あらすじ
ドラマ化もされた大人気シリーズ第8弾!
京都にある、しもた屋。そこは「思い出の味」を求めて訪れる人々に料理を振る舞う食堂だった。
料理人である鴨川流と娘のこいしが、思い悩む依頼人にそっと寄り添い、あたたかい料理で迎えます。
第一話 鰻丼……息子に先立たれた父
第二話 いなり寿司……待ち人は来ず
第三話 ピザ……生涯貫いた嘘
第四話 焼きうどん……山メシ、谷メシ
第五話 タマゴサンド……まわり道して今がある
第六話 豆腐飯……愛情に包まれた原点
流とこいしによる、おいしさも温もりもいっぱい詰まった料理をたんと召し上がれ!
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Posted by ブクログ
ドラマ化もしやすいようにと考えられた、お馴染みの展開。
パターンが決まっているので飽きるっちゃ飽きるけど、定番だと思うと安心感があるし、面白い。
どのお話も、ほっこりするなあ。
Posted by ブクログ
鴨川流(かもがわ ながれ)と娘のこいしのシリーズ、第8弾。
もうそんなになる、驚きです。
今回の「ごちそう」に込められた意味とは?
鴨川食堂・探偵事務所に依頼人たちが持ってくる「食さがし」は、どれももう、自分では探しようのないほど時間が経ってしまっているものが多い。
その長い時間の間、依頼人の頭の片隅に、あるいは奥底に埋もれるようにして、思い続けてきた物なのだろう。
その間にも生活はあり人生はあり、思いは変化し、あるいは熟していく。
それがどうにも抱えきれなくなった時に、鴨川探偵事務所にめぐりあうのだろう。
それは、今こそ知るべき時を迎えた、ということなのかもしれない。
たとえば、第一話。ずっと食べずに捨てていた鰻。
最初の時に開けていたら和解していただろうか?
第二話のいなり寿司も、すぐに理由を知ったところで親の心をありがたいと思う気持ちになっただろうか?
なかなか難しいと思う。
物事には満ちる時期というものがあるのだろう。
長く読んできて初めて気が付いて・・・お恥ずかしいのだが、お客に話を聞いて、だいたい結果を知らせて再来店してもらうのが二週間後である。
二週間といえば、二十四節気の一区切り。
毎回、「二週間も経てば」と、季節の移り変わりが描かれていたのに、当たり前のこと、とさして気にも留めずに読んでいた。
「季節が次の節気に移る」ということは、依頼人の心に訪れる変化、人生が一歩進む、という暗示もまた、表しているのだろうと思う。
季節はどんどん進んでいく。
やりきれない話、まだ間に合う話、しみじみ偲ぶ話・・・いつもバランス良く。
一件落着して依頼人が帰った後、親娘が掬子さんの仏壇の前で会話し、掬子さんに話しかける場面がしみじみ温かく、仲の良い家族だなと思う。
第一話 鰻丼
第二話 いなり寿司
第三話 ピザ
第四話 焼きうどん
第五話 タマゴサンド
第六話 豆腐飯
Posted by ブクログ
今回はいつもよりイレギュラーな感じだった。例えば流さんが最後まで帰って来ず食事は依頼飯と一緒のディナーとか、食が見つからず当時のガイドブックで作るとか、おまかせ料理を容赦なくぶった斬って鱧のフルコース作らせる客とか。だからなのか新鮮でいつもの感じなのに新しさがあってより楽しめました。
う~~ん
今回の話は、悲しくて、少し不思議な感じだった。全体に、コロナの影が、色濃く影響しているのも、暗く感じる理由かとも思うけれど、次は、明るい話が良いなぁ。
Posted by ブクログ
シリーズ8作目にもなると話の展開も
マンネリ化してしまうかと思っていたら
いつもいる流がいなかったり、最近出て
こなかった妙さんがあんなことに
なっていたり・・・そして時事ネタも
入っているのでちょっと現実味も増し、
もしかしたら京都に行ったら「鴨川食堂」
あるんかも!いやっ!あったらいいなと・・・
話は息子の本当の気持ちがわかる鰻丼の話や
表立って祝ってやれなかった母の気持ちが
わかるいなり寿司の話。流がそういった事も
するんだとちょっと以外に思ったピザの話。
谷めしという初めて聞いた言葉に、あぁ~
そういう発想もいいなと思った焼うどんの話。
自分は嫌な思い出だったとしても妹の視点と
なるとまったく違っていた素敵な姉妹の
豆腐飯の話。どれも本当にほっこりと
いい話でこの時期に読んだので余計に沁みた。