分から直盃を受けた(と言われる)イエスと十二人の舎弟の悲喜劇が展開される新約聖書の世界を、芸術家たちはどのように表現してきたのか。エル・グレコ〈神殿から商人を追い払うキリスト〉、レオナルド・ダ・ヴィンチ〈最後の晩餐〉、マティアス・グリューネヴァルト〈磔刑〉などの名作を、やくざ風物語と丁寧な美術鑑賞で読み解く。画期的美術読本!! 【旧約篇】と同時刊行!
  • 仁義なき聖書美術【旧約篇】
    5.0
    「おどれら、ほんまにいたしいのぉ~!」豪快な天地創造を皮切りに、人類リセット大洪水! 息子丸焼き命令! 中間管理職モーセの苦悩! 大親分ヤハウェの気まぐれと暴力が織りなす旧約聖書の世界を、芸術家たちはどのように表現してきたのか。ミケランジェロ〈天地創造〉、キルヒャー〈バベルの塔〉、カラヴァッジョ〈ダヴィデとゴリアテ〉などの傑作を、やくざ風物語と丁寧な美術鑑賞で読み解く。画期的美術読本!! 【新約篇】と同時刊行!
  • 日本人のためのイスラエル入門
    4.0
    近年、スタートアップ企業の急増等により世界から熱い視線を浴びるイスラエルは、建国後わずか七〇年で最先端技術大国の地位を確立した。古代から続くユダヤの伝統を大切にしながら、なぜ彼らはイノベーションを起こし続けられるのか? 高出生率、家族中心の伝統、常識を打破する反骨心、市民社会と軍隊の関係、徹底した安全保障意識と自存自衛の精神……。少子化や経済・社会の不安に喘ぐ日本の未来を考えるヒントとして、現役外交官がイスラエルを縦横無尽に語り尽くす!
  • 英語バカのすすめ ──私はこうして英語を学んだ
    4.0
    本気で英語力を身につけたいのなら、全身全霊を傾け、「英語バカ」になることだ。自称「英語バカ」の著者の学びの道のりを追い「学ぶ方法」とその意味を考える。
  • 科学の最前線を切りひらく!
    4.5
    恐竜など魅力的な太古の動物たちはいかに生まれ、今の生き物たちとつながっているのか? 脳は日々どのような精密な働きを営んでいるのか? 悠久の昔から、現代の最先端科学まで。そして超マクロの視点から人体のミクロの領域まで。幅広い分野をリードする科学者たちが、その知的探究の全貌を明かす!
  • 子どもたちに語る 日中二千年史
    4.0
    私たちは何者なのか――。日本の歩みは、いつの時代も世界的大国・中国の圧倒的な影響下にあった。両国の長きにわたる複雑な関係性を通して見ることで、歴史の本当のありようが浮かび上がる。国家の誕生から東アジアの覇権を争った近現代まで、一気に駆け抜け、やさしく愉快に説き明かす。
  • 古代史講義【宮都篇】
    3.7
    日本古代の宮室・都城の発掘調査は昨今急速に進み、研究も活況を呈している。そこで、古代の代表的宮都を、飛鳥の宮々・難波宮・大津宮から藤原京・平城京・恭仁京・紫香楽宮・平安京、さらには大宰府、平泉に至るまで十五講にわたって紹介。最新の調査成果と、深まりゆく研究を紹介しつつ、宮都の実像を叙述するだけでなく、各時代の社会的背景となる古代都市のあり方をも明らかにする。一般読者に向けて先端研究を解説し、旧来の古代史イメージを刷新するシリーズ第三弾。
  • 天皇と右翼・左翼 ──日本近現代史の隠された対立構造
    3.0
    近現代日本を動かしてきたのは、幕末以来の天皇家と伏見宮系皇族(旧宮家)の対立と裏社会の暗闘である。対米戦争へ主導したのは反英米的な軍・伏見宮系皇族・一部の長州閥有力者で、彼ら右派は昭和二十年八月十五日の宮城事件、三島事件など数多く事件を起こし、潜在的に反(昭和)天皇だった。昭和天皇・貞明皇后は左派勢力と個人的につながり、親天皇=保守=右翼ではなかったのだ。従来の右翼・左翼観を打ち破り、近現代日本の支配層における対立構造を天皇を軸に描き直す。
  • 風姿花伝
    3.0
    「秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず」。神・仏に邂逅した出来事を、神事・仏事として「花」をもたらすべく再現する儀礼“猿楽能”をどのように修するか。約二十年かけて増補改訂、推敲が重ねられた世阿弥の主著。有限・無常な修者は、生涯を通して「花」を体現すべく、しぐさ、舞、物まね、音曲をどのように習い学ぶか、台本である謡曲をどのように作るか、興行はどうあるべきかなどが論じられる。そこでは幽玄論の確立とともに、日本文化史上稀有な奥行きの深い思想を展開。本書は『風姿花伝』を日本思想史の文脈のなかに位置付け、捉え直した画期的訳注書。
