国内ミステリー - アドレナライズ作品一覧

  • 純白の殺意
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    グルメライター水沢風味子・周富徳の殺人レシピ  中華名人・周富徳と料理評論家・門野哲哉の論争に巻き込まれる形になってしまったグルメライターの風味子は、自宅に押しかけてくるテレビのリポーターに辟易していた。そんな騒ぎのなか、なんと門野が仕事場のマンションで死体となって発見される。しかも、なぜか死体には塩がかけられていた…。やがて、第二、第三の事件が起きるのだが、ある不思議な共通項が存在すること気づく。「最初は、塩。次は、砂糖。そして、こしょう?」三種類の調味料が、いずれも事件に関与しているのは、偶然なのだろうか。そして、真相を追いかける風味子は、犯人がひた隠しにしてきた悲しい過去へと辿り着く…。グルメライター水沢風味子が連続殺人事件の謎に肉薄する、長編サスペンス。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『最後の晩餐』『意地悪な食卓』(角川ホラー文庫)、『手紙を読む女』(徳間文庫)、『記録魔』(祥伝社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 情炎
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    1巻495円 (税込)
    「バカなことを言わないで下さいッ。断じてごめんです」警視庁特別捜査班の鏑木二郎警部補は怒り狂っていた。いかに総監命令とはいえ、エリート捜査官の鏑木に霊能者の指示を仰げというのは、たしかに酷だった。二週間前、世界的に有名な美人ピアニスト・樫山弦美が何者かに誘拐されたが、手掛かりはまったくなく、捜査は難渋していた。そこへ、弦美の父でアカデミア音楽院の院長・樫山俊春のたっての希望で、修善寺に棲む異能の男・北里青州を訪ねなければならない羽目になったのだ。青州は、弦美の失踪直前に、チェロの伴奏によるピアノ演奏を耳にしていた。彼が弦美のネックレスを手にして、その居場所を霊視すると……。長篇ミステリ。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 情報捜査員・尾形一刀(1) 黒の闘魂
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    1~2巻495円 (税込)
    総裁候補にかかってきた謎の脅迫電話、その背後にいる敵の正体とは!?  次期総裁選出馬を目指す深沢龍則に、正体不明の脅迫電話がかかった。政治生命を断つという脅しだった。調査を依頼された元警視庁刑事の尾形一刀は、深沢の人間性に惹かれ、協力を約束する。深沢には、過去に一つだけ他人にいえない秘密があった。ある女性を、彼女が深沢の子供を妊娠していると知りながら、政治家になるために捨てたのだ。脅迫者がその事実をつかんでいるのか!? 尾形は早速女性の行方を追う。一方深沢は、彼を担ぎ出そうという若手グループと、それに敵対する派閥との争いに巻き込まれてゆく…。永田町を舞台に、男たちの熱い闘いが始まった。  権謀術数渦巻く政治の世界、そしてその裏で暗闘する調査員・ヤクザ・警察…。ハードバイオレンス・サスペンスの傑作、第1弾。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 神魔の火焔
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    1巻495円 (税込)
    その力は神か悪魔か…湯煙の向こう側に見えた人間の愚かさ  形成外科医・奇羅明典は、文豪温泉探訪クラブの同窓会で湯ヶ島温泉に来ていた。この地には、苦い想い出が残る。大学三年生の夏期休暇中、中学時代から付き合っていた恋人・桜井志都美が、ここで行方不明になったのだ。  温泉宿「夢迷荘」へ向かうバスに偶然乗り合わせた美女。志都美が好きだった沈丁花の香りがするこの女性が、その晩、死体となって発見される。志都美の面影を追い、事件の周辺を調査し始めた奇羅の目の前に、やがて第二、第三の殺人が起きて…。  東日本大震災における原発事故、薬物の化学実験室、封印されたトンネル、「川波ノート」に記された謎の暗殺集団…。やがてそれらのキーワードが、一つに集約されていく。「経済効果」という美名に踊らされた愚かな人間たちを描く、衝撃のミステリ作品。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 水銀奇譚
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    1巻495円 (税込)
    世間の「肉」に対して罰を与えて楽しんでいた少年少女たちだが、ある日をきっかけに歯車が狂ってしまう  シンクロナイズド・スイミングに打ち込む香織には、現実の高校生活より、水の中のほうがリアリティがある。肉体をコントロールし、完璧な演技をすることがすべての世界…。  すべては雨と、連続して発見された溺死体から始まった。死んだのは、香織の小学校時代の教師や友人ばかり。当時の記憶が、鈍い痛みとともによみがえってくる。「選ばれし者」だけが入部できる秘密のクラブ、錬金術やオカルトにくわしい美少年の謎の失踪…。やがて、香織の身にも奇妙な出来事が次々と襲いかかる。青春ホラー・ミステリー。 ●牧野修(まきの・おさむ) 大阪府出身。1992年『王の眠る丘』で作家デビュー。1999年『スイート・リトル・ベイビー』で第6回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。2002年『傀儡后』で第23回日本SF大賞受賞。著書は『死んだ女は歩かない1~3』『冥福 日々のオバケ』『私の本気をあなたは馬鹿というかもね』『月世界小説』など多数。
  • スキャンダル殺人事件
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    芸能情報誌へのタレコミ電話が、恐るべき殺意を引き寄せた!? 『芸能スター情報』編集部は、デビューして間もない新人清純派スター・月永令子に関する密告電話(タレコミ)に色めきたった。「おどろかないでね、彼女、以前チュウゼツ…」そこまで言った女の声が不意に途切れ、「やめて、苦しい。助けて」という悲鳴になって電話が切られた。翌日、電話を掛けてきたと思われる女を捜し出した時には、彼女は死体となっていた…。  虚像の裏に渦巻くスター達の世界をミステリータッチで描いた表題作ほか、ミステリの傑作6編を収録。 *栄光と陥穽 *消えた指紋 *悪女のプレゼント *消された死体 *スキャンダル殺人事件 *盗聴器 *死体はLを描いた ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • ストックホルムの鬼
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    中学校の絵画部で一緒だった小西繁夫と、夕暮れの渋谷で偶然出会った。こいつはたしか死んだんじゃなかったのか。いや、記憶が交錯しているようだ。個展の招待状をもらったので何気なく足を運ぶと、屈強な男たちに取り囲まれ、拉致・監禁されてしまう。そして小西は私からあらゆるものを剝奪した。退職、戸籍抹消、住居の撤退。そういうことを確かにやったと信じるには、この部屋の完璧さを見れば充分だった。彼は、あるいは彼らは、冗談や遊びなどではないのだろう。私はこの空間から出られるのか、元の社会に復帰できるのだろうか……。  どこか見知らぬ地下空間へ連れ去られ、自分を見失った男による再生の物語。長篇小説。 ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • スリープ・ウォーカー
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    1巻495円 (税込)
    記憶を失った私立探偵は病院を抜け出し、自らの足取りを追って調査を開始した  元興信所の冴えない調査員だった相葉潔は女とカネでしくじり、ささやかな探偵事務所を開き細々と生計を立てていた。タフでなければ、残金六百八十円で生きていけない、優しくなければ誰も金を貸してくれない…。しかし、彼はある夜、何者かの襲撃をうけて一時的な記憶喪失(逆行性健忘)に陥る。 「おれが請けた依頼は何だったんだ? 誰と会っていたんだ?」  相葉は彼の担当医となった型破りな美人女医・木村瑤子の協力を得ながら、欲にまみれた“怪事件”の核心へ一歩一歩近づいて行く…。 ●杉元伶一(すぎもと・れいいち) 1963年、埼玉県生まれ。早稲田大学社会科学部中退。大学在学中に『東京不動産キッズ』で小説現代新人賞を受賞。現代を鋭く切りとる才筆で文壇の注目を浴びる。著書に、映画化された『就職戦線異状なし』『スリープ・ウォーカー』(講談社)などの他、漫画原作として『国民クイズ』(太田出版)がある。
  • 生死不明
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    夫が突然失踪してから3年、待ちつづける妻に恋人が出来たが… 「お願い、あなた、帰ってこないで」池畑弘子の夫が行方不明になってからもうすぐ三年。生活のために開いた書道教室も軌道に乗り、彼女には好きな男性も現れた。そんなある日、彼女のもとに「ご主人は生きています」という匿名の手紙が届いた。あと数日で裁判所に離婚の訴えを提起できるのに…。夫の知られざる過去が暴かれていく中で、彼女に幸せは訪れるのか。女と男の真実と闇を描く長編ミステリー。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『最後の晩餐』『意地悪な食卓』(角川ホラー文庫)、『手紙を読む女』(徳間文庫)、『記録魔』(祥伝社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 正当防衛
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    正当防衛で兄を殺した女を、自らの作品の中で告発する女  推理作家の庄司桐子は、テレビの画面に現れた女の顔を見て愕然とする。偶然、店に押し入った連続殺人犯を説得して自首させた、早坂志歩美。彼女こそ、十年前、桐子の兄を殺害しながらも、現場の状況から正当防衛とみなされ、不起訴となった女だった。兄の無実を信じ続ける桐子は、十年前の事件の真相を、自らの作品で告発しようとするが…。女同士の息づまる対決を多重構造で描く長編ミステリー。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『最後の晩餐』『意地悪な食卓』(角川ホラー文庫)、『手紙を読む女』(徳間文庫)、『記録魔』(祥伝社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 瀬田の唐橋殺人事件
