あらすじ
――首を切られた女が、私を地獄に誘っている――
シリーズ10万部突破!
「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」の著者による、恋と怪奇の新境地!
☆☆☆
死際の翁は生首の絵を描いていたそうだ。
持仏堂を曳いた後、怪異が起こるようになった東按寺。
調査に出た春菜は、無残な死に様の死体が転がる地獄を幻視する。
なぜ怪異は起きたのか。
死期の迫る曳き屋・仙龍は、春菜が幻覚を視ている間、
地獄を描きたい欲求に囚われたことに注目する――。
歪んだ情念を生き血で描いた怨毒草紙、その奥に潜む冥き陰謀とは。
因縁帳、転ず。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
シリーズ第7作品。
厳密には☆4.5かな。
生き血で描いた怨毒草紙、久々に怖かったぁ...
本作では鐘鋳建設の棟梁のみならず、四天王(青鯉、軔、転、茶玉)まで勢揃い。
そして物語の最後には仙龍の姉•珠青が男児を出産(父親は青鯉)し、サニワの力を失います。
春菜は仙龍を救う為、隠温羅流のルーツを調べることを決意し、コーイチは秘かに恋心を抱く春菜とそんな気持ちに気づかないフリをする仙龍の距離を縮めようとする。
そしていつもの民俗学者の小林教授に生臭坊主の雷助和尚ももちろん勢揃い。
う〜ん、盛り沢山すぎです。
でも、しっかり怖いんです。
いやぁ、本作も一気読みでした。
本シリーズの積読はシリーズ第8作となる「畏修羅」のみ。
シリーズ最新作はまだ購入していませんが、第9作となる「蠱峯神」もきっと近いうちに購入します。
隠温羅流の因、仙龍と春菜の恋の行方も気になりますが、きっと徐々にシリーズラストに近づいて来たんだと実感する一冊で、それを考えると寂しさを感じます。
説明
内容紹介
――首を切られた女が、私を地獄に誘っている――
シリーズ10万部突破!
「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」の著者による、恋と怪奇の新境地!
☆☆☆
死際の翁は生首の絵を描いていたそうだ。
持仏堂を曳いた後、怪異が起こるようになった東按寺。
調査に出た春菜は、無残な死に様の死体が転がる地獄を幻視する。
なぜ怪異は起きたのか。
死期の迫る曳き屋・仙龍は、春菜が幻覚を視ている間、
地獄を描きたい欲求に囚われたことに注目する――。
歪んだ情念を生き血で描いた怨毒草紙、その奥に潜む冥き陰謀とは。
因縁帳、転ず。
内容(「BOOK」データベースより)
死際の翁は生首の絵を描いていたそうだ。持仏堂を曳いた後、怪異が起こるようになった東按寺。調査に出た春菜は、無残な死に様の死体が転がる地獄を幻視する。なぜ怪異は起きたのか。死期の迫る曳き屋・仙龍は、春菜が幻覚を視ている間、地獄を描きたい欲求に囚われたことに注目する―。歪んだ情念を生き血で描いた怨毒草紙、その奥に潜む冥き陰謀とは。因縁帳、転ず。
著者について
内藤 了
長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー.。同作からはじまる「猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子」シリーズは、猟奇的な殺人事件に挑む親しみやすい女刑事の造形がホラー小説ファン以外にも支持を集めヒット作となり、2016年にテレビドラマ化。近著に『PUZZLE 東京駅おもてうら交番・堀北恵平』(角川ホラー文庫)、『スマイル・ハンター 憑依作家 雨宮縁』(祥伝社文庫)がある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
内藤/了
長野市出身。長野県立長野西高等学校卒。デザイン事務所経営。2014年に『ON』で日本ホラー小説大賞読者賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Posted by ブクログ
相変わらず、よく調べてますね。
物語も終わりに近づいてきているようで。
人は怖い、でも哀しい。
因縁に惑わされる、巻き込まれるのも嫌だなぁとも思いましたけど
Posted by ブクログ
江戸時代の後暗さ漂う錦絵文化。
実際に処刑された人血で書かれたモノもあるのでしょうね……
分かってはいたけれど、コーイチの見守る恋が切ない!
