【感想・ネタバレ】おそろし 三島屋変調百物語事始のレビュー

あらすじ

ある事件を境にぴたりと他人に心を閉ざしてしまった十七歳のおちか。ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

神田の三島町にある袋物屋、三島屋。
川崎の旅籠丸千の一人娘おちかは、父方の叔父伊兵衛の三島屋にて見習い奉公をする。
ある日叔父の留守にお客様藤兵衛の相手をすることになり、三島屋の白黒の間で彼の話を聴く。
おちかに話したことで、藤兵衛は心の中の棘が抜けておちかも丸千での過去に向き合うことに。
藤兵衛の心を癒した事から、伊兵衛はおちかに、
白黒の間で、お客様から不思議なはなしをかききあつめる
百物語を始めることに。

実際現代もある地名が出てきたり、想像しながら一気読みできた。
続編がまだまだあるので、楽しみです。

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2025年09月27日

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ネタバレ

稲生物怪録の世界を宮部みゆきは生み出そうとしているのか?心を閉ざした「おちか」が江戸に住む叔父・三島屋の下に身を寄せるなか、心療療法なのか金を出し怪談話を集めて姪に聞かせていく日々、凶宅の謎の男が怪異に関わる、おそらく男がこの物語のラスボスで今回の凶宅は企みの手駒であり、他の人同様「おちか」は餌の一つだったが、おちかに芽生えた共感力が怪異の中から寄り添い力を貸す物の怪にめぐり合わせて、謎の男に対峙する存在になったのだろう

1巻時点では、謎の男が後の巻で似たような怪異の存在を手駒にまた出てくる気がする
おちかが「餌」として狙われたのは、彼女の心の傷が関係してる可能性が高い。凶宅の怪異は、弱ってる人や強い感情を持ってる人に引き寄せられる、おちかは男にとって「いいターゲット」だった
おちかが「対峙する存在」になったのは、彼女の内面の強さと、三島屋という「怪異と向き合う場」があったから、人とめぐり合いおちかが成長していったためシリーズ化が決定(冗談)

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2025年04月24日

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ネタバレ

①曼珠沙華 藤吉、兄:吉蔵のお話し。
②凶宅 父:辰二郎、娘:おたかさん達家族、鍵の師匠:清六、その孫:清太郎のお話。
③邪恋 おちか、松太郎、良助のお話。
④魔境 お福、お彩、市太郎、鉄五郎、おかね、お吉のお話。
⑤家鳴り 蔵のお話。

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2025年05月04日

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ネタバレ

江戸の袋物屋三島屋、そこの主の伊兵衛と妻のお民の元には姪のおちかという娘が預けられていた。おちかには家を出て叔父夫婦に世話になる深い理由があった。
「曼珠沙華」:この百物語の始まり、藤兵衛とその兄である吉蔵の話。尊敬する大好きだった兄が人を殺し、身内の犯した過ちに自身が苦しめられる。どうしても兄を恨んでしまうのは仕方ない感情だ。弟に苦労をかけた罪悪感を持つのも当たり前の感情だ。どちらの罪の意識にも共感できるだけに辛い話。
「凶宅」:おたかとその家族が巻き込まれたお化け屋敷の話。おたかの話は過去の出来事だが、読んでいる方としてはダメぜったい!と何度止めたことか。お父さんがお金に目が眩んだせいで、身内も周りも巻き込むバッドエンドだ。お金の誘惑に勝つのは難しそうだ。
「邪恋」:主人公であるおちかの過去の話。おちかをはじめ、兄の喜一、両親誰も悪気がないのが質が悪い。誰も悪気はない、だがそれが松太郎を苦しめ、悩ませ、悪い方へ悪い方へ転がっていった。思わせぶりは相手を傷つける行為だ。
「魔鏡」:三島屋の女中頭のおしまの知り合い、お福とその姉と兄の話。惹かれ合ってしまうその気持ちを心を止めることは困難だろう。理性ではダメだと分かっていても感情は相手を求めてしまう。恋心を止めるのはとても難しい。
「家鳴り」:これまでの話がつながる話。まさにここに繋がるのかと、一部の元凶はここなのかと納得してしまった。この1冊を通じておちかの成長が感じられた。
おそろしという題名でいろいろな怪談話を読めるのか思った。確かに、この物語は幽霊も出てくれば、怪しい場所、呪いの道具、など怖いものが登場する。だが、個人的に1番おそろしいと感じたのは人の心だ。人の心も自分の心もつねに何かを感じ、動いている。それは時に優しく、時に醜く、1人1人の物語を作っている。私はどんな物語をこれから作っていけるだろうか。

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2025年02月16日

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ネタバレ

ぞわぞわするような話が続いていったあとのラストはまさに救いの話だった。
それにしても凶宅の恐ろしさよ。
でも、家守り?商人?の口ぶりからまだ縁がありそう。
これがまだ6巻も続くんです!?

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2024年06月02日

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ネタバレ

【2024年54冊目】
変調百物語――通常の百物語は人々が一堂に会して行うが、三島屋で行われているそれは、語り部がやってきて、話が済めば帰ってしまう、まさに変調の百物語だ。とある事情で三島屋に身を寄せている「おちか」は、叔父の伊兵衛の依頼でその百物語の聞き手となるのだが…。

外れなしの宮部みゆきさんの三島屋変調百物語シリーズ第一作目です。やはり外れなし!五つの連作短編集をドキドキしながら読みました。

章が進む度に主軸となる主人公のおちかの過去のあれそれも明らかになっていき、最終章の五章では過去話となっていたこれまでのお話が一つになりました。見事!

おちかの成長ぶりも良いですし、最終章で姿を見せたラスボスも良いですね。いつか彼の話を聞くことにもなりそうな気がします。

なんとシリーズは9作目まで出ているようで二作目以降を読むのが楽しみです。

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2024年03月14日

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