あらすじ
伊藤計劃が2009年にこの世を去ってから早くも6年。彼が『虐殺器官』『ハーモニー』などで残した鮮烈なヴィジョンは、いまや数多くの作家によって継承・凌駕されようとしている。伊藤計劃と同世代の長谷敏司、藤井太洋から、まさにその影響を受けた20代の新鋭たる柴田勝家、吉上亮まで、8作家による超巨大書き下ろしアンソロジー
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Posted by ブクログ
意図的な選択肢を提示し、それを人が受け入れるようになると、選択肢を提示している人は、人を操れるようになりますが、操られている人はそうであることを認識しませんという話が載っている。たとえ、あやつっていたのが人でなかったとしても。
ノット・ワンダフル・ワールズ
Posted by ブクログ
目次
・公正的戦闘規範 藤井太洋
・仮想(おもかげ)の在処 伏見完
・南十字星 柴田勝家
・未明の晩餐 吉上亮
・にんげんのくに Le Milieu Humain 仁木稔
・ノット・ワンダフル・ワールズ 王城夕紀
・フランケンシュタイン三原則、あるいは屍者の簒奪 伴名練
・怠惰の大罪 長谷敏司
どの作品も伊藤計劃の気配を漂わせているけれど、特に濃厚なのは王城夕紀の作品(ハーモニーの世界観)と、伴名練の作品(屍者の帝国の世界観)。
この2作品は好きだなあ。
特に伴名練作品のナイチンゲールは夢に出てきそうなくらい恐ろしい。
単純な幸福はない。
幸福に正解はない。
けれどどの作品も屈託がありすぎて、胸が苦しくなる。
本の分厚さもあって、心身ともに体力を必要とする読書でした。
Posted by ブクログ
伊藤計劃をテーマに、影響を受けた作家たちが集まったアンソロジー作品。
伊藤計劃の作品、虐殺器官、ハーモニー、メタルギアソリッド、屍者の帝国とどこかで繋がるようなとても面白い素晴らしい作品が集まった。
テクノロジーが人間をどう変えていくかを追求しているらしいが、あまりそこにこだわることなく、伊藤計劃が内包しようとした世界観にワクワクしつつ集まった新しい作家たちの物語を楽しむだけで良い作品だと思う。
個人的に「未明の晩餐」が秀逸で、テクノロジーと人間との関わりはもちろん、退廃した未来の東京を描くSFらしさ、その世界観における人間模様、食の話を中心にし、その全てが綺麗にまとめられている。
でもハッキリ言えば全てが面白い絶対読むべき作品だ。