あらすじ
高2で絵を描くことの楽しさに目覚め。猛烈な努力の末に東京藝大に合格した矢口八虎。
2年の夏休みが終わり、2年最後の講評。八虎が選んだ新しい課題は「2人展」。
無名・有名を問わず表現者を選び2人での展示を考える課題である。
八虎が選んだのはフランシス・ベーコンとアンディ・ウォーホル。2人の作品を考察する八虎は自分の欠点にも気づく。
金策にも悩んでいた八虎は、課題のヒントをつかむため八虎は歌舞伎町に飛び込むが……。
アートの歴史や可能性を詳細に活写、美大に進学した青年たちの情熱や奮闘を描く、
今までになかった美術系青春漫画、早くも最新刊登場!!
スクールカースト上位のリア充高校生が、知識・経験ゼロの状態から美大を目指す青春物語です。
第1巻では、それまでやりたいことも情熱を注ぐようなものもなかった主人公が、絵を描くと自分の好きなものと向き合うことができる、と気づくシーンが印象的です。
彼は、美術の授業で「私の好きな風景」という課題を与えられ、「まどろみの中で青く見える早朝の渋谷」が好きだが、それを好きと言うことを怖がっていた自分を自覚します。
そして、完成させた絵を褒められたことで、彼は美術に関心を抱き、実質倍率200倍(!)の超難関大学である東京藝術大学を目指すことになるのです。
「好きなことは趣味でいい」とよく聞く大人の理論がありますが、それを言い訳にせず、好きなことに人生を賭けようとする主人公の若さとひたむきさが眩しい作品です。
感情タグBEST3
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八虎が絵の道を志すきっかけにもなった森先輩。いつか出てくるだろうとは思っていたけどなかなか出番がなく、久しぶりの登場にこちらも胸が高鳴った!
森先輩とくっついてくれたら嬉しいけど、違う道に進む二人にそれはないのかな…。八虎は先輩を神格化し過ぎて恋愛にはならないか。天才同士の桑名さんの方が合っているのかなー。(おばちゃんの戯言)そもそも、この話に恋愛要素が絡んでくるのか…。色々とどうなっていくのか見逃せない。
また、展示のテーマ「あなたへ」もセンスあるテーマ。それぞれが何をみせてくれるのか…次巻も待ち遠しいー!
あと、心に残ったセリフは、犬飼先生の言った「才能とは体力」。
体力は基礎!本当に体力がある人は強い!!
Posted by ブクログ
森先輩の久しぶりの登場で、森先輩の自分の中で軸が定まってるところが本当に格好よくて最高です、好きです…矢虎の将来に対する不安やら、自分より他の人が凄く見えてしまっても行動できる強さとか、読んでいると、悩みを共有できて、でも私自身も悩みなんて努力ですっ飛ばして、自分の好きなものに向かって真剣に取り組みたいと思える、本当に好きな作品です。今回は恋愛にもちょっと踏み込んでいて、どきどきで読みました。信仰心と恋心の違いって何なんだろう。
Posted by ブクログ
☆77話まで(17巻まで)
〜美術部編〜
・美術部に入部した矢口八虎
・のめり込み美大を目指すことに
〜予備校編〜
・夏期講習が始まる
・橋田や世田介と出会う
・真面目すぎる性格が制作を邪魔する
・講師の大場や友だちの助言で乗り越える
・ついに第一次試験
・自画像の課題を突破
・2次試験当日に蕁麻疹悪化
・それでも課題のヌードの絵を描き上げる
・矢虎と世田介が現役合格
〜藝大1年編〜
・自己紹介で周囲に圧倒される
・教授たちの酷評にも心折れる
・藝大祭の神輿をつくる
・1年生最後の自由課題
・世田介と渋谷オールをする
・自分に向き合い課題に取り組む
・講評は無事終わる
・子どもの絵画教室のバイトを始める
〜藝大2年前編〜
・担当教授が犬飼に変更
・500枚ドローイングの課題
・次の課題は罪悪感をテーマにした課題
・八虎はフルマークスに心酔
・代表フジキリオの影響で作品が完成
・講評で褒められる
・夏休み八雲たちと広島へ
・コンペAOJに申し込む
・八雲から死んだ友人で画家の真田の話を聞く
・作品が完成したところで蟹江登場
・真田の個展が開かれる
・AOJは八雲が大賞、矢虎は入賞
〜藝大2年後期編〜
・2人展が課題
・矢虎はベーコンの作風を学ぶため歌舞伎町へ
・龍二と出会いホストクラブで働く
・ホストの人間くささに興味を抱きホスト看板とウォーホルで2人展
・母親に作家になることを伝える
・龍二との代打で元美術部のコミケのヘルプ
・そのまま同窓会
・グループ展の開催を"あなたへ"というテーマで企画
・憧れの森先輩が作家を目指さないことを聞き凹む
・乗り越えグループ展は成功
[総評]
なんだろ、八虎のこの実直さと成長は見ていて好感しかない
美術おもしろいなー
美術部
表紙から分かるとおり美術部のメンバー登場。
八虎(主人公)、このあとどうなるのかとても気になる。この何かを変えて大きな成長をするのかどうか。
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毎回新刊を楽しみにしているブルーピリオド。
17巻、流石に感想を書きたくなった。
