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芭蕉 おくのほそ道 付 曾良旅日記 奥細道菅菰抄
人生を「旅」と観じ,自己の生活をそのまま芸術と化した「風狂」の姿.紀行文の形をとりながら芭蕉はこの一書に自らの俳諧の到達点を示そうとした.美しく味わい深い文章,構成の巧み,磨き抜かれた芸術精神,それらが生み出した「幻術」の世界がここにはある.旅の実録『曾良旅日記』,秀れた古注釈書『奥細道菅菰抄』を併収.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
『源氏物語』の京都を歩く
千年にわたって読みつがれ、今なお人びとの心を揺さぶる『源氏物語』。その主人公、光源氏や女たちが見た平安の都の場景とは――。本書は五十四巻からなる長編のあらすじを丁寧に紹介しながら、ゆかりの寺社、庭園、風物を訪ね歩く。若き源氏が暮らした京都御所をはじめ、空蝉、夕顔、紫の上、玉鬘といった女たちとの逢瀬の場となった五条の宿、東山、北山、嵯峨野へ……。小路から大橋、河畔、山々に至るまで、京都の風光には『物語』の気配が溶け込んでいる。例えば、薄幸の美女、夕顔が住んでいたとされる下京区高辻通堺町下ルには、いまも「夕顔町」という地名が残っている。京都の人々が『物語』のなかの人物とはいえ、夕顔を哀れんで町名にしたり、墓をたてたりしたところに、この物語への愛情を感じる。なんども訪れたことのある京都も、『源氏物語』を読み返すことで歩き方が変わるに違いない。カラー口絵写真も添えながら、王朝絵巻が甦る源氏紀行の決定版である。 -
司馬遼太郎と三つの戦争 戊辰・日露・太平洋
青い天に浮かぶ一朶の白い雲のみをみつめて坂をのぼっていったこの小さな国が、やがて国民を無謀な戦争にかりたてていった道。 二十一世紀に生きる私たちは、そこからなにを読みとることができるのか。 『花神』『峠』など数多くの作品の舞台となった戊辰戦争、『坂の上の雲』で壮大に描き上げられた日露戦争、そしてついに“書かれなかった”太平洋戦争―近代日本を決定づけた三つの戦争を、司馬遼太郎はどうとらえていたのか。 新聞記者時代から司馬に兄事した筆者が、ジャーナリスト、研究者、さらに若き日の海軍兵学校生徒としての体験をもふまえてたんねんに読み解く。 【著者】青木彰 1926年、東京生まれ。東京大学文学部教育学科卒。49年に産経新聞社入社、教養部長、社会部長、論説委員、大阪・東京両本社編集局長、フジ新聞社社長などを経て、78年から筑波大学現代語・現代文化学系教授。90年、東京情報大学教授。東京新聞客員、朝日新聞紙面審議会会長代理、NHK経営委員、司馬遼太郎記念財団常務理事などを歴任。2003年12月逝去。 -
自嫌の海――太宰治と鏡のない部屋 昭和という時代に己を憎み続けた作家の、最後の七日間
「死にたい」のではない。「自分を許せない」のだ。 昭和23年6月、玉川上水に身を投じる直前の7日間、稀代の文豪・太宰治の魂が激しく揺れ動く。 本書は、太宰治という作家がその生涯を通じて抱え続けた「自己嫌悪」の正体に迫る歴史小説です。大地主の家系に生まれた罪悪感、左翼運動への挫折、心中未遂と生き残った恥辱、そして薬物依存――。凄絶な自己破壊の衝動の奥にある、「自分を許せない人間」の精神の軌跡を、実在の人物や時代背景を織り交ぜながら鮮烈に描き出します。 読者は、崩壊へと向かう最期の7日間と過去の記憶が交錯する構成を通じ、太宰の苦悩を追体験できます。それは単なる弱さの露呈ではなく、昭和という激動の時代が生んだ一人の男の「真実の告白」として、現代を生きる私たちの心にも深く突き刺さるはずです。 こんな方におすすめ ・太宰治の文学やその破滅的な生涯を深く知りたい方 ・人間の内面的な葛藤や孤独を描いた重厚な物語を求める方 ・昭和の空気感と文士の生き様に興味がある歴史小説ファン 鏡をふせ、自分を見つめることを拒み続けた作家が、最期に辿り着いた答えをぜひ見届けてください。 -
