【感想・ネタバレ】GUNSLINGER GIRL(11)のレビュー

あらすじ

水都ヴェネツィアの鐘楼を巡る社会福祉公社と五共和国派の戦い。宿敵・ジャコモ=ダンテ、そしてクローチェ兄弟とその家族の思い出を綴る第11巻。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

最高傑作なんじゃないの?
義体いっぱい、死者いっぱい、アクションいっぱい、
そして核心の過去へ。。。

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2011年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ここまで作風を変化させてきましたか。いや、興味深いです。

 とりあえず表紙の絵のタッチに驚きましたね。
 これまでは繊細な線ながら比較的キッチリとした絵柄で、塗りも基本的に写実的なものだったと思うんですが、少しラフ目な線で味のある絵柄、塗りも幻想的なものとなっていて、かなり大きく変化した印象を受けました。
 いや、作中の絵柄というかコマ割含めた画風が段々変化していってるのにはもちろん気付いていましたけど、その変化の方向性として想定していたものとはやや違っていたこともあって驚きました。

 これは内容的にも同様なんですが、静かに淡々と遠くから眺めるような描かれ方だったのが、かなり強く感情を乗せた描かれ方になってきているんですよね。この傾向自体はここ何巻かで感じていた内容的変化の方向性の延長なんですが、この巻で本格的に効果を上げるようになった……って言い方もなんですが、これまではその変化が本当に良いことなのか疑問にも感じていたのですが、この巻の描写レベルなら文句を付ける気が起きないです。

 以前の作風(トリエラの過去エピソード辺りまででしょうか)って、残酷なメルヘンみたいなイメージでして、非常に悪趣味な設定や展開を、ある程度距離を取った視点から美しく描いてしまうといったもので、本当に綺麗にまとまってしまっているからこそかえってその設定の持つ悪趣味性が浮かび上がって切ない味わいとなる作品だったのですよね。そういう静かに毒を持った美しい作風の作品として非常に完成度高くまとまっていて大好きだったわけです。

 それが段々とキャラクターの内側に寄った温度差の激しい視点で描かれるようになり、生々しい描写が増えたことで、リアルな手応えのある作品となってきたわけです。
 前巻まではその変化に、上記した完成度……というか純度が下がった残念な気持ちも多かったのですが、綺麗過ぎて迫力は出しにくかった作風を変え、この悪趣味な設定の上で存分に感情を乗せて描いたらどんな境地が見えるのか……この巻で楽しみな気持ちの方が上回った感じです。

(2009/07/30 にmixi日記に書いたものを 2011/05/05 に転載)

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2011年05月05日

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