脱亜論作品一覧

  • 今を生きる思想 福沢諭吉 最後の蘭学者
    5.0
    一九世紀後半、西洋は近代文明のモデルである一方で、独立を阻む脅威でもあった。この文明と独立の矛盾を乗り越えるために、福沢が重視したのが学問であった。グローバル化の始まりを目撃した蘭学者の軌跡。 【本書の内容】 当たり前の常識を疑い、意見の異なる他者と討議する。それこそが自由な空間であり、社会は前進する――。 学問と政治のあるべき姿を求めた福沢の思索を辿る。 ●演説・討論を生んだ徳川期の知的共同体 ●大坂の片隅でグローバル化の原理を探る ●攘夷思想とは異なる福沢の「兵学論」 ●自由と専制の戦いだった明治維新 ●自由は不自由のなかに生まれる? ●統計学ブームの火付け役 ●トクヴィルを援用した「地方分権」論 ●メディアの発展が情念をかりたてる ●蘭学者の「脱亜論」 福沢自身、明治八(一八七五)年公刊の『文明論之概略』のなかで、儒学が主流であった徳川時代と、西洋文明が洪水のように押し寄せる明治日本とは大きく異なると指摘し、まるで一つの身体で二つの人生を生きているようだとして、「一身にして二生を経るがごとく」と評した。政治社会は、「革命」的に変わった。では、この大きな動乱のなか、なぜ福沢はそうした鋭く冷静な洞察を提示できたのか。それは、福沢が徳川期から「蘭学」を通じていち早く西洋学術に触れていたからに他ならない。歴史は重層的であり、江戸と明治を架橋する文化的鉱脈の持続と変容に光を当てる必要がある。 徳川日本は、文化的な成熟を背景に、部分的とはいえ世界に開かれていた。その際、当時の学者たちが世界の情勢や学問を知るための手がかりとしたのが、蘭学であった。西洋世界との出会いについても、開国期からではなく、江戸期の西洋学である蘭学に遡って考えなければならない。――「はじめに」より ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 100ページで教養をイッキ読み! 現代新書の新シリーズ「現代新書100(ハンドレッド)」刊行開始!! 1:それは、どんな思想なのか(概論) 2:なぜ、その思想が生まれたのか(時代背景) 3:なぜ、その思想が今こそ読まれるべきなのか(現在への応用) テーマを上記の3点に絞り、本文100ページ+αでコンパクトにまとめた、 「一気に読める教養新書」です! ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
  • 福沢諭吉 変貌する肖像 ――文明の先導者から文化人の象徴へ
    4.0
    福沢の思想は毀誉褒貶にさらされてきた。それは福沢の議論の変化というよりも、福沢をとりまく世論の側の変化によるものといえる。福沢を評価した徳富蘇峰は、晩年には福沢が日本の伝統的な良風美俗を破壊したと罵倒。戦後は丸山眞男から原則ある実学思想家として賞賛されるも、朝鮮蔑視の脱亜論者として批判もされ、他方で1980年代半ば以降は1万円札の肖像となり、文化人の象徴となった。福沢評価の変遷をたどり、その過程を詳細に考察。福沢の実像を浮かび上がらせる。
  • 近代日本とアジア ──明治・思想の実像
    3.0
    近代日本の対外論は、「アジア主義」対「脱亜論」という図式によって描かれてきた。前者は欧米のアジア侵略に東アジア諸国とともに対抗しようとする立場であり、後者は欧米列強の一員としてアジア進出に参加すべしという主張だ。福沢諭吉、山県有朋、陸羯南、青木周蔵ら、少なからぬ政治家・思想家が、この二つの対外思想の間で揺れ動いたと理解される。だが、そうした論理の使い分けは、第一次世界大戦後に欧米の中心がイギリスからアメリカに移り、アジアにおける中国の存在感が増すにつれ、通用しなくなっていく──。日本外交を規定する構造とその変化を明らかにした記念碑的論考。
  • 福沢諭吉 しなやかな日本精神
    5.0
    日本を守り、西洋を追い抜く気概。そして現代さえ見通す驚きの「先見力」! 政治論、学問論、経済論、脱亜論など、様々なジャンルを縦横無尽に論じて、近代国家の本質を鋭く見抜いた福沢諭吉の議論は、けっして単なる西洋紹介、欧化主義ではなかった。「放っておけば日本は西洋に滅ぼされる。その強い焦燥感と情熱と憂国の念が、彼をあの鋭く、また常に大局を見失わない言論活動へ駆り立てたものと思われます。その思想は、激情的な攘夷思想とも、新しがり屋の西欧かぶれとも違った、たいへんしなやかで強靱な性格のものでした。この性格に、筆者はあえて『日本精神』という呼び名を与えたいと思います」(本書第一章より)。西郷隆盛、吉田松陰、勝海舟、横井小楠らとの比較も交えつつ、福沢の代表的な文章を紹介・玩味し、まったく新しい視点から「福沢諭吉の真価」を問う意欲作! 【目次より】●第一章 「天は人の上に人を造らず」の真意――福沢諭吉とは何者か ●第二章 討幕は必要だったのか――幕末維新と福沢諭吉 ●第三章 松陰、小楠、海舟、隆盛――志士・思想家たちと福沢諭吉 ●第四章 福沢諭吉が考えていたこと――しなやかで強靱な「日本精神」を目指して ◆政治論ブロック ◆学問論ブロック ◆経済論ブロック ◆脱亜論ブロック ●終章 いまこそ甦るべき福沢諭吉――現代日本の危機を超える視座

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  • アジア主義全史
    -
    江戸中期~明治期日本に起源を持つアジア主義は、中国などアジア諸国と連帯して西洋列強に抵抗し、アジア解放を目指すものだった。それは1930年代以降の日本のアジア侵略に名目を与えてしまった。だが大東亜共栄圏の思想は興亜論に形を借りた脱亜論であり、決してアジア主義ではない。戦前の中国のアジア主義や、現代日本の「東アジア共同体論」などに形を変えた左右両極のアジア主義的言説にも注目。真のアジア共生への道を探るべくアジア主義の全貌を描き、その再評価を試みる。
  • 決定版・脱亜論 今こそ明治維新のリアリズムに学べ
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    福澤諭吉が現代に蘇ったら、何と言うだろうか?「悪友」中国・朝鮮と、どう付き合えばいいのか。 明治維新150年。その間、日本は大きな変貌を遂げたが、日本を取り巻く東アジアの国際情勢は、当時の状況と驚くほど重なって見える。 120年前、福澤諭吉によって唱えられた「脱亜論」。その中で「悪友」と記された中国、朝鮮と現在の日本の関係も、まさにそうである。 本書は、緊迫を増す東アジア情勢の下で、日本の進むべき道を、明治維新の歴史に学ぶ。 明治のリアリスト福澤諭吉が、現代に蘇ったらいったい何と言うのだろうか?

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