あらすじ
京都・祇園にある甘味処「もも吉庵」。女将のもも吉の人情の機微に通じた言葉は、悩みを抱えた人々の心の傷を癒していく――。店を訪れるのは、想いを寄せ合った末、永い春に決断を下す男と女。仕事の本質を一粒の金平糖に教えられる新入社員。娘からの結婚式の招待状への返事を逡巡する、ギャンブルで家庭を崩壊させた父親など……。花街に暮す者と、訪れる者の人生の交錯を、情趣豊かに描く連作短編集。文庫オリジナル。
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Posted by ブクログ
著者はいい意味で、文章を過剰なほど整えようとしなくていいな…、と、思う(失礼)。
元々はライターさんなんか脚本家さんなんかわからんけど、すべてを地文でつづっていくのがいっそ清々しい。
感情移入はほぼしないけど、ストーリーが面白くて、かつ、スケールがでかくて、つい読んでしまう(笑)。
一話の美都子さんの話は読んだことあった。
読んでから、
「そういえばこの本を途中まで読んだのが(前回の)最後(の読書)やったな…」
と、思い出した。約一年前の読書はここで終わって、以来、ずっとアウトプットしてたんやった。
ちゅうことで、途中からは未読。
なんだかんだ言うて朱音ちゃんの話が好きなので、結局わたしは日本昔話が好きなんやろうなと思う。
(正直者は最後に小判ガッポガッポ)
(周囲の人も巻き込める素直さが天井破り)
とはいえ、花音ちゃんの話はわりと真剣に(?)読んだなあ。
理恵さんの気持ちもわかる…、て思ってたら理恵さんは宝塚メインの話をしていたので
「スケールが違いすぎるわ」
と、思った。まあ、そういうのも御愛嬌で。
それにしても隠源さんと隠善さんはいつももも吉庵にいるよね…、とは、言うたらあかんことなんやろう。
美都子さんのお相手は隠善さんじゃなくて、こう…(笑)。
いっそ一生独身を貫いてほしい。
続編も予約した。
PHP文庫やなあ、って思う話。こういうのも面白いです。
Posted by ブクログ
いつもスパッと迷いを断ち切ってくれるもも吉の大岡捌きが爽快なこのシリーズ。
今回は娘の美都子の悲しい別れがグッときました。やっと結婚できる所まで来たのに、スキャンダルを怖れて別れを決意した美都子と藤田。美都子には幸せになって欲しいです。
もも奈もようやく会話がスムーズになっていてホッとしました。ずっと声が出なくて切なかったけれど、良い後輩も出来そうで良かったです。
いつものんびり屋だけど、誰よりも気遣いが出来る朱音に惚れない人は居ないと思ってましたが、てっきりあの家元の元へ嫁ぐのかと思ってきたので、まさか朱音の方が直人の事を気になっていくのが意外でした。それでも、あの2人もとてもお似合いな気がしました。
Posted by ブクログ
今回「もも吉庵」に訪れるのは新聞社の新入社員にそれぞれ子供に悩みを抱える親たちが3家族。と美都子の恋話
人と話すのが大の苦手な直人が、いよいよ引きこもりになってしまいそうになるも朱音との出会いで切り替わり、ほっと一安心。実際でも、引きこもりになるのもならないで済むも紙一重なのかもしれないですね。美都子さんの恋話は扱いが軽くない?の印象でした