哲学・宗教・心理 - 作品社作品一覧
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5.0安倍元首相銃撃犯・山上徹也の深層、「推し」に裏切られた弱者男性、インセル、陰謀論者、負け組、オタクたちの実存の行方、ニセ情報の脅威、倍速で煽られる憎悪……。 揺らぐ民主主義と自由。加速するテクノロジー、そこに希望はあるのか! ネットネイティブ世代の著者が徹底検証。 既存の権力や秩序から自由であり、人間の様々な問題の手垢がついていないフロンティアだったはずのサイバースペースは、今や、古くから続く政治・権力争い・謀略・戦争の世界に巻き込まれている。 この新しくも古い状況の中で人々の心は動揺し、その揺れ動きは、様々な文化や行動として現れてこざるをえない。 本書は、インターネットが大きく変えている現在の政治状況を、文化との連続性の観点から考えるものである。(本文より)
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4.0反米、反イスラエル、フーシ派、ヒズボラ…… 中東情勢の震源、国際社会の重要アクター、その〈内在的論理〉 イラン革命以降、ムスリム世界のたった一割にもかかわらず多数派スンナ派以上の組織力と完成された教義を実装。「革命の輸出」は、着実に成果を出している。 イラン一国の枠に収まらないそのグローバルな実態。特に信仰と世界観を深掘り、「何を考え」、「いかに形成され」、「他派・他宗教とどう向き合ってきたか」という問いに答える。唯一の本格的入門書。 イランは、1979年のイラン・イスラーム革命によって成立した宗教国家である。その政治体制は、シーア派のイマーム(指導者)論を前提とした「法学者の統治」を採用している。そのため、シーア派という宗派の思想や信仰を、きちんと知っておくことが、イスラーム・中東諸国に多大な影響を与えている、この大国の動向を知る際、絶対に不可欠なのである。本書は、イスラ―ム、中東を知るための必読かつ唯一のシーア派の本格的入門書である。 【目次】 はじめに 本書の位置付けと特徴/本書の構成 第一部 シーア派思想史 第一章 預言者とイマームたちの歴史 一二人のイマームたち/預言者ムハンマドとアリー/ハサン/フサイン/アリー・ザイヌルアービディーン/ムハンマド・バーキル/ジャアファル・サーディク/ムーサー・カーズィム/アリー・リダー/ムハンマド・ジャワード/アリー・ハーディー/ハサン・アスカリー/一二代目イマーム/第一章のまとめ 第二章 ガイバ以降のシーア派 イスラーム世界における学問の始まり/イマームたちの時代の学問/伝承主義の時代/一一世紀以降の合理主義の時代/トゥースィー以降の学問的衰退――セルジューク朝の襲来/モンゴルによる蹂躙/シーア派とスーフィズムの混交/サファヴィー教団による建国/アフバール学派の台頭/ウスール学派の台頭/パフラヴィー朝の成立とイラン革命前夜/イラン・イスラーム革命――法学者の統治とイマームの権限/ポスト・ホメイニーの時代――ハーメネイーのマルジャア性/革命の輸出と現在――ヒズブッラー/イラン以外のマルジャア/第二章のまとめ コラム① イランの支援の例――インドネシア 第二部 シーア派の教義――五信一〇行 第三章 五信 1.タウヒード/2.神の正義/3.預言者性/4.イマーム性/5.復活 第四章 一〇行 1.礼拝/2.斎戒/3.喜捨/4.フムス/5.巡礼/6.ジハード/7.善の命令/8.悪の阻止/9.イマームたちへの忠誠/10.彼らの敵との絶縁 コラム② タキーヤ(信仰隠し) 第三部――シーア派の他者観 第五章 イスラーム諸派の形成とシーア派におけるその分類 イスラームの諸派の形成史/イスラームとイーマーン/シーア派における他者の分類/「反対者」と彼らの救済の有無/救済される他派としての「ムスタドアフ」/第五章のまとめ 第六章 シーア派の他宗派に対する認識 スンナ派/スンナ派が背教者と見なす人々/アリーのカリフ位の簒奪者たち/イマームと交戦した「敵対者」/ハワーリジュ派/イスマーイール派/ザイド派(フースィー派を含む)/アラウィー派/他宗教(キリスト教、ユダヤ教ほか)について/西洋に対して/多様性に富むシーア派信徒 第三部のまとめ コラム③ 日本のシーア派 付録 アーシューラーの参詣祈願 おわりに 註 参考文献 シーア派思想史年表 シーア派・イスラーム関連用語 主要人名・地名索引
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5.0★作品社公式noteで「序論」公開中→「内在的多様性批判 試し読み」で検索! 「みんなちがって、みんないい」とは、いかなることでありうるのか? 最注目の俊英による人類学的考察。 ■國分功一郎(哲学者) 「かつて、多くの者たちがその問いについて悩んでいた。だが、あきらめずに最後まで考えようとする者は少なかった。いま、あきらめずに考え続けた者たちからの贈りものがここに一冊の書物として現れる。現代の隘路から決して目をそらさなかった著者による渾身の一冊。」 ■松村圭一郎(人類学者) 「文化相対主義は、なぜ人類学のテーゼではなくなったのか? 人類の多様性という視点に潜む矛盾はどう克服できるのか? 本書は、ポストモダン人類学から存在論的転回までの歩みを独自に転回しなおすことで、人類学者自身も言語化してこなかった難問に挑む。現代人類学がたどりついた理論的地平の最前線がここにある。」 