作品一覧 2023/05/31更新 科学の危機 試し読み フォロー 科学の名著 第2期 試し読み フォロー 高校生と考える日本の問題点 桐光学園大学訪問授業 試し読み フォロー 動物に魂はあるのか 生命を見つめる哲学 試し読み フォロー 病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー 試し読み フォロー ベルクソン 人は過去の奴隷なのだろうか 試し読み フォロー 1~6件目 / 6件<<<1・・・・・・・・・>>> 金森修の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー 金森修 コロナ禍の時に発売された理由がわかった。 付箋をしながら読んだ本。 これはかなりの勉強になりました。 知らずに人に病気をうつしている……無症状のコロナ患者さんもいたよね。 Posted by ブクログ ベルクソン 人は過去の奴隷なのだろうか 金森修 感動したかと言われれば、かなり感動した。 著者の息遣いを感じる。 ベルクソン初学で読み、唯物論的世界観に生きながら唯物論的ではない世界観に触れた。金森ーベルクソンの「唯心論」は現実的、常識的に感じる。全て数式で説明付けられるとは、必ずしも言えない、というのは僕には痒い所に手が届く意見。「必ずしも言...続きを読むえない」という控えめな主張に留め、科学的説明の価値は認める知的誠実さを残して、しかしその万能性に疑いを挟む。たしかに測定できる時間ではない時間感覚があるように思えるし、数字に置き換えられない瞬間瞬間の変化を自分に感じる。実体験に基づいて感じるところを起点とすると、唯物論よりも納得がいくオルタナティブな立場であると感じる。 詳しくはわからないから、金森が勧める本を少しずつ読むといいのかもしれない。それか科学史家である金森を追っていくのがむしろ正攻法かも知れない。 とにかく分量的には小さい本だが内容は厚く、感じるところが多かった。 Posted by ブクログ 病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー 金森修 公衆衛生と個人の自由の問題は難しい.この本はチフスのメアリーとして世界中に固有名詞のように知れ渡った女性個人に光を当て,健康ではあるが保菌者であったために35年間も隔離されて生きたことについて問題提議し.読者に問いかけている.新型コロナウィルスの脅威にさらされている今,切実な問題だ.文章もわかりやす...続きを読むく簡潔でしかも奥深い.たくさんの人に読んで欲しいと思った. Posted by ブクログ 病魔という悪の物語 ──チフスのメアリー 金森修 「チフスのメアリー」症例がステレオタイプ化されてゆく過程をていねいに追ったモノグラフ。今回のコロナウイルス禍をうけて再版されたようだが、たしかに、いま読む意義は大きい。内容はポイントを押さえ、深いが、プリマ—新書のフォームで平易かつ簡潔、コンパクトにまとめられている。 二〇世紀初頭、アメリカ。移民...続きを読むのお手伝い女性メアリーが、チフスキャリアである可能性が判明し、自由を制限されて隔離される。当時の公衆衛生的状況もあいまって、キャリアであることがスティグマ化され、患者がひとりの個人であるという事実が消えてゆく。 これをみてなんとなく思い出すのは、最近のラノベなどで見かける著名作家などを用いた歴史改変的なフィクションのアイデアである。ラノベに限らず、政治家などを戯画化・物語化する演出も同じだろう。実在の人物をキャラクター化して面白がる、エンタテインメントとして消費するというメカニズム。 実在の人物が存在しているということが分かっていればよいが、通常、大衆はメディア上に現れたイメージをホンモノだと思い、好き勝手に消費してゆく。現実のその人物の生き方と、メディア上のイメージの乖離がおそらくは本書の一つのテーマになっている。 物語化・ステレオタイプ化の誘惑は大きいし、特に大衆・マスメディア社会にとっては強力なルアー(疑似餌)であることが再認識される。 Posted by ブクログ 科学の危機 金森修 哲学者の考える科学の話だが,教えさせられる点が多い.科学者の仕事が個人で完結した時代から,次第に社会との接触が始まり,さらに社会から規制される過程を克明に描写している.「古典的規範」がCUDOS,さらにはPLACEになっていく.多くの科学者の事例を取り上げていることも理解しやすい構成だ.国家が主導す...続きを読むる不適切な科学政策への抵抗として,P211に挙げている次のパラグラフが良い.「国家の中枢でなされる決定に参加できる成功した大科学者が,審議会や学術会議などの発言機会を利用して,自分の優雅な老後や帰属領域のことだけを考えるのではなく,科学の古典的規範に照らした上で少しでも健全な知識生産体制を整備するための提言を,たゆまず行っていくべきだ.」 Posted by ブクログ 金森修のレビューをもっと見る