今を生きる思想 福沢諭吉 最後の蘭学者

今を生きる思想 福沢諭吉 最後の蘭学者

499円 (税込)

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5.0

一九世紀後半、西洋は近代文明のモデルである一方で、独立を阻む脅威でもあった。この文明と独立の矛盾を乗り越えるために、福沢が重視したのが学問であった。グローバル化の始まりを目撃した蘭学者の軌跡。

【本書の内容】
当たり前の常識を疑い、意見の異なる他者と討議する。それこそが自由な空間であり、社会は前進する――。
学問と政治のあるべき姿を求めた福沢の思索を辿る。

●演説・討論を生んだ徳川期の知的共同体
●大坂の片隅でグローバル化の原理を探る
●攘夷思想とは異なる福沢の「兵学論」
●自由と専制の戦いだった明治維新
●自由は不自由のなかに生まれる?
●統計学ブームの火付け役
●トクヴィルを援用した「地方分権」論
●メディアの発展が情念をかりたてる
●蘭学者の「脱亜論」

福沢自身、明治八(一八七五)年公刊の『文明論之概略』のなかで、儒学が主流であった徳川時代と、西洋文明が洪水のように押し寄せる明治日本とは大きく異なると指摘し、まるで一つの身体で二つの人生を生きているようだとして、「一身にして二生を経るがごとく」と評した。政治社会は、「革命」的に変わった。では、この大きな動乱のなか、なぜ福沢はそうした鋭く冷静な洞察を提示できたのか。それは、福沢が徳川期から「蘭学」を通じていち早く西洋学術に触れていたからに他ならない。歴史は重層的であり、江戸と明治を架橋する文化的鉱脈の持続と変容に光を当てる必要がある。
徳川日本は、文化的な成熟を背景に、部分的とはいえ世界に開かれていた。その際、当時の学者たちが世界の情勢や学問を知るための手がかりとしたのが、蘭学であった。西洋世界との出会いについても、開国期からではなく、江戸期の西洋学である蘭学に遡って考えなければならない。――「はじめに」より

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今を生きる思想 福沢諭吉 最後の蘭学者 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年03月10日

    蘭学が日本の文明を変えることに寄与した軌跡がわかる。「窮理」など、その時々で福澤が触れた学問からその本質をつなげる力、日本の今に大きな影響を与える思想家。押し付けではなく、人々それぞれが自分の頭で考えるに必要なことを福澤は示唆する。
    福澤の思想や考え方は、混沌とした今を生きること、未来においてもおそ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年07月28日

    今あえて福沢諭吉を再評価する。蘭学という切り口から福沢の思想を考察する良著。

    適塾で蘭学を学んだ福沢諭吉。横浜の開港地で世界の趨勢はオランダでなくイギリスにあるかとを知り英語を学ぶ。福翁自伝なとで有名な場面。だが福沢の思想の根源は適塾で学んだ蘭学にあったという。

    本書は蘭学が福沢の思想に及ぼした...続きを読む

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