愛と絶望の彼方に 壮絶な過去から辿り着いた鍼灸師の半生
身寄りのない環境で育った僕を変えたさまざまな出会い 東京下町の長屋で血縁のない人々に囲まれた生活を余儀なくされた著者の自伝。 育った家では肉親ではないという理由で虐げられてきた経験も…… 幼いながらに早く家を抜け出したいと思い、20歳の時に家出を決行。 大学、社会人、妻との出逢い、鍼灸との邂逅、肉親の誕生、教師、歌手、参議院選挙出馬など数々のキャリアを経て振り返る、これまでの人生の軌跡。 身寄りのない環境で育った著者を変えたさまざまな出会い、 ただ、意志をもって行動すれば自身の道は拓かれる。 壮絶な過去から辿り着いた著者渾身の実話。 【目次】 目次 その1 東京の片隅で その2 向島へ その3 浅草へ その4 厚木へ その5 旅立ち その6 めぐり逢い その7 同居 その8 結婚 その9 鍼灸の世界 その10 肉親の誕生 その11 開業 その12 教員養成科 その13 医療専門学校講師 その14 複数の草鞋 その15 参院選 その16 先祖 その17 大学院 その18 東日本大震災 その19 福岡へ その20 マレーシア10年ヴィザ その21 卓球と弓道 その22 実母の死 その23 墓参 その24 長男ファミリー来日 【著者】 天地 是空 1950 年東京生まれ 孤独な幼少青年期を過ごす 警視総監賞(人命救助) 早稲田大学卒業 鍼灸の国家資格取得 鍼灸教員資格取得 鍼灸接骨院開業の傍ら医療専門学校講師 ビクターから歌手デビュー 参議院選挙出馬 大学院で東洋医学を研究、修士号取得 東日本大震災を機に福岡へ移住 マレーシアの長期ヴィザ取得 福岡とマレーシアの往復を繰り返す -
100%ムックシリーズ 完全ガイドシリーズ380 紫式部完全ガイド
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』が千倍面白くなる! 世界一わかりやすい『紫式部完全ガイド』 平安中期の「貴族ライフ」や「真実の紫式部」 その作品『源氏物語』の世界が 読んでも!眺めても!楽しいほど理解が深まる一冊 西暦千年前後、今から千年以上の昔。平安時代中期を生きた女流作家・紫式部は、 「世界最古の長編小説で日本古典文学の最高傑作『源氏物語』の作者」。 国語や歴史の教科書に必ず出てくる超有名人だが、 実はその本名も生没年もはっきりわかっていない。 本書は、『紫式部日記』『紫式部集』『御堂関白日記』『小右記』などの歴史的な書物をもとに、 この紫式部の誕生前後から没後までを歴史の流れに沿った 総力特集[紫式部の真実100]として、 「時代背景・人物関係・出来事」を「諸説・妄想」をまじえ、全方位からわかりやすく解説。 -
上地王植琉の私訳古典シリーズ6 バンカラ奇旅行 ~世直しに必要なのは、暴力でした~ ―完全版―
星塔小史という謎の人物によって書かれ、明治41年(1908年)に出版された本作。 『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』でも紹介された、森鴎外『舞姫』と夏目漱石『坊っちゃん』の絶妙なパロディ冒険小説――『蛮カラ奇旅行』が、百年の時を経て(今さら)現代語訳&注釈付きで蘇る! バンカラ世界旅行なる、ハイカラを撲滅しに日本を出た島村隼人。道中で襲い来る悪漢を殺したり、人助けをしたり、とにかく鉄拳制裁の名の下にバンカラが暴れまくる。とにかく言動のすべてが狂っている。コンプライスなどお構いなし!もはやこれは明治期の「なろう小説」ではないだろうか!? こんな痛快な小説が明治期にありました……上地王植琉の私訳古典シリーズ第六弾! 完全版は分冊版第一巻から第三巻の内容に、「あとがき」を加えたものになります。 -
