小説 - アドレナライズ作品一覧

  • 折れた櫛
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    1巻495円 (税込)
    治美の海老のように丸まった背中や手足はすでに硬直がはじまっていて、納棺には手間どった。それより何より辛かったのが、治美のからだを浄めた時だ。髪にぬるい湯をかけ、櫛で梳いた時、白い物がからまった。久藤は静かに梳き寄せ、それをつまもうと目をこらした。すると、白い物はむくりと動いた。(「折れた櫛」より)  人間心理の深奥を鋭く探り、日常生活のうちに突然生ずる殺意の瞬間を鮮やかに捉える、濃密なサスペンス7編。 *折れた櫛 *待っていた女 *夏のこはぜ *鈴の音 *火傷 *呪いの木 *しびと花 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 花ほおずき、ひとつ 丹波篠山殺人事件
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    1巻770円 (税込)
    フリーカメラマン・郷原八斗は、婦人雑誌の取材のため、編集者・辻井と連れだち、丹波篠山を訪れる。新緑まぶしい6月の半ばであった。郷原は藪の中で、木洩れ日に妖しく煌く朱色の光を見た。それは、雨曝しのまま佇む石仏の掌上に燃えたつ、ひとつの鬼灯(ほおづき)の精巧なやきもの。郷原は息を呑み、心を奪われた。そして辻井が消息を絶ったのは、その直後だった。辻井失踪の鍵を握るのは、12年前に起きた不可解な殺人事件で嫌疑を問われた陶芸家・市田、それに郷原の心の中に揺らめきたつ、あの紅く燃える鬼灯であった……。  人間の業の轍のうえに錯踪する男と女の愛憎と哀しみを詩情豊かに謳う、珠玉の本格長編ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 卒都婆小町殺人事件
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    1巻495円 (税込)
    若き能楽師・梅津はテレビ画面を食い入るように見つめた。「佐渡の伝統芸能」なる番組の中に、一瞬、律子の姿が映ったのだ。彼女はかつて梅津の恋人であり、十九歳の時、塩屋という男の暴行をうけ妊娠し、思いあまって相手を刺殺して逃亡。全国指名手配されたものの結局、行方不明になっていたのだ。当時を知る友人・河辺からの電話でますます確信を強めた梅津は、十年前のあの忌わしい事件を終わらせるため、佐渡へと飛ぶ。一方、河辺も二人の安否を気遣いながら、フェリーへと乗り込んだ……。  人間の心の奥底に潜む愛と憎しみを描く長篇サスペンス・ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 愛の衝撃
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    1巻495円 (税込)
    わたしは加納教授の家に出入りして、資料整理を手伝っていた。だが、加納家の空気にはどこかおかしなところがあるのに気づいた。教授の一人娘・宮子が、家族のみならず家政婦からも冷たく扱われていることを知り、同情して優しい言葉をかける。ところがその途端に、彼女は全身けいれんを起こして倒れてしまう。実は宮子は特異体質で、愛情を受けると発作を起こすアレルギーを持っていたのだ……。(「愛の衝撃」)  日常生活に潜んでいる。狂気をはらんださまざまな愛のかたちを描いた11本の短篇小説を収録。表題作はフジテレビ系列『世にも奇妙な物語』において「いじめられる女」の題で映像化(大鶴義丹・水野真紀主演)された。 *避雷針のある町 *愛しているといってほしい *夏の少女 *眠り目の女 *黒い猿 *不安な朝 *愛のパラダイス *人形のような女 *闇の中の告白 *都市に棲む獣 *愛の衝撃 ●村田基(むらた・もとい) 1950年、京都市生まれ。名古屋大学文学部中退。出版社勤務ののち、1986年に「SFマガジン」に短編「山の家」を発表して作家デビュー。主にホラー、SFを執筆。
  • 恐怖の日常
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    1巻495円 (税込)
    ひどくむしゃくしゃする。不愉快な感情が体の中を駆けめぐる。全身に毒素が回り、内臓が焼けただれていくようだ。吐き気がする。もうがまんできない。ぼくはどうなっていくのだろう。これもみんな黒い雲のせいだ……。さりげない日常や家族の団欒の裏側に潜む、真の恐怖を描いた表題作など、不安な現代を生きる病める精神たちの相貌が、ホラー小説の姿をとって描かれる。モダンホラー短篇集の名作。 *山の家 *窓 *白い少女 *大きくなあれ *反乱 *葬られた薬 *子宮の館 *屋上の老人たち *恐怖の日常 ●村田基(むらた・もとい) 1950年、京都市生まれ。名古屋大学文学部中退。出版社勤務ののち、1986年に「SFマガジン」に短編「山の家」を発表して作家デビュー。主にホラー、SFを執筆。
  • Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件
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    1巻770円 (税込)
    その村では、いじめは娯楽の役割を果たしていた。そして、村の決めごとで、いじめの対象とされている“サント”とは……。おぞましい因習が残る、青森県P集落。大学の同僚教授・三崎忍に同行し、二十年ぶりに帰郷する「私」には、苦い思い出の土地だった。途中の新幹線で、「私」たちは同じ場所を目指す心理カウンセラーの桜木と出会う。だが、雪で閉ざされた縁切り寺で「私」たちを待ち受けていたのは、世にも奇怪な、連続殺人事件だった……。長篇ミステリ小説。電子版あとがきを追加収録。 ●矢樹 純(やぎ・じゅん) 小説家、漫画原作者。1976年、青森県生まれ。実妹とコンビを組み、加藤山羊の合同ペンネームで2002年、「ビッグコミックスピリッツ増刊号」にてデビューする。『あいの結婚相談所』『バカレイドッグス』などの原作を担う。2012年、「このミステリーがすごい!」大賞に応募した『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』で小説家としてデビュー。2019年に上梓した短編集『夫の骨』が注目を集め、2020年に表題作で日本推理作家協会賞短編部門を受賞する。他の小説作品に『がらくた少女と人喰い煙突』『妻は忘れない』『マザー・マーダー』『残星を抱く』がある。
  • セミョーノフは二度殺せ
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    1巻770円 (税込)
    ロシア革命、激動の時代。ロシアの各地で激しい内戦が繰り広げられていた。ボルシェビキ革命派=赤衛軍と、それに対抗する反革命派=白衛軍の争いが主だが、英仏米日などが派兵した上、赤軍側にはパルチザンがついたため、混沌とした様相を呈していた。そんな中、反革命勢力の軍事指揮官・セミョーノフ狙撃さるの報は、白衛軍のみならず、日本帝国陸軍をも震撼させた。政治的混乱に巻き込まれた邦人居留民の運命は? そしてセミョーノフがかき集めたという莫大な金塊のゆくえは? 長篇冒険サスペンス。
  • 獣医栃尾彩子(1) 猫が嗤った
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    1~2巻495円 (税込)
    榎動物病院の美人獣医・栃尾彩子のもとに、火傷の猫を抱いた少年がやって来た。偶然通りかかった民家の焼け跡で拾ったという。翌日、今度は刑事が訪れた。その少年に放火の疑いがあるという。不審に思う彩子は少年の無実を証明すべく、調べ始めた。すると、家人が旅行中でべットの猫しかいない状況下で、室内から出火したことが判明。いわば現場は密室だったのである。彩子の疑問はさらに強まった。全てを焼失し、悲しみにくれているはずの被害者の子供たちの、意外な明るさと笑顔。果たして誰が、何の目的で、いかなる方法で放火したのか?(「炎を吐いた猫」)   連作短篇集「獣医栃尾彩子」シリーズ第1弾。日本テレビ系列「火曜サスペンス劇場」では「女動物医事件簿」(主演:山口智子)としてドラマシリーズ化された。 第一話 耳を嚙む犬 第二話 嗤う鳥 第三話 猫の中身 第四話 憂鬱な犬 第五話 蛇のような…… 第六話 猫は見たか 第七話 炎を吐いた猫 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 啄木が殺した女
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    1巻770円 (税込)
    “石川啄木詩情の旅”ツアー最終日、滞在先の盛岡のホテルで、参加者の一人・折原香奈子が殴殺された。凶器は南部鉄の水盤。だが捜査は難航し、事件は迷宮入りの様相を濃くしていた。一方、新進作家・千波由紀はツアー仲間と、啄木のある謎の研究を続けていた。その矢先、死んだ香奈子が啄木日記の欠落部分を入手していたことが判明、事件は意外な展開を見せ始めた。やがて浮上する、啄木の恐るべき秘密とは? そして第二の殺人が……。綿密な資料調査と取材をもとに贈る、歴史&本格推理の傑作。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 関越自動車道 殺意の逆転
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    関越道沿いに展開される事件に警視庁・八木沢警部補が挑む! 高崎で実業家として財をなした芦野老人は、現在は息子に会社を譲り、悠々自適の生活を送っていた。老人には、過去、愛娘を暴漢に惨殺されるといういたましい記憶があった。そんな彼が娘の復讐を思い立ったのは、ある青年との出会いがきっかけだった。数日後、東京練馬区でOLが殺害され、事件は川越、高崎、そして新潟と、関越道に沿って展開していくが…。長編旅情推理サスペンス。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 牡丹灯籠殺人事件
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    幽霊の訪問を受けた青年に贈られた死体の謎……名探偵・貴船が解くあやかしトリック! ある夜、大学生の翔はゆきずりの美女に一目惚れした。なんとか近づきたいと尾行した翔だったが、青山霊園で見失ってしまう。さらに彼女が名乗った名前のOLは、既に自殺して青山霊園に葬られていることが判明した。やがて、夜だけその美女が翔の前に現れるようになると、不可思議な現象が身の回りで起き始める。そしてついには殺人事件が…! 名探偵・貴船があやかしの謎に挑む本格ミステリー。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 浅間嬬恋殺人迷路
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    殺された男の胸元には、浅間山の溶岩流から村人を救ったと言い伝えられる鎌倉観音のネックレスが… 栃木県宇都宮市郊外で起きた現金強奪事件。それはショベルカーで壁をぶち破り金庫ごと奪いとるという荒っぽい手口の犯行だった。また、留守番の老女が倒壊した家屋の下敷きになって焼死するという悲惨な事件でもあった。警察の懸命の捜査にもかかわらず、結局犯人は捕まらず迷宮入りとなった。そして、五年の月日が流れたある日、東京の晴海埠頭で男性の他殺死体が発見された。所持していた免許証から身元はすぐに判明、なんと被害者は現金強奪事件の容疑者の一人だった…。八木沢警部補の推理が冴える本格ミステリ長編。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 泥棒貴族 裏金を狙え
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    逆転また逆転! 思惑が絡みつく五億円奪取作戦の行方は? 政財界のフィクサーと言われる尾越虎雄の裏金五億円を積んで、関越道を白いBMWが走る。運転するのは美女ひとり。それを追う二組の悪党たち。上流家庭に育ちながら、運命の波に翻弄され、正義の悪漢として法の水面下で巨悪と戦うことになってしまう主人公。彼にとって、誰が味方で、誰が敵なのか? そして、混乱のなかで最後に五億円を手中にするのは…? トリックの面白さとスピーディな展開が楽しめる長編ミステリ。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 死者の誘拐
