あらすじ
京都、祇園の片隅にひっそりと佇む「一見さんお断り」の甘味処「もも吉庵」。店を営むのは、元芸妓のもも吉。メニューは「麩もちぜんざい」のみ。この一風変わったお店に、今日も「わけあり」のお客が訪ねてくる――。「冤罪を晴らす神社はありますか?」そう訊ねる女子高生の心に秘めた罪と恋。もも吉庵の飼い猫にまつわる過去と、祇園の人々の「やさしい嘘」。商売に身の入らない骨董商を改心させた女性秘書の純真。能率・効率を追求した経営者の窮地を救ったある約束……。女将であるもも吉の、辛口ながらも温かな言葉が、悩める人々の心に一条の光をもたらしていく感動の人情物語。文庫オリジナル。
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Posted by ブクログ
四話の風神雷神と、五話の奈々江ちゃんのお話が良かった。
風神雷神のお話では「効率重視」の弊害について考えさせられた。
私も基本的に効率重視、なんか大切なことを見逃したり間違えたりしてるんじゃないかと思った。
日本人として、なんというか、もうちょっと日本人らしくありたいなという気持ちになった。
大事なことは、一見無駄に思えることの中に、たくさん含まれているのかもしれない。
そんな気付きもありつつ、今回も楽しく読めました!
Posted by ブクログ
ずっと声が出なかった奈々江がようやく声が出てホッとしました。トラウマの傷の深さを克服して乗り越えてくれたのがとても嬉しかったです。
妹の作文が奈々江の心を解放してくれたのがじんわりしました。
じんわり温かいこのシリーズ、また次巻楽しみにしています。
Posted by ブクログ
祇園にひっそり甘味処「もも吉庵」今回もその店の女将、もも吉に会いに何組もお客さんが悩み事を抱えてやってきます。
①冤罪を晴らす神社に行きたいという高校生の絢香ちゃん②もも吉庵の猫「おじゃこ」の昔々話③売りつけた古書の隠れていた宝でおばば様への感謝の気持ちを思い出す頓風④老舗和菓子店社是「切磋琢磨」話⑤震災で舞子になった奈々江と死んだ妹の話。読んでると涙がポロリです
少し残念なのが、登場が老舗の人たちばかり。少し閉鎖的で独特な世界の人たち。でもお菓子は食べたくなりまーす