八虎と共に美術に、人に触れて感情が溢れてくる。
やっぱりこの漫画、キャラの表情が好き。
特に今回の森先輩の表情が記憶に残っている。刺されるようにドキッとする表情もあれば微妙な書き分けでなにか思っていることがあるんだろうなと考えたり。
片目が隠れている表情にドキッとしました。
森先輩以外にも、繊細で人が気になっている八虎の目線には他人がこう見えているのかなーと。だから最後の展開はウワーッそうかーっと唸ってしまった。
龍二は八虎にとって先輩はそこにいることで頑張れる存在と言っていたけど、実際は目標にしている存在だったのかな。龍二がそう言っている描写でジョキっと布を断ってフキダシと重なっていて、八虎が先輩と香水ショップにいるとき八虎の指は右側を指していたので後者を暗示しているのでは。
八虎の作品の拡がりも次巻の楽しみ。人が漠然とテーマになっていた八虎の作品がどんどん深化していきそう。課題を経て人のどこに、なににピントを合わせていくのかの精度が上がっていそう。マクロな視点からミクロな視点へ推移している。フェリックスさんの作品のように究極にパーソナルな作品は圧倒的に普遍的な作品たりえるのでしょう。実物が見たくなったし、コンセプチュアルアートの面白さを感じました。
軸がないと悩む八虎が原点に立ち返り奮起するなか、その原点に、信仰すら抱いていたものに告げられた事実。
八虎がどんな作品を生み出すのか、森先輩との関係はどうなるのか、次巻が本当に楽しみです。
Posted by ブクログ
自分の原点であり目標でもあった森先輩が作家の道から降りてしまう。現実ではよくあることだけど、八虎にとっての衝撃は計り知れない。
ユカちゃんはどんな気持ちで八虎を見ているのだろうか。崇拝のようになってる八虎を危ういなと思ってるんじゃないだろうか。
コミケに行くエピソードは楽しかった。出水ぽすか先生の絵、いいよね…。
初版にはホスト八虎のボイスカードが付いているのでファンの方はお早めに。
Posted by ブクログ
大学編、中だるみしそうなのに課題制作だけじゃなくてバイトやら夏休みやらコンクールやらいろいろ展開がうまくてずっと面白い。
現実の厳しさや苦しさにも打ちのめされつつ作家になろうともがく八虎いいよな
高校時代の仲間が出てくるのも原点回帰的な部分とあの時とは何もかも変わった的な感慨があってよかったな
Posted by ブクログ
久しぶりに琴線が揺さぶられた感じがした。
自分がこの道で行こうと決めた途端、憧れの先輩は社会に溶けていく。理由は次巻にならないと分からなそうだけど、茨の道を歩み続けるのは誰しも辛い。何で歩み続けていけるのか。
ブルーピリオドを読んでいて良かった。
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白井さんのとこ良かったねぇ。海野さんは確かに凄いけど白井さんの本にお金を出して手に取ってくれた8人がいることを忘れちゃあかんよな…
懐かしいメンバーの回でとっても楽しかったです〜
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・悩みに悩みひたすら考えて向き合う八虎が、作家を志すという決心を明確にし、作品を売るという目標を掲げたのが、大きな転換期になりそうな巻だなと感じた。
・八虎の「行動力」という才能を、ユカちゃんの言葉と、学長の才能とは体力という話から強く実感することができた。テーマのためにホストをやり遂げたところもそうだし、今回のユカちゃんの客のウンチクから得た「匂い」を次の自分の作品にしようとするのは、たしかに八虎の行動力の凄さ。
・ホスト編からユカちゃんが出てきたり今回は高校美術部組と、いままでの八虎が繋いできた人間関係が、物語や八虎の制作を動かしてるの、人をテーマに向き合い続けた八虎だからこそ凄く好き。グループ展の「あなたへ」をどこに定めたのか、森先輩と八虎の物語がどうなるのか、次巻も楽しみすぎる。
・八虎の内心とのズレのある張り付いた笑顔とか、森先輩のことを神という八虎へのユカちゃんの表情とか、漫画として絵と表現がうますぎて好き。
Posted by ブクログ
八虎ってすんごいよね〜。何がすごいって感受性の高さが。森先輩が作家にならないって伝えたところで泣くってどんな感性!?って思いつつ、なんかわかる。自分の特別な人がくれる言葉の一つ一つを宝物のように感じてしまうのも、その人の言葉や行動に表れる人間性が神聖で尊くて仕方なくなってしまう感覚も、何故かとても共感してしまった。作家になるにしては八虎には個性が足りないようにも感じてたけど、まっさらでなんでも一生懸命に、まともに吸収して行く稀有な存在なのかもしれないね。わたしも人が好きだよ。八虎の次の作品も楽しみ。
Posted by ブクログ
講評終わりから作家になりたい宣言、美術部の面々と再会、森先輩と再会、グループ展準備。
八虎の考える匂いを用いたインスタレーション、どうなるのか楽しみだ。
「コミックマーケットを開始いたします」で拍手が沸き起こるの、『メタモルフォーゼの縁側』でも触れられてた。あんまり深く考えたことなかったけど、異様か。
