イエスという男 第二版[増補改訂版]
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イエスという男 第二版[増補改訂版]

3,080円 (税込)

15pt

イエスはキリスト教の先駆者ではない。歴史の先駆者である。
歴史の本質を担った逆説的反逆者の生と死!

イエスという男がどこから来たのか、我々は知らない。「ナザレのイエス」と呼びならわされていたから、ガリラヤ地方の村ナザレの出身だったのは確かだろう。(…)しかし、ある日イエスは決断してナザレの村を出て、あのような活動をはじめた、というのではない。いつ、どのようにして出てきたのか、気がついてみたら、イエスという男はああいう活動をやっていた、ということだろう。(…)だいたい、あれだけの活動が、一つ二つの決心やきっかけでできるものではない。それはイエスという男の生の帰結であり、出発であり、内容であった。――「第一章 逆説的反抗者の生と死」より

【目次】
第一章 逆説的反抗者の生と死
一 歴史の先駆者
二 イエスの出生
三 それならお前はどう祈る?
四 イエス叙述の方法
五 イエスは愛の説教者ではない
六 「十戒」批判
七 逆説的反抗
八 貧しい者は本当に幸いか?

第二章 イエスの歴史的場
一 ヘロデ家とローマ風
二 ソロモンの栄華
三 宗教史的背景?
四 イエスと熱心党
五 帝国の税金と神殿税(カイサルのものと神のもの)

第三章 イエスの批判――ローマ帝国と政治的支配者
一 イエスの相手
二 災害としてのローマ支配
三 右の頬をなぐられたら
四 諸国民の支配者
五 奴隷について
六 社会関係と神観念

第四章 イエスの批判――ユダヤ教支配体制にむけて
一 預言者の墓を建てる者
二 イエスと旧約律法
三 律法学者批判
四 「汚れ」と「清め」――パリサイ派の生活支配
五 「安息日」批判
六 神殿貴族の権力

第五章 イエスの批判――社会的経済的構造に対して
一 日雇労働者の賃金もしくは社会的平等
二 大土地所有、農業労働者、「失業」
三 分水嶺の両側――地主の慈善、神の前の平等
四 農民一揆――隠喩的語り口の限界
五 資本の増殖と能力崇拝
六 小作人の借金を棒引きにせよ
七 富に対する直感的な反発

第六章 宗教的熱狂と宗教批判の相克
一 イエスにおける宗教的熱狂の自己相克
二 神の国――ユダヤ教の発想
三 神の国――洗礼者ヨハネの極限
四 「罪の赦し」を祈りたければ……
五 イエスと洗礼者ヨハネ
六 ヨハネの死
七 倫理観念の異様な拡大?――「姦淫」の女
八 イエスのまわりの女たち
九 「神の国」の逆説的批判
十 宗教的熱狂――病気治癒へののめりこみ
十一 植民地支配下の奇跡信仰
十二 イエスの熱狂――異常が日常に浸透しはじめる
十三 「人の子」――終末論的確信
十四 「人の子」――一人の人間の確信と絶望
十五 イエス受難物語
十六 十字架の死の苦痛

あとがき
索引
ヘロデ家の家系(表)
イエス時代のパレスチナ(地図)

【著者プロフィール】
田川建三(たがわ・けんぞう)(著)
新約聖書学者。
1935年東京にて生、2025年没。
・主な著作
『原始キリスト教の一断面』(1968年、勁草書房)
『マルコ福音書(註解)』上巻(1971年、改訂増補版1997年、新教出版社)
『立ちつくす思想』(1972年、勁草書房)
『歴的類比の思想』(1976年、勁草書房)
『思想の危険について』(1987年、インパクト出版会)
『書物としての新約聖書』(1997年、勁草書房)
『キリスト教思想への招待』(2004年、勁草書房)
『新約聖書訳と註』全7巻8冊(2007~2017年、作品社)
『新約聖書本文の訳』上製本、携帯版(2018年、作品社)
・共著
インタヴュー『はじめて読む聖書』(新潮新書、2014年、新潮社)
http://www.tagawa-kenzo.server-shared.com

