あらすじ
街では『マリガド』という小説が話題になっていた。
青年・マリガドが権力階級を片っ端から切り殺していくという内容で
その痛快さに若者を中心として一大ブームとなっていた。
しかしその残虐な表現からマリガド否定派が出版停止を求め、中央図書館が審議をすることとなった。
この件が世間に騒がれていることでシオ達見習いは多くの悲劇を生んだ『黒の書』と対峙することに──。
一人の少年の壮大な冒険が今始まる―――。
司書(カフナ)と呼ばれる仕事。それは誰もが本を読めるように大陸中の本を集め管理し、護る人のこと。
主人公は本が大好きだが、耳長と呼ばれ不当な扱いを受けてきた貧しい少年・シオ。ある日、魔術書を回収するためにシオのいる街に司書たちが訪れる。シオは司書の一人である風の魔術師・セドナと出会う。この出会いをきっかけにセドナと同じ司書を目指すシオの大冒険が始まる。
本作品の魅力は圧倒的な作画と引き込まれてしまうほどの物語の構成、世界観そして、主人公の周りに登場する個性的なキャラクターたちです。街並みの描写や服の飾りまで本当に精細に描かれており、度々出てくる見開きページの描写は思わず魅入ってしまうほどの迫力があります。いじめられっ子だったシオが司書を目指し、個性的なキャラクターたちと出会い成長していく姿にまるで自分が冒険しているかのようなワクワク感と感動を覚えました。
冒険ものやファンタジーが好きな人はもちろん、何か挑戦しようとしている人にぜひ手に取って読んでもらいたい作品です。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
人に悪影響をもたらす「かもしれない」本を出版することの是非や、もっともらしいフェイクニュースに踊らされないことの難しさ、発達障害。
現実にも通じる社会問題を盛り込みつつ、決して説教くさくない物語に仕上げてるバランスすごいなー。
巻が進むごとにどんどん世界観が壮大になっていく……
Posted by ブクログ
検閲というものが何をもたらすのか。
真実だと人が思う条件や、共感力が人にどう作用するのかなど、リアルの世界に繋がることが描かれていてとても面白かった。
ストーリー的には この人こっち側? という展開があるし、大事なところで続いてるしで、続きが待ち遠しいけれど、スクールライフのわちゃわちゃしたところももっと見たい。
もう好きとしか言いようがない。
圕のタイトルだけで、購入を決めた。
著者はよくこの表記を知っていたなと、感心したものだ。
本の内容もこの文字に劣らず、とても楽しくて、好みだ。内容自体は「自分で読め」
Posted by ブクログ
いやな予感がぞくぞく増していく終わり方。
本という存在がもたらす議論、あり方、信念が深まっていくありさまが怖いほど真剣でひきこまれていった。
シオの本気でぶつかっていく姿が熱い!
Posted by ブクログ
本に書いてあることが全て正しいわけではないし間違っているわけではない。読み手の受け取り方で良い影響にも悪い影響にもなる。そんなことを学べる内容でした。とても難しい技術だとも思います。
難しくなってきた
登場人物が多く、いかに絵が綺麗でもちょっと区別ができなくなってきた。
それはそれとして、こんなに本が重要視されている世界であっても、
なにかを根底から変えるほどのものがそうそうあるとは信じがたいが。
そしてそれを鍵もない私室の引き出しに・・・。