あらすじ
蔵にある“いわくつき”の着物の管理を、亡き祖母から引き継いだ高校生の鹿乃。ある日、祖母が懇意にしていた骨董店の店主から、祖母が、祖父に宛てて書いたという恋文を渡されて…? 一方、鹿乃の兄・良鷹は、野々宮の別邸にこの時期だけ現れる、風鈴草の着物を着た女性について調べていたが……。京都、下鴨が舞台。古い物に宿る想いをひもとく、温かな人情譚。好評シリーズ第3弾!!
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Posted by ブクログ
恋文?と思ったら安定のツンデレおふじさんで安心(笑)
美人で有名だったとかの彼女に似ているんだから、かなりの美少女のはずの鹿乃ちゃんに自覚がないのは、祖母とこの兄とこの慧ちゃんに育てられたからだと思われます。浮世離れし過ぎているのが巻を追うごとにはっきりしてくるという。
今回は、初めて自分だけで(友達は巻き込んだけど)蔵の着物を解決した鹿乃ちゃんと、自分の過去と向き合ってきた慧ちゃんと、実はセンチメンタリストだった良隆それぞれのお話ですね。それも、どれも、今までの平穏から壊れつつある。
今のままではいられない、という緊張感を感じます。
真帆ちゃん、ごめんだけど、良隆お兄ちゃん頼むよ。(笑)
Posted by ブクログ
下鴨アンティークの3作目。
薔薇の君とでもいうべき、薔薇を育てている春野は鹿乃に好意をもっているのだと思うが、
距離の詰め方がちょっと気持ち悪くて鹿乃に嫌われてしまう。
悪役決定か?
副題の「祖母の恋文」は、祖母芙二子の最初で最後の恋文の話。
祖父が酔っ払って芸妓から手紙を受け取って帰ってきたのを誤解して怒ったので。
祖父に恋文を書いてほしいといわれて書いていた。
といっても、全く恋文っぽくないお怒りの手紙、だったが。
いつもクールというか怠け者全開の兄良鷹が、
毎年お盆を過ぎて蹴上の別邸に行くとあったので、
何かあるのだろうなとは思っていたし、
この世の者ではない美しくさみしげな女性が現れるとはいかにもと思ったが、
まさか彼女の手紙を発見し、駆け落ち相手の遺体を掘り起すことになるとは、
予想だにしていなかった。
CSIかボーンズか。
慧の父が登場したので、次回は慧の過去の話になる?
Posted by ブクログ
梨々子メインの金魚の話。
梨々子の母親、なかなか酷い。。。
私だったら絶対もっと反発するわ。
(金魚が空を飛ぶ頃に)
表題作は、おばあちゃんの話。
相変わらずのツンデレぶりだが、あの芸妓も狙ってたねえ、あれは。
(祖母の恋文)
春野さん、ちょっと恐くなってきた。
鹿乃を好きになった?
(山滴る)
良鷹目線の話は、入れ替わりとか殺人・死体遺棄とか、一番ミステリーっぽい。
今回の話は猟奇的な旦那に嬲り殺された奥様、とその愛人。
(真夜中のカンパニュラ)
Posted by ブクログ
蔵の着物を巡る物語、第3弾。
タイトルにもなっている「祖母の恋文」は、おふじさんの若い頃、どこか微笑ましいものだった。
慧が鹿乃が大人になってゆくことに動揺しているのが、良鷹同様少し面白い。
いつまでも女の子は「女の子」ではないんやぞ、と思う。
春野の出方がわからなくてそれもまた面白いけれど、鹿乃はブレないんだろうなぁとも思う。
着物を巡る謎については、金魚の話はどこかくすぐったくて、でも満寿さんに伝えたくなるような、でも伝えてはいけないこともわかる結末だった。
時代というのはやり切れないものを多く含むな、と。
カンパニュラの件も同様に。
でも、良鷹が見つけてくれたことで救われたものはきっとあったと信じたい。
Posted by ブクログ
妹より譲受本。
シリーズ2、3作目をまとめてもらっていたけれど
間違えて2作目を飛ばして3作目を先に読んでしまった(^^;)
おばあさんの残した古い着物が巻き起こす、不思議な現象は
1作目読んだときはなかなかついていけなかったけれど
慣れてきて、楽しみになりました。
おばあさまのツンデレ感がすごい。
グータラなお兄さんが、いつもと違う一面が。
(京都に滞在中に読み、下鴨神社にも行ってきました!)
