あらすじ
京都、祇園の片隅にひっそりと佇む「一見さんお断り」の甘味処「もも吉庵」。店を営むのは、元芸妓のもも吉。メニューは「麩もちぜんざい」のみ。この一風変わったお店に、今日もお客が訪ねてくる――。もも吉庵の女将の娘で、タクシー運転手をしている美都子は、乗客のある高齢の女性とその介護士のかみ合わない会話を聞いて、二人の真の関係に気づき……。亡き息子の復讐を誓う男の哀しき慟哭。料理の才能に恵まれた青年が陥った心の落とし穴。声を失い、筆談でお座敷を務める舞妓の勇気がもたらした奇跡。――甘味処「もも吉庵」に集う人々の悲喜こもごもに、女将のもも吉が寄り添い、ぬくもりを与える京情緒溢れる連作短編集。文庫オリジナル。好評第五巻。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
「一見さんお断り」の甘味・もも吉庵。今日も、迷える人がもも吉お母さんの元へ相談にきて…
前巻で美都子の弟分・隠善が少しだけ恋愛対象になってきたかと思ってましたが、10年前の想い人の藤田が還俗して再び戻ってきた事を受け、美都子の気持ちがどちらに傾くのか、今後も気になります。
見えない所まで気を使う朱音が、又もやファンを増やしているのが、本当に凄い。普通そこまでさり気なく気を使う人がどれくらい居るんでしょうね。自分の知らない所でどんどん縁を増やしていく朱音は素敵です。
奈々江もついに声が出たのが吉報でした。すぐには元に戻らないかもしれませんが、良い方向へ向かいそうでホッとしました。