雲は美しいか
雲が和歌の歴史の中で、とりわけ別れの主題に関わって積み重ねた美を追想することでまた新たな作品を生む。その力学を解きほぐす。 -
知と奇でめぐる近世地誌
地域への関心が多様な地誌、名所図会や諸国奇談を生み出した近世後期、各地の今と歴史に向かう視線は妖異や奇譚をどう扱ったか。その仕方に知のありかとその変容を読みとる。 -
新装版 キムの十字架 松代大本営地下壕のかげに
約40年にわたり読み継がれてきた不朽の名作が令和新装版として登場! 今、あらためて戦争を考える。 長野県で極秘に進められた大本営工事。そこには朝鮮から強制連行されてきた兄弟がいた。過酷な強制労働のなかでたがいの消息を知らぬまま過ごした。終戦により解放され、兄は弟も連行されていたことを知るが…。 児童文学者・和田登が丹念な取材や残された記録をもとに、物語へと昇華させた最高傑作。 【目次】 1 物語のはじまり 2 セファンのひろいもの 3 ジェハのビンタ 4 風のうなる夜 5 大雪の日に 6 中野少年の死 7 解放だ!! 8 セファンの文字か? 9 空中にまいあがった紙 10 はるかな鐘の音 【著者】 和田登 1936年、長野県生まれ。信州大学教育学部卒業。「虫」で第1回日本児童文学者協会短編賞。「悲しみの砦」(岩崎書店)で第1回塚原健二郎文学賞。「武器では地球を救えない」(文渓堂)で第52回産経児童出版文化賞。「想い出のアン」(岩崎書店)、「キムの十字架」(明石書店)、「星空のバイオリン」(PHP研究所)、「十二歳の旅立ち」(講談社)、「松代大本営」(岩波書店)、「キムの十字架の発見」(かもがわ出版)、『信州むかし語りシリーズ』(しなのき書房)、『望郷の鐘』(同)ほか多数。 和田春奈 1967年、長野県生まれ。デザイン事務所を経て、挿絵、装丁の仕事に入る。「怪奇ミステリー」シリーズ全6巻(PHP研究所)、「キムの十字架」(明石書店)、「エンジェルがとんだ日」(学習研究社)、「しあわせ配達犬ミルク」(PHP研究所)、「さまちゃれ~泣かないでマンドリン」(文溪堂)、『信州むかし語りシリーズ』(しなのき書房)、『望郷の鐘』(同)ほか多数。 光彩会所属、きらめくプロジェクト実行委員長代理。 -
P+D BOOKS プレオー8の夜明け
兵士の日常を描いた芥川賞受賞の戦争文学。 第2次大戦後、戦犯容疑でサイゴン刑務所に抑留された日本兵の鬱屈した日々をユーモア交えて描いた第63回芥川賞受賞作「プレオー8の夜明け」。 他に筆者処女作「墓地で」から、晩年の名品「セミの追憶」(第21回川端康成文学賞作品)まで、戦争の記憶をつむぐ短編16作を収録。 戦後すでに70年を超え、戦下の記憶は風化するにまかされる。30年にわたる筆者の貴重な営みを通じ、名もなき兵士たちは、何を考え死んでゆき、生き残った者たちは何を思うのか――今改めてその意味を問いかける、珠玉の“戦争文学短編集”。 -
西部邁 日本人への警告 わが国にとって「保守vs.革新」とは何だったのか
巨星墜つ。 気鋭の論客が読み解く、稀代の大思想家が身を賭して遺したメッセージ。 2008年4月28日に開催された「主権回復五十六周年記念国民集会」で、「こんなザマで主権回復したなどおこがましい」と壇上で絶叫した西部邁氏。会場の空気に水を差すスピーチではあったが、多くの観衆は喝采した。その背景には、対米追従をよしとする現代の保守論壇に対する痛烈な批判と、日本の自立への強い思いが込められていた。その知の巨人・西部邁氏を偲び、気鋭の論客3人が遺された膨大なテキストを通して現代を読み解く。 西部さんの自裁は、晩年にお書きになられていたことを そのまま実行されたという「意志の力」を非常に強く感じた。 知識人の連中たちが、あまりにも安閑とした、 堕落した状態だということを再認識させられた気がする。