あらすじ
江戸の味を知り尽くした、あの人気料理人も驚愕の面白さ。「料理は無限である。読む程に空想の味を再現したくなった」―つきぢ田村三代 田村隆。僧侶となって正体を隠す伝説の大悪党・河内山宗俊に強引に連れて来られた超高級料亭・百川。そこで魚之進は兄が遺言に残した「この世のものとは思えないほどおいしいもの」―ケイクをついに口にする。ケイクを作らせた主は誰なのか? "美味の傍にいる悪"は、もうすぐそこにいる!?
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不思議な物語の進展
魚之進が怪しいと思っていた河内山宗俊と中野石翁は見当違いであった。この両者は江戸時代後期の歴史上の人であり、悪を働いた人物かもしれないが、江戸の町民、庶民たちからは人気があった。
シリーズ物の物語で、物語がいかようにも発展していくのだが、結局は彼らは魚之進の兄、波之進を殺した下手人ではなかった。
下手人とおぼしき人は、どうやら水戸藩が絡んでいるようだが・・・
こと、抜け荷が罪の話になって、果たして最後は本当に徳川御三家の水戸藩内に下手人がいるのかと疑いを残しながら、読む楽しみがある。