コーイチの想いも含めて、春菜が幸せな縁を結べると良いのに。
神は鬼であり、鬼は神であり、人は鬼になる。
さてさて、鬼の因縁がどう廻るのか楽しみです!
Posted by ブクログ
怨毒草紙というテーマだからだろうか、グロい描写が多め。
本文中にも触れられているが、エロとグロの融合なのでサディストの素養がないとつらいかもしれないと思った。
これまでは同情するような悲しみを含んだ話が多かったが、本作は"吐き気を催す"ような悪が登場する。前作でも敵は悪魔であったので、「シリーズの終盤に向けて"悪意"との戦いが展開していくのだろうか?」と思いながら読み進めた。
前作は"悪"とはいえ超自然の存在が敵であったが、今作は人間、それも情状の余地のない悪意を持つ人間であったことで前作との違いがある。
物語が始まった直後は様々な姿を持つ謎の敵であり、問題を起こしていると思われる建物には異常は無く、しかし、怪異が起きる際には空間を支配し明瞭に物理的に干渉してくる(しかも無作為ではない感じがする)。 と、前作と似たような強い脅威の印象を受けるも、祓うべき対象が見えない不気味さがあった。
物語が進展していくと怪異が様々な姿を見せる理由がわかり、敵が純粋な悪(少なくとも快楽のために罪のない他者に強い苦痛を味わわせる悪意の塊ではある)とも言える存在であることもわかる。
今回も「塚を移せるのか?お堂(仏像)を元に戻すしかないんじゃないか?」と思わせ、対処のしようがない感じに見えたが、怨毒草紙とそれを描いた血の筆とを祓うことで解決した。
また、同情できる部分がないと思っていた人喰いウンソウも鬼(?)に心身を操られ苦渋の自害だったことがわかり同情できる部分もあって、最後は丸く収まった。
珠青が出産(妊娠でだったか?)してサニワを失い、短期的にもその能力に頼ることができなくなる一方、春菜のサニワとしての能力は明確になっているように描かれている。
隠温羅流の秘密やはじまりに迫っていく動きもあり、作品全体の終盤へも向かっていく。
Posted by ブクログ
怪異自体はそんなに怖くないのだけど、元となった事は恐ろしい。
人の血で書いた怨毒草子って!
残忍過ぎて読んでるだけでも目を背け、震えるほどだった。
今回は四天王もでるし、ようやく春菜が仙龍に自分の気持ちを伝え、新たな展開を迎え物語の終わりに向かう巻だった。
コーイチいい仕事するなぁ。
Posted by ブクログ
2020/9/29
好きなシリーズだけど今回は薄口。
二人が気持ちを確かめ合ったのだけどなぜか薄口。
仙龍何歳なんだろう。
春菜の「舐めないで」はよかったね。
心配する男の人がセクシーで好きなのが後ろめたいのだけど、やっぱり心配する仙龍を見るといいなぁと思ってしまいました。
加減としてはもうちょっとデレて欲しいんだけど。
次回も楽しみにしてます。
Posted by ブクログ
何よりも楽しみにしているシリーズなのですけれど、刊行を待つ間に期待値が上がりすぎてしまいました。地面から首だけ出して生きたまま鋸でギコギコされる描写があまりに恐ろしくて苦笑い。その割には前作までと比べると凄絶さ控えめなクライマックス。個人的には物足りない。
でも、これほど真剣な生臭坊主をもしかすると初めて見た気がしますし、やはりいろいろと面白い。「ほぼほぼ」という言葉がどうにも苦手な私は、「繰り返すほど本気度が下がるというもの」という和尚の言葉にも大きくうなずきました。
血みどろ絵の展覧会は絶対当たるっしょ。ぜひ企画をモノにしてください。