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    昔バンドマンだった父は急に「瀬田の唐橋が見たい」と娘の路子に言い置いて、大津に旅立った。そしてその旅行から帰った数日後、父は行方不明になってしまう。残された手掛かりは数枚の写真だった。路子は父の昔のバンド仲間を訪ね歩き、その写真を見せると、当時バンド仲間のマドンナとも言うべき存在だった美貌の女性が浮かびあがってきた…。長篇ミステリ。 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 瀬戸尾道殺意の迷路
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    風光名媚で、いにしえより多くの芸術家が集った尾道を旅行していた原口滋夫が失踪した。定年まで地道なサラリーマン生活を続けていた男に、一体なにが起きたのか!? 同時期、東京で死体なき連続殺人が発生する。まったく無関係と思われるこの二つの“事件”の裏に隠された謎を解くため、名刑事・八木沢庄一郎は尾道へ飛んだ。八木沢警部補の推理が冴える長篇ミステリ。 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • セミョーノフは二度殺せ
    -
    1巻770円 (税込)
    ロシア革命、激動の時代。ロシアの各地で激しい内戦が繰り広げられていた。ボルシェビキ革命派=赤衛軍と、それに対抗する反革命派=白衛軍の争いが主だが、英仏米日などが派兵した上、赤軍側にはパルチザンがついたため、混沌とした様相を呈していた。そんな中、反革命勢力の軍事指揮官・セミョーノフ狙撃さるの報は、白衛軍のみならず、日本帝国陸軍をも震撼させた。政治的混乱に巻き込まれた邦人居留民の運命は? そしてセミョーノフがかき集めたという莫大な金塊のゆくえは? 長篇冒険サスペンス。
  • 仙台で消えた女
    -
    1巻495円 (税込)
    仙台・鳴子で起きた連続殺人事件の謎、本格推理と愛憎ドラマの鮮やかな融合!  美貌の人妻・瀬戸溶子が突然消えた。が、ある夕刊の風景写真の中に彼女によく似た女が仙台の街を背景に映し出されていた。やがて杜の都・仙台と鳴子峡で連続殺人事件が発生。溶子の謎の正体とは? 溶子を追う数人の怪しげな男たち。そして、探偵役のカメラマンと女子大生が最後に見た恐怖の大どんでん返しとは…。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 戦闘刑事コブラ(1) 復讐の牙を剥け
    4.0
    1~4巻495円 (税込)
    復讐の鬼と化した円城刑事の双眸がきらめく!  大物代議士と新興宗教の教祖の贈賄事件を内偵していた円城刑事が暴漢に刺された。瀕死の重傷を負った円城のポケットからは、身に覚えのない現金と覚醒剤が! 自身の潔白を証明するため、警察病院から脱走した円城は、自分を陥れた邪教集団に血の挑戦状を叩きつける。  孤立無援の中、復讐鬼と化して巨大組織に凄絶なバトルを挑むバイオレンス・アクション! 「戦闘刑事コブラ」シリーズ第1弾、生誕編。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『狂った正義』(廣済堂文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)、『重犯』『虐讐』(徳間文庫)など著書多数。
  • 潜入捜査 女警部・志摩冴子
    -
    1巻495円 (税込)
    セックス業界に蠢く巨悪を壊滅せよ! 華麗なる敏腕女警部の活躍!  眠らない街、東京・新宿。不夜城に群れ集う若者たちが様々な人間ドラマを描き、多くの犯罪が派生する。警視庁生活保安課に籍を置く28歳の独身警部・志摩冴子は、ある夜目撃した美人双子姉妹の飛び降り自殺に、強い疑問を抱いた。調べるほどに、背後では暴力団の影がちらついていたのだ。冴子は、捜査四課の暴力団担当の刑事・草本英男の協力を得て、謎の気孔師が組織を通じて、少女たちに売春させている証拠を掴むべく、男の経営する治療院に潜入するが…。殺人・強盗・恐喝・強姦などの凶悪事件を描いた連作短編集、警察小説・官能サスペンス。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。
  • 全身麻酔
    -
    1巻495円 (税込)
    全身麻酔中に覚醒した患者が聞いた言葉とは…?  国立O大学医学部付属病院。閉ざされた空間・手術室で一人の患者が執刀されていた。 「この患者は誰なんだっ?」  執刀医以下、その取り違えを知っているのは病院関係者たちのみ。全身麻酔の術中に覚醒してしまっていた患者を除いては……。  医療現場の闇と権力抗争、そして生と死の狭間にゆれる患者を、現役医師が描き出した衝撃の本格医療サスペンス。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 全訂決定版・不連続線
    -
    1巻770円 (税込)
    名古屋駅裏の商店街に放置された黒い布製の旅行カバン。その中には女性の絞殺死体が収まっていた。誰が、なんのために? 殺人者にとって、死体を晒すよりも隠す方が格段に安全なのに。目黒区碑文谷で翻訳仕事に携わる吉本紀子は、被害者となった義母の無念を晴らすため、単身で事件の調査を始めた。福井県秋津村、静岡県浜松市、滋賀県余呉湖、長野県伊那……。愛知県警察本部所属の広域捜査官・上島透警部の協力を得て、少しずつ真相に近づいていくが、真犯人は鉄壁とも言えるアリバイで身を防御していた!  第2回鮎川哲也賞受賞作品である『不連続線』が、30年の時を経て全面改稿。また、美貌の推理作家・吉本紀子シリーズの出発点となる傑作ミステリ。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。推理作家・吉本紀子を主人公にして、錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
  • 捜査一課・瓜生田洋(1) 殺(あや)める
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    1~2巻495円 (税込)
    自動車会社と運輸省の贈収賄に絡んだ刺殺事件と脅迫事件! 二つを結ぶ点と線を追う刑事の苦悩  安田自動車工業の社長秘書・藤井一恵が自宅で刺殺され、会社の最高幹部三人の元へ脅迫状が届いた。警視庁捜一の瓜生田洋(うりゅうだひろし)は怨恨の線から調べ始め、容疑者の一人として運輸省交通局の課長が浮かび上がるが、彼も刺殺され捜査は難航を極めた。三つの事件を結ぶ点と線を追う瓜生田は、ある証言から、過去に起きた交通事故にすべての事件を解くカギを見つける。そして辿り着いた意外な人物に…。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。
  • 捜査一課・桐生恭介(1) 屍薬
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    1~4巻495円 (税込)
    殺人事件の裏に潜むコカイン汚染……若い女性を狙い、死に至らしめる組織犯罪の構造を暴く!  新宿のホテルで若い女性が殺された。被害者が売春を行っていたことから、捜査一課の刑事・桐生恭介と菅原阿季枝は、斡旋した女性に着目する。だが直後、犯人と目される元暴力団員がその女性と情交中惨殺され、事件は意外な方向へ…。捜査が進むにつれ、背後に浮かび上がる麻薬に塗れた人脈。薬を利用し弱者を食い物にする真の犯人に肉薄できるか? ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。
  • 捜査四課・実相寺丈(1) 刑事爆炎
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    1~2巻495円 (税込)
    都知事にかかってきたテロ予告電話、不法残留中国人の集団脱走、この二つの事件を結ぶ意外な事実とは!?  東京都知事室に「東京を火の海にする…」という脅迫電話がかかってきた。犯人の狙いは何なのか。混乱する都庁。その夜、入国管理局の収容所が襲われ、警備官を殺害、不法残留の中国人が大量脱走した。ふたつの兇悪事件を結ぶ意外な事実に気付いた警視庁捜査四課の実相寺は、怒りに燃えて、一匹の猟犬と化し、陰謀の核心に肉薄していった。長篇ハードサスペンス。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。
  • 蒼獣の牙
    -
    1巻495円 (税込)
    多杯真次、40歳。法の眼をかいくぐり、ゼネコン業界の裏側を巧妙に生き抜く“闇紳士”だ。その多杯には密かなる野望があった。それは首都遷都……“Z計画”である。大手ゼネコンのドン・黒木田を味方に、さらに推進派の大物議員をも取り込み、計画は極秘裏に動き出したかに見えた。だがある日、黒木田が狙撃され、多杯自身も何者かに襲われる。どこからか計画が漏れ、反対勢力が暗躍を始めたらしい……。じわじわと包囲網を狭めてくる強大な裏権力に牙を剥き、多杯の熾烈な闘いが始まった! 長篇ハードボイルド・サスペンス。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 卒都婆小町殺人事件
    -
    1巻495円 (税込)
    若き能楽師・梅津はテレビ画面を食い入るように見つめた。「佐渡の伝統芸能」なる番組の中に、一瞬、律子の姿が映ったのだ。彼女はかつて梅津の恋人であり、十九歳の時、塩屋という男の暴行をうけ妊娠し、思いあまって相手を刺殺して逃亡。全国指名手配されたものの結局、行方不明になっていたのだ。当時を知る友人・河辺からの電話でますます確信を強めた梅津は、十年前のあの忌わしい事件を終わらせるため、佐渡へと飛ぶ。一方、河辺も二人の安否を気遣いながら、フェリーへと乗り込んだ……。  人間の心の奥底に潜む愛と憎しみを描く長篇サスペンス・ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 胎内余罪
    2.0
    遠い過去の薄明の彼方からよみがえる、恐ろしくもどこか甘美な記憶の断章  精神科医・有坂周平の前に現れた岡元ゆず子は、自分には双子の妹がいて、小さい頃事故で死んだ、と告げて消えた。その後、作家・並木亜砂子の担当編集者となったゆず子に、亜砂子は幼い頃の記憶に触発される奇妙な懐かしさを感じた…。突然ふたりの前に現れたゆず子の奥深くに隠された記憶は、何を告発しようとしているのか。長篇サイコ・サスペンス。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『最後の晩餐』『意地悪な食卓』(角川ホラー文庫)、『手紙を読む女』(徳間文庫)、『記録魔』(祥伝社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 太陽が溶けてゆく海
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    1巻495円 (税込)
