あらすじ
ミリス神聖国の首都ミリシオンで再び誘拐事件に巻き込まれるルーデウス一行。誘拐犯たちのボスの口から漏れた言葉は、「ルディ」という懐かしい言葉だった!? 憧れの「人生やり直し型」異世界ファンタジー第5弾!
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Posted by ブクログ
故郷へ帰る道中今までよりも大きな街に到着したルーデウスたち。そこでまさかの再会を果たす・・・
いやぁ、きつい・・・まさかの再会がこれとは・・・大人は思っているよりも大人でない、なんてことはわかっていますがね。
世の中の親は大変です。でもそれ以上に子どもたちは大変です。
この物語の本質はここにある
無職転生は二つの軸を基準に物語が構成されていると思っています。それは『家族』と『失敗』です。
この物語には完全無欠なヒーロはおらず、それぞれが足りないところを持つ人間です。足りないところのせいで『失敗』してしまう。前世という強い後悔を糧に、もう『失敗』するまいとするルディであっても力不足や不運により『失敗』してしまいます。誰かが『失敗』したとしても、歩み寄り、許し、支え合って再び前進していくという『家族愛』の美しさに焦点をあてた物語がこの巻では描写されています。
再会
ミリス神聖国についたルーデウス一行、大都市に着いたので転移事件のせいで家族やフィットア領の人達に手紙で無事を知らせようと思い、一日休暇にする事に。
しかし、裏路地で人さらいらしき連中を発見し、アジトを突き止めて救出+捕縛しようと尾行して…
しかし、その集団には頬も痩けた実の父パウロがいる事に…
場所を移し自分が今まで何をしていたか問われるルーデウス。
今までの顛末を誇張を交え、心配させないように語るルーデウスだったが、パウロは不機嫌になっていく一方で、ついには親子喧嘩の殴り合いに発展していく…
そして、語られるフィットア領転移事件顛末。
ルーデウスの故郷ブエナ村を含むフィットア領全域の消滅と転移、膨大な犠牲者の数…
人さらい集団はフィットア領の住人の捜索隊で、奴隷にされた者を救出するために最終手段として攫っていた事…
そしてルーデウスの母ゼニス、第二婦人リーリャ、リーリャの娘アイシャ、幼馴染のシルフィ、親しかった人は皆未だに消息不明…
家族で無事なのはパウロと4歳になった妹、ゼニスの娘ノルンだけだと言う絶望的な事実のみ…
すれ違う親子…
正直、見ていられない…
ルーデウスは自分たちの事で精一杯だった…
パウロは追い詰められた精神で、あの天才の息子ならばもっとやれる事はあったはずと過剰な期待を抱いたのだろうけど…
明らかにパウロが悪いと言いたい。
11歳の息子(精神年齢は違うけど…)に何を期待してるのか…
例え転移者を見つけたとしても自分たちの事で限界だって…
パウロの今までの努力は買うけど、まずは無事を喜べよ…
仲直りする時の光景は思わずホロリと来た…
本当にルーデウスは前世と比べ物にならない位に成長している、それも前世の失敗が在るからこそだけれど…
Posted by ブクログ
web版の第5章 少年期 再会編 第四十四話〜間話「ロキシーの帰還」の内容。
番外編1 ドラゴン肉のナナホシ焼き
番外編2 アリエルの死
が書き下ろしで追加されている。
番外編1は、ランドルフのお店の話し。こうゆう閑話もおもしろい。
番外編2は、4巻の番外編の続き。フィッツ先輩が活躍が見えて嬉しい。こう考えると、シルフィの凄さがちゃんとでてる話しが好きなのかもしれない。
ルディとパウロの親子など家族の再構築にフォーカスが当たってる。web版では、最後の食事にエリスが来てなかったけど、書籍版では参加してる。
QRコードのwebアンケート答えると作者のこぼれ話で、パウロのキャラ考察が読めます。
Posted by ブクログ
面白かった。
そして、父親との再会が心に痛い。
これまで故郷に帰る。故郷できっと家族が心配して待ってるだろうという思いで、楽しみながら、ときおり苦しみながら、家族の待つ家をゴールに旅をしてきたルーデウス。
そのゴールが無くなっていた事を知る。
まさか、故郷が吹き飛んでるなんて思わないだろう。
でも、その被災者として歯を食いしばりながらなんとか生き抜いてきたパウロにとって、楽しい冒険旅だったと語るルーデウスに怒りも湧くだろう。
怒りが湧くのは、期待を裏切られたからなのだろう。天才の息子に大きな期待をかけていた。ヤツなら自分より上手くやってくれるだろうと勝手に思っていたのに、その息子はまったくの期待外れ。災害が起きたことすら知らなかったし、調べることもしていなかった。
その怒り、十一歳の息子に向けるべきものではないのにな。
外見だけが子どもの歪な息子。
どんな距離で接すればよいのか、分からないだろう。
息子だけど子供じゃない。
親子としての距離感が、きっと分からない。ノルンと同じように、庇護し危険から遠ざけ、悲しい事には耳を塞いでやる。そうやって守れる子供じゃない。守ることが親の愛情だと思っているのなら、ルーデウスには愛情を注げない。
自分よりも強くて頭がよくて機転がきいて行動力もある。
でも十一歳な幼い息子を、どう愛せばいいのかわからないだろうな、なんて思った。
親からの拒絶に、どん底まで落ち込むルーデウス。親は自分を裏切らないし見捨てないって、心底思っているのだろう。
ルーデウスにとってパウロは父親として見ていない部分が大いにあるけど、でもそれだけショックをうけるということは、なんだかんだ言って、パウロを父親として受け入れていたのだろう。
パウロとルーデウスの父息子コンビは、仲の良い悪ガキ同士みたいで好きなので、読んでいて辛かった。
そして、ノルンが平凡であることに、失望しないパウロっていい父親だと思う。
5巻読みました。
パウロとの再会は喧嘩から始まりましたが,その後の仲直りなど含め2人に成長を感じられ味のあるシーンでした。
Posted by ブクログ
表紙はエリスとルーデウス、父パウロと妹ノルン。
父親と感動的な再会とならず、互いにすれ違っての苦い出会いから始まるが、物語に深みを加えている。
単純ではないストーリー展開はすごいと思うが、登場人物がどんどん多くなり読者はついてこれるんでしょうか?
ネットで読んでれば、閑話や番外で出てくる人物にも興味は持てるが、クリフやアリエル王女など今後の重要人物であり、知らない読者がどこまで受け入れられるか心配。