あらすじ
大寒波襲来、壊滅的打撃、世界初期化。人工冬眠から五百年ぶりに目覚めた舞鶴太郎(まいづるたろう)は、愛する家族も財産も全て失った。絶望の淵から這い上がり、理想の暮らしと生きがいを求めて、祖国「日本」を目指す。ヒトのと文明の歴史をさかのぼるグレートジャーニー。人類よ、これが未来だ!
猛獣エンリルとの壮絶な戦いでミトを失い、パルの帰郷に従うこととなった太郎。凍える大地で叔父一家は生きていた。招かれざる客でありながら、村の存亡をかけた「大祭り」に巻き込まれる。未知なる原始の習俗が太郎の運命をもてあそぶ。
西の村や中の村よりも発展している東の村へ贈与された太郎。農耕が行われ、人口も多いこの村では奴隷たちが重労働を通じ長一族に奉仕していた。虚しく使役される男たち。復讐を誓う若き女奴隷頭。人でありたい。人になりたい。彼らを救いたい太郎は、やがて力の源泉に気づく。
感情タグBEST3
原始時代に生まれた「金(かね)」と「戦争」という最悪のコンビ。太郎は西の村の生き残りをかけ、強力な武力を持つ「マリョウの使者」と駆け引きをする。現代の知識と知恵を武器に、文明の宿命的な矛盾と対峙する太郎の交渉術が光る、緊迫感あふれる巻。
身の程知らずへ
身の程を弁えるという言葉がありますが、この作品はそのことについてとても注意深く描写されていて作者の体験ではないかと思いました。
大人の異世界転生物
のような味わいが癖になる3巻目。文明が滅びた未来を現代のビジネスマンだった太郎がサバイバルする、なかなか都合よく無双は出来ない展開がリアル。
経済史をたどっていく
氷河期で文明リセット。人類の経済史をたどっていくという感じです。通貨発行権など興味深いテーマがでてきて本格的に話が進みそうです。おすすめです。