    ネットで囁かれる、16年前に自殺したアイドルの死の真相とは!  専門誌出版社に勤める“私”は、ある日、世界的な企業である東京品川電機広報部長の神田に呼び出され、副社長の豊田と引き合わされる。神田から見せられたのは、16年前に自殺した早崎アンナの死の真相を巡る、ネット掲示板での応酬だった。そこには、早崎アンナの失恋相手が、当時、東京品川電機広報部で彼女の担当だった現部長・神田だと書かれていた。  かつて、写真誌編集部にいた私は、神田と組んで東京品川電機のCMタレントだった早崎アンナをグアムで撮影した。そのロケの2週間後にアンナが自殺したのだった。私にとっても、辛く悲しい、忘れられない事件である。  フリーペーパーの制作発注と引き替えに神田と豊田の依頼を受け、ネットの書き込みをした犯人を探るため、私は東京品川電機の社員を調べ始める。だが、そこには、次期社長の椅子を巡る派閥の熾烈な争いが……。 ●十河 進(そごう・すすむ) 1951年、香川県生まれ。1975年に中央大学文学部文学科フランス文学専攻を卒業し、出版社に入社。広告写真誌『コマーシャルフォト』副編集長、カメラ誌『フォト・テクニック』編集長などを経て、現在は常務取締役。1999年からメールマガジン『日刊デジタルクリエイターズ』にコラム『映画と夜と音楽と…』を連載。それをまとめた『映画がなければ生きていけない1999‐2002』『映画がなければ生きていけない2003‐2006』(水曜社)によって第二十五回日本冒険小説協会特別賞『最優秀映画コラム賞』を受賞。2010年に『映画がなければ生きていけない2007‐2009』(水曜社)を刊行。
  • 啄木が殺した女
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    1巻770円 (税込)
    “石川啄木詩情の旅”ツアー最終日、滞在先の盛岡のホテルで、参加者の一人・折原香奈子が殴殺された。凶器は南部鉄の水盤。だが捜査は難航し、事件は迷宮入りの様相を濃くしていた。一方、新進作家・千波由紀はツアー仲間と、啄木のある謎の研究を続けていた。その矢先、死んだ香奈子が啄木日記の欠落部分を入手していたことが判明、事件は意外な展開を見せ始めた。やがて浮上する、啄木の恐るべき秘密とは? そして第二の殺人が……。綿密な資料調査と取材をもとに贈る、歴史&本格推理の傑作。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 他人の城
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    1巻495円 (税込)
    失踪した女の部屋には〈私〉が雑誌に書いた戦争混血児に関する記事が残されていた  人はみな心の中に他人には窺い知れない孤独な城を持っている。しかしその秘密の城が白日の下にさらされる時、思いもよらぬ悲劇が生まれることもある。ハーフの美少女〈真理〉の失踪。これが〈私〉の四日間、だが四年にも感じられた暑い長い秋の始まりであった…。  本格ハードボイルド・ミステリの傑作。第62回直木賞候補作品。 ●河野典生(こうの・てんせい) 1935年1月高知県生まれ。詩作、劇作のかたわら1960年『陽光の下、若者は死ぬ』でデビュー。1964年『殺意という名の家畜』で推理作家協会賞を受賞。日本のハードボイルド小説の先駆者となる。幻想派SF小説、ジャズ小説など、多彩な執筆分野とジャズのフィーリングを持つ作家として特異な存在。
  • タブー
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    1巻495円 (税込)
    虚構を演じ続ける女たちの“タブー(禁忌)”とは  暴露本『スキャンダルへの招待』を書いたのち渡米した、フリーライター有藤久美が一年半ぶりに帰国すると、見知らぬ女が久美の本名を使って結婚し、さらには殺害されていた。女はいったい何者で、何が目的だったのか。久美は、女の遺した手記を手掛りに、謎の過去へと踏み込んでいく。
  • ダイナマイト刑事(1)
    -
    1~5巻495円 (税込)
    火事と喧嘩は江戸の花。深夜の現場に急行するは野性味あふれるマッチョマン“爆裂刑事”松田洋平、華奢で美貌の天才児“過激刑事”池端玲二。ホットでクールな二人組。どんな不正もゆるせねぇ。強腕捜査のその途中、局部を切った男性死体が! スナッフ・ビデオの撮影、ビデオブローカーの存在……邪悪な犯罪あるところ、ダイナマイトの華が咲く。  マッチョな熱血刑事・松田洋平と容姿端麗な天才刑事・池畑玲二の活躍を描いた『ダイナマイト刑事』シリーズ、第1弾。電子版あとがきを追加収録。 ●六道 慧(りくどう・けい) 東京の下町・本所生まれ。今も長兄が実家で小さな小さな町工場を営んでいる。1988年。朝日ソノラマから『大神伝(1) ムーの大神』でデビュー。以来、ライトノベル、時代物、そして警察小説とジャンルを変えながら挑戦してきた。「継続は力なり」が信条。
  • 騙し絵の館
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    少女は地上から消え去る。完全に姿を消す。その失踪が報じられるとき、“ある幕”がゆっくりと上がる。そして、額縁の中に朧げな像が現れる……。  過去に怯えながら瀟洒な館でひっそりと暮らす少女。過剰なまでに彼女を守ろうとする執事。そして頑なに作品の刊行を拒むミステリー作家。連続少女誘拐殺人事件が勃発するなか、謎めいた彼らの秘密が少しずつ明かされる。 ●倉阪鬼一郎(くらさか・きいちろう) 1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒。同大学院文学研究科日本文学専攻博士課程前期中退。在学中に幻想文学会に参加、1987年に短篇集『地底の鰐、天上の蛇』でデビュー。印刷会社、校閲プロダクション勤務を経て、1998年より専業作家。第3回世界バカミス☆アワード(2010年)、第4回攝津幸彦記念賞優秀賞(2018年)。ホラー、ミステリー、幻想小説、近年は時代小説を多数発表、オリジナル著書数は170冊を超える。
  • 誓いの旅路
    -
    1巻495円 (税込)
    恋人・玲子をストーカーに暴行殺害された三橋慧は、自らの手で犯人を捜し出すが、揉み合いになっているうちに誤って殺してしまう。五年後、刑務所から出所した慧は、玲子の親友・津川奈津美から驚愕の事実を聞かされる。玲子と奈津美は大学生の時に暴行をうけたことがあり、犯人の一人と玲子の殺害犯は同一人物だという。玲子が付け狙われていた理由は? 慧は真相を知るため、警視庁性犯罪対策特別班の港谷皐月と調査に乗り出す。やがてインターネット上に存在するワイセツ行為専門の犯罪グループを発見し……。長篇サスペンス。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 千曲川殺人事件
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    1巻495円 (税込)
    銀座の高級クラブの女・片品桐子が、信州は千曲川で水死体となって発見された。現場の状況から警察は自殺として処理するが、桐子の妹である麻子はその死に疑問を抱く。そんな時、死んだはずの桐子から武田紬の反物が麻子に送りつけられてきた。麻子は独自の調査を開始し、姉の影を追って紬の工房を訪ねるが、そこでは紬糸の染色家・島岡一生が何者かによって殴殺されていた……。長篇ミステリ。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 地図にない谷
    -
    1巻495円 (税込)
    その部落へはなぜ立ち入ってはいけないのか……そして、村民が次々と急死する風土病の謎とは?  大学の夏休みに郷里へ帰った帯金多江は、鬼兵衛谷をレポートに取り上げようとしたが、なぜか母の強い反対にあった。だが、許婚者とともに秘かに探索に乗り出し、「いきなり病」と呼ばれる風土病を調べるうち帯金家が谷の歴史に深くかかわっていることに気付く。あまつさえ、一八〇年に及ぶ谷への弾圧の張本人が帯金一族にあったことと同時に、多江は恐るべき自分の出生の秘密を知る。  第17回江戸川乱歩賞最終候補となった「藤太夫谷の毒」を改題。伝奇ミステリーロマンの名作。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
  • 痴態
    -
    1巻495円 (税込)
    警視庁特別捜査班チーフ・山崎警部は、まもなく十五年目の時効を迎える未解決の事件に苛立っていた。秋村弁護士が暴力団員の前川に刺殺され、アタッシェ・ケースを奪われた事件だった。時効を一ヶ月と六日後に控えたある日、被害者の娘・弥生が現れた。以前、特捜班に助力し、難事件を解決したことのある霊能者・北里青州の協力を取り付け、亡き父の無念を晴らしたいという……。既刊『情炎』の続編となる長篇ミステリ。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 知多半島殺人連鎖
    -
    1巻495円 (税込)
    水平線の彼方から昇ってくる日の出が美しい知多半島。観光ホテル副社長夫人・佐々木静香の生活は、なにもかもが満ち足りている。働き者の優しい夫と、豊かな暮らしと、体内に宿したわが子。しかしある日ふと気づくと、終日、彼女の後をつけ狙う正体不明の不気味なストーカーの影が!? そして、二見浦の初日の出に隠された秘密とは……?  美貌の推理作家・吉本紀子と警視庁広域捜査官・上島警部のコンビが活躍する旅情ミステリ小説。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。主人公は推理作家・吉本紀子と広域捜査官・上島警部。作品は『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
  • 血ぬられた光源氏
    -
    1巻495円 (税込)
    伯父の女性遍歴はただならない、ましてや彼女たちのほとんどが不審死を遂げている 『源氏物語』研究の権威者である大学教授・洞院一史が起こした交通事故。彼は一命を取り留めたが、同乗していた若く美しい教授夫人はこの世を去った…。洞院家に居候している姪の京子は、事故に疑問を抱き、恋人の黒鍬文夫とともに伯父の過去を探っていく。やがて暴き出されたものは、醜悪な女出入りだった。本妻を三度も事故で失い、また数々の女たちが疑惑につつまれて死んでいた。光源氏を地で生きた、世にもまれな殺人鬼に挑む京子だが…。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
  • 血の色の花々の伝説
    -
    1巻770円 (税込)
    殺人トリックが次の殺人トリックを招く……そして恐るべき負の連鎖の果てには?  情事のもつれの果てに生じたガス爆発が多くの人の死を招いた。その事故は偶然か故意か? そして十数年、生き残った関係者の間に、不可解極まる殺人が続発。一連の事件を解く鍵は、珍種のサクラソウという。愛憎渦まく数奇な人生を背景に、謎が謎を呼ぶ…。トリックの名手が贈る会心のミステリー長編。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 超高層街殺人事件
    -
    1巻495円 (税込)
