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長い別れ
酔っぱらい男、テリー・レノックスと友人になった私立探偵フィリップ・マーロウ。大富豪の娘との夫婦関係が破綻したテリーは、なんとか彼女と元の鞘に収まったようだったが、ある日、突然現われ、メキシコまで送ってほしいとマーロウに頼んできた。そして彼を送り届けて戻ったマーロウは勾留されてしまう。テリーには妻殺しの嫌疑がかっていたのだった。彼は自殺、マーロウには、ギムレットを飲んですべて忘れてほしい、という手紙が届く……。男の友情を描いたチャンドラー畢生の大作を、これ以上望むべくもない名手渾身の翻訳で贈る新訳決定版。/解説=杉江松恋 -
長いお別れ
私立探偵フィリップ・マーロウは、ふとした友情から見も知らぬ酔漢テリーを二度も救ってやった。そして彼はテリーの殺害容疑を晴らす為に三たび立ち上るのだった! ハードボイルド派の王座を占めるチャンドラーが五年間の沈黙を破り発表した畢生の傑作、一九五四年アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作。 -
プレイバック
私立探偵マーロウはある弁護士から駅に着くひとりの女を尾行し、その宿泊先を報告せよと依頼される。目的は知らされぬまま……。彼は列車から降りたった女を尾行するが、彼女は男につきまとわれ、どうやら脅されているらしい。ホテルにチェックインした女は、そこでも男につきまとわれていた。マーロウは依頼主の意思とは無関係に女の秘密をさぐろうと接触する。すると彼女は夜中に、バルコニーに男の死体があると助けを求めてきたが、マーロウが行くと死体は消えていた。何が起きたのか? この女は何者なのか? チャンドラーの実質的遺作!/解説=堂場瞬一 -
湖中の女
湖面に浮かび上がってきたのは、目もなく口もなく、ただ灰色のかたまりと化した女の死体だった--マーロウは一カ月前に姿を消した化粧品会社社長の妻の行方を追っていた。メキシコで結婚するとの電報があったが、情夫は否定した。そこで湖の別荘へやってきたのだが……独得の抒情と乾いた文体で描く異色大作。 -
さらば愛しき女よ
前科者大鹿マロイは、出所したその足で以前別れた女を捜し始めたが、またもや殺人を犯してしまった。たまたま居合せた私立探偵マーロウは、警察に調べられる。その後彼はある事件を依頼された……。全篇に流れるリリシズムとスリルと非情な眼は、既に探偵小説の域を超え独自の世界を創り上げている。 -
高い窓
家宝の古金貨が家から持ち出された。犯人は息子の嫁かもしれない。取り戻してほしい――裕福な老婦人の依頼で、マーロウは金貨の行方を追った。だが、その先々に次々と現れる死体。そして事件の意外な様相と過去の出来事がやがて浮かび上がってくる。清冽な叙情と文体で描かれたハードボイルド小説の名作。 -
プレイバック
女の尾行を依頼されたマーロウは、ロサンジェルス駅に着いた列車の中にその女の姿を見つけた。だが、駅構内で派手な服装の男と言葉を交すや女の態度は一変した。明らかに女は脅迫されているらしい。男は影のように女について回った。そして二人を追うマーロウを待つ一つの死とは。多くの謎を秘めた問題の遺作。 -
映画字幕五十年
1931年初冬、ニューヨーク。42丁目ではアステアが踊り、裏街ではマフィアが暗躍するこの街に、清水俊二はひとり降り立った。それは日本語スーパー字幕史の本格的な幕開けだった。「七年目の浮気」「ライムライト」「真昼の決闘」など、以来手がけた作品は千数百本!飽くなき好奇心のおもむくままに多彩な経歴を歩んできたスーパー字幕の第一人者がその波瀾に満ちた50年を振り返る。字幕草創期の秘話、谷崎潤一郎との一夕、熱愛する宝塚、と次々繰り出される話題に興味は尽きない。’85年度日本エッセイスト・クラブ賞受賞! -
大いなる眠り
ハードボイルドの旗手チャンドラーの長編処女作。主人公の私立探偵フィリップ・マーロウはこれによって一躍、有名になった。マーロウは富豪の将軍の邸宅へ招かれる。将軍の次女カーメンが、賭博場でふり出した約束手形にからまる強請りの件で、その調査を依頼されたのだ。マーロウは張本人とみられるガイガーの家をさぐりに行った。だが、三発の銃声がとどろき、ガイガーは射殺されていた。踏みこんだ所はあやしげな秘密写真撮影の現場だった。次々に現れる不審な人物に加え、将軍家の長女の夫の失踪事件もからみ、事件はいよいよ複雑に。双葉氏の翻訳はその名調子で知られる。 -
過去ある女 プレイバック
まるで第一級の長篇小説のように面白い。 「生きていかなきゃならない夜がまだいっぱいありすぎる」――アメリカを逃れてカナダの港町ヴァンクーヴァーにやってきた謎に包まれた若い美女。彼女につきまとうジゴロ、ホテルのペントハウスに住む独身紳士、そして殺人課警視。彼女の部屋のバルコニーで発見された男の射殺体。悲劇的な女が投げこまれた花やかな、そして卑しい世界を、見事な台詞と小気味のいい展開で描いたフィルム・ノワールの逸品。 ユニバーサル社の資料室から発掘されたこの最終稿は、チャンドラー自らが「私が書いた映画脚本の中でも最高のひとつ」と自讃する。知られざる傑作を名訳で再刊したものを電子書籍化した。 丸谷才一はこの作品の初刊刊行時、〈これが文学でなくて何が文学か〉と題して、こう絶讃した(抜粋)。「いろいろな意味でおもしろい本だ。チャンドラー伝の一資料。彼の小説作法を映画性の側から考へるための重要な手がかり。フィリップ・マーロウのゐない物語をチャンドラーはどういふふうに作るか。しかし肝要なのは、このシナリオがまるで第一級の長篇小説のやうに楽しめるといふことだらう。……かういふ形でチャンドラーの作品をもう一つ読むことができるのは、幸せな話だつた」