あらすじ
第二の試験を終え、三賢者・ベルダルートから語られたキーフリーの過去。
彼が魔法を求めた理由に、自分と母の関係を重ねたココは、一人で「図書の塔」へと向かう。
果たしてそこには自分の探す答えがあるのか。
意識を取り戻し後を追うキーフリーと、魔法使いになったことを悩み始めるココ。
そして、親友を案じるオルーギオの中にも一つの疑惑が。
魔物に守られた知識の塔で、今、師弟・友人の絆が問われる。
魔法が生活に根付いた世界。しかし、魔法は魔法使いとして生まれたものにしか使えないという決まりがありました。
魔法に憧れる少女・ココは、あるとき村に訪れた魔法使い・キーフリーが魔法を使うところを見てしまいます。
魔法の使い方を知ったココは、幼少期に買った絵本に描かれた魔法陣に気が付きます。
絵本に描かれた魔法を試しているうちに、禁術を使ってしまったココ。
禁術によって固まってしまったココの母を助けるため、ココはキーフリーに弟子入りします。
しかし、「知らざる者(ふつうの人)」だったココが魔法を学ぶことは異例中の異例。
姉弟子からの反発、幼少期から魔法を学ぶ子供たちとの経験の差……魔法使いへの道は易しくはありません。
ココは魔法を身に着け、母を救えるのか?ココに絵本を売った「つばあり帽」の陰謀とは?
圧倒的画力で描かれる魔法の世界に、あなたも虜になるはず。
なんといっても魅力的なのは、細部まで描き込まれた背景や魔道具たち。
ファンタジックなときめきがつまっていて、眺めているだけでわくわくします。
心躍る魔法の世界とシビアなストーリーの織りなす、絶望と希望の物語です。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
これまで伏せられてきたキーフリーの過去の一部が彼自身と師・ベルダルートから語られる重要な巻。
かつ、6巻で魔法使いは医療行為を行なってはならない、という禁忌が明かされたが階段川の時にも禁忌を守るが為に救えるはずの人に対して無力である矛盾が描かれていた。
この巻では更に踏み込んだ「禁止魔法でしか救えぬ者はどうしたら救えるか」という問いが描かれる。
不安に押し潰されかけ、自分が何を成すか見失いかけたココの背をキーフリーが押し、ココは「助ける」という選択をする。38話の扉絵、二人共帽子を外しているので魔法の師弟というより普通の兄妹を描いたような穏やかな絵。
キーフリーは師という立場に幸せをすら感じていながら、図書の塔で知ってしまった「新しい禁止魔法」を破壊する道を独り進む。
番外編・オルーギオによるクラッドの花嫁編は息抜き的な位置付けだが、目の前で困っている知らざる者は’救わない’。
銀夜祭編につづく。タータ幼くなった?
1刷
2021.6.20
ココの気持ちの変化も…
キーフリー先生の過去回。
更に謎が深まる点もあったけど、先生がちゃんとココ達の「師匠」で良かったー。
魔法が楽しい、キラキラだけの物では無いと知ったココ。
これから辛い事も多そうだけど、いろんな意味でココが魔法使いのあり方を変えていくんだろうな、と期待と心配が湧いてくるような巻だった。
キーフリー先生の過去…
想像以上に酷い目に遭っていて…そりゃつばあり帽を何があっても見つけ出したいよな…と思ってしまいました。。しかも新しい禁術の実験体だなんて…
左目がどうにか助かる術が見つかってほしいです…
そしてちびキーフリーとオルーギオめっっっちゃ可愛かった…!!尊い……
Posted by ブクログ
「このお話は深いなぁ」って思いました〜
「キーフリー先生は、教育者としての立場として主人公を弟子にしたのか、復讐者に鉄槌を下すための手段としてココを弟子にして利用しているのか?」
という事も気になりますが、一番は…
昔言ってほしかった事を、同じような境遇の子に言ってあげられたキーフリー先生の行動とその考えなんですよね。
「【自分が経験した「嫌な事」】と似たような体験を目の前の人がしているとしたら、私はきちんとした答えを持って答えてあげられるだろうか?
もしかしたら、一緒に悩んでしまって何も答えてあげられないんじゃないか?
どうなんだろうな?」
って思いますもん。
単に復讐心持って行動するだけでは、こんな言葉をかける事なんて出来なさそう。
弟子をほって、自分の目的を最優先させそう。って思います。
親友に対して忘却の魔法をかけたのだって、「巻き込みたくないからじゃないか」って思いますが、さてどうなるんでしょうか?
単行本は読んでから長いのよ〜
早く次巻出で欲しい〜