あらすじ
行動心理学を用いて相手のしぐさから嘘を見破る刑事・楯岡絵麻。その手腕から“エンマ様”と呼ばれていた。人気歌手の死は本当に自殺なのか。老婦が殺された原因はご近所トラブルによるものなのか。SNSを巡る事件の裏には何が隠れているのか。捜査に勤しむ絵麻のもとに、かつて恋人だった公安の男が姿を現す。彼に頼まれ、絵麻は国際テロ組織にスパイとして潜入していた女の行方を追う。
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Posted by ブクログ
今回も面白かった。全体的に流れるのは西野のキャバクラ狂い。しかも楯岡のマネをしながら女の子を侍らせるというたちの悪いやつ。
1話目がミュージシャンの死亡の話。筒井と綿貫が薬物中毒で死亡という結論を出したのに、楯岡が殺人の可能性を考え始める。楯岡がこれはもう自殺か、と思ったときに筒井たちが見つけた物証が自殺じゃないことを示唆するという劇的な話。
2話目、楯岡の行動がおかしくなってくる。元彼が関係してくるようだ。それとは別に事件が起こる。ご近所トラブルで死なせてしまったという話。加害者の成田は亡くなった妻の連れ子で脳性麻痺の娘を献身的に介護している。一方被害者はゴミの分別などでトラブルになっていて…。
この事件は胸くそ悪いが、想像がついた。嫌な話だ。
3話目、中学生の女の子が4人から暴行を受けた上で死亡。被害者はラインで加害者の一人の悪口を書いたという。スクリーンショットを見た、と誰かが言っていたと。しかし解析では被害者のスマホにそんなことを書かれた形跡はない。誰かが言っていた、と曖昧な話の中、スクリーンショットを見た、という1人の女の子。しかしスマホにはそんな形跡はない。一体どういうことなのか。しかも被害者の死亡は暴行ではなく、鈍器で頭部を殴られたこと。4人は誰も物で殴ってはない、と言う…
これは、なんだかなあ、と思った。反省すればいいって訳ではないけれど、この4人、反省しなさそう。
4話目、この本のバックグラウンドで進行していた感があった事件が表出。楯岡の元彼の公安部の塚本が楯岡に潜入捜査を依頼。塚本はサイコパスだった…
塚本、酷い奴。そんなんだから、結局、裏切られるんだよ。ただこういう狂信的な組織って本当に関わりたくないなあと思うんだけれど、国を憂えているのは彼らにとって真実で、どのように折り合いをつけていくのがいいのだろう、と考えてしまう。
Posted by ブクログ
楯岡絵麻が塚本とのやり取りで揺れ動いたり、筒井が娘を心配し、部下の発言に動揺するなど、本作では登場人物の人間らしい部分の描写が多数ありそこが印象的であった。
「ヌール」潜入の回はハラハラしながら一気に読みきった。
Posted by ブクログ
「目の上のあいつ」
薬物で有罪となったかつての人気ミュージシャンが活動再開しようとしていた矢先に自分のスタジオで死亡しているのが発見される。一見覚せい剤の乱用が元で休止したように見えたが...。
「ご近所さんにご用心」
老女が自宅で死んでいるのが発見された事件。容疑者として上がってきたのは,隣に住む亡妻の重度の障害のある連れ子を一人で世話している近所でも評判の良い男。一体何があったのか。
「敵の敵も敵」
中学生の女子が仲間にリンチされて死亡した。容疑者は被害者の幼馴染で親友の少女。被害者が陰で自分の悪口を言っていると怒っていたようで,不良仲間3人を連れて被害者を呼び出したらしい。どう考えても有罪濃厚な状況だが,実は...。
「私の愛したサイコパス」
エンマ様大ピンチの話。元恋人で公安の塚本が,自分がテロ組織に送り込んだエスと連絡がつかなくなったので,絵麻に組織に潜入して探ってほしいと頼む。