SNSを中心に多様性の尊重が規範化された現代社会で、私たちは「多様性による統治」という新たな不自由を獲得しつつある――バラバラな世界をバラバラなまま繋げるための思考はどのように可能なのだろうか? 多様性批判の学として人類学を捉え直し、二〇世紀末からポストモダン人類学にいたる軌跡をたどり、二一世紀に提唱された存在論的転回までの学問的潮流を再考したうえで、「転回」のやりなおしとして「内在的多様性批判」を提示し、私たちにとって多様性というものがいかなるものであり、いかなるものでありうるかを思考する。 「本書の目的は、二〇世紀後半から現在までの文化・社会人類学の軌跡、とりわけポストモダン人類学から存在論的転回にいたる主な人類学者の議論を、多様性についての内在的な批判として提示することである。ここで言う「批判」とは、多様性を否定して同質性に回帰することを意味するものではなく、カントが「理性」に対して、あるいはむしろニーチェが「道徳」に対して行ったように、私たちにとって「多様性」というものがいかなるものであり、いかなるものでありうるかについて思考し記述することを意味する。」――本書「序論」より 【目次】 序論 このバラバラな世界をバラバラなままつなぐために 第1章 「彼ら」の誕生 第2章 「私たち」の危機 第3章 ポストモダンを超えて――ラトゥール×ストラザーン 第4章 創作としての文化――ギアツ×ワグナー 第5章 関係としての社会――ジェル×ストラザーン 第6章 多なる自然――デスコラ×ヴィヴェイロス・デ・カストロ 第7章 「転回」をやりなおす あとがき 注/参照文献/索引 【著者プロフィール】 久保 明教 (くぼ・あきのり)(著) 1978年生まれ。一橋大学社会学研究科教授。大阪大学大学院人間科学研究科単位取得退学、博士(人間科学)。主な著書に、『現実批判の人類学――新世代のエスノグラフィへ』(世界思想社、分担執筆、2011年)、『ロボットの人類学――二〇世紀日本の機械と人間』(世界思想社、2015年)、『機械カニバリズム――人間なきあとの人類学へ』(講談社、2018年)、『ブルーノ・ラトゥールの取説――アクターネットワーク論から存在様態探求へ』(月曜社、2019年)、『「家庭料理」という戦場―――暮らしはデザインできるか?』(コトニ社、2020年)など。
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4.0「友達」との関係は、もっと緩やかでいいはずだ。 人びとの生き方が多様化し、SNSが日常化した社会の中で、私たちはどう歩んでいくべきか? 「友情」という承認の形に注目し、その定義から未来像まで哲学する! 【目次】 プロローグ 友情という承認の形 第Ⅰ部 友情の原理 第1章 友情とはどのような関係か 1アリストテレスに問い合わせる 2真/偽の友情、完全/不完全な友情 3友情の四つの構成成分 4友情ではない関係 第2章 (なぜ)私たちは友達を必要とするのか 1「必要」としての友情 2「友達がいない」ことと「幸福である」ことは両立するか 3神ならぬ存在としての人間 第3章 友達を必要とするのは弱い人か 1友達を必要とするのは自立していない人か 2私に友達が少ないのはカントのせいか 3「自足」と「自立」 4「自立」と「自律」 5普遍性という問題 第4章 友情はもっぱら倫理学の問題か 1カントの友情論の場所 2普遍性と個別性 3倫理学から美学へ 第5章 友達は多ければ多いほどよいのか 1なぜ友達の数が問題になるのか 2唯一無二の親友という間違った理想 3たくさんの友達という間違った理想 これまでのまとめ 第Ⅱ部 変化の中の友情 第6章 時間と友情 1時間が友情を壊すということ 2フーコーのぼやき 3友情は若者の専売特許か 4高齢化社会における友情 5年齢差と友情 第7章 セクシュアリティと友情 1「男と女の間にも友情は可能か」という問い 2性愛と友情は両立しないのではないか 3性意識の変化 4新しい「生の形」の発明 第8章 家族と友情 1家族を論じることの難しさ 2高齢化社会の中の家族 3家族という制度そのものの不安定化(流動化) 4友達のような家族関係 第9章 ジェンダーと友情 1友情は男の世界か 2女同士の友情の時代 3他者の欲求を繊細に受け止めること 4人目を気にするということ 5男おひとりさまの友情 第10章 SNSの世界の友情 1SNSの世界の友達の数 2SNSの世界の友達とは観客である 3SNSの世界の公開性 4「承認をめぐる闘争」でsocial であること エピローグ 必要・中間性・緩さ あとがき 参照文献 註 索引 【著者略歴】 藤野寛(ふじの・ひろし) 1956年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程学修退学。フランクフルト大学学位取得。高崎経済大学経済学部教授、一橋大学大学院言語社会研究科教授などを経て、現在、國學院大學文学部教授。専門は哲学・倫理学。著書に、『アドルノ/ホルクハイマーの問題圏(コンテクスト)――同一性批判の哲学』(勁草書房)、『アウシュヴィッツ以後、詩を書くことだけが野蛮なのか――アドルノと〈文化と野蛮の弁証法〉』(平凡社)、『高校生と大学一年生のための倫理学講義』(ナカニシヤ出版)、『キルケゴール――美と倫理のはざまに立つ哲学』(岩波現代全書)、『「承認」の哲学――他者に認められるとはどういうことか』(青土社)など。