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    不可解な誘拐事件に巻き込まれた敏腕私立探偵が、美女消失のトリックに挑む! 私立探偵の牧原慎介は、資産家の兵藤慶一から妻・理絵子の不倫調査を依頓された。さっそく牧原は行動を開始するが、彼女は何者かによって誘拐されてしまう。それまでの経緯から、理絵子の不倫相手・板山に疑いをいだいた牧原は彼の周辺を洗い始めるが、彼の足取りは杳として知れなかった。身代金の受け渡し時に一瞬のチャンスを見出そうとする牧原は、犯人の逃走トリックを鮮やかに見破るが…。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 緋の墓標(5) 黄金鷲(ロマノフ)の残照
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    1巻495円 (税込)
    皇女アナスタシアの生き血を求めるのは、死んだはずの妖憎だった 一九一九年六月。ロシア革命の真っただ中、一機の偵察複葉機がウラルの北方めざして飛び立った。任務はニコライ二世皇帝一家の消息とその救出。惨殺されたはずの皇帝とその家族は、本当に生きているのか。だが救出隊を待ち受けていたのは、妖憎ラスプーチンの操る死骸人軍団だった。ロシアの凍土が生み出した伝説の吸血鬼の助けを得て、決死の攻撃の幕が切って落とされた。 新感覚の吸血鬼ハードボイルドアクション、「緋の墓標」シリーズ第5弾。●田中文雄(たなか・ふみお)1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
  • 緋の墓標(4) ダーク・シャングリラ
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    1巻495円 (税込)
    巨大な氷盤に載って北極海に浮かぶ観測基地……そこで起きた不可解な事故とは 北極海の観測基地では氷海調査に出て行方不明となった三村孝の捜索にあたるが、シベリア少数民族ネネツ人の遺体があがる。彼は三十五年前、ノバヤゼムリャ島の水爆実験後に行方不明となったネネツ人画家・タキ・マカオその人であったのだ。そしてタキは今、血を吸う恐るべき魔物として、長い眠りから覚めようとしていた。 新感覚の吸血鬼ハードボイルドアクション、「緋の墓標」シリーズ第4弾。●田中文雄(たなか・ふみお)1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
  • 緋の墓標(3) 美しきローズマリー
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    1巻495円 (税込)
    音楽の都ウイーンに舞う、心優しき吸血鬼(ウブリル)たち 音楽の都ウイーン。市立コンセルヴァトリウムの留学生・関根弓子は、ある晩、赤池と名乗る初老の紳士の訪問を受けた。「旅先で倒れた友人のために、ぜひヴァイオリンを弾いてやって欲しい」懇われるままにホテルへ赴いた弓子は、そこでハンスという名の青年と出会う。しかし彼こそは、十八年前に失踪した天才的ヴァイオリニスト、ハンス・マイリンクその人であったのだ。 新感覚の吸血鬼ハードボイルドアクション、「緋の墓標」シリーズ第3弾。●田中文雄(たなか・ふみお)1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
  • 緋の墓標(2) ハードボイルド・バンパイア
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    1巻495円 (税込)
    仲間を裏切った吸血鬼……そういう掟破りは彼らの社会では許されない 不帰伸介(ふきしんすけ)が目覚めた時、妻の麗子は隣のベッドで死んでいた。木の杭に胸を貫かれ、灰と化したのだ。犯人は自分たちを斃す方法を……自分たちの正体を確実に知っていたのだ。愛する者を失った不帰は“組織”には連絡せず、復讐に立った。そして、限られた一晩の闇に賭けた。 新感覚の吸血鬼ハードボイルドアクション、「緋の墓標」シリーズ第2弾。●田中文雄(たなか・ふみお)1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
  • 緋の墓標(1)
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    1巻495円 (税込)
    朝日を浴びてより人間に近くあろうとする哀しきバンパイアの運命 男は吸血鬼であった。だが男は、吸血鬼であるよりも“人間”に近い存在でありたいと願い、ガソリンスタンドの夜勤を終えると、少しずつ朝日を浴びるのを日課としていた。男の名は執行克彦(しぎょうかつひこ)といった。だがある夜の強盗事件が、男の運命を変えてしまう。そして、吸血鬼たちが闇の町・星宮市に展開する。 新感覚の吸血鬼ハードボイルドアクション、「緋の墓標」シリーズ第1弾。●田中文雄(たなか・ふみお)1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。
  • 悪党 小説・中国共産党
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    1巻770円 (税込)
    新宿・花園神社で男の惨殺死体が発見された。臓器は切り出され、性器まで切り落とされていた。そして、手には赤い布地のネッカチーフが…。ベテラン刑事・深森とソイチ(組織犯罪対策部)の浅尾は、被害者の足取りを追っていくうち、“ZERO”と題されたパスワード付きメールに辿りつくが…。天安門事件、黄色い雀たちの行動、ジェノサイド・オリンピック、エイズ村、盲流(マンリュウ)、臓器売買ビジネス、狂乱の中国株市場、習近平の金脈、香港の学生デモ、気功集団の学習者弾圧……。政治・経済の両面から浮かび上がってきたキーワードが、中国共産党の本質をあぶり出す。 ノンフィクション作家が描く、事実に基づいた驚愕の長篇サスペンス。電子オリジナル作品。●森田靖郎(もりた・やすろう)作家。1945年、兵庫県出身。文革中に、中国・チベット地区を訪れ、辺境地に下放された都市青年との交流から中国への興味を抱く。その後、シルクロードやロングマーチ(長征)など中国各地への旅を繰り返す。改革開放、天安門事件、香港返還などを常に現場から発信し、中国をフレームにして日本への同時代メッセージを送り続けるルポで定評がある。
  • 無頼漢
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    1巻495円 (税込)
    鬱蒼と樹が生い茂る新潟県の山腹…。この作業現場では軍事機密の工場を作っているらしい。その機密とは超能力兵器で、それをここで本格的に量産するのだ。ブル公はS建設からの廻し者。現場作業員の間にまぎれ込んでいるスパイを狩り出すのが目的だ。ウラナリはこの機密を探り出し、金に換えるつもりらしい。藤原の爺さんと海野英雄は、これに一枚加わることになった。―桁外れの暴れん坊と半端者、そして大酒呑みの無頼トリオが目論んだ、型破りの機密強奪作戦。「電子版あとがき」を追加収録して、ついに復刊!●友成純一(ともなり・じゅんいち)1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • ネッシー殺人事件
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    1巻495円 (税込)
    戸田雷太が目覚めて初めて目にしたもの、それは、親友・田中の惨殺死体だった。人間ワザとは思えない残忍な手口は、見るものすべてを震えあがらせた。疑惑の目が雷太に集中するなか、彼のまわりでまた、同じような殺人が…。雷太の恐怖はやがて、街全体をのみ込んでゆく。日常生活の背後に隠れる怪獣の恐怖、鮮血飛び散るパニック長篇の傑作。「電子版あとがき」を追加収録して、ついに復刊!●友成純一(ともなり・じゅんいち)1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • インカからの古代獣V
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    1巻495円 (税込)
    城之内博士をリーダーとする発掘調査隊は、インカ帝国の黄金を求め、ペルーの秘境に乗り込んだ。闇の魔手による犠牲者を出しつつも、学術調査の成果として不思議な神像を持ち帰る。しかし、それは古代神獣Vを長い眠りから呼び覚ます愚かな行為だった。蘇った古代神獣Vは、地底を飛び出して大空に舞い上がる。アンデスを越え、東京を火の海地獄におとしいれるために…! 文明社会への警鐘、長編パニックの傑作が「電子版あとがき」を追加収録して、ついに復刊!●友成純一(ともなり・じゅんいち)1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 笑う男
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    1巻385円 (税込)
    第40回直木賞を受賞した短篇集『落ちる』より、完全犯罪かと思われた事件の皮肉な露顕「笑う男」のほか、多彩な趣向に満ちた初期の秀作ミステリ5本を収録。・笑う男・私は死んでいる・かわいい女・みかん山・二夜の女●多岐川恭(たきがわ・きょう)1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短篇集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 落ちる
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    1巻385円 (税込)
    第40回直木賞を受賞した短篇集『落ちる』より、自己破壊衝動に駆られる危うい精神状態の男の物語「落ちる」のほか、多彩な趣向に満ちた初期の秀作ミステリ4本を収録。・落ちる・猫・ヒーローの死・黒い木の葉●多岐川恭(たきがわ・きょう)1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短篇集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 濡れた心
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    1巻495円 (税込)
    女子高生の純粋な同性愛を阻む悪意、そして少女らをあざ笑うかのように重くのしかかる殺人事件。その裏には、いかなる悪魔的意思がひそんでいるのか…? 日記や手記を取り入れた斬新な構成が人間関係や動機を際立たせる文学的探偵小説。澄明な美文で清らかな同性愛をうたいあげ、江戸川乱歩賞に輝いた名作が電子書籍で復刊。●多岐川恭(たきがわ・きょう)1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 秘密特務官・女豹(7) 罠に血を滴らせよ
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    絶体絶命の危地を脱し、自らの体を嬲った敵の正体を暴くべく、女豹は怒りの逆襲に立ち上がる! 世界最大のコンピュータ・ゲーム会社の社長が誘拐され、同時にその秘書が失踪。続いて、与党主流派の代議士が、女性秘書とともに全裸で殺害されるという事件が発生した。真相究明を特命され、罠と知りつつも敵地に飛びこんだ秘密特務官・九条梨香。凌辱に耐えながらも彼女は、裏で利権を巡り暗躍する日米の政財界人の存在を察知、獲物を追う女豹の如く逆襲を開始した。●志茂田景樹(しもだ・かげき)静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 秘密特務官・女豹(6) 欲望の大秘宝
