作品一覧 2021/06/29更新 小さな声、光る棚 新刊書店Titleの日常 試し読み フォロー 本屋、はじめました 増補版 ──新刊書店Titleの冒険 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> 辻山良雄の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 小さな声、光る棚 新刊書店Titleの日常 辻山良雄 言葉が、柔らかく、繊細で、丁寧で、読み終えてしまうのが惜しくなる、素敵な文章の数々と出会える一冊でした。 本が大切に扱われている本屋さんだということが伝わってきました。個人で経営されている本屋さんに行ってみたくなりました。 Posted by ブクログ 本屋、はじめました 増補版 ──新刊書店Titleの冒険 辻山良雄 荻窪の本屋Titleの開業1年目までと、5年後に書かれた増補章。 前半のリブロパートもめちゃくちゃおもしろいし(憧れの時代のリブロ!)、開業準備・開業してからのパートはグイグイと集中して読ませてもらった。 細やかな気配りと目配り、町への愛着、選書へのこだわり。あーTitleに行ってみたい!行ったら、...続きを読むますます本屋を開くことに挑戦したくなってしまうのだろうな…。 Posted by ブクログ 本屋、はじめました 増補版 ──新刊書店Titleの冒険 辻山良雄 行ってみたかった本屋さんがあった。 本屋さんなんてどこも同じ、では決してない。 意思がある本屋さんにあこがれる。 だけど、こじゃれたブックcafeとか、 本をおしゃれな小道具的に扱うような本屋さんは範疇外で。 荻窪駅から徒歩10分以上、あれ? この道で合ってるよね? と思い始めたときにさりげなく現れ...続きを読むる書店。 それがこの本の著者が経営するTitleだ。 最初は2階のギャラリーで行われる展示に興味があって出かけた。 展示自体にもワクワクして本をにぎりしめ(ちなみに牟田都子氏の『文にあたる』) 階段を駆け下りて購入し、今度は書棚をじっくり見る。 欲しい本がたくさんある。1階でもワクワクして止まらない。 書棚の奥にはカフェがあるが、そこに購入前の本は持ち込めないところも好き。 「きれいな状態で本を売りたいので」とのポリシーに(勝手に)激しく賛同する。 子どもの頃から本屋さんはあこがれだった。 だけど小学生の頭の中では、本屋さんてヒマそう。としか思えなかった。 そこに戦略があるとか、販売努力があるとか想像だにしなかった。 だけど、どんな店でもあたりまえにそういうものはある。 そんなことに今さらながら気づかせてもらった。 p231 以前の会社でも本を売る仕事はしていたが、Titleをはじめてから、自分は本に関して何も知らなかったと気づかされることが多かった。この本読んだとか、この作家はどういうひとなのかと、店頭で尋ねられるのはいつものこと。そのようなときに名前を知っているだけでは、お客さんからの信頼は得られない。 ↑ ここ、本当にそうなのだけれど、そういうことを店員さんに聞く人がいることが驚いたというか、聞いていいんだ、そりゃそうか本屋さんなんだもの。と思った。そしてこう続く。 p231 本について知りたければ、自分でも数多く読んでみること以外ほかにはない。店に並べているなかに、読んだことのある本が増えてくると、そこにある本が自らの延長のように思えてくる。 ↑ そして その見当がつくようになると、自分の実感がこもったことばで本を紹介できる。 と言う。 本を人に紹介するとき、ただ「よかった」を連呼して、やみくもに冗長に語りがちな私だが、「自分の実感がこもったことば」を持ちたい。 p233 (本も同じであり、)差一緒は読めないなと思った本でも、毎日少しずつでも読むことで、その本に出合ったと思う瞬間が訪れる。突如目のまえにあらわれた、自分の実感と深く結びつくようなことばが、一瞬にしてその本全体のことを、読むものに伝えるのだ。 p235 (だから、)必要な手間がかけられていない本は、どこか薄っぺらく見えてしまう。いま本が出せればそれでよいというその場しのぎで作られた本には、長く人の心をとらえる力が宿らない。細部に手をかければかけるほど、出来上がったものの網の目が細かくなり、時間に耐えうるものになるのは、本も本屋も同じことである。 ↑ 本に携わる人間として実感と自戒をこめて p242 本はどこで買っても同じとはよく言われることだが、実はどこで買っても同じではない。価格やポイントでお客さんを釣るのではなく、本の勝井を〈場〉の力で引き立てることにより、その本は買った店と共に、記憶に残る一冊となる。 Posted by ブクログ 小さな声、光る棚 新刊書店Titleの日常 辻山良雄 荻窪にある新刊書店『title』の店主が手記をまとめた一冊。この書店ではカフェが併設されており、ちょっとしたイベントブースもある。時折、作家や写真家やデザイナーがトークイベントや個展を開き、店主の辻山さんもそこに静かに携わる。雨が降る客数の少ない日、東日本大震災、新型コロナウイルス下での営業。目まぐ...続きを読むるしく環境が変わっていく中で、様々な人との、些細な会話や考えが暖かに書かれている。 様々な出来事や著名人との会話を題材にしているが 要所要所に心に残る光る言葉があり、日頃ストレスを感じやすい自分のもやもやが解けていく気持ちになります。その中でも特に好きだった一文を抜粋。 『分かったと思う傲慢に身を任せてしまうより、無力に打ちひしがれながらでも自分の足で一歩踏み出したほうが良い。ほんとうの共感は、そこから築いていくしかない。』 筆者が東日本大震災後、記事を書くために東北の出版社の編集者と呑んだその足で、閖上(宮城県)の海岸沿いへ赴いた。今まで抱いていた被災地への共感を胸に記事を書こうとしていたが、なにもない光景に圧倒されて立ち尽くしているシーン。共感力とは一言では言うけれど、その共感とは満足のいくものか?自分の中の価値観にもう一度深く問われている気持ちになりました。 Posted by ブクログ 本屋、はじめました 増補版 ──新刊書店Titleの冒険 辻山良雄 個人の想いが詰まった本 私自身も個人経営したみたい願望があり、この本を手にとりました。しっかりとしたビジョンを確立しており、本人がやりたいようにお店を作っていっている模様が随所にかいまみえました。大変、参考になりました。 daiki 辻山良雄のレビューをもっと見る