    容疑者には確実なアリバイが…! 元刑事が執念で殺人事件のトリックを暴く  槌音高く再開発が進む西新宿。この一画にあるエメラルド街のバー『リリー』で、ママ・富田百合子が殺害された。腹部を包丁で刺され、倒れた回転椅子の傍らには割れたグラスの破片が散らばり、カウンターの上には不審なドライヤーがおいてあった。前夜閉店までママと一緒だったアルバイト嬢・友美も間をおかず殺される。『リリー』の常連客で元刑事の高見沢麗男とその助手・立花伊緒は、謎の美女連続殺人事件の解明に果敢に挑戦する。 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 蝶たちは今…
    -
    1巻495円 (税込)
    第21回江戸川乱歩賞受賞作品  旅先で間違えた他人のバッグから出てきた一通の手紙。それは女から男にあてたものだった。バッグを返すべく、手紙の差出人を訪ねてみると、意外にもその女性は三年前に死んでいた。しかも受取人まで故人! 死者同士で交わされた手紙の謎の背後には、忌まわしい出来事が…。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 沈黙野(完全版)
    -
    1巻770円 (税込)
    権力闘争、企業との癒着……俗物が蠢めく医師の世界で優先されるのは医療ではない  市場開放という巨大な波は、銀行、証券業界などを襲うだけにとどまらず、津波となって医療の現場までをも飲みこもうとしていた。 「あなたが本気で教授になりたいなら、簡単なことじゃないですか。データを私に10例分渡してくれればいい」  研究費が欲しい大学病院准教授の窪田は、製薬会社の沢田から治験データの捏造を求められた。私立医大の教授選。新薬治験に伴う裏金。地域医療に絡む利権をめぐる怪しい動き。家庭崩壊を乗り越え、あと一歩で教授の座へ…。欲望渦巻く病院の実状を描いた衝撃の問題作。  文庫版から大幅に加筆修正され、現代に甦った医療サスペンスの名作がついに電子版で登場! 「電子版あとがき」を収録。 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、現在までに270冊以上を上梓。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。
  • 氷柱
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    1巻495円 (税込)
    隠者のような生活を送っていた男が犯罪行為に手を染めていく過程を描く  街の一角に三万坪の居を構えて住む風変わりな男……名は小城江保、人呼んで氷柱(つらら)。彼は、ある日遭遇した少女の轢き逃げ事件を契機に、自身が途惑うほどの情熱に衝き動かされ、犯罪行為に手を染めていく。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 罪の女の涙は青
    -
    1巻495円 (税込)
    奥飛騨山荘の怪火が呼び寄せた殺人事件と哀しき運命の女たち  昭和五十二年夏、奥飛騨の山荘が全焼し、三人の娘が死傷した。それから六年後、南紀白浜の三段壁から男が墜死、房総の別荘で女性翻訳家が絞殺された。まったく関係がないように見えたこれらの事件について、「犯人は自分だ」との遺書を残し、デザイナーの七里梢が自殺してしまう。だが、梢を娘のように可愛がっていた喫茶店オーナーの木次喬は、彼女の死に不審を抱く。真相を究明しようと梢の足取りを追うが…。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 手紙を読む女
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    仲睦まじい母と息子に秘められた謎  この手紙は、「十年後の自分に宛てた手紙」ではなく、「十年後の美恵子伯母さんに宛てた遺書」なのです……十年前、無理心中を図った妹夫婦。高須美恵子は、ただひとり生き残った甥の和彦を養子として引き取る。人気推理作家“高須史一”として第二の人生を歩み出した和彦と、アンチエイジング研究の第一人者である美恵子。二人に届くさまざまな手紙をめぐるミステリー連作集。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『夫以外』(実業之日本社文庫)、『帰郷 三世代警察医物語』(光文社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 手錠はバラの花に
    -
    1巻495円 (税込)
    彫刻家・兼松潔が奥多摩で殺された。自首して来た若い女性は言った。「私が殺しました」「どうして?」「殺したかったからです」「答えになってないわね」折りから迷宮入りになりかけた殺人事件捜査本部での出来事だった。はい、そうですか、これにて一件落着、メデタシ、メデタシとなるのならこんな楽なことはない。(「自首した女」)  警視庁捜査一課の女性刑事、倉原真樹が活躍する短篇推理小説を6本収録。 *自首した女 *宙吊りの青春 *遠すぎる死体 *指紋 *間抜けすぎた電話 *南から来た女 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 鉄道捜査官(1) 殺意のスーパーあずさ2号
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    1~3巻495円 (税込)
    通勤ラッシュで混雑する新宿駅のトイレで、血まみれの刺殺死体が発見された!  朝の通勤ラッシュで混雑する新宿駅。そのトイレで、血まみれの刺殺死体が発見された。被害者は長野県諏訪市から出張してきた中年のビジネスマンで、『スーパーあずさ2号』で着いた数分後に殺されたらしい。新宿東署に設置された捜査本部には一課の腕きき刑事たちが顔を揃えたが、鉄道警察隊から派遣された特別捜査係の新米刑事・川久保にとっては、生まれて初めての殺人事件の捜査であった…。  錯綜する謎と凶悪犯人を追う若き捜査官の活躍を描いた長篇ミステリ、「鉄道捜査官」シリーズ第1弾! ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • テニス、そして殺人者のタンゴ
    -
    1巻495円 (税込)
    幻のピアニストが唯一残した演奏テープ、それを巡って起こる殺人事件  幻のピアニスト伊豆田敏郎の演奏テープが発見された。アメリカのレコード会社がそのテープを発売するという話が持ち上がったとき、テープの発見者が死体で見つかった。事件を追うデパートのイベント企画室長・中島は、伊豆田を取りまく音楽関係者の背後にある戦慄すべき秘密計画を知る。新感覚ハードボイルド・ミステリ長篇。 ●斎藤純(さいとう・じゅん) 小説家。1957年、盛岡市生まれ。FM岩手在職中の1988年『テニス、そして殺人者のタンゴ』でデビュー。1994年『ル・ジタン』で第47回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2005年『銀輪の覇者』(早川ミステリ文庫)が「このミステリーがすごい!」のベスト5に選出される。岩手町立石神の丘美術館芸術監督、岩手県立図書館運営協議委員などをつとめている。
  • 刑事崩れ探偵・甚九郎(1) 裁きは血の匂い
    -
    1~3巻495円 (税込)
    湯佐内甚九郎、45歳。1年半前、ヤクザの情婦に惚れて刑事を懲戒免職になり、知人のつてを頼って探偵の真似ごとなどして稼いでいる。新宿でしたたかに飲んだ翌日、湯佐内は見知らめ女の部屋で目覚めた。自宅に帰った彼を迎えたのは「明日中にナオミが帰らないとこちらにも考えがある」という電話。そのナオミは新宿のラブホテルで殺されており、湯佐内に容疑がかかる。記憶をたどる湯佐内を次なる殺人事件が襲う……。  泥臭い男の生き様を描いた長篇ハードボイルド小説、第1弾。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 東京カジノ・パラダイス のるかそるか
    NEW
    -
    1巻495円 (税込)
    俺の名は宇津木研次。ちょいとくすぶってはいるが、これでもベガス根城のれっきとしたギャンブラー。そんな俺に「東京カジノ構想の抵抗勢力をあぶり出せ」という依頼が舞い込んだ。金は使い放題、あっちこっちのカジノで派手に遊びまわって来いってんだから嬉しいねえ。韓国のカンウォンドウや東京のアングラ・カジノでギャンブル&酒池肉林。賭け事は二流でも女に関しては超一流の俺、行く先々で美女をたらし込んでは情報収集。ところが……。見えざる敵が俺の命を狙い始めた。おいおい、そんな話聞いてねえよ。どうやら日本だけじゃなく、韓国、北朝鮮、アメリカ入り乱れてのとんでもない陰謀に巻き込まれちまったらしい……。痛快長篇セクシー・ギャンブル・アクション。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 東京ゲリラ戦線
    -
    1巻495円 (税込)
    学生デモの熱気に当てられた女子大生の行為により米軍に思わぬ死傷者が出て、日本全体が内乱状態に陥る  米軍基地に囲まれた街・立横カスバに住む女子大生・宮福伊津子は、友人たちと共謀して手製の時限発火装置を基地滑走路拡張予定地に仕掛けた。米帝国主義に反対するということは、彼女たち学生の間ではあまりにも自明すぎて、もはや口にするのが恥ずかしいような事実になっていたからだ。しかし、通行人を巻き添えにする心配もなかったはずのこの行動は、運悪くクルマで通りかかった米軍将官の死を招いてしまう。  飛行場への放火とその目撃者、擬装されたゲリラ組織、同棲していた男への幻滅。伊津子はさまざまの契機を介して、三多摩に根を張るゲリラ組織へと急速に接近していく。一方、自衛隊内部のタカ派は、三多摩の一部に存在する不穏な動きを事前に制圧しようと巧妙な囮作戦をもくろむが…。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
  • 東京「新・山の手」Yの殺人
    -
    1巻495円 (税込)
    血の海に沈んだ美女は、謎の暗号「ひ・に・み・ず」を残して息を引き取った  死文字(ダイイングメッセージ)「ひ・に・み・ず」を残し、東京世田谷区のマンションで服部綾子が殺害された。四文字の謎を追って、敏腕・狭間研二刑事と新人・大岡進太郎刑事が捜査に着手する。一方、思わぬところから事件に関わることになったデザイナー林田美樹は、友人たちの助けを借りて謎を解明していくが…。  関係者が次々と襲われ、連続殺人事件へと発展していく。逆転に次ぐ逆転、本格暗号ミステリー。 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 東京難民殺人ネット
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    1巻770円 (税込)