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    ロマノフ王朝の大金塊をめぐって暗躍する二大スパイ組織、迎え撃つ女豹とのみつどもえの戦い! 混迷の続くロシアから二大スパイ組織が日本へ潜入した。彼らの目的は、ロシア革命直後密かに日本に運び込まれたというロマノフ王朝の秘宝。共和国の実権を握るための資金として、金塊奪還を企てたのだ。はからずも両組織の暗闘に巻き込まれたことから敵の狙いを知った秘密特務官・九条梨香は、自らも金塊捜索に着手、巨大組織を迎え撃つために女豹の牙を剥いた。●志茂田景樹(しもだ・かげき)静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 秘密特務官・女豹(5) 魔性の血を裁け
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    若い女を狙ってその身体の一部を切り取るという連続猟奇殺人事件が発生! 若い女性だけを狙う連続猟奇殺人事件が発生した。犯人は神矢新悟と名乗り、同時に川本首相の退陣を要求してきた。要求を拒否すれば、川本の娘を餌食にするという。何故、殺人犯が政治的要求を? 事態を憂慮した政府は、秘密特務官・九条梨香に神矢抹殺を下命。梨香は自ら囮となって殺人鬼と接触し、ついに犯人と首相とを結ぶ呪われた過去を突き止めるのだが…。●志茂田景樹(しもだ・かげき)静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 秘密特務官・女豹(4) 反逆者に死のキスを
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    自衛隊でクーデター? 九条梨香は総理府特別審理室の命を受け、阻止工作に乗り出した! 自衛隊内部で秘密裡に進行するクーデター計画を潰せ。特命を受け、計画阻止に乗り出した秘密特務官・九条梨香。だが米CIA付属機関WW7も同時に計画を察知、日米間に亀裂を生じさせるべく計画の暴露を画策しはじめた。国内の不穏分子とWW7……両面に敵を迎えた梨香は、迫り来るKデーまでに敵を潰滅できるのか。●志茂田景樹(しもだ・かげき)静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 秘密特務官・女豹(3) 憤りし血の裁き
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    日本転覆を狙う敵国の計画を阻止し、暗殺計画の裏にある真の目的を暴け! ファッションモデルを装ったロシアの美人スパイが日本に潜入した。時を同じくして不穏な動きを始めたキューバ国家保安部S1。総理府秘密特務官・九条梨香は情報網を駆使し、両国家の目的が日本の中心的財界人四人の抹殺にあることを知る。女スパイ・梨香は、計画を阻止し、その裏に隠された真の目的を暴くために行動を開始した。●志茂田景樹(しもだ・かげき)静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 秘密特務官・女豹(2) 嬲りの女戦士(ウーマン・ソルジャー)
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    国際的秘密組織から日本を護るため、スキャンダルの罠に陥ちた青年宰相を救え! 青年宰相・川本龍三郎内閣の失脚を謎の国際組織が計画している。情報を入手した総理府秘密特務官・九条梨香は、敵の正体をつきとめるべく行動を開始した。組織の真の狙いが、日本の国際社会における権威失墜にあることを知った梨香は、あえて罠にはまり、自らの美貌と肉体を晒して、敵壊滅をはかるが…。女スパイ・梨香の淫らで華麗な活躍を描く長篇バイオレンス。●志茂田景樹(しもだ・かげき)静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 秘密特務官・女豹(1) 魔獄の女戦士(ウーマン・ソルジャー)
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    女豹・九条梨香は類まれな美貌と高度な格闘技術を武器に、国際陰謀に挑む! 総理・武島と極秘会見を行うために来日した米特使暗殺が秘密裡に計画されている。情報を入手した総理府は、秘密特務官・九条梨香に暗殺団潰滅を下命、梨香は敵のアジトに単独侵入した。だが、ふとした油断から梨香は敵に捕縛され、流血と凌辱の拷問に晒される。類まれな美貌と華麗なプロポーション、女豹のようなしなやかさで国際陰謀に挑む女スパイ・梨香とその相棒・佐田の活躍を描く、殺戮の官能バイオレンス。●志茂田景樹(しもだ・かげき)静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第二七回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第八三回直木賞を受賞。
  • 記録魔
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    あの事件を風化させたくない。兄を殺したあいつを殺すことで、事件を再び人々の記憶に刻むのだ……。ドラマの記録係(スクリプター)として活躍する田所有記は、見知らぬ女から「復讐殺人の一部始終を記録してほしい」と頼まれる。娘の命を脅かされ、協力を決意する有記。しかし、次第にリアルな殺人計画を記録することに引き込まれていく。そして起きた殺人の驚くべき真実とは!? 長編サスペンス。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 愛されてもひとり
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    夫の定年を機に安曇野で田舎暮らしをしていた中井絹子を不幸が襲った。夫が脳梗塞で急逝したのだ。息子夫妻から上京を促されるも、キャリアウーマンの嫁・由梨と相性のあわない絹子は、一人自活を続ける決心をする。やがて、友人である美千代の息子の妻・里美が、絹子の面倒を見るようになった。だが、貞淑な里美にも嫁姑の確執があり……。20代、40代、60代、三世代の女性の愛と悩みを描く長編サスペンス。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 賢者の陰謀 バイク記者事件メモ
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    1巻495円 (税込)
    東北でローカル紙の駐在記者となって五年、夜毎、利恵ママのスナックに通う峻(しゅん)のもとに、奇妙な話がもちこまれた。老人グループのバス旅行で、走行中のバスの中から一人の老人が失踪、誰も出入りしなかったのは添乗員が確認しているという。しかも消えた老人は、先に帰宅していた、と。中古オートバイを駆って謎の究明に乗り出した峻だったが、そのバス旅行には次々と疑惑が……。連作ミステリ四篇を収録。 *賢者の陰謀 *UFOの来た夜 *雪の底から子守唄 *元気な死者 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 海鳥の墓標
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    1巻770円 (税込)
    両親に先立たれ、病身の弟をかかえる朝吹沙枝子は、偶然知りあった女性の好意で、東京・青山の宝石店に就職した。だがある日、店から消えたダイヤの指環が沙枝子のコートのポケットから見つかり、正体不明の女から脅迫電話がかかってきた。身に覚えのない“証拠写真”を持っているという。不運の身を嘆く沙枝子だったが、さらに恐るべき罠が彼女を待ちうけていた。女の意のままに操られるうちに、思いがけず人を殺めてしまい……。長篇サンペンス・ミステリ。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 酩酊奇譚 初恋の人
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    1巻495円 (税込)
    玄関先でスニーカーを履いて、マッチを擦り、家内に放り投げた。赤い波のごとく床の上を火が走るのを確認してから、玄関戸を閉めた。後ろも振り向かず、ひたすら実家から離れた。心はかつてないほど晴れ渡っていた。ついにこのときが来た。憧れの君からお呼び出しがかかった。そうだ、私はこれを待っていたのだ。(「初恋の人」より)  売れない作家・井之妖彦が体験した摩訶不思議な世界とは? 幻想、伝奇、ホラー、SF、酩酊……めくるめく倒錯と混沌。すべて未発表作品で構成された電子オリジナルの短篇集。 *おかびさん *胡桃姫 *女の声 *電話にて *謎の女 *部屋を借りた *初恋の人 *露地のモツ煮屋 ●飯野文彦(いいの・ふみひこ) 1961年、山梨県生まれ。早稲田大学卒業。1984年『新作ゴジラ』(講談社)のノベライズにてデビュー。『オネアミスの翼』(朝日ソノラマ)、『アーク・ザ・ラッド』(エニックス)などノベライズ作品を数多く手がける。『ゾンビ・アパート』(河出書房新社)、『怪奇無尽講』(双葉社)、『ハンマーヘッド』(TO文庫)など個性的なホラー作品でマニアックな評価が高い。その他に『バッド・チューニング』『アルコォルノヰズ』『惑わしの森』『黒い本1・2』『影姫』などがある。
  • 酩酊奇譚 腸の反乱
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    1巻495円 (税込)
    このときの私も、完全にそんな状態に陥っていた。ただいつも以上の腹痛に襲われていたため、ほかに気持ちが行かず、抜け出せない悪夢のごとき感覚を楽しむ余裕がなかった。そんな状態のときに、またしても声が聞こえてきた。「いい加減にしろよ」今度は幻聴ではないとわかった。どこから聞こえているのかまでもわかった。私の体内からだった。(「腸の反乱」より)  売れない作家・井之妖彦が体験した摩訶不思議な世界とは? 幻想、伝奇、ホラー、SF、酩酊……めくるめく倒錯と混沌。すべて未発表作品で構成された電子オリジナルの短篇集。 *死人が踊る *私の気持ち *深夜の散歩 *腸の反乱 *特別展 *抜魂 *夜中の三鷹で *良い女 *信号 *まぼろし街 ●飯野文彦(いいの・ふみひこ) 1961年、山梨県生まれ。早稲田大学卒業。1984年『新作ゴジラ』(講談社)のノベライズにてデビュー。『オネアミスの翼』(朝日ソノラマ)、『アーク・ザ・ラッド』(エニックス)などノベライズ作品を数多く手がける。『ゾンビ・アパート』(河出書房新社)、『怪奇無尽講』(双葉社)、『ハンマーヘッド』(TO文庫)など個性的なホラー作品でマニアックな評価が高い。その他に『バッド・チューニング』『アルコォルノヰズ』『惑わしの森』『黒い本1・2』『影姫』などがある。
  • 酩酊奇譚 もらった羽根
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    1巻495円 (税込)
    「お兄さん、出したほうが良いよ。身体に良くない」心身に染みいる言葉だった。ついつい海中から水面に浮かぶように顔をあげて、隣を見た。とたんに妖彦は凍りついた。隣にいるのはやさしいオジさんではなかった。深海魚にも似ているが、ちがう。あえて言うならば、等身大の軍鶏だった。(「もらった羽根」より)  売れない作家・井之妖彦が体験した摩訶不思議な世界とは? 幻想、伝奇、ホラー、SF、酩酊……めくるめく倒錯と混沌。すべて未発表作品で構成された電子オリジナルの短篇集。 *案内嬢 *寄生虫 *アール・ブリュット *チーズの欠片 *びっくり箱 *ベンチの娘 *もらった羽根 *妹 ●飯野文彦(いいの・ふみひこ) 1961年、山梨県生まれ。早稲田大学卒業。1984年『新作ゴジラ』(講談社)のノベライズにてデビュー。『オネアミスの翼』(朝日ソノラマ)、『アーク・ザ・ラッド』(エニックス)などノベライズ作品を数多く手がける。『ゾンビ・アパート』(河出書房新社)、『怪奇無尽講』(双葉社)、『ハンマーヘッド』(TO文庫)など個性的なホラー作品でマニアックな評価が高い。その他に『バッド・チューニング』『アルコォルノヰズ』『惑わしの森』『黒い本1・2』『影姫』などがある。
  • 深夜病棟・二十五時
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    1巻495円 (税込)