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イエスという男 第二版[増補改訂版] のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    微細に、無慈悲に張り巡らされた宗教というイデオロギーにイエスという男は挑み続けたのか。テキスト・クリティークということを、本書ほど痛感した書物はなかなかない。奇跡に関する記述も興味深い。

    0
    2015年02月17日

    Posted by ブクログ

    キリスト教をある程度勉強して、自分なりの考えを固めた上で読むべきものかと思います。その方がおそらくずっと面白いです。生半可な信仰ではグラッグラになります。怒りや失望も芽生えるでしょう。逆にキリスト教を知識として知るためとか、ただ批判の根拠として読むというのも違う気がします。これでとりあえず目からウロ

    0
    2020年09月04日

    Posted by ブクログ

    イエス・キリストではなく実在したナザレのイエスがどのような人物であったかを書いた本。この人の書くイエスは律法学者に対して「ゴチャゴチャうるせえ、黙れ」と言いそう。理屈をこね回す人を嫌い、宗教に対して皮肉的な態度をとる人物だ。仲良くなれそう。

    タイトルと厚みからもっと固い感じの本かと思っていたが、そ

    0
    2019年03月23日

    Posted by ブクログ

    イエスが語った教説は、歴史的・社会的状況を超越した普遍的・無時間的な真理などではなかった。彼がめざしていたのは、みずからの置かれた歴史的場を意識しつつ、それに自覚的に切り込もうとしていたのだと著者は論じている。

    神学者たちは、イエスの言葉を彼が生きていた「歴史的場」から切り離し、そこからイエスの教

    0
    2012年07月15日

    Posted by ブクログ

    イエスという男は、どこから来たのか・・・
    いったいどんな男だったのか・・・
    何を考えていて、何をしようとしていたのか・・・

    信仰的な解釈から離れて、残された資料の精査から「生きていた男イエス」の実像に迫ろうという一冊。

    いきいきとした生身の男。
    感情を持ち、それは時に激しい起伏をみせる。
    柔和な

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    いや~、難しかった。

    宗教を知るうえで、史実や歴史的背景を正確に知る必要があるんだな…。

    幼いころに受洗していわゆるミッションスクールにどっぷりつかって成長してしまった自分に、どう折り合いをつけたものか…とすっきるというより、悩みを深めた1冊だった。
    2020.11.29

    0
    2021年01月24日

    Posted by ブクログ

    二ヶ月ぐらいかかってゆっくり読みました。
    すごく読みたかったイエス伝。
    イエスに実に迫っていると感じました。
    日本人は宗教的な感覚の薄い民族だし、「分析」という一点では著者からもそういうものを感じ取れました。
    しかしイエスの活動を宗教的支配構造への反抗(簡単に言うとですが。。)といったそのことが、

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    新約聖書学者が生の「イエスという男」について迫れるかぎり迫ろうとした名著。「イエスはキリスト教の先駆者ではない。歴史の先駆者である。」という言葉から始まって、おそろしく切れ味の鋭い分析が続く。他の学者の著書をばっさり切り、キリスト教会の護教的解釈をばっさり切り、柔和で知的なイエスのイメージをばっさり

    0
    2025年04月20日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ■『イエスという男』 田川建三著 作品社

    【後編 イエス路程】
     日本においてのイエス研究の中で、一般にもそれでも受け入れらているといえるものの筆頭は「史的イエス」研究である。「史的イエス」とは何かというと、いわゆる人間イエスに関わることである。信仰の対象として、十字架において人類に赦しを与える、

    0
    2013年12月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    現代キリスト教に対して批判的なキリスト者、、という趣。
    「イエスはキリスト教ではなく歴史の先駆者だった」という有名な台詞、文献から紐解かれる歴史。。
    牧師さんから薦められて読んだ本なのだが、キリスト教理解もないまま無防備に読むには刺激が強い。

    誤解を恐れずに書けば、ある種、チェ・ゲバラのような激し

    0
    2011年09月04日

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