Posted by ブクログ
シリーズ3作目。安定の面白さ。
古い着物が巻き起こす奇怪な現象は完全にファンタジーなのに、その一つ一つの事件が抒情的で物悲しく美しい。
祖父母の若かりし頃の恋愛話は相変わらず素敵です。ツンデレ祖母が可愛い。
慧の心情に変化が出てきたり、良鷹の切ない初恋(?)や春野の不思議っぷり。今回は主要男性キャラたちに動きがあってとてもよかった。
鹿乃の恋愛観も謙虚で良いですね。
次巻も楽しみです。
Posted by ブクログ
金魚の着物
人の気持ちは変わる
おばあちゃんからおじいちゃんへの恋文はほっこりした。嫉妬罪深い。けど愛感じる。
従兄弟同士で恋人を争ってた話。戦争とかで2人とも帰ってこないという可哀想な話だったけれど。着物では2人仲良く。
鹿乃の兄、良鷹がメインの話。これはもう真帆さん良鷹が好きなのでは…?
風鈴草の着物を着た女性の悲しい過去に泣けた。
Posted by ブクログ
秘められた想いを解き放て。
京都が舞台の着物(とアンティーク色々)のファンタジー。様々な恋愛が描かれている。
「金魚が空を飛ぶ頃に」鹿乃の友人・梨々子の祖父は、商店街の喫茶店<オー・ルヴォアール>のマスター・満寿。今回は彼に関わる着物の話。そして梨々子の話も。関西で金魚といえば大和郡山ですよね。
「祖母の恋文」鹿乃の祖母・芙二子が健次郎に宛てた恋文について、そのきっかけとなった帯はどのように解決するのか。芙二子と健次郎のやり取りも楽しい。そして、ちょっとやきもちを妬く慧。
「山滴る」謎の大学生・春野が持ち込んだ謎が、思いもよらぬ出会いを呼ぶ。田村先生の正体は、まだここではにおわせるだけ。
「真夜中のカンパニュラ」登場人物は良鷹と真帆。良鷹が夏を過ごす別邸の謎。事件の真相は哀しいけれど、この二人の関係も気になるところ。
巻末にCobalt掲載時のイラストが載っていて思い出しましたが、鹿乃と良鷹は色素が薄いんだな、と。和風顔のイメージがどうしても抜けない。
Posted by ブクログ
下鴨アンティークシリーズ第3弾。
毎回表紙がかわいい。
こんな柄の文房具が欲しい。
今回のテーマは「手紙(文)」かな。
タイトルの小話は、ファンタジー要素は薄めだけど、ツンデレお嬢もとい若かりし頃の祖母の手紙。
昔の自分だったら素直じゃないなぁ、反応に困るなぁと感じただろうけど、大人になると、これくらいのわがままはキュンの元なんですが!
他に、もう一人の鹿乃の友人、梨々子の祖父と金魚の着物のお話
梨々子の葛藤もちょっとわかる。
てっきりラノベっぽい天真爛漫な子かと思ってたけど、なんというか、普通の子だった。
気の強い母に、仲いい友達やお世話になった祖父の事を悪く言われてムッとしたり、でも表面上ハイハイって聞いとかないと家庭内が荒れて面倒なことになるから、おとなしくしておかなきゃとか。
家族でも、反りが合わないってあるけど、自立してない状態で家族と喧嘩するのってエネルギー使うよね。
このやりとりで、普通って言葉は自分基準の話だから、なるべく使いたくないと思った。
3話目。ブラック春野さんの片鱗が見え隠れする。の巻。
バラが標準装備かよって私も思った(笑)
男慣れしてない子にそんな攻め方したらそりゃ全力で逃げるよ!恐怖だよ!
鹿乃に対する態度って、好意より、好奇心って感じがする。警戒心バリバリの鹿乃に入り込む余地はあるか今後に期待。
最後は真帆&良鷹ミステリー。良鷹の初恋の君の心残りについて。
鹿乃のターンで出せない華族社会の闇とかここで出してくる。姦通罪なんて、もはや携帯で変換もされない言葉だけど、第二次世界大戦の終戦時まで生きてたんだ。
女性の参政権含め、男女平等の歴史が浅いのかと驚く。
こういったダーク要素も、淡々とした態度の真帆の視点だから、ちょっとゾクッとした程度で住んでいる気がする。
恋愛感情は一切ないと言い切った真帆と良鷹のサバサバコンビは続きそうだなぁ。