【感想・ネタバレ】成長神話という煩悩からいかにして金融は解脱すべきかのレビュー

あらすじ

金融業界でフロントランナーとして活躍したトップアナリスト*が、仏教の世界観から提言する、持続可能な経済・社会のかたちとは。

*11年連続日経アナリストランキング第1位、10年連続Institutional Investor誌1位(それぞれ銀行部門)

現在のライフスタイルを維持するには、2030年には「地球が2個必要」であるという事実から、目をそむけてはいけない!
「経済成長は正義」という価値観は、目に見えて終わりを迎えているのだ。
かつてドイツの経済学者シューマッハーは「仏教経済学」を提唱し、『スモール イズ ビューティフル』をベストセラーにした。
同様に本書は、仏教の考え方を金融に活かし、経済を破壊した金融に、経済を正しく導く役割を担わせる。
「欲しがる」行動をやめようとしない経済を、「正しく生きる」美徳界に解脱させることで、持続可能な世界のかたちを考える。

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Posted by ブクログ

現在の経済の問題点として「格差の問題」、「地球環境の問題」を挙げ、経済成長前提の経済には無理があると指摘し、これからの経済は「仏教経済学」や「定常経済」の考え方を取り入れるべきだと主張する。そして、金融の観点から議論を深め、新しい金融のかたちとして「仏教ファイナンス」を提言している。
経済や金融の仕組み、仏教経済学とはどういうものかという解説は非常にわかりやすく、現在の経済についての認識や、持続可能性を重視した経済に移行すべきという考え方には共感した。ただ、大風呂敷を広げた割には、具体的な提言は、どちらかというとシャビーなものが多く、結局、精神論的な議論から抜け出せていないような気がした。
金融には、経済を「規律付け」する力があるという指摘は参考になった。

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2017年04月01日

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