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Posted by ブクログ
アニメ化・映画化を目前に控えて、一足早く完結を迎えた名作女子サッカー漫画の14巻目である。
ゲーゲンプレッシング戦術を軸に選手権大会の埼玉予選を勝ち上がったワラビーズは、決勝リーグを戦い、ついに浦和邦成へのリベンジの舞台へ立つ――というところで、物語はクローズ。
綺麗に収まりを付けて終わらせた印象である。ちょっと呆気なくもあるが。
サッカー的展開を3試合分挟みながら、しかし描かれたものはこの物語の中核と言うべきもの。
サッカーを楽しむこと。
そこにいる一人ひとりが舞台の主役であること。
その中で、時折万人が目を剥くようなプレーが生まれてくること。
フットボールの試合に敗者は居ないこと。
サッカーの本質と言うべきものを、マニアックなネタと戦術的描写も挟みながら描いているのはさすがだろう。
相変わらずピクシーやエイリアン(メッシの異名ですかね)、ファルソヌエベ、あるいは旋回戦術など、内容は非常にマニアックな印象もあるけれど。
今少し続いてほしかった感もあるが、リベンジの舞台にたどり着いたところで終わるのもまた、青春劇としては正しい終わり方なのだろう。
ここで勝負がついても、また次に巡り合う機会もある。フットボールでつながっていれば。
そんな余韻を噛みしめつつ、星五つで評価したい。
シリーズを通しても同様の評価であり、楽しいフットボールの時間を過ごさせていただいた。
良い読書の時間を頂けて、本当にありがとうございました。