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「友達」との関係は、もっと緩やかでいいはずだ。
人びとの生き方が多様化し、SNSが日常化した社会の中で、私たちはどう歩んでいくべきか?
「友情」という承認の形に注目し、その定義から未来像まで哲学する!
【目次】
プロローグ 友情という承認の形
第Ⅰ部 友情の原理
第1章 友情とはどのような関係か
1アリストテレスに問い合わせる
2真/偽の友情、完全/不完全な友情
3友情の四つの構成成分
4友情ではない関係
第2章 (なぜ)私たちは友達を必要とするのか
1「必要」としての友情
2「友達がいない」ことと「幸福である」ことは両立するか
3神ならぬ存在としての人間
第3章 友達を必要とするのは弱い人か
1友達を必要とするのは自立していない人か
2私に友達が少ないのはカントのせいか
3「自足」と「自立」
4「自立」と「自律」
5普遍性という問題
第4章 友情はもっぱら倫理学の問題か
1カントの友情論の場所
2普遍性と個別性
3倫理学から美学へ
第5章 友達は多ければ多いほどよいのか
1なぜ友達の数が問題になるのか
2唯一無二の親友という間違った理想
3たくさんの友達という間違った理想
これまでのまとめ
第Ⅱ部 変化の中の友情
第6章 時間と友情
1時間が友情を壊すということ
2フーコーのぼやき
3友情は若者の専売特許か
4高齢化社会における友情
5年齢差と友情
第7章 セクシュアリティと友情
1「男と女の間にも友情は可能か」という問い
2性愛と友情は両立しないのではないか
3性意識の変化
4新しい「生の形」の発明
第8章 家族と友情
1家族を論じることの難しさ
2高齢化社会の中の家族
3家族という制度そのものの不安定化(流動化)
4友達のような家族関係
第9章 ジェンダーと友情
1友情は男の世界か
2女同士の友情の時代
3他者の欲求を繊細に受け止めること
4人目を気にするということ
5男おひとりさまの友情
第10章 SNSの世界の友情
1SNSの世界の友達の数
2SNSの世界の友達とは観客である
3SNSの世界の公開性
4「承認をめぐる闘争」でsocial であること
エピローグ 必要・中間性・緩さ
あとがき
参照文献
註
索引
【著者略歴】
藤野寛(ふじの・ひろし)
1956年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程学修退学。フランクフルト大学学位取得。高崎経済大学経済学部教授、一橋大学大学院言語社会研究科教授などを経て、現在、國學院大學文学部教授。専門は哲学・倫理学。著書に、『アドルノ/ホルクハイマーの問題圏(コンテクスト)――同一性批判の哲学』(勁草書房)、『アウシュヴィッツ以後、詩を書くことだけが野蛮なのか――アドルノと〈文化と野蛮の弁証法〉』(平凡社)、『高校生と大学一年生のための倫理学講義』(ナカニシヤ出版)、『キルケゴール――美と倫理のはざまに立つ哲学』(岩波現代全書)、『「承認」の哲学――他者に認められるとはどういうことか』(青土社)など。
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