あらすじ
自分の気持ちを抑えて、周りに合わせて生活している小谷花木(こたに かぼく)。そんな彼が惹かれたのは、人目を気にせずダンスに没頭する湾田光莉(わんだ ひかり)。彼女と一緒に踊るために、未経験のダンスに挑む! 部活、勉強、就職、友達、恋愛。必要なことって何?無駄なことやってどうなるの?いやいや、君の青春は、自由に踊って全然いいんだ。2人が挑むフリースタイルなダンスと恋!
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「俺はダンスを直視することが出来ない」と言う主人公は、中学時代の体育でダンスを上手に踊れなかった苦い経験から、ダンスに対して抵抗感を抱いていた。それに加え、吃音症で自分の気持ちが出せない彼だったが、ある日、クラスメイトの女の子がダンスを練習しているところを目撃し、踊る姿に目を奪われた。そして、彼女に惹かれて共にダンス部に入部し、ダンスの楽しさに目覚めていく…というストーリーだ。
繊細な絵柄とリアルな高校生の生態描写が印象的。作者の珈琲先生も昔から吃音の悩みを抱えておられたそうで、主人公の心の声は先生が感じたことを代弁しているような気がする…吃音症という社会派テイストを感じさせる一面もすごくリアル! そして、ふとしたワンシーンからも感じられる「踊っている」という躍動感が好き! 視覚で感じるダンスと音楽は生まれて初めての感覚で鳥肌が立った。ヒロインとの絶妙な距離感もすごくいい! 尊い!
感情タグBEST3
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ストリートダンスもの
踊りって人間の根源的な表現方法の1つでしょう。中学まではバスケット部にいた主人公、校内で1人、踊っている湾田さんの姿に惹かれるものがあったようです。
なので彼女を撮影した動画をクラスのグループLINEに載せた知人を諌め、試しにと始めることに。
吃音症でも身体表現なら出来るはず、というのもあるのでしょう。
部長さんもこのお2人には目をつけているようです。
この分野も男女比はかなり偏っています。
巻末に宣伝用に「メダリスト」が入っていました。
動きを感じるダンスシーン
吃音の主人公がヒロインのダンスに惹かれ、上手く喋れない自分でもダンスなら自己を表現できるのではないかと前向きに頑張っていく流れはシンプルながら綺麗な構成でダンスに疎い自分でも楽しく読み進められました。
このような初めての世界に飛び込む主人公は所謂ウジウジ系が多いですが、こちらの主人公は吃音で上手く話せないだけで結構自己が強いタイプなのが読み進めていくとわかってくるのでその辺も個人的に好みでした。
作者さんがダンサーということもあり、ダンスシーンは拘りを感じ、独特のタッチかつ躍動感があります。
是非1度読んでみてほしい作品です。
面白かった
高校ダンス部に入部することになった男女二人がメインですが、魅力的なキャラが多いです。 ダンスを学校の授業で学んできた年齢層とそうでない層というか、ダンスが身近な人とそうでない人では作品のダンスにたいする受け取り方に違いかあるかもしれません。合う合わないははっきり分かれるでしょう。 ダンスという動きの表現って漫画じゃ難しいように思うけれど、下手に動画にするよりもよっぽど躍動感があって素晴らしいと思うし、芸術性を感じる。感受性豊かな人ほどワクワクさせられる感じがあると思う。
自分を解放する
引っ込み思案で吃音な青年が入学先の高校で踊る女の子を見てダンスを始める青春劇の第一巻。
小谷花木(こたにかぼく)は目立たないように周りに合わせて生活することを心掛けている高校一年生。
英語の授業で他の生徒がいい発音を馬鹿にしているのを聞いてかったるそうなカタカナ英語を発表するくらいのことは朝飯前という感じだった彼はある日校舎の片隅でダンスをしている女子生徒を見かける。
そのすごさにビックリする花木だったが他の男子生徒はスカートの奥を見ようとスマホをかざしたりする始末。
その後合同授業で踊っていた彼女と隣になった花木は彼女、湾田光莉(わんだひかり)と会話することになる。
ダンスの話になるが中学の時にダンスの授業でトラウマがあり人前で踊るということが苦手なことを告げる。
しかし彼女の踊りに触発されてダンス部に入るのだった。
誰にでもトラウマはあるし必ずしも克服しなきゃいけないわけではない。
でも一歩前に出れたのはすごいと思う。