あらすじ
3年前の8月31日。
突如 『侵略者』の巨大な『母艦』が東京へ舞い降り、
この世界は終わりを迎えるかにみえた――
その後、絶望は日常へと溶け込んでゆき、
大きな円盤が空に浮かぶ世界は
今日も変わらず廻り続ける。
小山門出(こやまかどで)、
中川凰蘭(なかがわおうらん)、
2人の女子高生は
終わりを迎えなかった世界で
青春時代を通行中!
『ソラニン』『おやすみプンプン』の
浅野いにお最新作!
2人の少女のデストピア青春日常譜、開幕。
2024年に幾田りらさん、あのちゃんなど豪華キャストを迎えてアニメ映画化したことで人気が再燃した、浅野いにおさんのSFマンガ。巨大な円盤「母艦」が空中に浮かぶ異質な状況で繰り広げられる、女子高生たちの日常がおかしくも切なくて、ずっと彼女たちがクソ平和な世界で暮らせるようにと祈りながら読みました。いちばん好きなシーンは、主人公の門出が、思いを寄せている担任の先生に、凰蘭のことを「私にとっておんたんは、「絶対」なんです」と言うところ! 「絶対」だと言い切れる唯一無二の存在がいるって、なんて幸せなことだろうとじーんとしてしまいました。すぐにふざけてしまう2人ですが、親のことやこれからのことになると、茶化さずにお互いのことを思っているところが、私がこのマンガを愛する理由です。また、そんな平和な日常を過ごす中で、門出たちを巻き込んで物語はどんどん進んでいきます。なぜ、「母艦」はあの日突然東京の空に現れたのか、侵略者とは何者なのか。最後まで読み切った後、あまりの面白さに放心状態になること間違いなしです。
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良作です。次回映画も見ます。
映画「ガンダムSEED・FREEDOM」を見にいった際、「デデデデ」の予告映像を見て「面白そう」と思って映画を見てきました。
その後、原作1~4巻を読みました。
この作品の構想は、3.11東日本大震災を背景にしているかな、と思います。
作中の「A線」は、原発事故の放射線。
避難者への補償。補償に群がる人。
選挙に立候補する人の公約や、「活動してます」を出している感。
政治のハイクラスな部分は、侵略者を「殺し過ぎずに利用する」ことを考える。兵器開発に税金を投じる理由にする。
市民は危機的状況を感じている人、いない人。まばらなグラデーションが現実味を感じます。
他にもいろいろありますが、現実とリンクして「深い」作品だと思いました。
女子高生らのやり取りは、ほのぼのな感じもあって時折爆笑しました。
大きな変化として、第3巻でキホが亡くなる場面。
キホが亡くなっても明るく振舞うおんたん。「分かってるよ」の叫びは、劇場で見ていて息が詰まりました。
おんたんと兄の会話で「絶望したときの対処方法」がありました。兄の答え「誰かを守る事…」は名言だと思うし、本当にその通りだと思いました。
映画は2024年5月に「後章」が公開されるそうなので、必ず見ます。
Posted by ブクログ
初の浅野いにお作品。長く積読したままだったが新刊購入したので、読んでみた。これが浅野いにおか!と面白さに震える。リアルな背景?風景や独特というか、個性的なキャラクター達。3.11から生まれたのかなと思わせる作品。すごく刺激的でじっくりゆっくり読んでしまった。おんたん、可愛い。
Posted by ブクログ
8月31日に突然円盤がやってきて東京の直上に停止してから3年経っている日常。
すわ侵略か!?となったけど、侵略者は激弱で、人類は滅亡することなく登場人物たちの日々は続いていく。面白かったです。
門出とおんたんを中心とする女子高生たち……おんたんの様子がむちゃくちゃおかしいけど、それでもキラキラ見えるから切ない。風景にはいつも母艦がいて、時折小型艦と自衛隊の戦闘が続いてるなんて、どう考えても先行きが不安です。
おんたんは何故か世界を憎悪してるし、門出は「敵を作って団結してるのが気持ち悪い」となってる。門出の考え、わかる……あと、凛ちゃんの私服がロリィタなのが地味に好き!
説明がないまま世界に放り込まれるのが好みです。じわじわと状況がわかっていく物語、続きも読みます。
(全く関係ないけど生まれが8月31日なのでなんだか嬉しい)
無料の4巻まで読みました。面白い世界観…ってかなんか今現在とちょっと似てるような??なんか頭の中で色々リンクしちゃって、ん?これ今から起きること??とか感じました。侵略者が何者なのか、そしてその侵略者がおそれるモノとは何者なのか、そして…(4巻まで読んだのでそこには描かれてる事)とは??不思議と言うか…なんか妙にリアル。
冒頭の「イソべやん」にハマった。色合いがレトロで味わい深い。某漫画へのオマージュなのか? 個人的には、遠い昔の夏休み最終日の記憶が蘇った。
何だなんだ?
いきなり昭和感満載のドラ◯もんの様な始まりから
女子高生の日常や思春期の揺れ動く話?
かと思いきやSFモノ?
不思議な空気感の中
どうなる?大丈夫?という不安を小さく抱えて読み進んでしまう
その世界観に染まっていく第一巻!!
まだ始まったばかりですが
どうやら日常生活と侵略SFものが両立しているような作品世界ですね。
冒頭の作品とかは昔の藤子タッチっぽまったですね、割とあからさまにドラえもんっぽいですし。
巨大UFOがちょっとエメリッヒの某映画みたいで、やたら精緻に描かれていますね。あの映画は内容が空疎な駄作でしかありませんでしたが、こちらはどうでしょうか?
細かいことですが、女の子が借りた本が某古市氏の本でしたので……この辺の記号、どうかな?といったところですね。