――西村幸祐 一つひとつの用語や言葉を非常に重要視することが 西部邁という思想家の根幹にあって、それが最後まで一貫していた。 言葉の定義、あるいは論理の厳密さが保守思想の 原点、出発点でもあり、転回点でもあった。――富岡幸一郎 西部さんは、日本という社会が急速に、言論人や政治家だけではなく、 もう回復できないまでに溶解していくような思いがあったのではないか。 大衆社会化という、言葉だけでは語れないような空虚さと退廃。 それが知識人としての悲劇だったのかもしれない。――三浦小太郎 -
P+D BOOKS 夏の砦
北欧で消息を絶った日本人女性の精神的彷徨。 織物工芸に打ち込んでいた支倉冬子は、一枚のタピスリに吸い寄せられ、魅惑されてしまう。ついにはヨーロッパに留学する決意までした冬子。だが、冬子は、ある夏の日、その地方の名家ギュルンデンクローネ男爵の末娘エルスと孤島にヨットで出かけたまま消息を絶ってしまう。 冬子が残した手記をベースに、生と死、または愛の不安を深く掘り下げた小説となっている。絶対的な孤独の中、日本と西欧、過去と現在を彷徨しながら、冬子はどのように再生していくのか……。 辻邦生が自著『生きて愛するために』で語った「死というくらい虚無のなかに、<地上の生>は、明るく舞台のように、ぽっかり浮かんでいる」という彼の死生観とともに、西欧的骨法によって本格小説を日本に結実させんとした、辻文学初期傑作の一つである。巻末に「創作ノート抄」を併録。 -
P+D BOOKS 鳳仙花
中上健次が故郷紀州に描く“母の物語”。 「秋幸もの三部作」よりも以前の時代を描く、秋幸の母・フサの波乱の半生を描いた物語。 海光る3月。私生児としての生い立ちに昏い痛みを覚えながらも、美しく利発な娘に成長したフサは、十五になった春、生まれ育った南紀の町をあとにした。 若々しい肉体の目覚めとともに恋を知り、子を孕み、母となって宿命の地に根をおろすフサ。しかし、貧しくも幸福な日々は、夫・勝一郎の死によって突然に断ち切られた。 子供を抱え、戦時下を生き延びる過酷な暮らしの中で、後に賭博師の龍造と子を為し、秋幸と名付ける。しかし龍造が賭博で刑務所に入っている間、他の二人の女を孕ませていたことを知り、フサは秋幸には龍造を父と呼ばせぬと宣言する……。 中上健次が実母をモデルに、その波瀾の半生を雄大な物語へと昇華させた傑作長編。 -
夜の太鼓 新版
こころが騒いで眠れぬ夜に―― 「生活」を続けるすべての人に贈るエッセイ 「私の住居は六畳一間に四畳半ほどのキッチンとやら。そのキッチンの棚、卓上、椅子も一つだけを残し、すべて印刷物の占領下にある。」長く家族を養った先で、ついに手にした自分の部屋での自分の暮し。生きる限りは鼓動が続く。傷の記憶も世の不合理も消えずとも、人と話し、ものを食べ、地を歩き、故郷とかつての日々をおもう。戦火をくぐって時代に臨んだ詩人の名随筆集。 解説 蜂飼耳 カバーデザイン 小川恵子(瀬戸内デザイン) カバー画 いぬいかずと 【目次】 Ⅰ 花いちもんめ 時の名称/しつけ糸/会社をやめたら/絵柄人柄/雪谷/気になったことふたつ 他 Ⅱ その角の向うに 運動会の空/籠の鳥/美顔/冬の案山子/梅が咲きました/子供一同/一粒の米も、私も 他 Ⅲ 松崎 「私の前にある鍋とお釜と燃える火と」の頃/自作について/私の名前/思い出が着ている/悲しみと同量の喜び/伊豆と私 他 あとがき/文庫版あとがき/解説 蜂飼耳 -
新編 黒柳徹子の一生懸命対談