    東京都内のクリーニング店の裏庭より、ミイラ化した子供の遺骸が発見された。管轄の下山署では、遺体の身元確認を急ぐとともに、行方不明となっているクリーニング店の家族の捜査に全力をあげている。事件が発覚したきっかけが「クリーニング店の敷地内に子供の死体が埋まっている」というインターネットの投稿だったこともあり、ネット上では白熱した議論が続く。やがて、店の隣人や事件関係者を名乗る人間が書き込みを始め、ついには“犯人”までが参加するが……。  インターネット上で推理される殺人事件の様相と犯人捜し。事実、噂、偏見、憶測、虚言が渦巻く虚構世界で、あなたは真実という名の結末を迎えることができるか? 新感覚・安楽椅子探偵ミステリ。  ※本書は著者の意向により本文横書きで制作されています。 ●村上政彦(むらかみ・まさひこ) 作家。1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。アジアの物語作家を自任している。近著に『台湾聖母』(コールサック社)。日本文藝家協会常務理事。日本ペンクラブ会員。文化庁国語分科会委員。「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
  • 透白の殺意
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    1巻495円 (税込)
    男女の愛憎が殺人の連鎖を引き起こす  桐内製薬本社副作用情報室。ファックスが一枚の副作用が疑われる死亡報告書を流し出した。それは本当に副作用が原因の死なのだろうか。それとも……。  一件の死亡報告は、人間の欲望と愛憎を赤裸々に晒し出していく序章に過ぎなかったのである。  真相はどこに? 犯人は? そしていつ始まったのか?  美貌の副作用解析医・古閑志保梨が活躍するシリーズ第1弾!  現役医師が描き出す、本格医療サスペンス小説。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 逃亡者
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    1巻495円 (税込)
    逃亡中の殺人犯が偶然から人の命を救うことに……人間の心の闇を描く問題作  渋谷のラブホテルで売春婦が殺害された。鉈(なた)で頭部を一撃される残忍さだった。北玉川署の刑事たちは、四年前に管内で起きた殺人事件と手口が同じことから、逃亡中の被疑者・有沢に疑惑の目を向ける。有沢は幼い頃母に捨てられ、養父に育てられたが、暴力に耐えかね養父を殺害したのだ。その有沢は、大分の母の墓前を訪れていたが、倒れている女を発見し助けることに…。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。
  • 遠い波紋
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    1巻495円 (税込)
    鮮やかに繰り広げられるミステリアスな七つのドラマ  時を経て、人から人へと伝えられる想い。秘められた過去への扉は、七つの鍵で開かれる…。  旅行のついでに頼まれたたずね人を探す「白い再会」、掘り出し物の古時計の中から歯が出てきた「古い時間」など、ハートフルな物語を7本収録。 ・白い再会 ・古い時間 ・黒い革鞄 ・長い化粧 ・淡い風景 ・甘い約束 ・遠い波紋 ●山崎光夫(やまざき・みつお) 1947年福井市生まれ。作家。早稲田大学教育学部卒業。テレビ番組の構成、雑誌記者などを経て、1985年「安楽処方箋」で小説現代新人賞を受賞、同年短編「サイレント・サウスポー」で直木賞候補、1986年「詐病」「ジェンナーの遺言」が連続して直木賞候補となる。1998年『藪の中の家 芥川自死の謎を解く』で新田次郎文学賞受賞。医学を題材にした作品が多い。
  • 遠すぎた終着 下山事件四十七年目の夏
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    1巻770円 (税込)
    音響機器メーカーに勤める早瀬喬は、人生の恩人である宗田克人の突然の訃報を聞き、愕然とした。しかも、宗田が亡くなる直前に書き上げた原稿がなくなっているという。早瀬は通夜の席で知り合った女性と、宗田が列車に轢かれたという山梨県上野原町の現場を訪れ、宗田の死に不審の念を強くする。原稿は下山事件……昭和二十四年に起こった下山定則初代国鉄総裁の轢死事件の驚くべき真相について書かれていたというが、その内容を知るものはいない。早瀬が女性編集著の協力を得て、消えた原稿の行方を追ううちに、二つの轢死事件の接点が見え始めた……。  戦後史最大の謎とされた怪死事件に肉迫する著書渾身の現代史推理。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 時の殺意 京都
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    1巻495円 (税込)
    京都・仙台を遮断する“時刻表の壁”を破ることはできるのか…? 「はんにんは、きょうと…」  京扇子の老舗『扇美堂』の職人が謎の言葉を遺して殺された。折から建都千二百年記念に湧く京都で個展開催中の新進写真家・志麻星也は、この事件で、『扇美堂』の娘でかつての恋人・美寿々にまで容疑が及んだことを知り、真相解明に乗りだす。さらに、彼の個展から消えた写真と第二の殺人の符号が…。  二つの死を結ぶ奇妙な糸と、古都に錯綜する時間の罠。犯行を不可能にする時刻表の壁に挑む志麻の前に、大きな謎が立ちはだかる。 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 時をきざむ潮
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    1巻495円 (税込)
    第23回江戸川乱歩賞受賞作品  三陸の辺鄙(へんぴ)な海岸で、双生児を思われる学生の遺体が車の中から発見された。地元警察署には、別の学生の捜査依頼が出されていたが、高館刑事は二つの事件のつながりを直感し、接点を求めて捜査を開始する。事件の舞台となった白蟹村は古い伝承と習俗をもつ閉ざされた社会であった。刑事の執念の捜査が、まさに核心に迫ったとき、古代伝承は不気味に甦る。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
  • 特捜女豹警視白鷺(1) 共犯
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    1~3巻495円 (税込)
    大都市での凶悪犯罪に挑む、美貌の女警視・二見川白鷺の活躍!  凶悪犯罪に挑む警視庁機動捜査隊。覆面パトカーを駆って、日夜活躍する猛者たちを率いる、28歳の美貌の女警視、二見川白鷺。そんな彼女のもとへ、元部下の秋沢知美の強姦殺人の知らせが入る。女としての怒りに燃えながらも、冷静に捜査をする白鷺。だが、知美の第一発見者の女性までがレイプされる。さらにクロに近い容疑者が死体となって、事件は闇の底へと沈むかに見えたが…。  死体に隠された謎に迫る長篇警察小説「特捜女豹警視白鷺」シリーズ第1弾。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『狂った正義』(廣済堂文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)、『重犯』『虐讐』(徳間文庫)など著書多数。
  • 匿名容疑者
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    届いた原稿は殺人報告書、自分が未解決殺人事件の犯人であるという…  推理作家・岡本州太郎の許に一通の原稿が送られて来る。差出人の名は“匿名容疑者”。アシスタントの相野田成美が代読すると、この物語はノンフィクションであり、自分は未解決殺人事件の犯人だ、という内容だった。やがて届いた第二便には犯行現場、被害者名などが記されていた。事件に興味を持った成美は、警察の捜査に協力するが…。現代社会に潜む危険な陥穽を描く本格長編ミステリー。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『最後の晩餐』『意地悪な食卓』(角川ホラー文庫)、『手紙を読む女』(徳間文庫)、『記録魔』(祥伝社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 溶ける女
    -
    1巻495円 (税込)
    警視庁捜査一課の倉原真樹は、内房線上り特急さざなみ20号のグリーン車で緊張していた。隣席の長谷部警部補が夫役で話しかける。車中の乗客は十三人、そのうち刑事は六人。新宿にある老舗デパートに毒薬と脅迫状が届き、現金二千万円と美術品売場にある青磁の壺を要求してきた。奇妙なことにその壺は無銘で、十五万円であったが、それより高価な品は幾らでもある。受け渡しの場所が、この車中の指定席であった。犯人らしい不審な男を捕まえたが、結局、誤認逮捕として釈放されてしまった。だがどうやらこの男、事件とは全く無関係とは思えないのだ……。  警視庁捜査一課の女性刑事、倉原真樹が活躍する長篇推理小説。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 隣の女
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    「私にも、殺したいほど憎む人がいる」と隣に住む女は告白した  ステンドグラス作家・羽田野祥子は、妹をもて遊び、自殺に追い込んだ男・森嶋吾郎を殺そうと刃物を手に待ち伏せをしていた。そんな彼女の前に、アイと名乗る謎の人物が現れた。「ぼくが、かわりに殺してあげましょうか」……一週間後、森嶋は自宅近くの公園で頭を割られ、死体となって発見された。次の日、祥子は隣に住む主婦・宮脇まゆみに、「わたしにも殺し屋を紹介してほしい」と頼まれる。殺意を抱く二人の女性心理を描く長篇サスペンス。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『最後の晩餐』『意地悪な食卓』(角川ホラー文庫)、『手紙を読む女』(徳間文庫)、『記録魔』(祥伝社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 鳥羽・葛西水族館殺人事件
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    大阪「海遊館」で葉子の父、名取興業社長の事故死についての疑惑をほのめかした元社員・今泉が、東京ベイエリア「葛西臨海公園」で殺された。彼は、葉子の夫で現社長の輝夫を疑い、水族館に手がかりを捜していたのだ。連続殺人の容疑がかかる輝夫は、今泉の足跡をたどり鳥羽水族館に赴いた。だが輝夫も、風船の揺れる自宅の一室で変死体に…。輝夫の残したジュゴンの観察メモに秘められた真相とは…。八木沢警部補の推理が冴える長篇ミステリ。 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 囚われて桜子
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    岸本珠美には、暗い過去があった。二歳の時に誘拐され、約一年後に無事保護されたのだ。その間、「桜子」という名前で犯人に大切に育てられていたらしい。結局犯人は捕まらずじまいだった。それから二十七年、ネイリストとして働いている珠美は、インターネットの〈昔の事件を掘り起こそう〉という掲示板に自分の名前が登場していることを発見する。そして再び“桜子”がゆっくり動き出す……。ホラーサスペンス長篇。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 同姓同名
