感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
面白かった!前作・前々作は少し難解で、ついていくのが難しくなってきたぞ…と思っていたけど、今作は初期のWシリーズが思い出される面白さ。
二人でデートに行くの微笑ましい。
一族の血統による後継者を、「昔はそのようなルールを持ったグループ」があったとグアトが表現したのが印象的。
「個人が個人的としての権利を獲得する以前は、人類は家というグループで括られていた」「それが、いつの間にか家族になり、さらに、その家族も、いわゆるパートナーという最小単位になった。そのパートナーさえ、もう古くなりつつある。人間は孤独を愛しているようだ」とあり、この世界は完全なる個人主義のようだ。
現実でも、昔に比べて親族との繋がりが薄くなっているのは事実。いずれそうなっても何もおかしくない。むしろ納得。気楽でいいと思う。
一人は寂しいと思う一方、孤独には一種の安心感
があると思う。
ピクニックをやり直そうか、という話になったとき、二人とも溜息をついただけだった。頭の中で展開し、ピクニックに行ったつもりになれば良いか、となった。「人間の頭脳には、もともとヴァーチャルの機能が備わっているようだ。電子界に作られたヴァーチャルは、人間の頭の中の機能をただ外に取り出しただけのものなのだ」というグアトの独白になるほど、と思った。
確かに私たちは想像をする。それもある意味ヴァーチャルなのかも。
Posted by ブクログ
アニメ『すべてがFになる』をきっかけにS&Mシリーズから読みすすめて5年、ついに出版に追いついた……!百年、W、WWシリーズの“肉体と魂” “リアルとバーチャル”をテーマにしたストーリーは特に好き。とても科学的で、哲学的。本から情報をインプットしてるのと同じくらい、自分の頭でも考えさせられる。 SFの普遍のテーマともいえるこの題材を森博嗣さんはどのように描くのだろう。続きも楽しみ。
Posted by ブクログ
人類が体的には老いることがなく、死が遠くなった世界に良い印象が持てず、情報局が中心の話のせいかなんとなくディストピア感がwシリーズからありました。
コロナで仕事がほぼ在宅のリモートワークとなり、wシリーズ、wwシリーズの世界とちょっと近くなり、よりこの世界観へ没入できた気がします。
病気は怖いし、できれば老いたくない、リモートワークでもこれまでと変わりなく働けるからこのまま続けたいと思う私ですが、じゃああの世界に住みたいかというと嫌なんですよね。
その答えが今回のトレンメル兄弟に見えました。
百年超えても現役で生きがい持って歩める人もいると思いますが、私はどうかな。見失いそう。
細胞を変えて、肉体を捨ててバーチャルへ、その先になにがあるのかが分からない。
なので、wwシリーズの終わり方が気になります。
四季さんの思惑はまだ出てこないかな。
いろいろと考えながら読めた作品でした。
Posted by ブクログ
お互いが見えない恋人の幽霊が探しあってるという導入はとても良かった。
グアトとロジの距離感も近くて良い!
リンダとロベルトの正体がその辺で雇った浮浪者というオチは少し肩透かし。ただ、一連の事件がグアトに向けたメッセージだったこと、杖がキモとなっていたこと、は面白かった。