    小諸久美子は27歳のベテラン看護婦。入院中の市議会議員・岩館武雄が、手術直前にアレルギーショックで死亡する事件が起き、病院は医療ミスを問われることになった。久美子たち看護婦は巡回時には異常がなかったことを主張。だが、久美子は未明に岩館の病室の前で不審な白衣の男を目撃したことが気になり、フリーライターの姉・菖子の手を借りて調査を開始する。  救急病院を舞台にした長篇サスペンス・ミステリ。『白衣のふたり 横浜コインロッカー殺人事件』の続編的内容。1994年には「火曜サスペンス劇場」(日本テレビ系列)にて『救急指定病院2 入院患者が突然の不審死! なぞの「白い影」を追う子連れ看護婦』という題でTVドラマ化(監督:油谷誠至/出演:池上季実子、角替和枝、野川由美子)された。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 白衣のふたり 横浜コインロッカー殺人事件
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    1巻495円 (税込)
    小諸久美子は27歳のベテラン看護婦。彼女が勤める公立長津田総合外科病院に、交通事故の重傷患者が四人、緊急で運ばれて来た。葬式帰りに乗り合わせたという喪服の男たちだ。そのうち一人が『金子』と名乗って死亡したが、偽名だった。さらに奇妙な事に、無事退院した男たちの一人が殺され、病院関係者が失踪した……。久美子は病院のなかで、フリーライターの姉・菖子と共に事件の真相を探り始める。  救急病院を舞台にした長篇サスペンス・ミステリ。1992年には「火曜サスペンス劇場」(日本テレビ系列)にて『救急指定病院1 死亡事故発生!』という題でTVドラマ化(監督:油谷誠至/出演:池上季実子、角替和枝、野川由美子)された。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • あした・さよなら
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    1巻495円 (税込)
    “あした”は今日より少しでもいいに違いない。そう思い続けて怜子は生きてきた。そして具体的なあした像を怜子に教えたのが姉の雅代の存在だった。同じ母から生まれながら、両親の暖かい愛に包まれた姉のことを知った時、少女時代の怜子は激しい嫉妬を覚えた。祖母との二人暮らしを強いられた彼女にとって、雅代の生活はまさしく“あした”であった。やがて高校を卒業した怜子は愛する夫と出会い、慎ましいながら幸せな家庭を得た。しかし妊婦となった怜子の前に、謎の女が姿を現わして……。  女心の綾を情感豊かに描く長篇心理サスペンス。1990年には「男と女のミステリー」(フジテレビ系列)にて『「砂山」の唄殺人事件』という題でTVドラマ化(出演:斉藤慶子、南田洋子、芦川よしみ)された。
  • 手錠はバラの花に
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    1巻495円 (税込)
    彫刻家・兼松潔が奥多摩で殺された。自首して来た若い女性は言った。「私が殺しました」「どうして?」「殺したかったからです」「答えになってないわね」折りから迷宮入りになりかけた殺人事件捜査本部での出来事だった。はい、そうですか、これにて一件落着、メデタシ、メデタシとなるのならこんな楽なことはない。(「自首した女」)  警視庁捜査一課の女性刑事、倉原真樹が活躍する短篇推理小説を6本収録。 *自首した女 *宙吊りの青春 *遠すぎる死体 *指紋 *間抜けすぎた電話 *南から来た女 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 女たちの捜査本部
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    1巻495円 (税込)
    三陸海岸唐桑半島にあるペンション・ドリーマーに、密室殺人事件が発生した。発見者は中学を卒業したばかりの仲良しギャル四人組。しかし、死体があるはずの部屋は、もぬけの空だった。一方、東京・江東区のマンションで男の刺殺体が見つかった。事件を担当する倉原真樹刑事は、被害者・森安浩次の恋人だという玲子に辿り着く。事件当時、岡山県の倉敷に居たという玲子のアリバイを確認するため、相棒の中年刑事・船津と共に真樹は現地へ向かった。確かに彼女の言葉通りにアリバイは立証されていくのだが、そもそも彼女の行動には不審な点が多い。二転三転する供述、そして事件は意外な展開を見せ始めた……。  警視庁捜査一課の女性刑事、倉原真樹が活躍する長篇推理小説。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 三千万秒の悪夢
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    1巻495円 (税込)
    石川県能登島の夏、火祭りのさなか、女が殺された。被害者の名前は穂積しのぶ、金沢市に住む人妻と分かった。10月8日、警視庁捜査一課の倉原真樹巡査部長は、鴻野警視から殺人事件の捜査を命じられる。しかし事件は約15年前の11月21日のヤマだった。匿名電話が入り、犯人は中野区に住む山岡初恵だと告げたのだ。裏づけ捜査を進めるうちに第二の殺人事件が発生。被害者の男は山岡初恵を知っていたらしい。やがて、能登島の殺人事件との関係性が仄見えてきて……。  警視庁捜査一課の女性刑事、倉原真樹が活躍する長篇推理小説。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 溶ける女
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    1巻495円 (税込)
    警視庁捜査一課の倉原真樹は、内房線上り特急さざなみ20号のグリーン車で緊張していた。隣席の長谷部警部補が夫役で話しかける。車中の乗客は十三人、そのうち刑事は六人。新宿にある老舗デパートに毒薬と脅迫状が届き、現金二千万円と美術品売場にある青磁の壺を要求してきた。奇妙なことにその壺は無銘で、十五万円であったが、それより高価な品は幾らでもある。受け渡しの場所が、この車中の指定席であった。犯人らしい不審な男を捕まえたが、結局、誤認逮捕として釈放されてしまった。だがどうやらこの男、事件とは全く無関係とは思えないのだ……。  警視庁捜査一課の女性刑事、倉原真樹が活躍する長篇推理小説。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 脅迫者たちのサーカス
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    1巻495円 (税込)
    露崎は一晩泊めてやるのは仕方あるまいと思い始めていた。これから東京に帰るのは十歳の子には困難だろう。ローカル鉄道の本数がとても少ないし、乗り継ぎも厄介だ。それよりなにより、夜道に一人で離せば、また自殺でも図りかねない。(本文より)  一面の田園。稲は穏やかに波打ち、ビニールは無機質に照り返していた。自殺未遂の家出少年と、世捨て人のような男がそんな場所で出会う。だが、少年の家には「子供を預かっている。五千万円用意しろ」という脅迫状が届いて……。  警視庁捜査一課の女性刑事、倉原真樹が活躍する長篇推理小説。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 顔のない男
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    1巻495円 (税込)
    東京ベイエリアの廃墟のビルで、顔は美しいままなのに首から下は黒焦げ、という奇妙な死体が発見された。被害者は俳優の嶋津諒平。金に汚く女ぐせの悪かった諒平を怨む人間はあまりに多く、かつて恋人だった歩美にもその捜査の手が伸びて来る。マスコミの取材攻勢と刑事の執拗な追跡のなか、惨殺体を造り上げた犯人を探しだそうとする歩美は……。深層心理に潜む“怨念”を描く心理サスペンス。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 四年目の呪殺
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    1巻770円 (税込)
    警視庁殺人課の刑事・宮浦江利子は、恋人の赤峰真治が自殺したのを機に警察を辞めた。彼は叔母殺しの容疑をかけられた上、江利子と同業の刑事たちに追い詰められて、無念の死を選んだのだった。四年後、その経歴を買われて探偵になった江利子は偶然、真治の事件に関する新たな警察情報を得る。真治はなぜ死ななければならなかったのか? 当時の警察捜査は適正なものだったのか? 手負いの野獣として生きてきた元女刑事は、復讐を誓って真相を追いはじめる……。長篇サスペンス・ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 西伊豆恋人岬の女
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    1巻495円 (税込)
    岬の突端にある「愛の鐘」を鳴らすと恋が叶うという、西伊豆の観光名所・恋人岬。その駐車場で男の惨殺死体が発見された。殺された宇野原武志は、愛人だった社長夫人を脅迫して金を騙しとろうと企て、西伊豆にやってきたらしい。そのせいで殺害時刻、現場近くに居合わせた保坂真二郎、小牧瑛美、渡部ナオミの三人は、大仁警察署の厳しい事情聴取を受けるはめに。事件解明が進むとともに明らかになる、錯綜した愛憎劇。そんな中、古参刑事・下村の必死の捜査で犯人像は絞られていく……。旅情ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 怪談・霊安室の声
    -
    1巻495円 (税込)
    安城沙季は画家を目指す26歳。アルバイトとして中学の臨時美術教師を引き受けた。新しい学校に赴任した直後、先輩美術教師・柴田が石膏の落下によって頭を打って入院してしまう。翌日、沙季も窓ガラスが割れてひたいを切り、同じ病院へ。そしてその夜、沙季が霊安室の階で奇妙な白衣の男を見た直後、柴田の容態が急変して死亡する。警察は殺人事件と見て捜査。柴田の家族・交友関係を手繰っていくと意外な人間関係が浮かび上がり、やがてその糸は沙季自身にも繋がっていて……。長篇ホラー・サスペンス。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 越前岬の女
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    1巻495円 (税込)
    プロ棋士・真城寺欽弥は、金沢支部の大会出席後、新聞記者・苗場とカメラマンの瀬能を誘って、越前岬の老舗旅館に冬の名物カニを食べに寄る。その夜、真城寺を訪ねて、おでん屋の女将・睦美がやってくる。睦美を一目見て、瀬能は「以前見た覚えがある」と洩らす。翌日、気になることを調べたいという瀬能を残して真城寺と苗場は東京へ帰るが、二日後、瀬能が小松のホテルで殺されたとの報が入った。そして事件後、睦美もプッツリ姿を消してしまう……。冬の北陸を舞台に描く哀しい旅情ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 深夜(よる)の声 ヨコハマDJ殺人事件
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    1巻495円 (税込)
    28歳のアナウンサー韮崎千尋は、深夜ラジオ番組の人気パーソナリティ。番組は好調だが、変質的で執拗な愛の告白を寄せる正体不明のリスナーに付きまとわれ、恐怖さえ覚えていた。そんなある日、番組アシスタントの女性がマンションの駐車場で何者かに襲われる。もしかして千尋と誤認しての犯行か。仕事場だけでなく私生活にまでも姿を見せ始めた謎の男の影におびえ、憔悴してゆく千尋……。ジワジワと追いつめられてゆく女の極限の恐怖を描く。長篇ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • パリ地下鉄殺人事件
