感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
室町パンデミック。しかも病は複数で、衛生面は21世紀に遠く及ばず。家族を病に奪われ将軍家も病に倒れ、都に足止めを食らう中、待ったなしで進む政争劇の渦中に果敢に飛び込む新九郎。
今回、様々な事件を経た上に、7巻だけで1年半以上の時間が経過しているので、最終頁の新九郎が最初の頁と比べてかなり大人になっています。大人の駆け引きあり、アクションありと、物語はより一層面白くなってきているのですが、登場人物の名前と関係が相変わらず覚えきれないのが難です。
災禍は巡るのか。
今ここでこれを描かれるのは偶然か必然か。とにかく本作のキョウの都は病いだらけ。
日本を揺るがせた三代疫病がここに揃い踏み、蔓延しまさに塵芥のように人が朽ち捨てられていく。
将軍が病には打ち勝てぬと最初から諦観しているのも却って当世の姿勢としては潔いように思うしそれを認めない日野富子も当然の力強い足掻きだと思う。
兎に角全員が全員突き崩れていく人々を見ながらも病を乗り越えた次を見ようとしていて力強い巻。