渥美 清/畑 正憲/森 英恵/勝 新太郎/司馬遼太郎/坂東玉三郎/和田 誠/篠山紀信/市川房枝/芥川也寸志/高倉 健/沢村貞子/淀川長治/佐藤愛子/小沢昭一/宇野千代/永 六輔/黒柳徹子 人には必ず話がある。 そして、人には聞きたいことがある。 聞きたがり屋のテツコさんが、会いたい人と語り合った、貴重な対談集の決定版 年齢分の時間をかけてリハーサルを重ね、人生の舞台に立っているのだと考えれば、どんな人の人生も面白くないはずはない。しゃべるのは嫌いだという人にも、必ず話したいことはあるはず。人には必ず話がある、そして、人には聞きたいことがある。おしゃべりも大好きだけど、聞きたがりでもあるテツコさんが、会いたかった17+1人と一生懸命話をした。1975年から2006年まで、選りすぐりの貴重な対談集。 ※電子書籍版では、紙書籍版と収録内容が一部異なります。 -
有吉佐和子ベスト・エッセイ
研ぎ澄まされた美意識旺盛な好奇心と行動力 有吉佐和子のエッセイ集ベスト版! 『華岡青洲の妻』『恍惚の人』『青い壺』『非色』・・・・・・ 今また読まれている理由がこの1冊でわかる。歴史や社会問題、伝統芸能から現代人の心の機微まで、作品のテーマは多岐にわたり、また書くものは次々にベストセラーとなった昭和を代表する作家・有吉佐和子。若くして始まった作家人生を支えたのは美への探究心や旺盛な好奇心、行動力であった。その明るくバイタリティに溢れる人物像や創作の現場がうかがえるエッセイやルポルタージュをまとめる。ちくま文庫オリジナル・アンソロジー。 -
私の文学史 なぜ俺はこんな人間になったのか?
パンク歌手から芥川賞作家、そして唯一無二の文人へ。町田康、はじめての自分語り! 独特な文体・語法と奇想天外な物語で幅広い読者を有し、多数のヒット作を発表してきた作家・町田康。一度読んだらやみつきになる、あの唯一無二の文学世界は、いかにして生まれ、進化してきたのか。町田ファンならずとも、文芸ファンなら誰もが気になる謎について、作家自らが内面を「暴露」する注目の一冊。本書では、人生初の試みという「自分語り」を幼少期から還暦を迎えた現在まで、好きだった本や作家、自身の作品解説といった文学世界はもちろん、影響を受けた民謡・浪曲・落語・ロックなどの芸能世界も取り込みながら、徹頭徹尾、町田ワールドを全開していく。 【目次】 本との出会い 夢中になった作家たち 歌手デビュー 詩人として 小説家の誕生 創作の背景 作家が読む文学 芸能の影響 エッセイのおもしろさ なぜ古典に惹かれるか 古典の現代語訳に挑む これからの日本文学 -
ヤマケイ文庫 穂高の月
井上靖の山と自然にまつわるエッセー集。「氷壁」に関わる文章のほか、今までの紀行集やエッセー集に収められなかった作品を含め、少年期から円熟期まで、全集でしか読むことができない山と自然にまつわるエッセイ。 「氷壁」の舞台・穂高岳への登山、取材記を中心に、少年時代を過ごし「しろばんば」の背景となった天城の自然、海外ではネパールの旅など、文学者ならではの自然観が綴られたエッセー50篇を収録。作家の目が捉えた山や自然風物が作品にどう反映されたのかを探る。 内容: 1.天城の雲 少年時代の原風景について 2.穂高の月 山との出会いと「氷壁」の舞台を訪ねて 3.日本の風景 文学者の自然観 4.作品の周辺 山を舞台とした作品について 「あすなろ物語」「しろばんば」に描かれた故郷・天城によせる思い、「氷壁」の舞台となった穂高岳への山行、さらにはネパール・ヒマラヤへの旅。文学者の自然観と、作品構築に至る思索が表われたエッセー五十篇を収録。自然と旅を背景とした作品の成立過程をたどる。 -
紫式部と男たち