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    結婚して「田中緑」になった女と、もうじき「田中緑」になるはずだった女  勤め先が倒産し、故郷に戻った唯木緑は、幼なじみの田中紀之と婚約した。が、結婚式の準備に追われていたある日、出張先の横浜で紀之が、男にからまれた女性を助けようとして刺殺される。「タナカミドリ」という言葉を残して…。緑は単身上京し、犯人と逃げた女性の「目撃者」を探すためにビラ配りを始めるが…。思いがけない偶然に追いつめられていく女性たちの姿を描く、心理サスペンスの書き下ろし長編。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『最後の晩餐』『意地悪な食卓』(角川ホラー文庫)、『手紙を読む女』(徳間文庫)、『記録魔』(祥伝社文庫)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • ドクター勾坂の事件カルテ(1)ロックド・イン症候群
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    1~4巻495円 (税込)
    事件の鍵を握る男の意識はからだの中に閉じこめられていた  インターネット医療相談『電脳メディカル・クリニック』に電子メールで飛び込んできた、奇妙な依頼。ドクター探偵・勾坂俊介が真実に迫るうちに、患者の身体を実験台にした医療犯罪が隠されていることに気づく。しかし、卑劣な病院の事実を暴けるのは、「ロックド・イン症候群」の患者だけだった…。はたして植物人間の患者には証言することができるのか?  最新医療を駆使するドクター探偵・勾坂の活躍を描いた、傑作ミステリー第1弾。 ●米山公啓(よねやま・きみひろ) 1952年山梨県生まれ。作家、医学博士、神経内科医。聖マリアンナ大学医学部卒業、聖マリアンナ医科大学第2内科助教授を1998年2月に退職。本格的な著作活動を開始。医学ミステリー、小説、エッセイ、医療実用書など、著書多数。現在もあきる野市の米山医院で診療を続けながら、年間10冊以上のペースで書き続けている。テレビ・ラジオ番組の監修・出演をこなし、講演会も全国で行なっている。
  • 泥棒貴族 裏金を狙え
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    逆転また逆転! 思惑が絡みつく五億円奪取作戦の行方は? 政財界のフィクサーと言われる尾越虎雄の裏金五億円を積んで、関越道を白いBMWが走る。運転するのは美女ひとり。それを追う二組の悪党たち。上流家庭に育ちながら、運命の波に翻弄され、正義の悪漢として法の水面下で巨悪と戦うことになってしまう主人公。彼にとって、誰が味方で、誰が敵なのか? そして、混乱のなかで最後に五億円を手中にするのは…? トリックの面白さとスピーディな展開が楽しめる長編ミステリ。●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう)1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 内視鏡検査室
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    1巻495円 (税込)
    突然の心肺停止、遺産相続、次々と失踪する関係者…  薬によるアナフィラキシーショック(急性アレルギー反応)と思われる患者の死亡例。それは本当に薬の複合投与が原因なのか?  死亡したのは全国に料亭チェーンを持つオーナー。遺族は多額の遺産相続に狂奔する。そして連続する不可解な失踪事件。内視鏡検査室という密室と、絡み合う人間の欲望に、副作用解析医・古閑志保梨がふたたび挑む。  美貌の副作用解析医・古閑志保梨が活躍するシリーズ第4弾が登場!  現役医師が描き出す、本格医療サスペンス小説。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 騎士達(ナイツ)の鎮魂曲(レクイエム)
    -
    1巻495円 (税込)
    九年前、行方不明になったジョニーの白骨屍体が発見された。当時の走り屋集団“クリムソン・ナイツ”のヘルメットと覚醒剤を伴って……。その頃、ナイツの元リーダー、今は探偵稼業の南虎次郎に、由香里と名乗る女から「ジョニーの死の理由が知りたい」と電話があった。彼女は、両親に反対されながらもジョニーに結婚を迫っていたという。虎次郎は、かつてのナイツのメンバーを集め、仲間の死の真相を暴くべく立ちあがった。が、彼らを迎えたのは、暴走族、暴力団、さらに二つの屍体であった……。情愛と打算の中で、隻眼の私立探偵・南虎次郎が見た狂気とは!? ●石井敏弘(いしい・としひろ) 1962年、岡山県倉敷市生まれ。岡山商科大学卒業。1987年、第33回江戸川乱歩賞を『風のターン・ロード』で受賞。岡山商科大学でミステリーを主体とした文学の教鞭を取りつつ、ミステリー・イベント用原作小説の書き下ろし他、現在は脚本家としても活動。
  • 長崎で消えた女
    -
    1巻495円 (税込)
    二つの失踪事件が複雑にからみあい、依頼人と探偵との虚々実々の駆け引きが始まった!  私立探偵・二本松秋彦は、会社役員・新開に依頼され、二億円を持ち逃げした社員を見つけ出すため、潜伏先と思われる長崎へ飛んだ。二本松は現地で、人妻の行方を追っている女探偵・藍川真奈と知り合い、親密な関係になる。ところが、二本松は奇怪な殺人事件に巻き込まれてしまい、否応なく真犯人追及に走り回る。長編トラベルミステリーの傑作。 ●多岐川恭(たきがわ・きょう) 1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 長崎・人魚伝説
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    1巻495円 (税込)
    壮大な夢半ばにして憤死した平賀源内が遊女・瑠璃に仕掛けた大いなる「秘密」とは?  江戸吉原の遊女の娘として生まれ、長崎丸山の遊廓へ売られていった瑠璃。謎の獄死をとげた天才・平賀源内は、自らの夢を幼い日の彼女に託していた。だが、その秘密は瑠璃本人さえ知らなかった…。  長崎遊学を口実に、瑠璃に接近する名高い絵師・司馬江漢とその弟子・弥吉。江漢を助けるオランダ大通詞・吉雄幸作。江漢の動静を探る出島乙名の北島藤十郎…。男たちに翻弄される瑠璃の運命は? そして源内の壮大な夢とは? 時代の奔流と、男に翻弄される薄幸な女の謎を描く時代ミステリー。 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
  • 長崎の暗号殺人事件
    -
    1巻495円 (税込)
    長崎の旧家で起きた不審死には“踏み絵”の謎が関係していた  長崎の旧家で、長男の婚約披露パーティーの最中に、館の主人が「ふみえに…」の言葉を残して死んだ。警察では、過失死か自殺と判断するが、不審に思う家族の依頼を受けて、『誠実探偵社』の面々が真相究明に乗り出す。関係者の話から、主人が他人に内緒で“踏み絵”を購入していたことが分かる。さらに起こる第二、第三の殺人事件。そして、発見された“踏み絵”の裏に残された不思議な言葉はいったい何を意味するのか。好評『死者の暗号殺人事件』に続く、亀浜欧次探偵の名推理。 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 泣けば、花嫁人形
    -
    1巻495円 (税込)
    新宿・歌舞伎町の路上で、元バーテンが刺殺され、続いて同棲していた女が惨殺された。ゴールデン街のバーの主人ハリーは、母を訪ねて盛岡から上京して来た少女・西尾えりかに反感を持ちながらも、共に事件を探り始めた。一方、老練な刑事・岩田も本来の警察捜査とは別に、独自の手がかりをたどっていた。大都会の裏町から離れられないままに生きてゆく人々の姿が交錯するうちに、殺人事件の謎は深まってゆく……。長篇ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 名古屋殺人事件
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    1巻495円 (税込)
    捜査の行く手で起きる謎の殺人、その影に三十年前の伊勢湾台風が…  名古屋城内での中年男性の変死体と仁四郎作の陶器が発見された。その陶器は三十年前清洲で起きた惨殺事件の現場から盗まれたものであった。事件は犯人寺本が伊勢湾台風で水死したため、被疑者死亡で解決していた。だが、寺本の母親の不可解な死から、急転、捜査中の事件は意外な方向へと進んでいった…。その黒い渦は、やがて、陶芸界の重鎮、重原惣平から独立を許された、堀田光一とその恋人・聡子の二人を巻き込んでいく。  三十年の歳月を経て、いま、名古屋城内に、信じられない犯人の素顔と驚愕のどんでん返しが待っていた…。 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。
  • 夏回帰線
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    1巻495円 (税込)
    千葉県市原市鶴舞の公園の地中から終戦前後の白骨死体が発見され、さらにその直後、海浜ニュータウンの資材置場が炎上し、焼け崩れた鉄骨の下から焼死体が見つかった。事件を追う新聞記者の不可解な事故死。そして二つの死に共通する槐(えんじゅ)の十字架は何を意味するのか……。終戦直後の未曾有の混乱期、運命的に結びつけられた少女と少年の行方を追い、藤代警部の捜査を通して痛切に描いた感動の名作。長編ミステリ。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 七姫伝説 恋の墓標
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    1巻495円 (税込)
    殺人事件の背景に秘められた、もうひとつの悲しい漂流伝説  丹後の老舗呉服店に嫁ぎ、しっかり者の若妻らしく振舞う夏生。イベント事務所を経営するやり手の克美。かつて同じ男を愛し、死に追いやった二人が、観光イベントをきっかけに再会する。風光明媚な丹後地方には、七人の美しい女達の物語が伝えられているのだ。羽衣天女、乙姫、間人皇后、小野小町、安寿姫、静御前、細川ガラシャ。だが、それを利用した街おこしイベントの企画さなか、殺人事件が発生した…! 姫たちの伝説が謎に迫る長篇ミステリー。 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
  • 名前のない死体
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    1巻495円 (税込)