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    1巻495円 (税込)
    冬景色のパリ。凍てついたセーヌにほど近い地下鉄駅で、日本人ガイドの他殺死体が発見された。東京の営団地下鉄広報課員・藤林章一郎は、被害者が親友の吉屋だと連絡をうけて、急遽パリへ飛ぶ。だが、そこで藤林を待っていたのは、初恋の女性・亜美。十数年ぶりの意外な再会をもたらした事件と亜美の繋がりはなんなのか。事件は二人のめぐり会いをきっかけに、藤林を巻き込んで不可解な方向をたどり始める……。長篇ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 函館・立待岬の女
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    1巻495円 (税込)
    柴木俊子はすでに26歳。売れない女優だったが、幸運はある日突然やってきた。テレビドラマでの演技が、映画界の巨匠・神保監督の目に止まったのである。だが、出演のため京都・太秦に赴いた俊子を待っていたのは、凄惨な放火殺人であった。元大女優の付き人であり、今は歯科医の妻である道代が殺されたのを契機に、俊子は、14年前に起こったあるスキャンダルに巻き込まれていった……。数奇な運命を辿る大女優と新進女優の葛藤を描く長篇ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 雨のじんちょうげ 児童公園殺人事件
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    1巻495円 (税込)
    東京の高級住宅街・広尾。雨あがりの児童公園で、地下鉄工事従事者の他殺体が発見された。東北から出稼ぎで上京していた初老の男性は、なぜ殺されなければいけなかったのか。渋谷署の新米刑事・清水は、現場に残された車輪の跡を手掛かりに、営団地下鉄の協力を得て捜査を開始。その直後、同じ広尾でまたもや殺人事件が発生した。そして被害者にまつわる意外な証言が、二つの事件を関連づけてきて……。長篇ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 六月のカラス 地下廃駅ホーム殺人事件
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    1巻495円 (税込)
    東京の原宿、午前四時。始発直前の地下鉄・表参道駅の線路上で、カラスについばまれた無惨な男の刺殺体が発見された。前夜終電後、シャッターに閉ざされて完全密室となった駅構内での殺人事件だった。地下鉄開業以来六十余年、前代未聞の出来事に、営団首脳部はエリート広報課員・藤林を警察に派遣、捜査の協力にあたらせた。地下の鉄道網に精通する藤林は、構内に入り込んで死体に群がり、そして忽然と消えたカラスに着目、事件解明の突破口をつかむ。だがその矢先、地下鉄・日本橋駅で第二の殺人が……。長篇ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 消えて、戻り橋
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    1巻495円 (税込)
    杜の都・仙台で、幼い頃別れた母との再会を果たした西尾えりかは、勧められるままに、近郊の温泉への小旅行に参加した。しかし、料理に混入した毒草で会社社長が命を落とし、彼女も軽症ながら中毒するという事態となった。誰が、何のために? えりかを心配して東京から駆けつけるハリー。錯綜した人間関係を探り始めたふたりを嘲笑うかのように、また死体がひとつ見つかって……。  長篇ミステリ。『泣けば、花嫁人形』の続編的内容。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 泣けば、花嫁人形
    -
    1巻495円 (税込)
    新宿・歌舞伎町の路上で、元バーテンが刺殺され、続いて同棲していた女が惨殺された。ゴールデン街のバーの主人ハリーは、母を訪ねて盛岡から上京して来た少女・西尾えりかに反感を持ちながらも、共に事件を探り始めた。一方、老練な刑事・岩田も本来の警察捜査とは別に、独自の手がかりをたどっていた。大都会の裏町から離れられないままに生きてゆく人々の姿が交錯するうちに、殺人事件の謎は深まってゆく……。長篇ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 冬かもめ心中
    -
    1巻495円 (税込)
    四年前、旭川市で起きた二千万円の詐取事件。犯人の平野精一は六歳歳上の愛人・柚木千恵子と共に逃走、そのまま蒸発した。この事件が引き金となり愛する娘の命を失った刑事・大杉善四郎は、警察を辞めた後も、事件関係者である二人の行方を執念深く追い続けていた。やがて彼の元に「身元不明の心中死体が見つかった」と連絡が入る。女は千恵子らしいのだが、男は全くの別人。さらに死因が「衰弱による自然死」だという。凍てついた海峡の町に起きた奇妙な心中事件。謎を追う大杉が葛藤の末、辿り着いたものは……。  北海道、青森を舞台に繰り広げられる長篇サスペンス。1986年には「木曜ゴールデン劇場」(日本テレビ系列)にてTVドラマ化(監督:降旗康男/出演:いしだあゆみ、三浦友和、池部良)された。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 花のもとにて
    -
    1巻495円 (税込)
    林田吾郎とよし子は幼な馴染であった。そしてよし子には、忘れられない男でもあった。だが、夏休みに帰郷して、両親に結婚の許可を得ようという手紙を最後に、彼は消息を絶った。……そして三十年。京都の老舗旅館『あや乃』の庭の片隅で、毎年ひっそりと花を咲かせるニドザクラ。一本の木に一重、八重、二段咲きと三通りの花が咲く、伝説の桜に隠された謎とは?(「花のもとにて」)  四つの短篇と五つのショートショートからなる作品集。 Ⅰ(短篇)  ロビニア通り三番地  道に迷ったアリス  花のもとにて  乾杯! Ⅱ(ショートショート)  われてもすえに  はなぞむかしの  とおきにありて  あつきちしおに  うつつに思いて ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 夜明けの・晩・に
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    1巻495円 (税込)
    弟の洋一は本当に死んでしまったのか、それともどこかで生きているのか? 二日前、洋一は切迫した様子で、代田やすかに連絡してきたばかりだ。そして追いかけるようにかかってきた謎の男からの脅迫電話。日光戦場ケ原で発見された焼死体が洋一らしい、との報せで遺体確認に出向き、憔悴して戻ってきたやすかは、留守中何者かに荒らされた自室で一人不安におののくのだった……。長篇サスペンス。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 赤いランドセル
    -
    1巻770円 (税込)
    毛糸の焦げるような厭な臭いに、女は一台だけ動いている乾燥機の方へ近づいていった。洗濯物に混ざってゴム手袋のようなものが見える。それにしては小さすぎた。不意に背筋が震えた。キナ臭いにおい。喉の奥がむかつく。血が引いてゆく。それでもガラスドアから目を離すことができない。どう見てもそれは人間の手だ。それも、子供の手だ……。  東京・田園調布。高級マンションのコインランドリーから女児の死体が見つかった。誰がこんな残虐なことを? ワイドショー番組の特派記者である浅見恭介は、次第に事件取材にのめりこんでゆく。長篇サスペンス。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • この子の七つのお祝いに
    -
    1巻495円 (税込)
    お腹がすいたでしょ。寒いでしょ。でも、なんにも買えないの。みんなおとうさんが持っていっちゃったからよ。悪いおとうさんでしょう。だからマーちゃんが大きくなったら、おかあさんと二人でおとうさんに復讐してやりましょうね。おとうさんをウンといじめてやろうね。ネ、二人の約束よ……。  池畑良子という女が惨殺された。次期首相候補と噂される大物議員の秘書・秦一毅の家政婦だった。ルポライターの母田耕一は、政界を影で操っていると評判の女占い師・青蛾が事件に関係していると見て、新聞記者時代の後輩・須藤洋史と共に事件の真相を追うが……。  第1回横溝正史賞を受賞した傑作長篇サスペンス。1982年には同名で映画化(監督:増村保造/出演:岩下志麻、岸田今日子、根津甚八/配給:松竹)されている。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 最終結晶体その他の物語
    -
    1巻770円 (税込)
    〈巡礼者〉の背中がしだいに大きくなっていく。ショウに気づいていないのか、振り向く気配はない。白い衣装の裾が風に揺れる。少しだけ不自然に、揺れる。あれが〈流刑者〉なら殺して食べればいい。どうせ〈流刑者〉は舌を抜かれている。何も語ることはない。ちょうど母の干し肉もなくなった。母を殺した理由はない。ナンブでは何の理由もなく人が死に、殺される。ただそれだけのことだ。(「最終結晶体」より)  怪奇・ホラーの名手が贈る電子オリジナル作品。「異形コレクション」収録作を中心に、競作集や雑誌発表作など21本を収録した短篇集。 *一 *四 *腐 *牛男 *常世舟 *它川から *死の仮面 *分析不能 *黒月物語 *聖者の眼 *ある帰郷 *夢淡き、酒 *影踏み遊び *蝋燭と砂丘 *最終結晶体 *最後の一冊 *額縁の中の男 *夜のトンネル *赤い灯りのバス *一年後、砂浜にて *イグザム・ロッジの夜 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。
  • 卵を売る女
    -
    1巻495円 (税込)
    私の店に、卵を売りに来る女がいる。業者ではなく、実に不思議な売り方をする。せいぜい週に一度、一個の卵を持ってきて、それを買ってくれと言うのである。うちのような小さな店にも、肉や卵の業者が売り込みに来ることがないわけではない。しかし、まったく取り合わず、無愛想に追い返してしまうのが常だった。そのため最近は、売り込みなどほとんど来ることがなかったのだが、いざ来たと思ったら、何とも風変わりな売り込みだったわけである。(「卵を売る女」より)  名手が紡ぎ出す怪奇・幻想ホラーの短篇9本を収録。すべて未発表作品で構成された電子オリジナルの短篇集。 *卵を売る女 *場末のダッチワイフ *美しい女(ひと) *明日吹く風 *滅びっ子 *余興 *三毛猫の行方 *肉めし *編んだ狐 ●飯野文彦(いいの・ふみひこ) 1961年、山梨県生まれ。早稲田大学卒業。1984年『新作ゴジラ』(講談社)のノベライズにてデビュー。『オネアミスの翼』(朝日ソノラマ)、『アーク・ザ・ラッド』(エニックス)などノベライズ作品を数多く手がける。『ゾンビ・アパート』(河出書房新社)、『怪奇無尽講』(双葉社)、『ハンマーヘッド』(TO文庫)など個性的なホラー作品でマニアックな評価が高い。その他に『バッド・チューニング』『アルコォルノヰズ』『惑わしの森』『黒い本1・2』『影姫』などがある。
  • 遠すぎた終着 下山事件四十七年目の夏
    -
    1巻770円 (税込)
    音響機器メーカーに勤める早瀬喬は、人生の恩人である宗田克人の突然の訃報を聞き、愕然とした。しかも、宗田が亡くなる直前に書き上げた原稿がなくなっているという。早瀬は通夜の席で知り合った女性と、宗田が列車に轢かれたという山梨県上野原町の現場を訪れ、宗田の死に不審の念を強くする。原稿は下山事件……昭和二十四年に起こった下山定則初代国鉄総裁の轢死事件の驚くべき真相について書かれていたというが、その内容を知るものはいない。早瀬が女性編集著の協力を得て、消えた原稿の行方を追ううちに、二つの轢死事件の接点が見え始めた……。  戦後史最大の謎とされた怪死事件に肉迫する著書渾身の現代史推理。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • カルト教団対策特殊部隊WOO(1) 毒ガス・テロを阻止せよ!