  • マタイ受難曲
    3.7
    荘厳な響きと、雄大な構想により、西洋音楽の歴史において圧倒的な存在感を誇ってきた“マタイ受難曲”。イエスの捕縛から十字架刑、そして復活までの物語を描いたこの作品には、罪を、死を、犠牲を、救済をめぐる人間のドラマがあり、音楽としての価値を超えて、存在そのものの深みに迫ってゆく力がある。いまなお演奏ごとに、そして鑑賞のごとに新たなメッセージが発見され続ける、すぐれて現代的なテーマを秘めている。バッハ研究の第一人者が、バッハの手書き譜や所蔵していた神学書など膨大な資料を渉猟し、ひとつひとつの曲を緻密に分析して本国での演奏にまで影響を与えた古典的名著。
  • 環境問題のウソ
    3.6
    地球温暖化、ダイオキシン、外来種……。マスコミが大騒ぎする環境問題を冷静にさぐってみると、ウソやデタラメが隠れている。科学的見地からその構造を暴く。
  • 河童の日本史
    3.0
    水辺に出没する日本の妖怪・河童。本書は、民間伝承や文献に出現するこの空想生物を、時代ごと地域ごとに精査。そこから、近世の潅漑用水発達と鎖国にともない内陸の河沼へ目が向けられたこと、ワニやスッポンなど水棲生物を祖型としつつ、水死者・被差別民・処刑キリシタン等のイメージが多元的に重なって河童となったことが浮かびあがる。民俗学と科学史を横断した異色の生物学者による実証分析的空想生物学の著作。その底流には、日本人の生命観へのアプローチが満ち満ちている。
  • 現代語訳 般若心経
    4.0
    人はどうしたら苦しみから自由になれるのだろうか。私たちは、生まれ落ち成長するにしたがって、世界を言語によって認識し、概念を動員して理解する。それは、社会で生きる以上不可欠なものかもしれないが、いっぽうで迷いや苦しみの根源でもある。『般若心経』には、そうした合理的知性を超えた、もうひとつの「知」が凝縮されている。大いなる全体性のなかに溶け込んだ「いのち」のよろこびを取り戻すための現代語訳決定版。
  • 明治史研究の最前線
    4.0
    明治時代はいまどこまで明らかになっているのか。明治史の実証研究の先端を行く研究者三一名の力を結集。研究の推移と現状、到達点を示し、新しい研究視点や課題を考える。幕末維新、内閣制度や皇室制度の創設、政治思想、帝国議会、外交史、経済史や地域に関する研究、宗教や社会に関する研究といった大きなテーマを論じ、関連諸問題についても二四の論点解説で網羅。重層的な明治史の魅力が詰まった歴史ファン必携の一冊。
  • 長い老後のためのお金の基本 ──年金・貯金・投資がわかる
    4.0
    「年金は七〇歳まで出なくなる?」「定年後、一人二〇〇〇万円は必要」「老後破産」「下流老人」等々、老後の生活の不安をあおる情報が飛び交っている。どれがフェイクで、どれが現実なのか? 定年後のビジネスマンの標準的な家計を想定して、「年金」「貯金」「投資」「保険」「介護」「相続」のそれぞれ正しい知識を、ベテランのファイナンシャルプランナーが解説する。正しい情報を持てば、今、自分がとるべき道がみえてくる。
  • 日本史でたどるニッポン
    3.8
    日本という国はひとつの民族が、ひとつの言語を使い、ひとつの国家を形成して、長い長い歴史を持っていると習います。けれどそれは明治時代から戦前までの教育の名残です。では、どのように今の日本になったのか? 日本史を通して学びましょう。
  • 地域活性マーケティング
    4.0
    独自データとマーケティングのメソッドから導かれる「地域の振興」と「地方間の共同性構築」の方法。ふるさと納税は地方の活性化、支援のためにスタートした制度だが、本来の目的を裏切る結果をもたらして、いまや無責任な有権者による「税金のムダ遣い」を招きかねない制度となっている。一方で地域の特色を生かして独自にブランド化、ビジネスを成功させて、地域社会の発展に大きく貢献している地方企業もある。うまくいく地域産品は何が違ったのか。地方の価値を高め、地域を活性化する秘策は、ここにある!
