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動物に霊魂はあるのか、それとも動物は感じることのない機械なのか――。アリストテレスに始まり、モンテーニュを経て、デカルトの登場によってヨーロッパ哲学界で動物をめぐる論争は頂点に達した。古代ギリシャ・ローマ時代から二〇世紀のハイデッガー、デリダまで、哲学者たちによる動物論の系譜を丹念に跡づける。動物/生命へのまなざしの精緻な読解によって「人間とは何か」を照らし出す、スリリングな思想史の試み。
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Posted by ブクログ
『動物霊魂論』と『動物機械論』を対比させながら、文化や文明について考察されている。一般に人は人以外の動植物に対して、優位性を担保している。だから、犬が言うことを聞かずとも許せる。 しかし、その優位性は何を根拠にしているのだろう。 本書はそのことには触れてはいない。しかし、人以外を人がどう扱うのかを歴...続きを読む史をたどりながら解説されている。 そして、思想と哲学の違いを本書によって更に深く考えさせられた。そのことについては、ここでは触れないが。 非常に興味深い書物だった。
とても面白かった。例えば医薬品開発に不可欠な動物実験と、肉食との違いはどこにあるのかなど、改めて考えさせられたことは多い。 また、動物機械論が、生物体の中で、人間をどのように位置付けるのか、という思想的課題の歴史的動向の中で生まれてきたものであることがよく理解できた。 筆者の文体も読みやすく、終章の...続きを読む独白的な文章も面白いものであった。
とても衝撃的な内容だった。難しい箇所も多くあり内容を大まかに説明することはできない。しかしそれでも読み進めた先にはきっと多くを得ると思う。
動物に魂があるかどうかの話をしていない(0_0) 話しているのは「人間が」動物の地位についてどう考えてきたかということ。それにペタッと「魂」というサブテーマを貼ってあるような感じだった。 メインテーマは動物機械論。この動物機械論というのが、動物たちの喜びも苦痛もすべて単なる機械的な反応であり、意に...続きを読む介する必要のまったくないもの、というかなり人でなし感ふんぷんのゲス理論。マルブランシュ許せない。 序章。著者が以前は昆虫についてほとんど機械のようなものだと考えていたこと、ゆえに昆虫は「死んだ」ではなく「壊れた」と述べても良いのだ、と自分の講義で発言して反感を買ったエピソードを読んで、自分もこの人無理だわと思った。 (その後自分でも違和感を感じて考えを変えたことも書いてある) 続いて第一章でまずアリストテレスを引用して霊魂(魂)の定義をするんだけど「アリストテレスは『霊魂論』でものをそのものたらしめる本質的なものを霊魂とし、さらにそれだけじゃなくて、ものの存在を生みだす要因(始動因)でありその存在を意味付ける目的(目的因)でもあるとしている」と述べたあと となると、こうもいえるはずなのだ。 Aという生物がいる場合、Aの霊魂はAの運動がそこからくるところのそれ(始動因)であり、Aがそのために存在するところのそれ(目的因)、なおかつ、AがまさにそのゆえにAであるところのそれ(形相因)なのである。 と言い換える。 ??? 言い換える必要あった? なんでわざわざこんな難しくいう必要あるの、と言いたくなるところはここだけじゃない。 さらに、頻繁に、この先は私の仕事じゃないので、本のバランスが崩れるので、紙面の都合があるので、と話を切り上げまくるし、著名な哲学者たちの著作と思想の紹介に徹するばかりでほとんど持論やまとめを出してこないのでおい哲学者仕事しろ、という気持ちにもなる。 サラッと切り上げるのは理由があって、「本書が行う中心的作業は、特定の思想家の思想を掘り下げることではなくある概念(動物は機械のようなものである論と、いやいや魂あるよ論)の命運とその消長をラフに描くことであり、それ以上のものではない」と終章付近で著者自身が述べている。 でもそれを踏まえても、この哲学者風を吹かしつつ本題に迫ってくれないフワフワ感にものすごく読む気力を削られ続けるので、もしかしてこの人持論がないのかしらと思ってしまう。 さらにさらに。 最終章になってタイトルのことを思い出したのか、著者自身が動物に魂があると思ってるのか否かについてやっと言及するんだけど、その段階になってこの人はするりと哲学者の皮を脱ぎ捨てて、何の根拠も考察もしめさずに「あ、ぼくは動物に魂はあると思うよ!あるある!だからみんな動物を大事にしようね」と言って終わるのである。 たまたま人気アニメの銀魂をちらっと見たときに、オバQのような宇宙生物について「こんな思想もないもの(宇宙生物)を好きも嫌いもなかろう」と言っているのを見て、ふと、思想=魂と言えるのではないだろうか、と興味をもって読んでみたけど、この本ではその手がかりすら見つけられなかった。 いろいろ突っ込みどころがあり、テーマとズレてると感じる部分も多いが面白くはあった。斜め読みでいいから3回くらい読んでみると、第一印象に惑わされずに内容を楽しめるのではないかと思う。
デカルトの <動物機械論>に始まり、それに対抗して出てきた<動物霊魂論>の歴史を詳細に述べている.フランスの哲学文献が主流だが、膨大な資料を駆使しているにもかかわらず、読みやすい論考になっているのは、著者のこのテーマに関する理解力が只者ではないことを示していると感じた.
20世紀以降はむにゃむにゃってなってむにゃむにゃって終っている。結論は肉食とか必要な動物実験はしますが、動物をいじめるのはやめましょう。
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動物に魂はあるのか 生命を見つめる哲学
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