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    1~3巻495円 (税込)
    アメリカで3件の毒ガス・サリン事件を起こした謎の国際テロ組織が、カルト教団「救済の家」を隠れ蓑に日本国内で不穏な動きを始めた。インターポールは少数精鋭の特殊部隊を編成し、日本に潜伏したテロリストらを徹底的にマークしようとする。その矢先、新宿の映画館でサリン事件が発生し、300余人の死者を出す大惨事となった。さらに、防衛庁長官と国家公安委員長が銃撃を受けて絶命し、国を挙げて事件解明とテロ防止に躍起になるが……。  少数精鋭の特殊部隊WOO(ウー)とカルト教団の死闘を描いたバイオレンス・アクション小説、第1弾。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • 北朝鮮崩壊す!!
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    1巻495円 (税込)
    ロシアのプーチン大統領とアメリカのアーミテージ国務副長官がモスクワ郊外で密談している映像を、国際衛星放送局SNNがスクープ配信した。両国政府は否定したが、日本、韓国、中国を巻き込んで、北朝鮮情勢が急変してゆく。そして金正日体制の運命は……。  2003年、本当に起きていたかもしれない“北朝鮮崩壊”のシナリオとは。軍事アナリストが徹底的にリアルを追求した国際情報小説。 ●高貫布士(たかぬき・のぶひと) 1956年生まれ。神奈川県出身。和光大学人文学部芸術学科卒業。学生時代より軍事評論家・小山内宏氏、航空評論家・青木日出雄氏らが創設した「軍事学セミナー」で軍事学を修得。出版社勤務を経て、軍事アナリスト兼作家として活躍。『図解・ドイツ装甲師団』『大日本帝国海兵隊戦記』シリーズなど、ノンフィクション、小説の著書多数。
  • 渋谷アンダーグラウンド
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    1巻495円 (税込)
    渋谷スクランブル交差点で使用中のスマホに、同じ音楽が一斉に流れだした。その頃、宮下公園では斬殺死体と、またもや“PIG”の血塗りの文字が発見される。新米刑事の大貫仁は、先輩と共に連続殺人事件として捜査に踏み込んでいくが、その日は人気ロックバンドのゲリラ・ライブが渋谷で行われるという噂が流れており、熱に浮かされた若者たちが多数集結していた。一方、これらの異常事態を追うフリーライターの磯部聡子は、ネット上で独自に裏ネタをとろうとするが、次第に事件に巻き込まれる。なにかがおかしい、今夜の渋谷はどこかねじれている……八月の熱帯夜、渋谷一帯を襲う、十時間の恐怖のメロディーとは!?  島村匠名義で発表されたホラー長篇小説が大幅に加筆修正されて電子で復刊。 ●佐野広実(さの・ひろみ) 1961年横浜生まれ。1999年第六回松本清張賞を『芳年冥府彷徨』(島村匠名義)で受賞。2020年第六十六回江戸川乱歩賞を『わたしが消える』で受賞。近作は『誰かがこの町で』(講談社)。電子書籍封切作品に『ムッシュ・ジャポネ』『浮世絵鑑定談』『森嶋中良 御典医の次男坊』がある。「新青年」研究会会員。
  • 聖痕
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    1巻495円 (税込)
    離婚してからというもの、睡眠薬と酒に頼る日々だったわたしの前に、ひとりの女性が現れた。はづきと名のる女性は「あなたが必要なの」と言って、孤独と退廃のくらしにすんなり入り、ふたりは愛し合う。ある方法によって……。触覚と交わす言葉とが創り上げるふたりだけの世界を描く表題作のほか、視・聴・嗅・味、五官に捕らわれた人間の葛藤の澱を描く。  島村匠名義で発表されたホラー短篇集が電子で復刊。 *臨月 *眼球譚 *まどろむ夢 *聖痕 *桜の木の下で ●佐野広実(さの・ひろみ) 1961年横浜生まれ。1999年第六回松本清張賞を『芳年冥府彷徨』(島村匠名義)で受賞。2020年第六十六回江戸川乱歩賞を『わたしが消える』で受賞。近作は『誰かがこの町で』(講談社)。電子書籍封切作品に『ムッシュ・ジャポネ』『浮世絵鑑定談』『森嶋中良 御典医の次男坊』がある。「新青年」研究会会員。
  • 海馬の助走
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    1巻495円 (税込)
    盆用品を買ってくれそうな親戚は少ない上に、父親の件を尋ねられたら上手く答える自信がない。父親がいなくなってから十日が過ぎたが、具体的にいつ帰るとは言えず、ましてや磯十の家内との事を既に耳にしているかも知れないのだ。毎日、自転車を貸してくれる茂平伯父も、その妻のサダ伯母も、綜一が「貸してけらいん」と声を掛けると、以前のように「おー、綜一、アイスば仕入れたら、二、三本、置いで行げや」などとからかう事もなくなり、無言で頷くだけになった。(「海馬の助走」より)  漁港で逞しく生きる青年の成長を描いた2篇を収録。表題作は第24回野間文芸新人賞を受賞、「掌の小石」は第121回芥川龍之介賞の候補作に選ばれた。 *海馬の助走 *掌の小石 ●若合春侑(わかい・すう) 宮城県塩竈市生まれ。東北学院大学経済学部経済学科を卒業。1998年、「腦病院へまゐります。」で第86回文學界新人賞を受賞する。同年、同作が第119回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。同年、「カタカナ三十九字の遺書」が第120回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。1999年、「掌の小石」が第121回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。同年、『腦病院へまゐります。』が第21回野間文芸新人賞の候補作に選ばれる。2002年、『海馬の助走』で第24回野間文芸新人賞を受賞する。2005年、國學院大學文学部神道学科を卒業。
  • 腦病院へまゐります。
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    1巻495円 (税込)
    「おまへさま、まうやめませう、私達。私は、南品川のゼエムス坂病院へまゐります。苦しいのは、まう澤山だ。」御免ね、堪忍して頂戴ね。出会った最初が悪いのだから、もう出会いはなかった事にしておこうと決めて何度も堅く決めたのに、どうしてこうして今でも縁が続いているのか、苦しいばかりの縁なのに、なんで切れてしまわなかったのか……。  愛する男から虐げられつづける女にとって、魂の救済とは何だったのか。第86回文學界新人賞を受賞し、第119回芥川龍之介賞最終候補に選ばれた表題作と、第120回芥川龍之介賞最終候補となった「カタカナ三十九字の遺書」の中篇2作品を収録。 *腦病院へまゐります。 *カタカナ三十九字の遺書 ●若合春侑(わかい・すう) 宮城県塩竈市生まれ。東北学院大学経済学部経済学科を卒業。1998年、「腦病院へまゐります。」で第86回文學界新人賞を受賞する。同年、同作が第119回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。同年、「カタカナ三十九字の遺書」が第120回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。1999年、「掌の小石」が第121回芥川龍之介賞の候補作に選ばれる。同年、『腦病院へまゐります。』が第21回野間文芸新人賞の候補作に選ばれる。2002年、『海馬の助走』で第24回野間文芸新人賞を受賞する。2005年、國學院大學文学部神道学科を卒業。
  • もう一度住みたい
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    高橋芙美子は競売物件でマイホームを手に入れた。偶然、先住者も「高橋」であったため、表札はそのまま使うことにした。新生活は穏やかにスタートしたが、夫に海外赴任の辞令が出てしまう。そんなある日、「ただいま」と見知らぬ男がやって来た。男は先住の高橋家の長男で、七年余り家出をしていたという。男は消えたが、翌日、芙美子は二階で“ガリガリ”と不気味な音がしているのに気が付いた……。幸福な「高橋」家に襲いかかる、不幸な「高橋」家の影。ホラーサスペンス長篇。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 二重証言
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    早瀬咲子は、大手企業に勤める夫と大学生の息子を持つ平凡な主婦。一見幸福そうな彼女は、心の奥に孤独と焦燥感を抱いている。中学校の同窓会でイラストレーターの待井に絵の才能をほめられ、一歩外界に飛び出す決心をするが、そのために思いがけない殺人事件に巻き込まれる。そして、中学時代と立場の逆転した女友達との間に、証言を通した共犯関係が成立する。心理サスペンス長篇。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 全訂決定版・不連続線
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    1巻770円 (税込)
    名古屋駅裏の商店街に放置された黒い布製の旅行カバン。その中には女性の絞殺死体が収まっていた。誰が、なんのために? 殺人者にとって、死体を晒すよりも隠す方が格段に安全なのに。目黒区碑文谷で翻訳仕事に携わる吉本紀子は、被害者となった義母の無念を晴らすため、単身で事件の調査を始めた。福井県秋津村、静岡県浜松市、滋賀県余呉湖、長野県伊那……。愛知県警察本部所属の広域捜査官・上島透警部の協力を得て、少しずつ真相に近づいていくが、真犯人は鉄壁とも言えるアリバイで身を防御していた!  第2回鮎川哲也賞受賞作品である『不連続線』が、30年の時を経て全面改稿。また、美貌の推理作家・吉本紀子シリーズの出発点となる傑作ミステリ。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。推理作家・吉本紀子を主人公にして、錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
  • 生まれいづる双葉
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    水島双葉は、医者である恋人・岡崎駿平を家に連れてきた夜、衝撃的な告白を母からされた。「あなたは非配偶者間人工授精で生まれた子なの」精子提供者は、当時の医学生。母親は岡崎の父親がK大学の医学部出身と知り、心配になったらしい。生物学上の父親を探しはじめた双葉は、〈自分とそっくりな顔の子〉の存在に気づく。その女を捜し始める双葉だが、次第に愛憎うずまく恐るべき事件に巻き込まれていく……。ホラーサスペンス長篇。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • ひとおもいに夏子