  • 漢語の謎 ──日本語と中国語のあいだ
    4.5
    漢字による熟語である「漢語」。その中には、中国でできたものと、日本でできたものがあり、実は来歴が謎に包まれたものが多くある。銀行の「行」、電池の「池」、盆地の「盆」……それらの字はそもそもどんな意味だったのか? 「文明」「文化」が日本から中国に渡った漢語というのは本当か? 中国では「手紙」がトイレットペーパーを意味する? ひとつのことばの背景には、それをつくった人がおり、海を越えて運んだ人がおり、使う人がいる。本書は、さまざまな漢語の来し方を、情熱をもって探求し、普段使っている言葉の本来の意味、そしてそこに秘められたドラマに迫る一冊である。
  • EU離脱 ──イギリスとヨーロッパの地殻変動
    3.8
    2016年6月23日。イギリスにおけるEU残留の是非を問う国民投票での離脱派の勝利は、世界に衝撃をもたらした。保守党のメイ首相の下で行われたEUとの離脱交渉は混迷を極め、ジョンソン首相に交代。数度の延期の末、2020年1月末に、ついに正式な離脱へ――。なぜ事態はここまで迷走したのか。それは、EUという存在のあり方と利害抜きには見えてこない。イギリスの内政問題という理解を超え、新たなヨーロッパ統合のあり方を見通す。
  • 『論語』がわかれば日本がわかる
    3.8
    理不尽な上下関係や努力信仰が幅をきかせ、抑圧的な組織の論理がまかり通る日本社会――。われわれの多くに刷り込まれたこのような常識や行動様式はどこから来るのでしょうか。江戸時代以降、中国の古典『論語』は、日本人の無意識の価値観のもととなってきました。本書では、『論語』や儒教のものの考え方を丁寧によみとき、さまざまな国際比較研究の知見と照らし合わせることで、わたしたち自身を無自覚のうちに縛るものの正体を解き明かします。己を知り、より自由に生きるための、現代人必須の教養書です。
  • 一枚の絵で学ぶ美術史 カラヴァッジョ《聖マタイの召命》
    4.2
    バロックを代表する画家カラヴァッジョの名画《聖マタイの召命》。この謎の多い絵画に込められた豊かなメッセージを受け取ろう。美術をみる目を助ける基礎的かつ普遍的な知識を紹介し西洋美術史の豊かな世界に誘う一冊。
  • 歴史人口学事始め ──記録と記憶の九〇年
    3.6
    若き日のヨーロッパ留学で歴史人口学と不意に出会い、やがて宗門改帳を使った人口動態調査や「勤勉革命」の提唱で世界的に評価されるまでに至った著者が、幼少期からの体験と日本の歴史人口学成立事情を振り返る。戦中の勤労動員、敗戦後の混乱、中東旅行での歴史観の転換、ヨーロッパの先端研究の導入、網野善彦や梅原猛との出会い、時刻表をヒントにしたデータシートの考案など、九〇年間の学問人生を回顧し、人口減少社会の未来を考察する。急逝した碩学の最後のメッセージ。

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