あらすじ
民族大戦の休戦から95年。大陸は一つの転機を迎えていた。
各自治区を統治した英雄たちは次々と退き、新たな長が生まれ、
かつてパレナ議定書に誓いを立てた英雄は中央としょかんの長ただ一人となっていた。
そんな中央としょかん二代目総代の候補となったシオと同期のテイ。
彼女は自身が持つ強大なマナのせいで人と距離を置いていたが、
シオが手を差し伸べたことで徐々に心を開いていく。
一方シオへの敵意をむき出しにしたメディナは、ますます孤立を深めていた。
一人の少年の壮大な冒険が今始まる―――。
司書(カフナ)と呼ばれる仕事。それは誰もが本を読めるように大陸中の本を集め管理し、護る人のこと。
主人公は本が大好きだが、耳長と呼ばれ不当な扱いを受けてきた貧しい少年・シオ。ある日、魔術書を回収するためにシオのいる街に司書たちが訪れる。シオは司書の一人である風の魔術師・セドナと出会う。この出会いをきっかけにセドナと同じ司書を目指すシオの大冒険が始まる。
本作品の魅力は圧倒的な作画と引き込まれてしまうほどの物語の構成、世界観そして、主人公の周りに登場する個性的なキャラクターたちです。街並みの描写や服の飾りまで本当に精細に描かれており、度々出てくる見開きページの描写は思わず魅入ってしまうほどの迫力があります。いじめられっ子だったシオが司書を目指し、個性的なキャラクターたちと出会い成長していく姿にまるで自分が冒険しているかのようなワクワク感と感動を覚えました。
冒険ものやファンタジーが好きな人はもちろん、何か挑戦しようとしている人にぜひ手に取って読んでもらいたい作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
さながら熱血学園ドラマの様な展開を見せつつ、なんかちょっとラブコメ的な香りも醸しつつの、もちろん王道ファンタジーも抜かり無く見せつけてくれつつの、ミステリアスな伏線をビシビシ張っていく、控え目に言って面白過ぎる漫画。
多民族・多宗教の人々が暮らす世界観の作り込みが尋常でない。
シオの言葉「何かを信じて頼るって すごく大切なことなんじゃないかって僕は思うんだ」「何かに少し寄りかかることで力強く立てるなら 信仰という”習慣”が力を与えてくれるんだと思う」(p72)が実に分かり易くて、近頃何かと話題の’信教の自由’についても理解する一助になるのではないだろうか。
また学園パートに於いても、超絶進学校に親のコネで入学してしまった中の上くらいの成績の人のコンプレックス・ストレス・フィーリングが物凄く切実かつリアルに描かれる。「私をあしらわないでくれ」(p116、p117)と色々な感情がせめぎ合う、見開きコマでのメディナの表情は何とも言えない。と、この心の叫びに応えるようにp133、p134でシオは真っ正面から彼女と目と目を合わせて叱り飛ばすのだがこれがまた爽快。そしてシオ・オウガ・メディナのへっぽこ3人組がハイタッチするシーンはもう最高。
オウガちゃんが相も変わらずかわいい。「わからんのポーズ」(P91)とかずるいくらいかわいい。このままシオとのフラグが成立するのかな?けどシオ、村に可愛い幼馴染がいなかったっけか。
そしてソフィさんの謎。なんちゅう所で終わるのよ。
続き読みて〜!
1刷
2022.11.18
Posted by ブクログ
3人でハイタッチしたシーンでウルってきた
シオの2度目はなだめるで、2回目までは許すんか!って突っ込んだのは俺だけじゃないはず。器がちげぇ
Posted by ブクログ
「差別する側」の内心の自由の是非と、それを多様性に含めてしまっていいのか問題。
まだ現実でスッキリ解決する道筋が分かってない以上フィクションでも魔法のように解決するわけがないんだけど、そんな中でのシオの行動がすごく等身大でシオらしくて好感が持てた。
もっと評価されてよい作品
この漫画は精緻な設定とその描写、主人公の本に対する想いが溢れる。これほど読後、感動する漫画もないと思う。名作。言葉はいらない。先ずは読んでいただきたい。
現行の作品で別格
話がごちゃごちゃしててそのうちつまらなくなる
そう思ってた時期が私にもありました…
同時に複数の話が進行してるんですがどれもなかなかに興味深い
別々に3本の良作を読まされてる気がする
なのに話がとっ散らかるでもなくちゃんと面白い
画力も他者の追随を許さない。
言ってることはよくわからんと思うがとにかく凄い漫画だ…
Posted by ブクログ
ここ最近ずっと発売日が待ち遠しかった!
読めることそのものがうれしくて楽しい、幸せな気持ち。
物語が少しずつ進んでいく。
シオの日常、毎日が不定形、ぶつかり言葉を交わし、考え、伝え、影響しあっていく。生きているってすごいなんてことを自然に思う。
嵐の前の静けさのような、楽しい日々なのにピリピリとした緊張感。危ういけど、どんどん読みたくなる。
続きもほんとうに楽しみです!
巻末の「同じ部屋の二人Ⅰ」ににやっと笑
続きが早く読みたい
作品の世界が大好きで、ストーリーは何回読んでも読みごたえがあります。大変細密な絵の表現には作者の気迫を感じます。続きがどうなるのか、大変楽しみです。
ちょっと残念なところも
差別問題など現実でも起こっている問題に対し、理想論を語らずにそれでもぶつかっていく姿勢は見ててハラハラしつつ面白かったです。
ものすごく練られているであろう世界観も丁寧に丁寧に風呂敷を広げている途中で続きが気になって仕方がないですね。
ただ1点残念なのは…6巻まで買って気付きましたが電子書籍版だと物理書籍に比べて裏表紙の内容などいくつか削られているのですね…
他の巻は最初からそうなのか後からかは分からないですが、6巻は購入時に好きだったおまけページが何故か後から無くなっており、Twitterで調べたところそういうことだと分かりました。
おまけと言いつつも人物の掘り下げを少ししている内容なので個人的には大切だし無くされたのは悲しい…ここのレビューに書くのはどうかと思いましたが、この漫画を目一杯楽しみたいなら電子書籍ではなく本屋で物理書籍を買いましょう…
私もこういう仕様だと最初から知っていたならこの漫画は電子書籍では買ってなかったですね…本を扱う漫画だけあり電子派には厳しいのか…?
人種
差別的な発言とか行動が当初がら目立つ作品で、
正直苦手なところもあったのだが、そもそも女性の
職業差別が明確に描かれているところからしても
「そういう世界」というより大きなテーマなのだろう。
例の作家名問題はこれで回収?