【感想・ネタバレ】卑弥呼 -真説・邪馬台国伝- 19のレビュー

あらすじ

弥生時代と三国志の時代に接点あり!?

巨大地震発生直前、
ヤノハの生き別れの息子ニニギは、
愛犬の奇妙な振舞から惨事を予見――
大勢の民を救った。
鞠智彦はニニギを、ヤノハに代わる新祭祀王に据えるべく、
神に選ばれし者以外、生きては出られぬ迷路・トンカラリンに送り込む!
その頃、ヤノハは、魏への道を阻む遼東半島の支配者・公孫淵を
滅ぼそうと権謀術数を駆使――
三国志の時代、東の果ての女王は、どこまでやれるのか!?

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今回は良かった

今一つ煮え切らないストーリーが続いていたが、今回は大きく動き始めた巻。

実際、史実として残っている魏志倭人伝には、景初二年(238年)六月、卑弥呼が帯方郡に大夫の難升米と次使の都市牛利を遣わし、太守の劉夏に皇帝への拝謁を願い出たとある。
難升米とは本巻でも出てきたが「難斗米(なとめ)」とも書き、トメ将軍のこと。
都市牛利(つしごり)は牛利とも書き、ゴリのこと。
役者が揃ってきた感が気分を盛り上げる。

なお、卑弥呼の死は正始年間、中でも正始八年(247年)が有力で、本巻の9年後となる。
この9年間はニニギが力をつけ、卑弥呼(ヤノハ)の前に現れるのに十分な時間。
魏志倭人伝でも、狗奴国に狗古智卑狗という有力者と、卑弥弓呼という男王が存在し、247年に卑弥呼と戦争になるとある。
そして同年、卑弥呼の死。
狗奴国は暈、狗古智卑狗は鞠智彦、卑弥弓呼は日見彦=ニニギだろう。
ドラマチックな展開が期待できそう。

ただ、今までもちょこちょこあった時代考証の甘さはやはり今回も気になった。
146Pのトメ将軍が馬に乗っているシーン、明らかに「鐙(あぶみ)」が描かれているが、この時代はまだ存在していなかったはず。
正確には、現在確実なのは三国志に出てくる呉の将軍丁奉の墓に埋葬品として記録されているのが最古のもので、彼の死は271年。
その少し前からあった可能性はあるが、本巻の舞台である238年に、しかも朝鮮半島の南の果ての島にまで伝わっていたとは考えづらい。

ストーリーの大半は創作にならざるを得ないのは重々承知しているが、だからこそ可能な範囲の時代考証はしっかりして欲しいところ。



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2025年11月10日

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