男たちは日記を書き、女たちは歴史を書いた 2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』の最良の手引き! 物語が女の人生を照らし、男たちの政治をも動かす――。 宮廷を中心に文学が花開いた平安時代。 壮大な人間ドラマである『源氏物語』はいかにして書かれ、どう読まれたか? セクシュアリティと権力の観点から平安文学を読み解いてきた日本文学研究者が、紫式部と同時代を生きた男たちの実像を通してその歴史を描き出す。 〈目次〉 はじめに 紫式部はなぜ『源氏物語』を書いたのか 第1章 『源氏物語』の時代 第2章 摂関政治下の色好みの力 第3章 すべては『蜻蛉日記』からはじまった 第4章 女の物語の系譜 第5章 呪いと祈祷と運命と 第6章 女房たちの文化資本 第7章 『源氏物語』はどう読まれたか 第8章 女が歴史を書いた おわりに 色ごとが政治に直結していた平安時代。女房たちが宮廷に出仕し、和歌や散文を読む教養あふれるサロンが形成され、そのサロンの趨勢もが政治を左右しました。紫式部をはじめとする女たちが物語を書き、その物語が女たちの人生を照らし、時に男たちの政治をも動かす。物語と現実とが深く響き合った稀有なこの時代の手触り、そして人々の生きざまを、『源氏物語』を読み解きながら蘇らせる、めっぽう面白い一冊が誕生! 〈性と権力〉に着目して平安文学を読み解いてきた著者・木村朗子さんの鋭くも小気味よい読みに誘われ、いつしか紫式部の人生、『源氏物語』の神髄に触れることになるはずです。 2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』のまたとない手引きである本書、ぜひお読みください。 -
日曜日/蜻蛉 生きものと子どもの小品集
〝小説の神様〟志賀直哉は、生きものや子どもを好んで書いた。写実に徹した描写が何気ない小さな姿に新鮮な輪郭を与え、世代を問わず親しめる普遍的な名品となって多く生み出された。それらの短篇を集めた『日曜日』『蜻蛉』を合本とし二十四篇を収録。巻末に網野菊「先生と生きもの」を付す。〈解説〉阿部公彦 目次 日曜日 子供の読者に 日曜日 清兵衛とひょうたん ある朝 菜の花と小娘 クマ ジイドと水戸黄門 池の縁 子供三題 犬 鬼 出来事 小僧の神様 雪の遠足 台風 母の死と新しい母 蜻蛉 序 蜻蛉 家守 城の崎にて 濠端の住まい 百舌 馬と木賊 虫と鳥 兎 玄人素人 付録 先生と生きもの 網野菊 解 説 阿部公彦 -
100冊の自己啓発書より「徒然草」を読め!
「徒然草」は過激な思想書だった! 世をはかなんだ老人が書いた退屈な古典――。 『徒然草』をそんな風に思っていないだろうか? それは大間違いだ。 作者の兼好法師は「腐った世の中と戦え」と叫んでいる。 兼好は言う。「世論に流されるな! 」「高を括るな! 」「知ったような顔をするな! 」 「不安に支配されるな! 」「常識を疑え! 」と。 いくら知識があっても過ちを犯すのは今も昔も同じ。 そこで重要なのが「見識」だ。 『徒然草』には兼好法師の見識力の高さが至るところに見られる。 急速にデジタル化が進む現在、人間関係も言論でも本質が見えにくくなった。 そんな時代だからこそ、改めて『徒然草』から学びたい。 -
死ぬのも楽しみ 「いい人生だった」と最期に思うために必要なこと
死を正面から見つめると、生を楽しもうという気持ちが生まれてくる 老い方は人によって大きな違いがあります。朗らかに穏やかに老いていく人と、不機嫌につらそうに老いていく人がいるからです。 自分のペースで好きなこと、やりたいことを毎日のんびりと続けながら老いていくのが、「楽な老い方」。老いの延長に死が待っているとしても、死ぬ瞬間まで幸福感に満たされているなら死は決して不幸なゴールではありません。 「まだ死にたくない」と思えば死はつらいだけ。死を怖がるより、今を生きることに専心すれば、あなたのこれからの人生は確実に充実します。 プロローグ 「死ぬのも楽しみ」と思えれば、残りの人生は充実する 第1章 生きているときに「生」を楽しみ尽くす生き方 第2章 精神科医が考える楽な老い方、つらい老い方 第3章 「死は人生最後の大旅行」そう考えると、老いは快適になる 第4章 人生の旬は高齢期、心地よく老いに向き合う方法 第5章 死が近い高齢期こそ、いい思い出を積み重ねていく時期 第6章 死を穏やかに、安らいで受け容れるために エピローグ 生きている時間を味わい尽くすと、死は「ただごと」になる -