白井が結構成熟した思考になっていてよい。
美術部同窓会からグループ展へ。多ジャンルで同テーマの楽しさ。「あなたへ」"どこへ届けたいか"自体がテーマ。
進級展は「人間のペルソナとしての苗字の看板」≒表札。
才能は体力。たくさん見て、たくさん失敗して、たくさん作ってください。
ブランデーの香りでヒナちゃんを思い出す。
森先輩は神。あーね。
プルースト現象。嗅覚アート。
森先輩は目指す目標じゃなくて、そこにあることで頑張れる目標。
フェリックス・ゴンザレス=ドレス。「無題(ロス)」リレーショナルアート。
「すごいから 作家になれるわけじゃないよ」
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いろんな人と出会って、刺激を受けて、素直に自分の力や成長につなげられる主人公ってやっぱり素敵だなと思った。
先輩の進路を聞いて、決断が揺れるのか、モチベに変化が出るのか続きが楽しみ。
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学生の頃の専攻とは全く違うジャンルに行くのはよくある事だけど、学生時代はそれが全てだと思ってたの分かる。
アオハルだなー。
作中画に白浜鴎氏の絵があった。
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ほんとに矢虎は作品の幅が広いし、いつも課題に真摯に向き合ってるところが凄いなぁと思う。
今作の目玉はやっぱり森先輩との再会で、目標である森先輩が現実的な道を選んでしまったの、作家を目指すと決めたばかりの矢虎にとっては相当なダメージなのでは…
矢虎は森先輩のことを「神」って表現したけど、「推し」に近い感覚もあるんじゃないかなと思った。
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◼️山口つばさ「ブルーピリオド 17」
たまにはマンガ。久々に感動した。つかむものがない中の、原点。
「ブルーピリオド」成績はいいが渋谷でオールするような高校生、矢口八虎が美術に目覚め、最難関の東京藝術大学を目指すことになる、という作品で、渋谷の早朝の青さ、好きなことを好きだと言うことの怖さといった感性、予備校の特異なカリキュラムとキャラのアクの強さに関係性、さらにはYOASOBIが「群青」という、インスパイア曲を作ったことで話題を呼んだ。アニメ化に、去年は映画化もあり、という人気作。
ただ、受験特訓時までが盛り上がった反動か、入学後は正直、目的が失われたような感があった。教授から厳しく指摘され、指導の正当性を疑い、あるグループに入り浸ったり、同じ科の仲間で夏休み創作合宿をしたり、コンクールに入賞したり、ホストクラブでバイトしたり、美術と社会の経験は積んでいたけども、なんとなく決め、がないような、物足りなさがつきまとっているように思えた。受験は受かれば正義、しかし芸術活動にはそんなものはない。
今回は長かった期間の、帰結の予感が提示される。そして、高校美術部の再集結、有名になった者もおり、自然と立場の違いは出来ている。
何より、八虎を美術に目覚めさせる絵を描いた、憧れの森まる先輩が再登場する。良かった、すれ違いが続いてやっと、2人の関係がまた太くなり、交差する。
どこか岐路のようなタイミングで原点に戻る、その流れに感動してしまった。ただ原点はすでに原点でない。鈍い痛みに涙。読み続けて良かったとしみじみ安堵する。
映画もとても良かった。次は世田介くんもっと濃いめに出してほしいな、できたら天才・桑名マキも。続きも映画にならないかなと期待。
Posted by ブクログ
夢を叶えた人と夢を追う人
夢を追う人と諦めた人
対比が刺さる17巻。
売れっ子同人作家になった海野と燻っている白井。
前半白井から海野への嫉妬が語られる。
白井は本人とその関係性は変わっていないと納得しようとしている。
ただ、絵は上手いが影響力について自覚がない海野を受注生産にするようにアドバイスしたりして、マネジャーや画商等に訂正があるのではと感じた。
後半は八虎の現状について。
ホストの絵が学内で話題になる。
作品と書いた本人の見た目に納得感があり、広く受け入れられたと考えられる。(もちろん読者は八虎が繊細でネチネチした性格であることは知ってるが、見た目は金髪でチャラチャラしてホストやってそうなので)
前半の海野と白井の関係を考えると、ホストの絵がかなりの評価を得ていることに無自覚な八虎と、それを聞いて嫉妬や諦めを感じた森先輩という考察が出来るのはないか。
わざわざ2人で美術館へ行って作家を目指さない事を八虎に伝える、それはある意味敗北宣言なのではないか。
グループ展で森先輩が描く絵が楽しみだ。
Posted by ブクログ
匂いって人間の五感で唯一脳の大脳辺縁系に直接伝達されるんだよ 作家の個人的な話を作品にして見せても良いのか?って思ってた_でもトレスは個人的な経験を作品にしてるからこそ_鑑賞者の個人的な経験も呼び起こしてくれるんだ