    元警視庁の刑事が殺された事件と、昭和三年に満州で起きた暗殺事件の関係は……驚くべき昭和史の内幕が明かされていく  十年前、何者かに刺殺された父の墓参りに訪れた寺坂健吾。彼は、墓地で増渕という老人と、その孫娘の美奈子に声をかけられる。老人は、元警視庁の刑事だった寺坂の父に命を救われたことがあるといい、真犯人を探し出す手伝いを美奈子にさせるという。寺坂の父が現職時代に関わった事件の中で、中国人と思われる二人の人物が殺害されたものがあった。これが父の死に深い関係があると知った寺坂だが、当時の調査を続けるうち、昭和三年に満州で起きた中国要人暗殺事件とのつながりにも気づく。昭和史の常識を覆す父の死の真相と真犯人とは…。 ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 奈良吉野山 万葉の殺人
    -
    1巻495円 (税込)
    万葉の昔より人々を魅了した吉野の山で、若い女性の全裸死体が発見された。被害者は地元の医院に勤務する看護師で、死体のそばに一人の男が寄り添い、意味不明な歌をうたっていた。当初はその男の犯行かと思われたが、彼は記憶喪失になっていて何も覚えてはいなかった。また、被害者の人間関係から二人の男が容疑者として浮かんだが、決定的証拠はなく、捜査は暗礁に乗り上げる。推理作家の吉本紀子は、この難事件を調査に大和路へ向かったが、そこで、またしても殺人が……。  美貌の推理作家・吉本紀子と警視庁広域捜査官・上島警部のコンビが活躍する旅情ミステリ小説。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。主人公は推理作家・吉本紀子と広域捜査官・上島警部。作品は『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
  • 南紀十津川殺人ライン
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    1巻770円 (税込)
    三十六も年上の夫が癌で死亡した後、山崎康子は時間とお金には不自由しないシンデレラ未亡人となった。「都会を離れたい」それは康子の切なる願望だった。懇意の信用金庫に相談すると、和歌山県にある広大な敷地と新築住宅を勧められる。内覧のため現地に向かった康子は、旅路で推理作家の吉本紀子と出会う。実は、亡夫からの「声の手紙」が届き、困惑していた康子は、紀子に悩みを打ち明ける。女二人の楽しい旅だったが、熊野古道で白装束の遍路男を見かけた時、康子の態度が明らかに変化した……。  美貌の推理作家・吉本紀子と警視庁広域捜査官・上島警部のコンビが活躍する旅情ミステリ小説。完全書き下ろしの電子オリジナル作品。 ●石川真介(いしかわ・しんすけ) 1953年、福井県鯖江市生まれ。東京大学法学部卒。トヨタ自動車に40年間勤務。1991年に『不連続線』で第2回鮎川哲也賞を受賞。錯綜したストーリーと堅牢な構成、女性の数奇な運命と斬新な社会テーマ、丹念な現地取材に基づくローカル描写とグルメ、そして奇抜なアリバイ崩しの長編旅情ミステリーを得意にしている。主人公は推理作家・吉本紀子と広域捜査官・上島警部。作品は『女と愛とミステリー』(テレビ東京)、『木曜ミステリー』(テレビ朝日)でドラマ化。福井ふるさと大使。鯖江市ふるさと大使。日本推理作家協会会員。
  • 肉の儀式
    4.5
    1巻770円 (税込)
    次々と村人が神隠しに遭い、評定という名の拷問に処せられる  謎の長老と三人の村長が支配する閉鎖的な村。そこでは次々と村人が神隠しに遭い、評定という名の拷問が日常的に行われていた。長老の権力を脅かすと言われる“シュラ”を産んだミナコは桜の木に吊され、嬲り殺しになる。長老が村人たちを殺戮するのは、霊薬の材料にするためだという。一方、殺されたと思われていた“シュラ”はクソクライをはじめとする山人たちに育てられていた…。  表題作「肉の儀式」と「猟人日記」の二つの中篇を収録した、伝説の鬼畜小説が「電子版あとがき」を追加収録して、ついに復刊! ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 肉の天使
    -
    1巻770円 (税込)
    美貌の復讐鬼が無法の町・渡久呂を舞台に、血肉の雨を降らす  無法の町・渡久呂では、かつて美樹を凌辱した市子たちが悪徳の限りを尽くしていた。復讐に燃える美樹は全身を整形した姿になり、麗美(レミ)を名乗って渡久呂町に戻ってきた。最初に出会った標的は、小沼。彼をベッドに誘った麗美は、隙だらけの彼の陰茎を…。  過激な暴力描写が炸裂するスプラッター小説の金字塔が「電子版あとがき」を追加収録して、ついに復刊! ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。
  • 西伊豆恋人岬の女
    -
    1巻495円 (税込)
    岬の突端にある「愛の鐘」を鳴らすと恋が叶うという、西伊豆の観光名所・恋人岬。その駐車場で男の惨殺死体が発見された。殺された宇野原武志は、愛人だった社長夫人を脅迫して金を騙しとろうと企て、西伊豆にやってきたらしい。そのせいで殺害時刻、現場近くに居合わせた保坂真二郎、小牧瑛美、渡部ナオミの三人は、大仁警察署の厳しい事情聴取を受けるはめに。事件解明が進むとともに明らかになる、錯綜した愛憎劇。そんな中、古参刑事・下村の必死の捜査で犯人像は絞られていく……。旅情ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 虹色の陥穽
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    新人歌手・折口冬樹が、歌番組収録中に突然楽屋から消えた。出番ぎりぎりに姿を現したため、その場はなんとか誤魔化せたが、一歩間違えば彼のタレント人生は終わっていた。敏腕マネージャー・水木敏彦が問い詰めたところ、彼は「殺人事件に関与した」と驚愕の事実を告白。一時的な失踪についても、謎の脅迫者から電話で指示を受けたという。折口を守ろうとする水木は、スキャンダルを恐れて警察にも相談できず、独自に調査を開始。やがて犯人が仕掛けた恐るべき罠に気づく…。傑作長篇サスペンス。 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 二重証言
    -
    早瀬咲子は、大手企業に勤める夫と大学生の息子を持つ平凡な主婦。一見幸福そうな彼女は、心の奥に孤独と焦燥感を抱いている。中学校の同窓会でイラストレーターの待井に絵の才能をほめられ、一歩外界に飛び出す決心をするが、そのために思いがけない殺人事件に巻き込まれる。そして、中学時代と立場の逆転した女友達との間に、証言を通した共犯関係が成立する。心理サスペンス長篇。 ●新津きよみ(にいつ・きよみ) 1957年、長野県生まれ。青山学院大学卒。旅行会社、商社のOLを経て、88年に作家デビュー。『妻の罪状』(実業之日本社文庫)、『ただいまつもとの事件簿』(光文社文庫)、『二年半待て』(2018年徳間文庫大賞受賞作)など著書多数。『正当防衛』『匿名容疑者』『生死不明』『トライアングル』はテレビドラマ化、『ふたたびの加奈子』は『桜、ふたたびの加奈子』として映画化された。
  • 盗まれた完全犯罪
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    自宅近くのマンションの窓から男が墜落死した。その報を聞いて、高校生・坂口恵一は驚愕した。先ほどまで観ていたテレビドラマと同じ状況だったのだ。しかも現場は、ガールフレンドの柏木紀久子の住まい、その真上の部屋だった。そして、紀久子の兄・俊明が失踪してしまう。警察は俊明を容疑者とみなすが、彼は逃亡中に「犯人の罠にかかった」と妹に電話を寄越してきた。恵一は柏木兄妹の窮地を救うべく推理を始めたが…。長篇ミステリ。 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 濡れた心
    -
    1巻495円 (税込)
    女子高生の純粋な同性愛を阻む悪意、そして少女らをあざ笑うかのように重くのしかかる殺人事件。その裏には、いかなる悪魔的意思がひそんでいるのか…? 日記や手記を取り入れた斬新な構成が人間関係や動機を際立たせる文学的探偵小説。澄明な美文で清らかな同性愛をうたいあげ、江戸川乱歩賞に輝いた名作が電子書籍で復刊。●多岐川恭(たきがわ・きょう)1920年福岡県生まれ。東大経済学部卒。戦後、横浜正金銀行をへて毎日新聞西部本社に勤務。1953年『みかん山』で作家デビュー。『濡れた心』で第4回江戸川乱歩賞を、翌年には短編集『落ちる』で第40回直木賞を受賞。以降、推理小説と共に時代小説も旺盛に執筆した。
  • 熱帯夜
    -
    1巻495円 (税込)
    我が子を殺めた女に手を差しのべた女性弁護士と女流評論家だが、裁判が進むにつれて二人の神経は引き裂かれていく  評論家の燈子は、子供を無認可保育所で死なせた経験を本にして、世に出た。弁護士の真希子は、身勝手な夫に悩んでいる。二人は、生活苦から我が子を歩道橋から投げ落とした石川信子を救うため、共闘を約した。果たして信子に殺意はあったのか。働く女性の困難な状況を訴えようとする真希子と、マスコミの関心を集めたい燈子の思惑は微妙にずれ始め…。現代女性の心理のひだを巧みに描くサスペンス。 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
  • 狙われた夜警たち
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    エロス、サスペンス、そして殺人計画!? 男女の睦言から生まれた悲劇とは  ガードマンが殺された。厳重な警備の盲点を巧みについた犯人は不敵にも、犯行現場にTAKERUという謎の文字を残していった。警備会社の若きエリート高沢は独自に事件の調査にのりだしたが、犯人は意外にも…。(「狙われた夜警たち」より)  女の色香に惑わされた男たちを描いた本格ミステリ傑作選。 *二度消えた女 *二人の侵入者 *爆走音は死を招く *狙われた夜警たち *脅迫電話 *海鳴りの断崖 *不倫炎上 ●大谷羊太郎(おおたに・ようたろう) 1931年、東大阪市に生まれる。慶応大学文学部国文学科中退。大学在学中にプロミュージシャンとしてデビュー。芸能界で過ごした後、1970年に『殺意の演奏』で第16回江戸川乱歩賞を受賞。翌年より推理作家専業。トリック中心の推理小説を120冊以上発表。近年は時代小説でも多くの著書を発表している。
  • 脳漿溶解 (上)
    -
    1~2巻495円 (税込)
    薬の副作用で脳が溶けていく!?  桐内製薬副作用情報室に、衝撃的な副作用報告が三通届いた。  薬の服用により脳漿(のうしょう)が溶けている…!?  しかしその症状は、病院だけにとどまらず、普通の生活を送っている人々にもひそかに蔓延していた。その人々には薬の服用例はない。  死亡者たちに共通するものはなんなのか?  調査に乗り出した副作用解析医・古閑志保梨は深き闇に突き当たる。  美貌の副作用解析医・古閑志保梨が活躍するシリーズ第3弾、その上巻が登場!  現役医師が描き出す、本格医療サスペンス小説。 ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。