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    ひとおもいに、ひとおもいに、夏子、あの男を殺してしまいなさい……。翻訳家の笠木夏子は、少女時代の家庭教師・金子敏弘に偶然、再会する。金子は夏子に巧妙に近づいてきたが、一方の夏子は金子を殺したいほど憎んでいた。そんなある日、彼は何者かに殺されてしまう。金子敏弘に対する殺意は、誰にも気づかれなかったと信じていた。だが、そんな夏子のところに〈もう一人のあなたであなたの分身の冬子〉と名乗るメールが届くようになる……。ホラーサスペンス長篇。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 囚われて桜子
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    岸本珠美には、暗い過去があった。二歳の時に誘拐され、約一年後に無事保護されたのだ。その間、「桜子」という名前で犯人に大切に育てられていたらしい。結局犯人は捕まらずじまいだった。それから二十七年、ネイリストとして働いている珠美は、インターネットの〈昔の事件を掘り起こそう〉という掲示板に自分の名前が登場していることを発見する。そして再び“桜子”がゆっくり動き出す……。ホラーサスペンス長篇。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 量子少女(クォーク・ガール)
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    1~3巻770円 (税込)
    藤川コスモ。うちの高校でトップクラスの美少女だ。彼女に関してはいくつも都市伝説が生まれていた。中でも極めつきなのが、別名『量子少女』……彼女は“観察不可能”だという。クラスメイトだったはずが、次の日には隣のクラスにいる。ただ、そんな気がするだけで、誰も不思議には思わない。なぜなら、世界が変わると同時に、みんなの記憶も入れ替わってしまうのだから。だけどある日、ぼくは気づいてしまった。コスモが変えた世界を「縫う」ことで修復している少女・斉藤真綾に出会ったことがきっかけだった。  長篇SF小説。電子オリジナル作品。 ●町井登志夫(まちい・としお) 作家。1964年生。日本SF作家クラブ会員。1997年、『電脳のイヴ』で第3回ホワイトハート大賞〈最優秀賞〉を受賞し、デビュー。2001年に『今池電波聖ゴミマリア』で第2回小松左京賞を受賞。他の作品に『爆撃聖徳太子』『諸葛孔明対卑弥呼』『倭国本土決戦』などがある。最新作は『改革者蘇我入鹿』。
  • 謀略と欲望の伊勢志摩妖鬼
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    1巻770円 (税込)
    推理作家・吉本紀子の元に、突然の招待状が届いた。真珠宝飾品の販売を全国展開しているミホコ真珠の社長・原田美穂子から、伊勢志摩の高級ホテルへの滞在を呼びかけられたのだ。長年の捜査パートナーである上島透警部が昇進して警視になった今、紀子の特任捜査官の資格は取り上げられ、さらに小説本来の仕事が先細りしている現状では、刺激的でありがたい申し出だった。とはいえ、世の中に甘い話などあるわけがない。いささかの厄介物が待ち構えていることは察しがつく。どんな相談を持ちかけられるやら。そう警戒していたのだが、まさかホテルに到着したその夜に、凄惨な殺人事件が起きるとは……。  美貌の推理作家・吉本紀子が活躍する人気ミステリシリーズ。完全書き下ろしの電子オリジナル作品。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。推理作家・吉本紀子を主人公にして、錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
  • メビウス・ストーリー
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    1巻495円 (税込)
    祖師谷大蔵の駅から十五分ほどのところにあるアンティークショップ〈サムサーラ〉。店内には大小の骨董品が並び、一見、とくに変わった店のようには見えない。だが、そこになにげなく並べられている品物たちは、それぞれ奇妙な“力”を秘めている。生きている絵、霊を視る石、魔性を引き出す能面、他人の心を覗く万華鏡。〈サムサーラ〉のドアが開かれるとき、不思議な物語がはじまる……。  珠玉のミスティック・ホラー・ファンタジー小説。連作短編集。電子版あとがきを追加収録。 *生きている絵 *月の石 *闇の小面 *魔法のランプ *天使時計 *哭き龍 *心の万華鏡 *後戸の空間 ●六道 慧(りくどう・けい) 東京の下町・本所生まれ。今も長兄が実家で小さな小さな町工場を営んでいる。1988年、朝日ソノラマから『大神伝(1) ムーの大神』でデビュー。以来、ライトノベル、時代物、そして警察小説とジャンルを変えながら挑戦してきた。「継続は力なり」が信条。
  • トキオ・ウィルス
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    1巻495円 (税込)
    タクシーの運転手がこんな話をしていた。彼はカラオケバーで会った女から聞いたという。ブティックの試着室で次々と消える少女たち、ガイジンたちの間で有名な古びたコインロッカー、そして、男を去勢する謎のウィルス……。人々から発せられた噂は、耳から入り、やがてウィルスのようにあなたを浸触していく。そこには、あなたの聞いた噂もあるかもしれない。都市に棲息するホラー・ストーリー六十余編。 ●村上政彦(むらかみ・まさひこ) 作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
  • 水曜の朝、午前3時
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    1巻495円 (税込)
    玉置が飲んでいた酒だ。彼はここで誰を相手にこの酒を飲んだのだろうか。玉置に対して抱いていた疑念が、今はもう固まりつつあった。ぼくが持っている写真を見せてしまえば、一挙に解決するだろう。玉置はこの女性と一緒だったのでしょう。そう訊けば済むことだ。それをバーテンダーに尋ねるのはまだ早い。ぼくは迷っていたし、心の備えも充分ではなかった。(「恋に墜ちたら」より)  恋愛小説、音楽カルチャーをテーマにした小説など、多彩な筆致で綴られた短篇小説集。電子オリジナル作品。 *ブルースカイ *恋に墜ちたら *水曜の朝、午前3時 *テイク・イット・イージー *コンパス *センチメンタル・バーボン ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。
  • イーストリバーを渡った女
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    1巻495円 (税込)
    店の名はライオンといい、表通りに面した雑居ビルを裏にまわりこんだ一階奥にある。陽があたらず、人通りもない。ジャズ喫茶以外には借り手のない場所だ。ライオンという店名の由来は、百獣の王のそれではなく、ブルーノート・レーベルの創始者だったアルフレッド・ライオンからきている。二十年も前から営業しているこの店のオーナーが先年亡くなったとき、私は勤めを辞め、この店の権利を買った。(「ベース・オン・ザ・ヒル」より)  ジャズ通が集う老舗店「ライオン」で心を交わす人々、人間模様を描いた短篇小説集。電子オリジナル作品。 *ベース・オン・ザ・ヒル *甘いサキソフォン *イーストリバーを渡った女 *五つのコイン *カウンターの客 *帰ってきた男 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。
  • ブルースの聞こえる夜
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    1巻495円 (税込)
    その場から離れかけたとき、ドライバーの体がグラッと揺らいだ。征司は素早く運転席側に駆けよった。間に合わなかった。ドライバーは肩からドサリと路面に落ちた。同時に金属音が響いた。征司はドライバーといっしょに転がり落ちたものを見て、立ちすくんだ。拳銃だった。スマートな形のオートマチックだ。水銀灯を反射して、ブルーフィニッシュの鉄の肌がぬめっと輝いている。(「ブルースの聞こえる夜」より)  オートバイを軸に、ハードボイルドな作風の物語を集めた短篇小説集。電子オリジナル作品。 *ブルースの聞こえる夜 *甘い引金 *ミッドナイト・ライダー *傷ついた魂 *鏡と塩とオートバイと *あの日の海 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。
  • 邪神帝国
    -
    1巻770円 (税込)
    最も残虐な人間と、最も邪悪な神々が手を組み、史上最悪の軍隊が誕生した。とどまるところを知らぬ悪鬼の所業は世界を震えあがらせる。激動の時代、急激な勢力拡大を果たしたナチスドイツ。しかしその背後には、知られざる闇の力が存在していた。その禁断の力にふれたものはみな奇怪な運命に翻弄されてゆく……。  史実と虚構をたくみに織りまぜ、異形のものどもの存在を描き出した戦慄の魔術的連作集。邪悪なる七篇を収録。※この電子版では、内容の原点回帰を目指して、ハヤカワ文庫版を底本としています。 *〝伍長〟の自画像 *ヨス=トラゴンの仮面 *狂気大陸 *1889年4月20日 *夜の子の宴 *ギガントマキア1945 *怒りの日 ●朝松健(あさまつ・けん) 1956年札幌生まれ。東洋大学卒。出版社勤務を経て、1986年『魔教の幻影』でデビュー。ホラー、伝奇など、幅広い執筆活動を続けている。2006年『東山殿御庭』が第58回推理作家協会賞短編部門の候補となる。近年は室町時代に材をとった幻想怪奇小説〈室町ゴシック〉、一休宗純を主人公とした〈一休シリーズ〉、かつて誰も書かなかった〈異形の戦場〉と化した京都を描いた『血と炎の京』で高い評価を得ている。
  • ママさん探偵 律子の事件簿(5)
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    小学校時代の親友・美都から久し振りに連絡があった。「あれ、まだあるかな……」電話口で、美都はさぐるように言う。律子と美都の間で名前を言わずに「あれ」と言ったら、ふたりで埋めた「あれ」しかない。当時の担任だった雨宮先生から「袋のまま、どこかにうめて」と頼まれた「あれ」。スーパーの袋に入っていて、ブヨブヨと柔らかくて、ところどころ血がついたように赤く染まっていて……。小学校の倉庫裏に埋めた「あれ」の正体はなんだったのか。律子と美都は、二十年以上前の出来事に決着をつけるべく、母校に向かった。(「第三話 解明クラブ 前編」)  子供連れならではの潜入調査とキラリと光る推理力。ベビーカーを押しながらの異色探偵・律子の活躍を描いたライトミステリ。電子オリジナルの連作短篇集。 ・第一話 盗まれた絵 ・第二話 クッキー缶 ・第三話 解明クラブ(前編) ・第四話 解明クラブ(後編) ・第五話 ダンスに願いを ●松村比呂美(まつむら・ひろみ) 1956年福岡県生まれ。オール讀物推理小説新人賞最終候補作2作を含む『女たちの殺意』(新風舎)でデビュー。著書に『黒いシャッフル』『鈍色の家』(光文社文庫)『キリコはお金持ちになりたいの』(幻冬舎文庫)、『終わらせ人』『恨み忘れじ』(角川ホラー文庫)などがある。
  • 駄菓子屋
    -
