【感想・ネタバレ】マイナス・ゼロ(広瀬正小説全集1)のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

多くの読友さんからの推薦本、その理由が分かります、壮絶な内容でした!最後に真相が明らかになる、どんでん返し。まさかの真相にそんなことあるんだ!と驚嘆。読み終えた瞬間は「まじかっ!こりゃ大変だ」、少し時間を置いたら「本当に、良かった!」となる。そもそもの間違いは、俊夫さん、なぜに啓子を連れて行かなかったんだ!ということに尽きる。昭和レトロの雰囲気が鮮明で、浅田次郎「メトロに乗って」、宮部みゆき「蒲生邸事件」とともに、昭和の香りが伝わった。只、警察官はどうなったのかな?彼の幸せを願わずにはいられない。

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2020年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昭和初期の東京を舞台にしたSF小説。‬

‪戦前の庶民の暮らしや価値観の描写が生き生きと魅力的だった。貴重な資料を読んでいるような気分になる。‬自分もタイムトラベルしたようだ。
‪丁寧に文字を追っていたが、後半の畳み掛けは食い入るように読んだ。タイムトラベル小説の金字塔とされる理由が分かる。‬
はじめは元の時代に戻ることだけを考えていた主人公が、今現在の自分の役割に気付いていくところは胸が熱くなった。自分にご馳走をするところなんかは特に。

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2020年06月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鮮やかだ。ジグソーパズルのピースが一枚一枚あわさっていって、そして最後の一枚がパチリと音を立ててはまる瞬間の、あの鮮かさだ。ラストが近付くにつれて震えが止まらなくなり、読み終わったときにはしばし茫然とした。

タイム・マシンに憑りつかれ、夭折した広瀬正の代表作。全体を貫くテーマは、「存在の環のパラドクス」だが、アイデア一発ではなく、的確な肉付けによって血が通い、活き活きと躍動する一遍の小説に仕上がっている。とくに戦後間もない銀座の描写は、解説の星新一ならずとも、感銘を受けるところだろう。そして、ずっと暗示されていた大きな環(ネタバレするので、詳細略)の存在が示されたとき、すべてのピースがおさまるべき場所におさまり、一枚の、しかし無限に続く絵が浮かび上がる。小さな環(ライター)が好対照を成しているのも素晴しい。

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2021年06月26日

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ネタバレ

連載当時は1965年と、半世紀以上前の作品ながら、今も色褪せないプロットに感服する。
そしてその高い構成力のみならず、戦前・戦後の昭和の風俗を生き生きと描き出している文章も味わい深い。
藤子・F・不二雄氏の作品群に通じる着想も感じられる。
主人公本人にとっては、人生において相当のウェイトを占めたであろう、兵隊時代の十数年が作中で軽やかにすっ飛ばされているところもまた、主題をぼかさないための大胆な手法として奏功。

例えば伊沢先生の出自なんかが置き去りにされて気になったり、完全に閉じられた環の中にいる美子=啓子が発生した端緒は一体…? など考え出すと混乱が深まったりはするが、この時代特有の空気感を帯びつつ、タイムトラベルものとしての特徴を活かしたミステリーとしても、充分読み応えがあった。
また、解説が星新一氏ということからも、いわゆる玄人受けも良かったことが分かる。

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2020年11月21日

Posted by ブクログ

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from backspace.fm

マイナス31が長すぎて、だいぶダレてしまった。。けど、終わりの伏線回収とオチはさすがでした。礼子さん悲しみ。昭和初期のノスタルジーに浸りたい方にはおすすめですが、個人的にはあんまし興味なかったかな。
あと、やたらとH. G. ウェルズの「タイムマシン」が引用されるので読みたくなってしまった。

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2020年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本の当時の風景が思い浮かびます。
登場人物がタイムトラベル への理解が早く感じましたけど、まどろっこしいのよりいいかもしれません。読者はタイムトラベル してることを知ってますからね。
様々な登場人物が紡ぐ時間の輪のストーリー。

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2020年06月10日

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