  • 呪いの聖域
    -
    1巻495円 (税込)
    父の像を求めて辺境に向かう青年の運命は、不気味な老婆たちが握っていた…  飛行機事故で死んだ父の遺体を引き取りに行った山戸東介は意外な事実を聞いた。事故機の機長こそ本当の父であり、しかも自殺ではないかというのである。不思議な糸に導かれて東介は、外来者を片端から殺す陸の孤島・雪花里(つがり)村に引き寄せられていく…。無気味な世界を描く長編伝奇推理の傑作。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
  • 呪いの聖女
    -
    1巻495円 (税込)
    雪深い東北の山間と赤坂の街を貫く戦慄の罠  億万長者、石郷岡宗次郎が殺害された。過去20年間に彼の妻と実子5人も奇妙な死を遂げていた。石郷岡の莫大な財産を相続する養女・妙に甲地刑事は疑惑を抱くが、彼女には完璧なアリバイが…。だが石郷岡の邸で見た神棚と不思議な風習を追って、甲地は妙の故郷岩手へ飛ぶ。そしてそこで発見したものは、恐るべき怨念の交錯と堆積であった。禁忌を犯した彼を待ちうけるものは…。 ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。
  • 破戒殺人
    -
    1巻495円 (税込)
    警視庁捜査一課が殺人事件を追ううちに、悪徳医師の正体が次第に明らかになっていく  六本木のマンションで情事の最中の男女が何者かに襲われた。顔に硫酸をかけられ、男は腹部を滅多刺しにされていた。被害者は産婦人科を経営する院長とその愛人。警視庁捜査一課は怨恨の線で捜査を開始、医師を巡る異常な人間関係と不自然な金の流れに迫る。だが、その矢先起こった放火による第二の殺人現場から、女性の頭蓋骨が発見され、捜査を阻む新たな壁が…。規律に生きるべき医師たちの崩壊した倫理を抉る長篇警察小説。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。
  • 博士号剥奪 女医・倉石祥子
    -
    1巻495円 (税込)
    患者の命を利用して計画された報復行為の全貌を暴く 「胆嚢癌見落としで術後二ヵ月で死亡?」患者の家族から、抗議文書が届いている。どうもおかしい。裏で操っているのは、現在医療裁判で争っている寺下記念病院のようだ。死因に疑問を持った女医・倉石祥子は、神山烈火・蘭子たちと共に行動を開始。しかしそこには、寺下幸一院長の二重三重に張り巡らされた罠が待ち構えていた。自身の医学博士号取得のため日夜研究に追われながらも調査を続ける祥子は、やがて寺下の“過去”に気付く…。  テレビドラマ化もされた「女医・倉石祥子」シリーズ、第8弾が電子オリジナル作品として登場! ●霧村悠康(きりむら・ゆうこう) 大阪大学医学部卒業。大阪大学微生物病研究所附属病院、大阪大学医学部附属病院で腫瘍外科の臨床医として活躍しながら、腫瘍免疫学、生命科学に関する基礎研究論文を数多く発表。現在、大手製薬会社メディカルアドヴァイザー兼勤務医。『死の点滴』(二見書房)、『悪医の病棟』(徳間書店)など医療ミステリーの著書多数。「女医・倉石祥子」シリーズはテレビドラマ化された。
  • 萩・秋吉台殺人事件
    -
    1巻495円 (税込)
    東南アジアへ出張したはずの父が、山口県秋吉台で焼死体で発見された。汚職事件の中心人物として地検に追われる代議士秘書の覚悟の自殺か。捜査陣をはじめ誰もがそう判断したが、父の出張前の言動から“父は殺された”と確信する娘の華村江利子は、その死の真相を探るため父の足跡を辿って古都・萩を訪れた。だが、江利子をマークする尾行者の影……。白いカルスト台地を血に染め、事件の焦点はやがて意外な人物を浮かび上がらせた! 長篇ミステリ。 ●広山義慶(ひろやま・よしのり) 1935年大阪生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。児童文学、翻訳、TVドラマの脚本家を経て、1983年『夏回帰線』でデビュー。『女喰い』シリーズ(祥伝社)、『無法戦士・雷神』シリーズ(光文社)などハード・バイオレンスを中心に著書多数。
  • 白衣のふたり 横浜コインロッカー殺人事件
    -
    1巻495円 (税込)
    小諸久美子は27歳のベテラン看護婦。彼女が勤める公立長津田総合外科病院に、交通事故の重傷患者が四人、緊急で運ばれて来た。葬式帰りに乗り合わせたという喪服の男たちだ。そのうち一人が『金子』と名乗って死亡したが、偽名だった。さらに奇妙な事に、無事退院した男たちの一人が殺され、病院関係者が失踪した……。久美子は病院のなかで、フリーライターの姉・菖子と共に事件の真相を探り始める。  救急病院を舞台にした長篇サスペンス・ミステリ。1992年には「火曜サスペンス劇場」(日本テレビ系列)にて『救急指定病院1 死亡事故発生!』という題でTVドラマ化(監督:油谷誠至/出演:池上季実子、角替和枝、野川由美子)された。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 函館・立待岬の女
    -
    1巻495円 (税込)
    柴木俊子はすでに26歳。売れない女優だったが、幸運はある日突然やってきた。テレビドラマでの演技が、映画界の巨匠・神保監督の目に止まったのである。だが、出演のため京都・太秦に赴いた俊子を待っていたのは、凄惨な放火殺人であった。元大女優の付き人であり、今は歯科医の妻である道代が殺されたのを契機に、俊子は、14年前に起こったあるスキャンダルに巻き込まれていった……。数奇な運命を辿る大女優と新進女優の葛藤を描く長篇ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 花園の迷宮
    -
    1巻495円 (税込)
    第32回江戸川乱歩賞受賞作品  横浜の遊郭に2人の少女が売られて来た。飢えと不景気の昭和初期、歓楽の町に投げこまれた2人を、死と、恐るべき秘密が待っていた。  娼家を次々と襲う殺人事件、人間の欲望の凄まじさ、少女のけなげさが、巧みな展開と伏線、意表をつく結末で余すところなく描かれる、江戸川乱歩賞受賞の傑作推理長編。 ●山崎洋子(やまざき・ようこ) 1947年、京都府宮津市生まれ。コピーライター、児童読物作家、脚本家などを経て第32回江戸川乱歩賞を『花園の迷宮』で受賞し、作家デビュー。横浜を描く作家として名高い。現在は、小説だけでなく、ノンフィクション、戯曲なども手がける。2010年、NHK主催の地域放送文化賞を受賞。
  • 花の復讐
    -
    1巻495円 (税込)
    その殺人トリックを暴いたのは現場に残されていた花だった!  花や鳥や虫……これらには人間の常識では推し量れない鋭敏な感覚と不思議な習性がある。そして人間がこれら自然界の生き物をまったく無視し去るとき、見事に人間は裏切られるのだ。技巧派の俊才が、小さな生物たちを鮮やかな論理のなかに散りばめ、澄明な文体で描き上げた異色のミステリ短編集。 *黒い葬列 *雲雀はなぜ殺された *花の復讐 *あじさいが知っている *朝に散る *蜂と手まり ●日下圭介(くさか・けいすけ) 1940年和歌山県生まれ。早稲田大学第一商学部卒。1965年朝日新聞社に入社。1975年『蝶たちは今…』で第21回江戸川乱歩賞を受賞。1982年『鶯を呼ぶ少年』『木に登る犬』で日本推理作家協会賞・短編賞を受賞。その後作家活動に専念し、『黄金機関車を狙え』などの近代史ミステリーで新境地を開く。
  • 花のもとにて
    -
    1巻495円 (税込)
    林田吾郎とよし子は幼な馴染であった。そしてよし子には、忘れられない男でもあった。だが、夏休みに帰郷して、両親に結婚の許可を得ようという手紙を最後に、彼は消息を絶った。……そして三十年。京都の老舗旅館『あや乃』の庭の片隅で、毎年ひっそりと花を咲かせるニドザクラ。一本の木に一重、八重、二段咲きと三通りの花が咲く、伝説の桜に隠された謎とは?(「花のもとにて」)  四つの短篇と五つのショートショートからなる作品集。 Ⅰ(短篇)  ロビニア通り三番地  道に迷ったアリス  花のもとにて  乾杯! Ⅱ(ショートショート)  われてもすえに  はなぞむかしの  とおきにありて  あつきちしおに  うつつに思いて ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 花ほおずき、ひとつ 丹波篠山殺人事件
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    1巻770円 (税込)
    フリーカメラマン・郷原八斗は、婦人雑誌の取材のため、編集者・辻井と連れだち、丹波篠山を訪れる。新緑まぶしい6月の半ばであった。郷原は藪の中で、木洩れ日に妖しく煌く朱色の光を見た。それは、雨曝しのまま佇む石仏の掌上に燃えたつ、ひとつの鬼灯(ほおづき)の精巧なやきもの。郷原は息を呑み、心を奪われた。そして辻井が消息を絶ったのは、その直後だった。辻井失踪の鍵を握るのは、12年前に起きた不可解な殺人事件で嫌疑を問われた陶芸家・市田、それに郷原の心の中に揺らめきたつ、あの紅く燃える鬼灯であった……。  人間の業の轍のうえに錯踪する男と女の愛憎と哀しみを詩情豊かに謳う、珠玉の本格長編ミステリ。 ●斎藤澪(さいとう・みお) 1944年、東京生まれ。国学院大学文学部国文科卒業。雑誌編集部、広告代理店勤務を経て作家活動に入る。1981年『この子の七つのお祝いに』で第1回横溝正史賞を受賞して小説家デビュー。『赤いランドセル』『冬かもめ心中』『花のもとにて』など著書多数。
  • 針の島
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    1巻495円 (税込)
    他所者を受け付けようとしない島人たち……彼らが唄う不気味な俗謡に秘められた意味とは?  山形県酒田沖に浮かぶ羽里島(はりじま)。この島を偶然おとずれた新米刑事の五十嵐は、奇妙な墜死事件に遭遇した。死者は古びた神社の急な石段を転落していた。謎のダイイング・メッセージを受け取った五十嵐は、独断で捜査を開始。すると、この三年間に同じ場所で毎年墜死事件が起こり、身許を示す所持品も何者かに抜き取られていた。しかも、死者はいずれも東京のM石油の幹部社員だった。そして盲目の巫女が、五十嵐の死を予告する…!? ●藤本泉(ふじもと・せん) 1923年、東京生まれ。日本大学国文科卒業。1966年に「媼繁盛記」で第6回小説現代新人賞を受賞し文壇にデビュー。部落問題を扱った第17回江戸川乱歩賞最終候補「藤太夫谷の毒」(のちに『地図にない谷』と改題して刊行)、第75回直木賞候補『呪いの聖域』、第30回日本推理作家協会賞長編賞候補『ガラスの迷路』など話題作を立て続けに発表したのち、1977年に『時をきざむ潮』で第23回江戸川乱歩賞を受賞。その他、伝奇ミステリ「えぞ共和国」シリーズなど著書多数。1989年2月、旅行先のフランスから子息に手紙を出したのを最後に消息を絶ち、行方不明のまま現在に至っている。

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