我々の死者と未来の他者 戦後日本人が失ったもの(インターナショナル新書)
なぜ日本人は、気候変動問題に対する関心が低いのか。そのヒントは司馬遼太郎や村上春樹らの小説、さらに『鬼滅の刃』『虹色のトロツキー』『満州アヘンスクワッド』などの漫画作品にあった。「未来を変えること」と「過去を新たに見出すこと」は別のものではない。両者は同じ対象を二つの側面から眺めたのであり、その視線は緊密に結びついている。哲学から現代思想、文学、サブカルチャーにまで精通する著者が、日本人が切り捨ててきた<我々の死者〉、そして〈未来の他者〉をキーワードに、過去・未来と現在との「分断」の正体を暴く。 -
雨月物語
雨そぼふる薄暗き午後,あるいは皓々たる月の夜,この世とあの世が交錯する.荒ぶる先帝の怨霊,命を賭した義兄弟の契り,帰らぬ夫を待つ妻の悲しき末路,男にとりついた蛇性の女の執念…….中国や日本の古典をさまざまに取り入れ,美しくも妖気ただよう作品に仕上げた上田秋成(1734-1809)の珠玉の短篇集.「白峰」ほか全九篇を,平明な注と解説で.八四年ぶりの新版.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません. -
P+D BOOKS 帰郷
元海軍将校が目にした戦後日本の悪しき荒廃。 海軍兵学校出身のエリート将校・守屋恭吾は、公金に手をつけ引責辞職後、祖国には戻るまいと賭博の眼力を養いつつ、欧州各地を放浪していた。やがて、ある事情から“帰郷”することになった守屋は、大きく変貌した戦後の日本に落胆と義憤を感じる。 戦争という過去の記憶から逃れようとするあまり日本の伝統や誇りまでも失ってしまった国民たち。――戦前と戦後の日本人は何が変わったのか? 大佛次郎が当時の日本人へ自戒のメッセージを込めた記念碑的名作で1948年毎日新聞に連載され後に映画化、欧米でも高く評価された。 -
化粧
京都・祇園の料亭に生まれた、美しき三姉妹それぞれの生き様。 一番上の頼子は舞妓から転じて銀座のクラブのママになる。頼子には、舞妓時代、双子の鈴子が犯され、客の熊倉の子を身籠り自殺といった凄惨な過去があった。 二番目の里子は結婚し、老舗の若女将を務めている。 末の槇子は東京に出て自由奔放な大学生活を送っている――。 奥行のある渡辺文学の傑作。 【著者プロフィール】 1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒業後、母校の整形外科講師となり、医療と並行して小説を執筆。1970年『光と影』で第63回直木賞受賞し、本格的に作家活動を開始。1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。1997年に刊行された『失楽園』は大きな話題をよび、映画化、テレビドラマ化された。2003年には紫綬褒章受章。著書は『鈍感力』『ひとひらの雪』『化身』『化粧』『孤舟』『うたかた』『花埋み』など多数。 -
開化の殺人 大正文豪ミステリ事始
阿片に溺れた友人の謎、遺書が語る恋と殺人、妻への妄執が生む惨劇――。江戸川乱歩が「大正期文壇の一角に燃え上がった、かくの如き犯罪と怪奇への情熱」と評した幻のミステリ特集号、「中央公論」秘密と開放号(大正七年七月臨時増刊)を現代に復刻。七編の創作と佐藤・乱歩の随筆を収録したアンソロジー。〈解説〉北村 薫 ◆目次 ・一般文壇と探偵小説/江戸川乱歩 ・指紋/佐藤春夫 ・開化の殺人/芥川龍之介 ・刑事の家/里見弴 ・肉屋/中村吉蔵 ・別筵/久米正雄 ・Nの水死/田山花袋 ・叔母さん/正宗白鳥 ・「指紋」の頃/佐藤春夫 ・解説 大正七年 滝田樗陰と作家たち/北村 薫