『GIANT KILLING』は、東京の東のサッカークラブ、ETUが強豪クラブを相手に大番狂わせ(GIANT KILLING)を起こしていく物語です。
このマンガの魅力は、監督であり主人公である達海猛のプロデュース力とマネージメントスキル。と言いたいところですが、それだけではありません。
『GIANT KILLING』は様々な立場の人が描かれます。監督だけでなく、選手・コーチ・クラブの社長・広報・スカウト・スポンサー・スポーツ記者・サポーター・サポーターの家族。それら全員の注目が集まる場所が、サッカースタジアムであり、それら全員が同時に歓喜する瞬間が、ゴールが生まれる瞬間なのです。
「プロスポーツとしてのサッカー」の本質を捉えた数少ない、いや唯一といってもいいマンガかもしれません。
人々がサッカーに「熱狂」する理由が、きっとこの作品を読めば分かるはずです。
感情タグBEST3
A代表の監督ブランの長期的視野に立ったマネジメントが見られます。エース花森を先発から外すその真意とは。持田に思い入れのある身としては、花森の孤独に感傷的になってしまいます。
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チームのさらなる進化をもたらすために、グループリーグで企むブラン。
ただのにこやかなフランス人ではないと思っていたけど、ここへきて怖さが際立ってきたような。外から見ているだけではわからない一面。代表戦をやっている甲斐もあるというものです。笑って人を刺せるタイプだな、ブラン。
その進化する日本代表の中心となるのは、やはりエース花森。ブランの期待も大きく、求められている結果も大きい。ただ花森個人としては、持田の存在が影を落としている様子です。同世代で対比されてきた彼ら。お互いに意識し合い高め合ってきたライバルであり、同じ感覚を共有できる相棒の二人。持田のケガは、花森に代表の期待よりも、待ち続けることの疲れという形で、重くのしかかっているのではないでしょうか。
進化するチームの核となるべき花森が、これまで以上の輝きを出せないとなると、一転して先行きな不安な日本代表。結果は出ているだけに、知らず知らずのうちに取り返しのつかない状態になってしまうかもしれません。
Posted by ブクログ
アジアカップが始まった中、エースの孤独に注目が集まる48巻である。
物語は初戦のクウェート戦、そしてヨルダン戦の前半一杯を描く形で展開しているが、ここでは先の巻から引き続き、初戦における意外な選手起用と、それによって複雑な心中を余儀なくされているエース・花森の姿が描かれている。
彼の心中の複雑さは巻末に描かれているが、本来はそこに居るはずの持田が今回も居ない状況で、彼は孤独を感じ、同時につまらなさも感じている。
おそらく、グループステージは彼の心中の膿を溶かす形で展開していくのだろうが、そこに食い込んでいくだろうことが予想されるのが椿である。
我らが椿がどのような形で彼の心の刺を外すのか、次巻を楽しみに待ちたいところだ。
あくまで間の巻であり、ここでは星四つと評価したい。
なお、アジアカップ編はそこそこ続きそうな気配であるし、読者としてもそのつもりでETUのことは来年半ばくらいまでは忘れるくらいのつもりでいた方がいいだろう。
Posted by ブクログ
リーグ戦もあと4節〜てところで、中断のアジアカップ。
持田ショックを引きずる花森の復活なるか?
代表に馴染めないホームシック椿のブレイクなるか?
ブラン監督の代表育成プランに期待ですね。