あらすじ
私、この人のことが好きだ。にし陽の当たる部屋で自覚した鯨井は、はたらく先輩・工藤に懐かしさと恋しさを感じる。秘めた想いは、密かな願いと成って、衝撃の事実を連れて来る。艶やかな筆致で綴る理想的なラヴロマンスを貴方に――。
...続きを読む
切れかけの電灯、カビくさい路地裏、うるさい隣人。
そのどれもが何だか無性に懐かしく感じてしまう“九龍城砦”。
この作品はそこで働く男女のノスタルジックでビターなラブロマンス。
『恋は雨上がりのように』の著者・眉月じゅん先生の作品であり、
先生特有の繊細な心理描写と美しくもどこか儚げなヒロインは
本作でも私の心を掴んで離しません。
ガサツで無神経なあの人なんて、好きなわけない。でも少し気になってしまう。
そんなヒロインの葛藤だけでも、胸のざわつきが止まらないのに、
ノスタルジックな雰囲気が融合することでさらにグッときてしまいます。
ああ、なんて素晴らしきノスタルジックなラブロマンス・・・。
また、2人の恋が非日常を呼び寄せる展開も見逃せません!
これ以上はネタバレとなってしまいますが、
1巻を読んだが最後、続きを読まざるを得なくなってしまうので、ご注意を。
(私は徹夜で読みました。)
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
鯨井×楊明コンビ好き
蛇沼の登場で謎が深まる〜〜続きが気になります!!鯨井Bに寄せようとする鯨井ちゃんが切なかった…楊明といっぱい美味しいもの食べてね。。
Posted by ブクログ
この過去ありきで現在がある。どっちも悪いわけじゃないのに向ける気持ちがすれ違う、お互い切ない展開。
「今の」鯨井さんの行動がいじらしくて切なくて……報われて!お願いビターエンドで終わらないで!
華やかで猥雑で懐かしい九龍の風景が急速に移ろう中で工藤さんの心にも動きが……ってところで波乱がやってくる。相変わらず、巻の変わり目での話の引きが上手いなぁ!
Posted by ブクログ
雰囲気が素晴らしい。今の尖沙咀(Tsim Sha Tsui)とは異なるだろうけど、深夜特急の香港、食べ物は2016年に行った台湾を彷彿とさせる。話の中心であるロマンスは訳あり。作者らしい間を取るコマ割りは秀逸。
但し謎が多い。3巻の試し読みまでで思ったことは、主人公の鯨井は恐らくブレードランナー2049に出てくるレプリカントのようなものなのだろうと想像している。それを思わせる内容が以下:
- 本人には過去の記憶がない。
- 鯨井Bと見た目は同じだが、複製されているため後天的でない形質が残っている- (眼鏡が不要になっている、ピアス穴がない)ついでに、歴史のない小じわ
- 気味が悪いが蛇沼はキーパーソンの一人で、小じわに歴史がない、生きているだけで素晴らしいとのセリフ
- 生活環境は以前と同じだが、快活で姉御肌の鯨井Bと性格や態度が明らかに異なる。年齢も異なる。鯨井Bは36であるはずなのに、鯨井は32。私が自分だと思うものが私という友人のセリフは今後のキーワードになると思う
謎:
- 工藤と李支店長はなぜ鯨井に告げないのか、過去に何があったのか
- ジェネテラの正体。HK政府主導なのは不自然。中国配下で独自政策は無理だろう
- 蛇沼はなぜ鯨井を探していたのか
いずれにせよ久々に先が楽しみな作品に遭遇。