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-スイスの診療所に入院していたアメリカの富豪の娘ニコルは、若いアメリカ人の医師ディックを恋し、やがて二人は結婚する。だが、ニコルには暗い過去があり、精神を病んでいた。ディックも夫と付添医師という二重の役目を負わされる。二人の子にも恵まれた平穏の暮らしのなかへ、ハリウッドの新進スター、18歳のローズマリーがあらわれ、ディックはその誘惑に抗しきれなくなる。深酒にふける彼のモラルの崩壊はこのときから始まる。だが、夫の愛情が冷めてゆくにつれて、ニコルは精神の健康をとり戻し、以前から秘かに彼女への思慕をつづけてきたトミー・バーバンへ走る。…「ジャズ時代」の申し子であった作者の野心作であり、すぐれたドキュメンタリーな作品ともいえる。
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-この作品は自伝的要素がこく、主人公のアモリーは作者と同じ年で、同じ年にプリンストン大学にはいり、同じ年に参戦したりする。しかし、その恋愛遍歴は作者のそれというより当時の青年のそれをよくうつしたものであった。酒、ペッティングなどの大学生活の描写は、当時としては、初めて、しかも、大胆に行ったもので、お上品な時代に育った親たちを驚倒させた。だが、大学生活を愉しんでいた青年たちには受けて、ベストセラーとなった。フィッツジェラルドは失ったゼルダの愛をとりもどし、「ジャズ時代」を謳歌し、フランスへ渡る。「華麗なるギャツビー」はそこで生まれた。
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4.2