あらすじ
京都発!大人気美味しいミステリー第10弾。
「鴨川はんには申しわけないんやが立ち退いて欲しいんや」。
京都・東本願寺近くにひっそりと佇む食堂で、依頼人の“もう一度食べたい”を叶えてきた鴨川流・こいし親娘。
ある日、食堂の大家が店を訪れ、一帯の再開発にともない建物を明け渡して欲しいと流に告げる。移転か店じまいか、戸惑いながらも話し合いを始める流とこいし。
そして世代交代も考え始めた流は、こいしに亡くなった妻・掬子との思い出の味を探してほしいと依頼し――。
第一話 紅白餅……流の探しもの
第二話 ボルシチ……最後の答え合わせ
第三話 カレーうどん……店の命運
心もお腹も温まる、美味しいミステリー、第10弾。
鴨川親娘が実在の名店を巡る番外編、「鴨川食堂おでかけ」も収録!
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Posted by ブクログ
シリーズ第10弾にして、突然の立ち退き話。
どうしてこの展開に?
スマホの地図で見てみると、鴨川食堂はこの辺りかなーという界隈には、確かに宿泊施設がたくさんできている。
仏具店などが並ぶ通りの、しもた屋風の建物・・・という描写がそぐわない景色の街並みになってきたのかもしれない。
というか、持ち家だと思っていたら、店舗付き住宅の賃貸だったんですね。
シリーズが終わってしまうのかと一瞬思ったけれど、そうでもなさそう。
郊外の方に移ることになったので、生活の描写なんかも変わりそうですね。
移転のバタバタで、飛び込みのお客さんの依頼は無し。
身内の食探しが3件。
第一話「紅白餅」は、流の依頼で、こいしが母・掬子(きくこ)の秘密を探る。
自分だったら、そのままにしておく。家族から誤解を受けるようなことはしないと、こいしはハッキリ言う。
さて、こいしはこういう考え方なのだ。
私は第三話へのつながりが気になる。
第二話「ボルシチ」は、常連さん、来栖妙(くるす たえ)の依頼。いい話でした。
これからはご近所さん。
第三話「カレーうどん」は、なんと一巻からちらほら名前は出ていた、福村浩(ふくむら ひろし)の依頼。
こいしと付き合っているらしいということは分かっていたが、途中から影が薄くなった。
・・・と思ったら、故郷に帰れないそんな理由が・・・
この話を、私はどう読んだらいいのか分からなくて困った。
けじめをつけない罪な男ではありませんか。
こいしは、どう思っているのだろう?
流さんは浩を責めることはしない。
流さんがいいと思っているなら良いのかな?
時効・・・ですか?
確かに、もう待たなくてもいいかと思い始めたらしき人に、こっちで食堂やることになりました、みたいなことを報告するのもな・・・新たな紛争の種だ。
食の探偵が3件だけの代わりに、お父ちゃん、こいしそれぞれの、おひとりさま食べ歩きの話が載っている。
実在のお店の紹介だけれど、二人のいつもの口調で語られるとガイド本っぽさはなく、紛れもなく小説である。
特に、流さんと掬子さんの、生涯でただ一度の贅沢、『豪華客船のハンバーガー』は、しんみりしました。
Posted by ブクログ
鴨川食堂が引っ越しなん!から始まった今作。
依頼者が鴨川流に常連の妙さんや浩さんと
今までになかった展開で面白かった。
今まであまり出てこなかった掬子さんや脇役
だと思っていた妙さんや浩さんの意外な話や
鴨川親子の今後の話なんかも面白かった。
突然の話の展開に驚いたけど今後は鴨川食堂が
リスタートするのかあらたな物語として
シリーズ化していくかわからないけど
続編が出るとなったら浩さんが加わった
ことにより今までとはかなり違う話に
なることは間違いないですよね。それはそれで
楽しみだけど、どうなるんやろ?
番外編の「鴨川食堂おでかけ」は舞台が
京都なだけに関西圏のお店も多く私でも
行けそうなお店が何店かあったので
ちょっと行ってみようかと思いました。