あらすじ
エトロフ島は好漁場であったが、すさまじい潮流が行く手を妨げ、未開のままだった。しかし幕府は北辺の防備を固めるため、ここに航路を確立する必要を痛感して、この重要で困難な仕事を嘉兵衛に委ねた。彼の成功は、蝦夷人にも幕府にも大きな利益をもたらすであろう。が、すでにロシアがすぐとなりのウルップ島まで来ていた。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
ロシアの南下に備えた、幕府による松前藩からの東蝦夷租借と、高田屋嘉兵衛による択捉への航路開拓と開発の開始。小説であるけれども、司馬遼太郎お得意の欧米とアジア(中国的冊封体制による緩やかな支配)の領土感の違い等々の考察が面白い。
Posted by ブクログ
歴史背景紹介が少々多めとなっています。
なので嘉兵衛の生きざまを追いかけたい人にとっては
少々退屈に感じてしまうかもしれません。
もっとも個人的な意見ですが
ある程度解説が入ってくれた方が
助かる身でもありますので
程よい一休みという具合に楽しめました。
ついぞ嘉兵衛はいわゆる幕府にかかわることになります。
それは嘉兵衛が従来関わってきた
商売とは勝手が違うものとなることを
意味してきます。
本来は深入りするつもりはなかったのでしょうが
彼にはあくなきほどの好奇心と情熱があります。
抗うことはできなかったのではないでしょうか。
ついぞ北へと本格的に舵を切っていく嘉兵衛
これからどう繁栄させていくのかしら。
Posted by ブクログ
高校時代の歴史の教科書を引っ張り出して調べたところ、ゴローウニン事件の説明として以下のようにあった。
1811年、国後島に上陸したロシア軍艦の艦長ゴローウニンが、日本の警備兵に捉えられて箱館・松前に監禁された。ロシア側は翌年、択捉航路を開拓した淡路の商人高田屋嘉兵衛を抑留した。嘉兵衛は1813年に送還され、その尽力でゴローウニンは釈放され、事件は解決をみた。
何とも無駄のない文章…昔コレ読んで何でこの人商人やのにこんな最果ての地でウロウロしてたのかすっごい気になってたけど背景を知ったら納得する。上記の説明を読んで、ますますこの話の続きを読みたいと思った。