    1巻495円 (税込)
    しかしそれは明らかに、インテリアのために配置されたようなそんな気配であった。どうです、ますますいいでしょう。レトロ調でこの駄菓子はオシャレでしょう。そうあの鉢植えをぼんやりと眺めているマスターがさも言いたげなように、駄菓子は店先でわずか数品ばかりが、店主の、そして大人たちの、懐古願望を満たすためのもののように、客受けを狙う見世物として晒されていた。(「駄菓子屋」より)  文芸誌に掲載された作品、デビュー前に同人誌へ寄稿した作品、さらには完全書き下ろしの新作「銀閣寺」まで。単行本未収録の短篇小説を集めた電子オリジナル作品集。 *駄菓子屋 *木曜日の最後の授業 *新しき自分 *人形の家 *失っていく男 *闇より深い夜の河 *子供たちの夏 *空、見上げる者たちへ *竹野にて *銀閣寺 ●竹野雅人(たけの・まさと) 1966年生まれ。東京都出身。法政大学経営学部卒業。大学在学中の1986年に「正方形の食卓」で第5回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。1994年、『私の自叙伝前篇』で第16回野間文芸新人賞受賞。
  • バタアシ行進曲
    -
    1巻495円 (税込)
    棟という棟の中に、人々がうごめいているはずであるのに、団地の夜は恐ろしいほど、静寂に満ち溢れていた。上下左右を全く同じように、人々が生活をしている〈家〉が並んでいる。そして〈家〉の一つ一つは他人の生活のための〈家〉に囲まれ、人々はその自分の箱の中でひっそりと息をひそめて、生活しているのだろう。(「バタアシ行進曲」より)  活気を失った巨大団地群で暮らす人々の変異を描いた表題作と「似てない生活」、中篇2本を収録した電子オリジナル作品集。 *バタアシ行進曲 *似てない生活 ●竹野雅人(たけの・まさと) 1966年生まれ。東京都出身。法政大学経営学部卒業。大学在学中の1986年に「正方形の食卓」で第5回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。1994年、『私の自叙伝前篇』で第16回野間文芸新人賞受賞。
  • 血の轍
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    1巻495円 (税込)
    彼はちょっと頭を下げて自転車に乗った。帰りは下り坂なのでペダルは軽かったが、どこか気が重かった。昔から人と集まって何かをするのが嫌いで、学生の頃もサークルだのボランティアだのとは距離を置いていた。自分と同じような境遇のもの同士が集うというのも哀れそうでいい気持ちがしなかった。(本文より)  交通事故で妻子を亡くした男が、カウンセラーの導きで多くの家族の事情を覗き見る。単行本未収録となっていた中篇小説。巻末に電子版あとがきを収録。電子オリジナル作品。 ●村上政彦(むらかみ・まさひこ) 作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
  • 蜜蜂の軍隊
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    1巻495円 (税込)
    元新聞記者の大沢保は『ディープ』というフリーペーパーを発行していた。それは街の目立つ場所に張り出される壁新聞で、大手マスコミとは性格の違うメディアだと自負していた。ある日、コンビニで売られていたサンドイッチに一本の縫針が刺し込まれていた、という事件を記事にする。初めは何の反応もなかったが、一般紙の地方版が似たような事件を報じ、やがてTVやネットでも話題になり、次々と模倣犯が現れる。そして『ディープ』に実行犯からの犯行声明が届くようになったあたりから、騒ぎは保がコントロールできないほど大きなものに膨れ上がっていく……。  情報に煽られる大衆、集団心理の暴走を描く。単行本未収録となっていた中篇小説。巻末に電子版あとがきを収録。電子オリジナル作品。 ●村上政彦(むらかみ・まさひこ) 作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
  • 量子のベルカント
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    1巻770円 (税込)
    街の簡略な見取り図にところどころ鳥やギターやイラストの徴しと番号のついたそれを「音の地図」とホーリーは教え、今から音歩きに出かけるので耳を開いて蝸牛殻へ神経を集中するようにと言った。それはキャンピングカーを訪れた子供達すべてが受ける洗礼、ホーリーの助手を務めるための研修だった。(「量子のベルカント」より)  1992年上半期・芥川賞候補作となった表題作と、1993年上半期・芥川賞候補作「分界線」を収録した電子オリジナルの作品集。 *量子のベルカント *分界線 ●村上政彦(むらかみ・まさひこ) 作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
  • 東京難民殺人ネット
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    1巻770円 (税込)
    東京都内のクリーニング店の裏庭より、ミイラ化した子供の遺骸が発見された。管轄の下山署では、遺体の身元確認を急ぐとともに、行方不明となっているクリーニング店の家族の捜査に全力をあげている。事件が発覚したきっかけが「クリーニング店の敷地内に子供の死体が埋まっている」というインターネットの投稿だったこともあり、ネット上では白熱した議論が続く。やがて、店の隣人や事件関係者を名乗る人間が書き込みを始め、ついには“犯人”までが参加するが……。  インターネット上で推理される殺人事件の様相と犯人捜し。事実、噂、偏見、憶測、虚言が渦巻く虚構世界で、あなたは真実という名の結末を迎えることができるか? 新感覚・安楽椅子探偵ミステリ。  ※本書は著者の意向により本文横書きで制作されています。 ●村上政彦(むらかみ・まさひこ) 作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
  • ニュースキャスターはこのように語った
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    1巻495円 (税込)
    取引先の担当者の趣味に合わせて接待をするのはカイシャインの重要な職務の一つです。優秀なカイシャインである須賀室長は、ゴルフを覚えたときのようにコオロギ合わせを覚えて、カイシャが社宅として借りているマンションの一隅で、大きな顎と強い脚を持ったコオロギ合わせの勇士――山東省のコオロギの飼育をするようになりました。(「彼とコオロギの年代記」より)  私自身のリアリティとは何か、世界と自己との関わりとは何か。カイシャインの、シュフの、ガクセイの、イイコたちの、皮。その皮に優雅な爪を立て、ひん剥いた、痛みと快楽の作品集。 *千億の夜 千億の朝 *アイ・アム・ア・グッド・フィッシュ *僕の顔が地球になる *イン・ザ・ネット *黄金地帯戦場ツアー *世界は愛に満ちている *高度資本主義のためのポルカ *彼とコオロギの年代記 *好きにならずにはいられない *彼女についての二、三の事柄 *日本人の皮を剥ぐ *永久ジオラマの夢 ●村上政彦(むらかみ・まさひこ) 作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
  • ZOO(ズー)
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    1巻495円 (税込)
    信じられなかった。生まれてはじめて目撃する、親の夫婦喧嘩のライブだった。祖父が生きていたとき、ふたりは言い争いさえぼくと小夜子のいるところではしなかった。そのときのぼくの心理は、どうなっちゃったんだろうという重い不安と、うちの親も夫婦喧嘩するんだというわくわくする発見の驚きがいりまじった複雑なものだった。(本文より)  祖父の死をきっかけに家族の不協和音が高まっていき、主人公は「動物園のライオンがしゃべる」のを聞く。頭が変になったのではないかと深刻に悩むが……。長篇青春小説。 ●村上政彦(むらかみ・まさひこ) 作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
  • ドライヴしない?
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    1巻495円 (税込)
    この経験は、やがて涼子をじわじわ戦慄させた。彼女は自分が友達としての優香を好きなのは認めたが、予備校生の出現がもたらしたパニックは、その、「友達としての」に誤解があることを暗示していた。涼子は優香との関係を回顧してみた。そして自分の中で、「優香のようになりたい」が、いつの間にか、「優香といっしょにいたい」になり、やがて、「優香を誰にも渡したくない」に変わっていたことを知った。(本文より)  1990年下半期・芥川賞候補作となった表題作と、第6回海燕新人文学賞受賞作「純愛」を収録した作品集。 *ドライヴしない? *純愛 ●村上政彦(むらかみ・まさひこ) 作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
  • 裏刑事捜査帳(1) 狂熱砂漠
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    1~12巻495円 (税込)
    私立探偵・桂木二郎。彼のもとにとんでもない依頼が持ち込まれた。二年前、新宿の路上で殺されたエリート研究者が実は生きているという。しかも、この情報をいち早く掴んだ知り合いの刑事の足どりが消えた。さっそく事件を洗い出す桂木は、関連の弁護士が殺されたことを知る。一方、研究者の残された妻の熟れた肉体が執拗に桂木を追いかけ始めた。裏の奥底で蠢めく悪の恐るべき陰謀の渦に、相棒と共に立ち向かう!  警察手帳も手錠もないが、殺人許可証を持って過激な捜査を展開する、裏刑事(デカ)・宮島達男。彼の誕生前夜を描いた“エピソード・ゼロ”とも言うべき物語。ハードボイルド・バイオレンス小説の名作「裏刑事捜査帳」シリーズ第1弾。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 辛口のカクテルを
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    1巻495円 (税込)
    ぼくが言ったことのほとんどは、酒の肴に小説や詩を読むという文学少女、亜矢子の受け売りだ。「ふうん」彼女は頷き、それから言った。「意味のあることは、もう書き尽くされてしまったんでしょうね。今の作家はたいへんだわ」そうか。なんてこった。これが答えかもしれない。答えは風に舞っていると言ったのは誰だ。もしそうならば彼女は風だ。(「水曜日の詩人たち」より)  著者の原点ともいうべき青春ハードボイルド短篇小説集。 *見えない標的 *辛口のカクテルを *水曜日の詩人たち *詩人たちの喧噪 *乾杯を小さな声で *月時計の夜 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。

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